- 更新日 : 2024年7月3日
HackMDとは?社内での活用例、使い方や料金、他ツールとの違いを解説
近年、Markdown記法に対応したドキュメントツール「HackMD」を使って、議事録のメモや社内wikiを作成する企業が増えています。しかし、HackMDの使い方や料金がわからず、導入を躊躇している方も多いのではないでしょうか。
本記事では、HackMDの使い方や料金、社内での活用例を中心に解説します。
目次
HackMDとは?
まずはHackMDの概要を解説します。
概要を理解したうえで、機能や特徴についてみていきましょう。
Markdownでのメモ作成・共同編集ツール
HackMD(ハックエムディー)は、2017年に台湾で設立されたHackMD社が運営する、Markdown記法でドキュメントを共同編集できる社内情報共有ツールです。
Markdownで書かれたドキュメントをスマートフォン、パソコン、タブレットなどさまざまなデバイスからリアルタイムで共同編集できる点が特徴です。
アプリをインストールする必要はなく、ブラウザを開いてすぐに利用できます。
Markdownとは?
Markdown(マークダウン)とは、マークアップ言語と呼ばれる文書を記述するための記法のひとつです。
Markdownを使うことで、見出しや箇条書きなどの文字装飾が簡単に行えるため、読みやすい文章をすばやく効率的に作成できるようになります。
時間をかけずにわかりやすく書けることから、会議の議事録や社内ドキュメント、自分用のメモの作成まで幅広く役立ちます。
HackMDの機能・特徴
HackMDの主な機能と特徴は、以下のとおりです。
- Markdownドキュメントの同時編集
- GitHubと同期
- スライド編集
- ブック機能
それぞれの機能と特徴をひとつずつみていきましょう。
Markdownドキュメントの同時編集
HackMDは、Markdownで書いたドキュメントの同時編集が可能です。複数の人々とリアルタイムでコメントや修正が行えますので、効率的に作業を進められます。
GitHubと同期
HackMDで作成したドキュメントは、GitHubのMarkdownファイルとの同期が可能です。
スライド機能
スライド機能を使うと、作成したドキュメントをスライド形式で表示できるため、簡単にプレゼン用のスライドが作れます。
ブック機能
ブック機能では、Markdownを使ったドキュメントの分類・管理が可能です。関連するドキュメントをわかりやすく管理するのに役立ちます。
HackMDの使い方
HackMDの基本的な使い方を解説します。
HackMDをスムーズに使いこなすためにも、以下の手順を把握しておきましょう。
ログインする
まずは、HackMDの公式Webサイトからログインを行います。
Google、Facebook、Twitter(現X)、GitHub、Dropboxのアカウントを所有していれば、簡単にログインできます。
ドキュメントを作成する
ログインができたら、画面中央部の「メモを作成」ボタンをクリックして、新しいドキュメントを作成します。
メモが作成され、左にドキュメントの編集画面、右にプレビュー画面が表示されます。
左上のツールボックスをクリックするとコードが自動で入力されますので、右のプレビュー画面を見ながら作成されたコードに沿って文章を書いていきましょう。
ドキュメントに画像挿入をする
続いて、ドキュメントに画像を挿入してみましょう。
手順はいたってシンプルで、編集画面の上部にある「画像挿入」のアイコンをクリックし、挿入したい画像を選択するだけです。
無料ユーザーは1MBまでの画像しかアップできない点は留意する必要があります。
ドキュメントを保存する
ドキュメント作成が終われば、ユーザー権限の割り当てをして保存します。
ユーザー権限の設定から保存までの流れは、以下のとおりです。
- 画面右上の「Share」をクリックする
- 「閲覧可能」なメンバーと「編集可能」なメンバーを3つの段階(ドキュメントの所有者、ログイン済みのユーザー、全員)から割り当てる
- 「Share」ボタンの横にある「・・・」をクリックし、希望の保存先を選択してドキュメント保存は完了
DropboxやGoogle Drive、Gistに直接エクスポートできるほか、MarkdownファイルやHTMLとしてもダウンロードできます。
GitHubと連携する
HackMDとGitHubを連携する方法は、以下の手順で行います。
- HackMDアカウントの「設定」をクリックし、「GitHub」「Authorize hackmdio」の順に選択
- GitHubに保存したいドキュメントの編集画面を開き、右上の「・・・」をクリックして「バージョンをGitHubと同期」を選択
- 「GitHubからプッシュ」をクリックし、「切り替え」を選択
- 必要に応じて「Repo」「ブランチ」「同期したいファイル」を選択し、最後に「プッシュ」をクリックして連携は完了
以上でGitHubとの連携が完了し、HackMDで作成したドキュメントをGitHubに保存できるようになります。
社内でのHackMDの活用例
社内でのHackMDの活用例を5つ紹介しますので、導入後のイメージに役立ててください。
議事録の作成
HackMDは、Markdownを使った見やすい構成の議事録作成に役立ちます。会議と並行して、複数人で同時に議事録の作成・編集が可能です。
プレゼンの資料作成
プレゼンの資料作成にも、HackMDは最適です。搭載されたスライド機能によって、簡単にMarkdownドキュメントからプレゼン用のスライド資料が作れます。
社内のナレッジ共有
企業にあるナレッジをHackMDに記載して、社内のメンバーと簡単に共有できます。ブック機能でマニュアルやWiKiを作成しておけば、業務上で必要な情報をすぐに探し出せるので便利です。
プロジェクト管理
HackMDは、ドキュメントをリアルタイムで共同編集できるため、プロジェクトに関する情報の一元管理に役立ちます。HackMDでチームとメモを共有すれば、メンバーの作業状況を一目で把握できます。
技術メモ
HackMDは、Markdown記法に対応しており、技術者が技術メモを残すのに有用なツールです。技術メモを含むデータの保管場所として重宝するでしょう。
HackMDがおすすめな企業
HackMDがおすすめな企業としては、システムエンジニア、プログラマー、ライターなどを抱えるIT企業が挙げられます。
Markdown形式に慣れている技術職の方がHackMDを使えば、文章作成のスピードが格段にアップし、作業効率の向上に大きく役立つでしょう。
HackMDの料金プラン
HackMDには、以下3つの料金プランが用意されています。
無料プラン | プライムプラン | 企業プラン | |
利用料金 | 無料 | $5 USD(1人/月額) | 要問い合わせ |
メモ招待人数 | 3人まで | 上限なし | 上限なし |
カスタムテンプレート数 | 3つまで | 上限なし | 上限なし |
メンバーの権限設定 | 不可 | 可能 | 可能 |
内容検索 | 不可 | 可能 | 可能 |
以上のように、無料プランはメモの招待人数やメンバーの権限設定に制限があります。
「4人以上で共同編集したい」「メンバーの権限設定を割り当てたい」といった場合は、有料プランへの加入が必須です。
HackMDを利用する際の注意点
HackMDを利用する際は、以下の点に注意が必要です。
- Markdownを使いこなせないと難しい
- タスク管理には向いていない
- 一般公開してしまう可能性がある
それぞれの注意点を解説します。
Markdownを使いこなせないと難しい
HackMDは、Markdown記法でメモを取ることを前提としたツールです。
Markdownに慣れていないメンバーが多い場合は、HackMDを使いこなせず、ツールが持つ能力を十分に引き出せない可能性が高いでしょう。
タスク管理には向いていない
HackMDには、タスク管理機能が備わっていません。
複数人で共同作業をしている際に、メンバーのタスク内容を逐一把握するのに手間を要します。
一般公開してしまう可能性がある
MackMDでは、作成した文書を簡単に一般公開できます。
しかしながら、作成したメモを意図せず一般公開してしまい、機密情報がGoogle検索によって閲覧されてしまうといったトラブルも発生しています。
メモを共有する場合は「公開をキャンセル」の設定になっているか必ず確認しましょう。
HackMDと他のメモツールとの違い
HackMDに似たツールとして「Google Document」「Dropbox Paper」の2つが挙げられますが、どのような違いがあるのでしょうか。
それぞれのツールの違いをみていきましょう。
GoogleDocument
HackMDとGoogle Documentの違いは、すべてのMarkdown記法に対応しているか否かです。
共同編集が可能なGoogle Documentは、2022年3月よりMarkdown記法の一部に対応し、非常に使いやすいツールのひとつとなりました。
しかし、すべてのMarkdown記法には対応しておらず、使えないものもあるため注意が必要です。
Dropbox Paper
Dropbox Paperは、Markdown記法に対応しており、HackMDと同じく複数人でのドキュメント作成に便利なアプリです。
HackMDとDropbox Paperの違いは、HackMDには「Chromeの拡張機能が使える」「ノートにタグをつけられる」といったDropbox Paperにはない機能が備わっている点です。
どちらもMarkdown記法に対応した高品質なツールです。実際に利用してみて、使い勝手を判断するとよいでしょう。
HackMDを活用して業務効率化を図ろう
本記事では、HackMDの使い方や料金、利用する際の注意点などを解説しました。
HackMDは、Markdownドキュメントを複数人で同時編集できるだけでなく、Markdownを使った効率的な議事録作成やプレゼンのスライド資料作成に役立つツールです。
ブラウザを開いてすぐに利用できますので、ぜひHackMDを活用して業務効率化に役立ててみてください。
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