• 作成日 : 2024年1月23日

it化とは?デジタル化との違いやメリット・デメリット、成功事例を紹介

it化とは?デジタル化との違いやメリット・デメリット、成功事例を紹介

IT化とは、Information Technologyを略称した情報技術の導入を意味し、今日ではあらゆる分野でIT化を導入しています。今回は、DXやデジタル化との違いや、企業が取り組むメリットなどを解説します。IT化を進めるうえでのポイントも紹介するので、IT教育を検討している企業担当者は、お役立てください。

IT化とは?

ITは、Information Technologyの頭文字を略した言葉です。和訳では、情報技術という意味になるでしょう。IT化は、さまざまな活動に情報技術を導入することです。例えば、企業が情報技術の導入で、パソコンやインターネット環境を整備する取り組みは、IT化に該当します。

また、インターネットを介して相手とやり取りする場合は、セキュリティ対策も検討するでしょう。セキュリティ対策もIT化に該当します。

DX化との違い

独立行政法人中小企業基盤整備機構では、IT化とDX(デジタルトランスフォーメーション)化の違いが「視点にある」と伝えています。

IT化は、社内を見据えた視点です。社内において、情報技術の活用で業務効率化を目指します。DXは、市場や社会を見据えた視点です。ITを含めたデジタル技術を活用してビジネス変革で新たな価値を創造します。

IT化は、会社において日々の業務を情報技術の導入で効率化させることです。一方のDXは、IT化も含むデジタル技術を使ったビジネス全体の変革です。つまり、DXの中にIT化が存在するとも判断できます。

DXは、すでにITが導入されている事業を、より価値の高い(成果の出る)事業へと変革する活動です。表現を換えると、IT化は戦術であり、DXが戦略ともいえるでしょう。

デジタル化との違い

デジタル化は、デジタル技術の導入を意味します。デジタルの対義語がアナログと考えれば、デジタル基盤を使ったシステムはデジタル化と考えられるでしょう。

総務省によると、デジタルとは「0」か「1」のどちらかで表す定量的な判断と説明しています。デジタルは、アナログのような曖昧な状態ではなく、「0」か「1」の2進数で置き換えたデジタルデータで表現する状態です。その論理を活用した技術がデジタル技術であり、デジタル技術の導入がデジタル化となるでしょう。

IT化とデジタル化は、どちらもデータを活用した技術であるため、区別しにくいものです。

例えば、デジタル化は紙面上のアナログ情報を撮影して、画像ファイルやPDFファイルに変換することではないでしょうか。IT化は、そのデジタル化された情報を自動で収集し、自動実行する取り組みとも考えられます。

デジタル化・IT化の具体例

ここでは、デジタル化やIT化について、具体的な活用例を解説します。

マニュアル作成ツールですぐに更新・情報共有

マニュアル作成ツールの導入は、デジタル化やIT化の例の一つです。マニュアル作成は、WordやPowerPointなどのビジネスツールで作るケースも少なくありません。しかし、ビジネスツールの活用は作成者のスキルに左右されることも考えられます。

マニュアル作成ツールの場合は、テンプレートの利用や操作手順書の自動作成などを使えます。テンプレートや自動作成機能の利用により、更新作業も迅速になるでしょう。また、作成したマニュアルをデジタル技術で公開できる点は、情報共有の効率化となるIT化に相当します。

請求管理システムで業務の負担軽減

請求管理システムは、見積書請求書に関する一連の作業で活用します。活用することで経理担当者の業務が軽減できるでしょう。アナログな請求管理業務の場合は、作成や印刷、送付などの手間がかかります。それら一連の作業は、請求管理システムの導入でIT化することにより、業務の負担を軽減できます。

給与計算システムで給与計算業務を自動化

給与計算は、紙の給与明細や従業員の労働時間を照合するなどの業務に時間がかかりがちです。給与計算業務のIT化は、一連の業務を自動化により実現します。例えば、給与明細をWeb経由で発行したり、既存の勤怠システムと同期したりするなどして効率的に処理できるようになるでしょう。

契約書管理システムで手続きがスピーディー

デジタル化やIT化には、契約書管理システムの活用も該当します。契約書管理システムは、契約書のデータ化や更新期限の管理、権限の管理などの業務効率化が可能です。契約書は、アップロードしたPDFファイルから自動でテキスト化されるため、手続きを迅速に進められます。

クラウドサービスの活用でテレワークを推進

クラウドサービスは、デジタル化やIT化に欠かせないデジタル技術です。コロナ禍で需要が拡大したテレワークは、クラウドサービスにより実現したと言っても過言ではありません。クラウドサービスの活用は、在宅中でも営業や会計、開発業務などを可能にします。

クラウド環境は、アクセス権のあるメンバー同士でリアルタイムに共同作業ができます。テレワークは、移動時間や出社時間などを削れる点がコスト削減にもなるでしょう。また、クラウドサービスは、企業が自社で管理しない外部のハードウエアやインフラ機能を使う取り組みです。企業の情報資産を管理する目的でも活用されています。

IT化を進めるメリット

IT化を進めることは、次のメリットに期待できます。

人材不足に対応する

IT化は、デジタル技術の導入によって業務効率化を図ることであり、人材不足への対応にもなるでしょう。

日本商工会議所と東京商工会議所が行った『人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査』によると、2022年に人材不足を課題としている企業が中小企業全体の68%という結果となりました。

また、人材不足の職場の適正人員の調整にもIT化が対応でき、定型作業の自動化により、必要人数の見直しが期待できるでしょう。

参考:日本商工会議所|「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」 の集計結果について ~中小企業の7割近くが人手不足、8割強が仕事と育児の両立推進が必要と感じていると回答~

生産性を向上させる

IT化は、生産性の向上にも役立ちます。情報技術の活用は、さまざまな業務を効率化します。

  • 顧客ニーズに向けたタイムリーな対応
  • 在庫の把握と削減
  • 自動化による納期短縮
  • 生産工程の見直し
  • 流通経路の最適化
  • 効果的な販売方法

これらを効率的に実行できれば、生産性の向上が見込めるでしょう。

社内情報を一元管理できる

IT化は、部署ごとが抱える社内情報などの一元管理を実現します。社内情報をデータ化することでアナログ業務からの脱却ができ、保管場所にも困らなくなるでしょう。社内情報の一元管理は、データの検出や共有などを効率化できます。

ペーパーレスによるコスト削減を図る

IT化は、ペーパーレス化を進めることで、発注書や請求書、契約書などの紙書類の廃止にもつながります。ペーパーレス化にすることで、紙や印刷などの物理的なコストだけではなく、書類管理に携わってきた担当者の作業負担も削減できるでしょう。

ビジネスの拡大につながる

IT化は、ビジネスの拡大につながる要素のある取り組みです。企業の情報発信は、IT化により、情報収集や情報交換の頻度を高められます。情報発信力が高まれば、取引先や顧客との接点も増え、ビジネスチャンスは拡大するでしょう。

テレワークなど多様な働き方へ対応できる

IT化は、テレワークなどの多様な働き方への対応としても役立ちます。IT化にひもづく働き方改革は、労働者個々の事情に応じた多様な働き方を実現する目的で施行された改革です。自宅からクラウドサービスにアクセスして、業務ができるという働き方も多様な働き方の一つといえるでしょう。

IT化によるデメリット

IT化は、メリットだけではなく、注意すべき点もあります。

ITに精通した人材が必要になる

IT化を進めるには、ITに精通した人材の確保が必要です。経済産業省が2016年に公表した『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』によると、2030年の国内におけるIT人材不足は、約59万人と報告されています。人材不足が深刻な課題であれば、IT人材の育成も考えなければなりません。IT人材を社内で育てるか、外部企業に依頼するかなどの検討が必要です。

セキュリティ対策などが必要になる

IT化の実現はインターネットを活用するため、セキュリティ対策なども必要になるでしょう。また、インターネット上での情報のやり取りには、情報漏れのリスクも考えられます。サイバー攻撃などを受けてしまった場合は、資産や評判の損失にもつながります。そのため、十分なセキュリティ対策が必要です。

費用が発生する

IT化を実行するには、相応の費用が発生します。IT化は、ツールの導入時にかかる初期費用や運用費も含めて判断しなければなりません。また、ツール導入にあたって外部人材の雇用や外注などが発生すれば、予算の超過も考えられます。それらの費用も含めて予算を立てましょう。

社内でIT化を進めるためのポイント

社内でIT化を進めるには、いくつかのポイントがあります。

IT化すべき業務を決める

IT化するには、経営層が中心になってIT化すべき業務を決めることがポイントです。現状の課題や将来のビジョンを明確に洗い出して、「どの業務をIT化すべきか」を決定します。経営層の独断ではなく、社内の理解を得られる明確なビジョンが必要です。

社内での理解を得る

IT化を進めるには、社内の共通理解が不可欠です。属人的な非IT社員にとっては、「IT化で仕事がなくなる」というマイナスイメージを抱くかもしれません。そのような社員も含めたIT導入のメリットを理解する機会が必要です。

スモールステップでIT化を進める

IT化は、会社全体で一斉に始めるのではなく緊急性の高い部署から始めることがポイントです。IT化する業務も複数同時に行うのではなく、スモールステップで進める必要があります。

IT化は、最初から成功するとは限りません。導入効果を期待できそうな要件を絞り込み、小さく始めることで失敗したときの損失も小さく抑えられます。また、スモールステップは小さな成功体験の積み重ねにもなるでしょう。

IT化を進めている企業の成功事例

IT化の取り組みによって、業務効率や人材不足を解消している企業も存在します。ここでは、3つの事例を紹介しましょう。

経理業務の多くをリモートワークで対応可能に!|株式会社TVer

テレビ番組の見逃し配信で注目される株式会社TVerは、経理業務の多くを会計ツールへと移行しました。その結果、出社を不要とするリモートワークへの対応に成功しています。

同社は、コロナ禍において紙処理の経費精算などを理由に出社が求められました。外出自粛や三密回避が推奨されていた時期だったため、それらの業務をリモートワークでも可能にすることが必要でした。

その課題解決として会計ツールを導入し、複雑化したワークフロー周りの改善やシステム上の整備を実現しました。現在では、電子帳簿保存法の施行への対応可能な経理業務のリモートワークが定着し、請求書の送付作業などで出社の必要性がない状況となっています。

関連記事:株式会社TVerによるIT化事例

「送信料0円」が導入の決め手|株式会社M&A総研ホールディングス

M&A仲介事業に注力する株式会社M&A総研ホールディングスは、アナログだった書類作成業務のIT化を実現しています。同社の課題は、紙の書類における紛失リスクや契約数の増加で増える従量課金コストであり、既存の顧客管理システムとの連携で運用コストの改善も求めていました。

その課題解決として導入したIT技術がクラウドを活用した電子契約サービスです。同社は、ペーパーレス化による契約業務の効率化だけではなく、従量課金コストを10分の1まで削減できました。また、既存顧客管理システムとのAPI連携で、クラウドによるスピーディーな運用を実現しています。

関連記事:株式会社M&A総研ホールディングスによるIT化事例

金額ベースで毎月200万円の削減効果|橋本総業株式会社

橋本総業株式会社は、国内45カ所に営業拠点を持つ卸売商社です。同社の課題は、営業拠点ごとの手入力の支払申請であり、本社経理部の担当者は、紙の仕訳帳の取扱いで残業が発生する状況でした。

同社は、その課題を解決する目的で既存の会計システムからクラウド会計ツールへの移行を実施しました。導入にあたり、45拠点全ての担当者とのオンライン勉強会が開催され、ツール導入とともにぺーパーレス化を実現しています。これによって、申請書の承認にかかる時間が短縮でき、毎月200万円のコスト削減ができました。

関連記事:橋本総業株式会社によるIT化事例

IT化は社内の身近な業務改善から始めよう

IT化は、デジタル技術の導入で社内の業務効率化を目指す取り組みです。本記事で紹介した具体例やメリットなどから、ペーパーレスや定型処理の自動化によりコストを削減し、生産性の向上が期待できます。

ただし、IT化を進める際は導入する範囲を絞り、スモールステップで取り組むことが大切です。また、IT化は知見のある人材や導入コストも踏まえて計画を立てましょう。いきなり大きな業務変革を目指すのではなく、身近な業務改善から見直すことをおすすめします。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談していただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事