- 更新日 : 2024年10月17日
マニュアル作成のコツとは?失敗しない手順や書き方、運用をわかりやすく解説
マニュアル作成をする際には、フォーマットの統一や目次の設定、作業手順の時系列表示などが重要です。この記事では、マニュアル作成の目的やコツなどについて解説しています。また、マニュアル作成で役立つおすすめのツールも取り上げているため、ぜひ参考にしてください。
目次
マニュアル作成の目的とは?
マニュアル作成には、いくつかの目的があります。
例えば、指導をする人がいなくても仕事を回せるようにすることです。業務の進め方に関するマニュアルがあれば指導者がいなくても作業を進められます。
また、業務効率化を目的として作成することもあります。初めて行う作業でもマニュアルがあればそれに沿って行えるため、作業にかかる時間を短縮できるでしょう。
さらに、ノウハウを共有することを目的としてマニュアルを作成することもあります。作業のコツや知見を言語化して残しておくことで、担当者が異動したり退職したりしたときの影響を最小限に抑えられるでしょう。
わかりやすいマニュアル作成のコツ
ここではわかりやすいマニュアルを作成するために押さえておきたいコツを紹介します。基本的なポイントを取り上げているため、ぜひ参考にしてください。
フォーマットやデザインを統一する
マニュアル作成にあたっては、フォーマットやデザインを統一し、見やすいものにすることが大切です。例えば、レイアウトに規則性がないとどこに何の情報があるのかわかりにくくなってしまいます。パッと見て読みにくく、内容がわかりにくいマニュアルは活用されないでしょう。
目次で内容が把握できるようにする
マニュアルの最初に目次を作成しておくことも大切です。マニュアルを読む場合、一から全てのページを読むのではなく、特定の情報のページのみを必要としているケースは少なくありません。そのため、目次を設定し、必要な情報がどこにあるのかわかりやすくすることで使い勝手が良くなります。
どこに何が書かれているか検索しやすくする
情報を検索できれば、必要な情報にすぐにアクセスできるため、ユーザーにとってより使いやすいマニュアルとなります。ただ検索ができればいいというわけではなく、情報にうまくヒットしなかったり、関係ない情報にヒットしてしまったりすると読み手はストレスを感じます。検索機能に優れているマニュアル作成ツールを使用するなどして、検索性を高めるのがポイントです。
作業手順は時系列で整理する
作業手順を解説する場合、時系列に沿って情報を提示しましょう。時系列がバラバラだと作業の流れがわからないだけでなく、マニュアルを行ったり来たりしながら読み進めなければならず、効率が悪くなります。
読み手を意識する
読み手にとって読みやすいマニュアルにするためには、文章が長くなりすぎないようにしなければなりません。重要な情報はしっかりと盛り込みつつも、不要な情報はできるだけ削除し、簡潔でわかりやすい文章を心がけましょう。
専門用語を避ける
マニュアルを読むのは、業務の経験が浅い人たちが中心であるため、専門用語の使用は避けましょう。専門用語を多用するとマニュアルを読んだだけでは理解できず、言葉の意味を調べる手間がかかるため、効率が悪くなります。そのため、できるだけわかりやすい言葉に言い換えるようにしてください。どうしても使用しなければならない場合は、意味を併記する・注釈を入れるなどの方法をとりましょう。
図解や画像を入れる
文章だけのマニュアルだとわかりにくくなる恐れがあるため、適宜イラストや画像を挿入して視覚的にも理解できるようにしましょう。例えば、機械の操作手順を解説する場合、実際の機械の写真を使いながら解説した方がわかりやすく、認識の齟齬も防げます。
完璧を目指さない
マニュアルは完璧なものを作成しなければならないわけではありません。なぜなら業務環境は日々変化しており、作成時点では完璧なマニュアルであっても、時間が経過すると情報が古くなる可能性があるためです。そのため、わかりやすいものにすることを忘れないようにしつつも、都度更新することを前提に作成するようにしましょう。
マニュアルの無料テンプレート
マネーフォワード クラウドでは、マニュアルの無料テンプレートをご用意しております。ご自由にダウンロードしていただけますので、ぜひお気軽にご利用ください。
マニュアル作成の書き方のコツ
ここではマニュアルの書き方のコツを紹介します。先ほど紹介した作成のコツとあわせて、ぜひ覚えておいてください。
目的を明確にする
まずはマニュアルの目的を明確にしておく必要があります。目的のない状態でマニュアル作成にとりかかっても、ユーザーのニーズに沿った内容になりにくく、作成しても活用されない可能性が高いでしょう。作成に着手する前に、いつ・どのような場面で・誰が使用するマニュアルなのかをはっきりさせておいてください。
手順を明確にする
マニュアル作成にあたっては、体調となる業務の手順を洗い出し、時系列に沿って書いていくことが大切です。担当者や上司を交えながら、手順を全て洗い出して整理するようにしてください。手順を整理していく中で、不要な手順が見つかるケースもあります。また、手順に抜け漏れがあるとマニュアルが機能しないため、確認作業は入念に行うことが大切です。
ケーススタディを用いる
ケーススタディを用いることもわかりやすさにつながります。マニュアルを必要とするシーンにおけるケーススタディをいくつか用意しておけば、よりリアリティがあり使いやすいマニュアルが作成できるでしょう。
マニュアル作成の手順
ここではマニュアル作成の具体的な手順を紹介します。何から取り組めばいいのかわからない人はぜひ参考にしてください。
目的の設定
先ほども説明しているように、マニュアル作成にあたっては目的の設定が欠かせないため、最初に目的を決めましょう。どのような場面で、誰に読んでもらいたいマニュアルなのか具体的な目的が決まれば、マニュアルの内容もある程度絞ることができるでしょう。
作成スケジュールを決める
目的を設定したら、マニュアルの作成スケジュールを決めていきます。情報の整理や見出しの設定など作成にかかる時間はどのくらいか検討したうえで、スケジュールに落としていきましょう。また、一度で完成形を作るのではなく、ブラッシュアップしながらより精度を高めていくことも考慮して、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
全体像の検討
スケジュールが決まったら、実際に作成作業に入ります。まずはマニュアルの全体像を決めなければなりません。これは、マニュアルのタイトルや見出しなどのことです。マニュアルの土台となるものであり、わかりやすさにもつながる部分であるため、読み手の目線に立って丁寧に行うようにしましょう。全体像が決まれば書く内容も決まってくるため、あとは内容に沿って必要な情報を書き込んでいきます。
運用開始
マニュアルが完成したら、実際に運用を開始します。社内の関係部署やチームなどにマニュアルを展開し、マニュアルのフローに沿って作業を進めてもらうように周知しましょう。
マニュアル作成後の運用のコツ
ここではマニュアルを運用する際のコツを紹介します。マニュアルをより効果的に活用するためのポイントを取り上げているため、参考にしてください。
定期的に内容を更新する
マニュアルは一度作成したとしてもそれで終わりではありません。先ほども説明しているように、業務環境が変化することでマニュアルの内容も変更しないといけなくなる可能性があります。そのため、作成したマニュアルは定期的に見直し、必要に応じて情報を更新するようにしてください。
変更内容を共有する
マニュアルの情報を更新・変更した場合、その内容を共有することを忘れないでください。更新した際は、変更内容も伝えましょう。情報を共有されて初めて、変更があったことに気づく人もいると考えられます。
クラウドで管理する
マニュアルの作成・管理にあたってはITツールの活用がおすすめです。例えば、クラウド上でマニュアルを作成・管理することでより効率良く運用できます。クラウド上であれば、オフィスはもちろん、自宅や外出先などからでもインターネット環境があればマニュアルにアクセスできるため、より利便性が高まるでしょう。
マニュアル作成ツール・アプリ
ここではマニュアル作成に活用できるツールやアプリを紹介します。何かしらのツールを導入したいもののどれにすればいいのか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
なお、掲載している内容は2024年3月18日時点の情報です。
Excel(エクセル)
エクセルは表計算ソフトであり、計算作業やデータ集計、グラフ作成などを行う際に使用します。マニュアル作成に特化したツールではありませんが、マニュアル作成時にも活用可能です。エクセルの場合、図やグラフの種類が豊富であるため、視覚的にもわかりやすいマニュアルを作成できるでしょう。また、タブが利用できるため、作業内容ごとにマニュアルを分けることもできます。
出典:Excel
PowerPoint(パワーポイント)
パワーポイントもマニュアル作成に特化したツールではありませんが活用可能です。パワポには無料のテンプレートが多数あるため、それを活用して作成することもできます。また、多くの企業で使用されているツールであるため、普段から業務で使い慣れている人も多いでしょう。
出典:PowerPoint
Googleスプレッドシート
Googleスプレッドシートは、Googleが提供する表計算ソフトです。エクセル同様グラフや図を取り入れたマニュアル作成に適しています。オンライン上のサービスであるため、インターネット環境があればどこからでもアクセスできる点も魅力的です。
NotePM(ノートピーエム)
NotePMは、Web上でナレッジを蓄積できるツールです。Wikipediaを作成するような感覚でナレッジを書き込んでいきます。テンプレートも用意されているため、マニュアルのフォーマットを揃えることも可能です。さらに検索にも対応しているため、必要な情報にすぐにアクセスできるでしょう。
出典:NotePM
Welog(ウィーログ)
ドキュメント作成ツールであるWelogは、マニュアル作成にも活用可能です。作成したドキュメントはクラウド上に保管されるためテレワークをしている人にとっても使いやすいでしょう。検索機能に対応しているほか、更新を1クリックで簡単に通知できるため共有も簡単です。
出典:Welog
マニュアル作成・運用の失敗例
ここではマニュアル作成の失敗例を紹介します。失敗を反面教師にし、自社の運用にいかしてください。
マニュアル作成後放置されている
マニュアルを作成したものの、その後はそのまま放置されているケースは少なくありません。マニュアルの作成後も定期的に見直し、必要に応じて更新作業を行ってください。更新作業がないと、せっかく作成しても情報が古く役立たないマニュアルになってしまいます。
一人だけに任せている
マニュアルの作成作業を一人に任せていると失敗する恐れがあります。これはマニュアルの作成は意外と手間のかかる作業であるためです。他の業務をこなしながらマニュアルを作成するとなると、なかなか作成作業が進まない恐れがあります。場合によっては途中で頓挫することもあるでしょう。
見にくい・わかりにくい
読んでいる人にとってわかりにくいマニュアルだと活用されなくなります。内容を整理してシンプルでわかりやすい表現を心がける、図表や画像を用いて視覚的に理解できるようにするなど、見やすさ、わかりやすさを意識して作成しましょう。
マニュアルが「十分に揃っていない」と回答した企業が7割超
2023年1月実施のサイトエンジン株式会社の調査によると、マニュアルが「十分に揃っていない」と回答した企業は7割を超えています。マニュアルが十分であると回答している企業は約2割にとどまっていることから、企業でマニュアル作成が十分に行われていないことがわかります。
また、「2・3か月に1回以上マニュアルの不備でクレームが発生している」と回答した企業が6割以上、「マニュアルの作成時間が足りない」と答えた企業が3割以上を占めるなど、マニュアルの作成や運用に関して多くの企業が悩みを抱えているようです。
マニュアルを作成して業務効率を高めよう
マニュアルを作成することで、指導者がいなくても業務を回せるようになるほか、業務効率化の実現にもつながります。マニュアルを十分に活用してもらえるよう、必要な情報を盛り込みつつも無駄を省き、シンプルでわかりやすい文章を心がけましょう。また、ツールを活用することでよりマニュアル作成・運用が行いやすくなるため、自社に合ったツールの導入を検討してみてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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