- 更新日 : 2024年9月11日
会話形式の議事録とは?メリットや書き方・作成のポイントを解説!
会議後の記録として重要な議事録には、会話形式と要点整理形式の2つの主な書き方があります。会話形式の議事録は会議の詳細な流れを把握しやすく、要点整理形式の議事録は重要なポイントを簡潔に伝えやすいのが特徴です。当記事では、会話形式で議事録を作成するメリット・デメリット、会話形式で議事録を作成するときのポイント、書き方などを解説します。
目次
議事録の主な形式2つ
議事録の書き方は、大きく分けて「会話形式」「要点整理形式」の2つがあります。どちらの書き方が適しているかは会議によって異なるため、実施する会議に合わせて使い分けるとよいでしょう。
以下では、会話形式と要点整理形式の特徴を解説します。
会話形式
会話形式は、会議中に交わされた会話を時系列に沿って記録する形式です。会話形式で作成した議事録は、後で読んだときに会議の流れや決定に至るまでの経緯が分かりやすくなっています。誰がどのような発言をしたかが明確に記載されていて、会議の雰囲気も把握できることが特徴です。
ただし、決定事項が多い会議では会話のやりとりが多くなり、会話形式で記録すると議事録の枚数が増えて作成に手間がかかります。重要なポイントが分かりにくいデメリットにも注意してください。会話形式は、特に質疑応答に重点を置いた会議でよく使われています。
要点整理形式
要点整理形式は、会議内容を議題・決定事項・留意事項などの項目で整理して、書面に簡潔にまとめる形式です。箇条書きなどを用いてまとめるため、会議の重要なポイントがすぐ分かるというメリットがあります。
デメリットは、会議の雰囲気や時系列などが書面から伝えられない点です。要点整理形式は、会議の内容を読み手へ簡潔に伝えられるため、多くの会議で使われています。
会話形式で議事録を作成するメリット
会話形式の議事録は、要点整理形式と比べると使われるケースが少ないものの、質疑応答が多い会議などではメリットを生かすことが可能です。
ここでは、会話形式で議事録を作成するメリットを2つ紹介します。
会話内での発言者が明確に分かる
会話形式で議事録を作成する場合、発言者と発言内容を併記して記録するため、会話内での発言者が明確に分かります。「誰がどのような意見を言ったか」「提案を誰が行ったか」が分かり、責任の所在をはっきりとさせることが可能です。
また、規模の大きい会議ではさまざまな意見が飛び交い、参加者であっても会話内容を正しく記憶できていないケースが少なくありません。会話形式の議事録を作成すると、発言に関する誤解や混乱を避けられます。
会議の雰囲気や会話の流れが伝わりやすい
会話形式の議事録は会話が時系列に沿って記録されていて、会話の流れが読み手に伝わりやすい点がメリットです。議題の展開や発言のタイミング・熱量も分かり、議事録を読むだけで会議の雰囲気を共有できます。
特に会議の未参加者が読み手である場合、議事録に要点だけが書かれている要点整理形式では会議の過程を把握できません。会話形式の議事録であれば、会議で行われた意思決定の過程を分かりやすく伝えられます。
会話形式で議事録を作成するデメリット
会話形式の議事録にはいくつかのデメリットもあるため、会話形式を採用する場合はデメリットが問題とならないかを注意しましょう。
ここでは、会話形式で議事録を作成する2つのデメリットを紹介します。
会議の要点が伝わりにくい
会話形式の議事録には会話が連続して記載されます。議事録全体を読めば会議の流れを追えるものの、軽く目を通すだけでは会議の要点が伝わりにくい点がデメリットです。
読み手が会議の要点をつかむには議事録の大部分を読む必要があり、読み手にかかる負担も大きくなります。会議の要点のみを確認したい場合、会話形式は向いていない方法です。
文章の調整や再整理に時間を要する
会話形式の議事録には、会議中の発言内容を詳細に記録するだけでなく、文章の調整や再整理も行わなければなりません。会話内にある「あー」や「えっと」といったフィラーの省略や、文末を読みやすいように修正する作業が発生し、文書化に時間がかかるデメリットがあります。
特に会議の時間が長かったり、参加者が多かったりする場合、会話形式で作成する議事録は膨大な量になります。議事録作成者にとって、会話形式での議事録作成は手間と時間がかかる作業です。
会話形式で議事録を作成するときのポイント
会話形式で議事録を作成するときは、誰が発言したかを含めて、できる限りすべての内容を書面に記録することが大切です。
ここからは、会話形式で議事録を作成するときのポイントと、何に注意するべきかを解説します。
発言者が誰なのか明確にする
会話形式の議事録に記録する発言は、「発言者が誰なのか」を明確にしましょう。発言者の名前を書いて、発言内容を併記すると、発言者と発言内容の紐付けができます。
・書き方の例
鈴木「今回の会議では○○について話し合います。それでは高田さん、現状の確認をお願いします。」高田「はい。皆さん、こちらのスライドにご注目お願いします。」
発言者が誰なのかを明確にすることで、誰がどのような発言をしたかが議事録で明確に分かり、会議の流れや雰囲気も伝えられます。
重要なポイントを聞き逃さないようにする
議事録を作成する際は、重要なポイントを聞き逃さないようにしましょう。会議の内容をレコーダーなどで録音するだけでなく、重要なポイントは会議中にメモを取っておくことがおすすめです。
重要なポイントとは、金額・日付といった数字、プロジェクト名や担当者の氏名などです。万が一、発言が聞き取りづらかったり、録音を聞いても分かりにくかったりした時は、発言者に確認を取る必要があります。
会議の要点を箇条書きで別途記載する
会話形式の議事録は、そのままでは会議の要点が伝わりにくい点がデメリットです。会話形式のみを使うことにこだわらず、会議の要点を箇条書きで別途記載すると、読み手に要点を伝えられる議事録を作成できます。
箇条書きの記載場所は、議事録の冒頭にするとよいでしょう。議事録の冒頭は読み手が最初に目を通す部分であり、議事録全体を読む時間がない人も要点を簡単に把握できます。
分かりやすい文体に整える
会話形式の議事録は、基本的に発言内容をそのまま記載するものの、「えー」「あー」といったフィラーも記載すると冗長な表現が多くなります。不要な言葉や表現は削除して、分かりやすい文体に整えることが大切です。
また、発言者によっては口調が異なり、発言が「ですます」調であったり、「である」調になっていたりするケースがあります。議事録に口調を反映させる必要はないため、文末表現もなるべく統一してください。
会話形式の議事録の書き方
会話形式の議事録を作成するときは会議の録音から文字起こしをして、文章のチェックやポイントの整理、関係者への情報共有までを行う必要があります。
以下では、会話形式の議事録の書き方を手順ごとに分けて解説します。
会議の内容を録音する
議事録作成の準備として、会議の内容を録音します。録音をすることで会議全体を音声で記録できて、後で議事録を作成するときの文字起こしや、繰り返しでの再生による内容確認に活用できます。
録音に使用する機材はボイスレコーダー・ICレコーダーや、スマートフォンのアプリなどです。録音中に電池が切れないよう、事前準備として録音機器の充電を済ませましょう。また、会議中は重要なポイントのメモを取ることも忘れないようにしてください。
会議の発言・会話を文字起こしする
録音した内容とメモを使って、会議の発言・会話を文字起こしします。文字起こしの際は、名前と発言内容を紐付ける形式で書くことが大切です。
また、発言の流れが時系列に沿っているかも確認しましょう。会議の冒頭から結論までの流れを議事録に書き起こして、文字起こしは完了です。
文章を再整理・チェックする
議事録の正確性を高めるために、文字起こしした文章を再整理・チェックします。文章の再整理・チェックの際は下記のポイントを押さえましょう。
- 議事録の内容に漏れがないか
- 会議の流れや議論内容、決定事項が正確に記載されているか
- 文法の間違いや同音異義語の使い分け、誤字脱字がないか
- 専門用語や固有名詞の使い方に間違いはないか
録音を聞きながら再整理・チェックを行うと、会議内容との整合性を取りやすくなります。
重要なポイントをまとめる
会議の重要なポイントをまとめて、議事録の冒頭などに箇条書きで記載します。特に強調したい文字・文章には、太字や下線を使って装飾することがおすすめです。
重要なポイントについては、会議のどの部分で出てきたかを議事録のページ数も添えて書くと、読み手が重要なポイントが決定した流れを確認しやすくなります。また、会議名称・目的や開催場所と日時、会議参加者の名前といった会議情報も書き忘れないようにしてください。
関係者に議事録を共有する
議事録が作成できたら、関係者全員に議事録を配布・共有します。関係者とは、会議の参加者や責任者、未参加であったものの会議内容の情報を必要としている方です。
議事録を関係者と共有することで、会議内容や結論について同じ認識を持てるようになり、情報の齟齬をなくせます。議事録に次回の開催予定を記載している場合は、議事録の共有によって次回の開催日時・場所の伝達も行えるでしょう。
効率よく議事録を作成するにはテンプレ・議事録作成ツールの活用も
会話形式の議事録は書く内容が多く、議事録作成に多くの手間と時間がかかります。時間短縮して議事録を作成するには、議事録のテンプレートや議事録作成ツールの活用がおすすめです。
議事録のテンプレートは、議事録に記載する項目ごとにあらかじめ記入欄が用意されています。会議の内容に沿って記載するだけで、議事録を作成することが可能です。
もう1つの議事録作成ツールは、議事録作成をサポートしてくれるツールです。特に手間がかかる文字起こし作業には、自動の文字起こしツールやAIによる文字起こしが可能なツールを利用するとよいでしょう。
議事録作成ツールを活用すると、議事録作成の省力化ができて、さまざまな社内会議・商談で議事録が残せるようになります。ツールで作成した議事録データはパソコンに保存されるため、関係者への共有がデータ送信で簡単に行える点もメリットです。
議事録作成ツールによって会社内で議事録のスムーズな運用が可能となり、会議の情報を活用した業務実行・経営が実現できます。
議事録のテンプレート(無料)
以下より無料のテンプレートをダウンロードしていただけますので、ご活用ください。
会話形式の議事録は会話の流れを時系列に沿って記録しよう
会話形式の議事録は、会議の詳細な流れを記録するのに適しており、要点整理形式の議事録は重要なポイントを簡潔にまとめるのに役立ちます。会話形式の議事録を作成する際は、発言者を明確にするほか会話の流れを時系列に沿って記録し、分かりやすい文体に整えることが大切です。読みやすくするためには、議事録の冒頭に会議の要点を別途まとめるのもポイントです。
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