- 更新日 : 2024年9月11日
適切な報告メールの書き方とは?意識すべきポイントや注意点を解説
ビジネスにおいて、報告メールは重要なコミュニケーション手段の1つです。適切な報告メールを作成することで、情報を正確かつ迅速に伝え、業務を円滑に進められます。しかし、不適切な書き方や内容の曖昧さは、誤解やトラブルの原因となります。
当記事では、報告メールの適切な書き方と、意識すべきポイントや注意点について解説します。
目次
報告メールの適切な書き方・ポイント
業務などに関する報告メールの書き方が不適切だと、伝えるべき内容が相手に伝わらず、トラブルのもとになります。ここからは、業務報告メールの適切な書き方について5つのポイントを紹介するため、仕事を円滑に進めたいときの参考にしましょう。
報告メールの目的を最初に書く
報告メールは、目的を最初に書くことが重要です。目的を最初に記載すると、何について書かれたメールか冒頭で理解できるため、内容の把握が早くなります。特に、多くの案件を受け持つ担当者や上司の場合、一度に数十件のメールを処理するケースも少なくありません。報告メールの内容を素早く理解できれば、その後の行動やフィードバックのスピードも上がります。
例えば、納品トラブルに関する報告メールの場合、冒頭は「取引先から納品数が異なるという連絡を受け対応した」と書きます。同じ内容の報告メールでも、「取引先から納品に関する連絡があった」と書くと、冒頭だけでは何の連絡か分かりません。報告メールでは、冒頭で「伝えるべきこと」に焦点を当てます。
何の報告かすぐ分かる件名にする
報告メールでは、何について報告されているのか件名で分かるようにします。件名を記載するときのポイントは、確認してほしい緊急度や、固有名詞、年月日を入れることです。
例えば、緊急性の高い報告の場合、「至急」「緊急」といった文言を件名に入れます。メールを受信した側は「至急」や「緊急」の文字を見れば、すぐに処理すべき案件だと理解できます。固有名詞や年月日とは、「〇月〇日 冬の新製品担当者会議議事録」などです。固有名詞や年月日を記載すると、一目で何について書かれたメールなのか分かります。後からメールの内容を確認するときも、固有名詞や年月日が入っていると検索しやすくなります。
箇条書きを使って要点を端的に伝える
報告メールでは、箇条書きを適切に用い、報告事項を端的に伝える工夫が必要です。箇条書きを使うと文面が整い、見やすくなります。また、伝えたいことを箇条書きにすると情報が整理され、印象に残りやすい傾向です。
箇条書きにすべき情報は、特に伝えたい重要な点、質問、日時、場所などです。箇条書きの前に「以下の3点をご確認ください」といった一言を添えると、いっそう分かりやすくまとまります。
1スクロールで把握できる量にする
報告メールは、1スクロールで内容を把握できる量にすることが大切です。何度もスクロールが必要な長文は、相手の時間や労力を奪います。1スクロールで報告内容がまとまらない場合はデータ化し、説明資料としてメール添付する方法がおすすめです。
報告メールを簡潔にするためには、余計な修飾語・接続語・指示代名詞を削る方法もあります。「とても」「大変多くの」「なぜなら」「しかしながら」「そのため」といった修飾語・接続語・指示代名詞は、削っても支障ないケースがあります。また、文章よりも視覚化したほうが伝わりやすい情報は、図やグラフにしてデータを添付しましょう。
報告内容に過不足がないように工夫する
報告メールでは、伝えるべき内容に過不足がないよう確認する必要があります。本文が長すぎる場合、要点がまとまりません。一方で短すぎる場合、伝えるべき事項が省かれている可能性があります。
報告メールの本文は、「冒頭で目的を明らかにする」「情報をまとめるときは箇条書きを用いる」「1スクロールより長くなるときは添付データを用いる」ことを意識しましょう。そのほか、「結論から書く」「一文をなるべく短くする」「主語と述語の関係性をはっきりさせる」といった方法でも報告内容が明確になり、情報の過不足を防げます。
報告メールを送る際の注意点・マナー
報告メールを送る際には、注意点やマナーを守りましょう。注意点やマナーを守らないメールは、受け手に非常識な印象を与え、仕事内容や取引に悪影響を及ぼすおそれがあります。ここからは、報告メールを送る際の注意点・マナーについて解説します。
報告先に合わせて正しい敬語を使用する
報告メールは、送信前に正しい敬語を使っているか確認することが大切です。以下で、ビジネスメールによく使われる間違った敬語を挙げます。
ご苦労様です | 「ご苦労様」は目上の人が目下の人に向けた言葉なので、通常は「お世話になっております」を用います。 |
---|---|
了解です | ビジネスシーンでは「承知いたしました」を使用しましょう。 |
ご教授ください | 「教授」は、専門的な知識・技術を教えてもらうときの言葉です。メールで何かを教えてもらうときは「ご教示ください」と記載します。 |
どういたしますか | 「どう」は、敬意がない表現なので「いかがいたしますか」と言い換えます。 |
ビジネスメールは、ほかにも「ご覧になられる」などの二重敬語、「ご拝読ください」といった謙譲語の誤用に注意し、正しい敬語での作成を心がけましょう。
事実と主観を混同しないように気をつける
報告メールで事実と主観を混同するのはNGです。事実は実際に起きた事柄であり、主観は個人の意見です。報告メールは一般的に、現状を正確に把握することを目的としているため、主観と混同しないようにしましょう。
また、報告メールには、トラブルの再発防止や業務円滑化といった目的もあります。事実と主観が混ざっていると、課題解決に向けた対策が立てにくくなります。報告メールには事実のみを記載するか、事実と主観を分けて書くことが大切です。
緊急性・重要度が高い場合は電話や口頭で伝える
緊急性・重要度が高い用件は、報告メールを避け、口頭や電話報告にします。そもそもメール連絡は、急を要する仕事や重要性が高い案件では不適切な方法です。受信者は、メールの件名に「至急」と書かれていても、すぐに確認できない場合があります。
緊急性・重要度が高い用件とは、「トラブル報告・ミス報告」「担当者の指示を仰いで対応する」「文章ではニュアンスが伝わらない」「締めきりが迫っている」といったケースです。もし緊急性・重要度が高い用件をメールで送るときには、送信後に電話や口頭で伝え、すぐメールを確認してもらいます。
業務の報告メールに使えるテンプレート・例文
報告メールでよく送られるのは、業務の進捗報告です。ここからは、実際に使用できる進捗報告のメール例文を紹介するので、ビジネスメール作成時の参考にしましょう。
- 社内向け
件名:〇月時点の〇〇(業務やプロジェクト名)について進捗のご報告 本文: (相手の部署・氏名)さん お疲れ様です。(自分の部署・氏名)です。 表題の通り、〇月時点の〇〇(業務やプロジェクト名)の進捗状況をご報告いたします。 以下ご確認ください。
以上です。 ご確認のほど、よろしくお願いいたします。 (自分の部署・氏名・連絡先) |
報告メールは、箇条書きなどで必要な内容を簡潔に記載すると、読み手にとって理解しやすくなります。
- 社外向け
件名:〇月時点の〇〇(業務やプロジェクト名)について進捗のご報告 本文: (相手の会社名・部署・名前)様 いつも大変お世話になっております。(自分の会社名・部署・氏名)です。 〇月時点の〇〇(業務やプロジェクト名)の進捗状況をご報告いたします。
ご報告は以上です。 お忙しいところ恐縮ですが、ご確認くださいますようお願い申し上げます。 (自分の会社名・部署・氏名・連絡先) |
取引先やクライアントに向けたメールは、相手の会社名や部署名を正確に書きましょう。社外向けメールは、社内向けよりも言葉遣いに注意し、失礼にならないよう配慮が必要です。
報告書のテンプレート(無料)
以下より無料のテンプレートをダウンロードしていただけますので、ご活用ください。
適切な報告メールの書き方を学んでスムーズに情報共有しよう
報告メールの書き方をマスターすれば、業務の効率化や信頼関係の構築が期待できます。適切な件名や冒頭文の作成、箇条書きの活用、敬語の使用、そして緊急性や重要度に応じた報告手段の選択など、ポイントを押さえることが重要です。また、事実と主観を区別するのも大切です。
上記のポイントを意識して報告メールを作成すれば、情報の正確な伝達が可能となり、トラブルの防止や業務の円滑な進行に役立つでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
在庫管理表のメリットや作成のポイント、効果的な運用方法について解説
企業が仕入れ・販売をする商品の数量・単価などを適切に管理するための表が、在庫管理表です。無駄なコストの発生を抑えて、品質の向上を図るためには、在庫管理表の活用が欠かせません。この記事では、在庫管理表を作成するメリットや、適切な在庫管理ができ…
詳しくみる働き方改革とは?具体例と対策の仕方、進め方をわかりやすく解説
働き方改革とは、働く形態や労働環境を改善する取り組みを指します。テレワークやフレックスタイム制などの柔軟な働き方を導入することで、生産性と働く人々の満足度を高めることが可能です。働き方改革を促進するためには、具体的な施策と進め方を社員全員が…
詳しくみる先祖返りの意味とは?ビジネスで起こる原因・対策・ツールを紹介
先祖返りは、ビジネスやIT、生物学などのさまざまな分野で異なる意味をもつ現象です。ビジネスやITの領域では、データやソフトウェアが古いバージョンに戻る問題を指し、生物学では先祖の形質が子孫に再出現することを意味します。 当記事では、先祖返り…
詳しくみる週報とは?基本のテンプレート項目と書き方、継続させるコツを紹介
週報とは、業務の進捗状況や成果を週単位で報告する書類のことです。日報が毎日の業務報告を行い、月報が1か月ごとの報告を行うのに対して、週報は週ごとの業務内容を記載する点が異なります。週報は目標の管理や振り返りに役立つのがメリットです。本記事で…
詳しくみる生産性とは?意味や計算式、生産性低下の原因をわかりやすく解説
生産性とは、労働力や資本などを投入することで得られる成果量の割合を指します。情報を可視化する、現状を把握し指示を明確にする、タスクを整理し優先順を付けるなどが、生産性を向上させる具体的な施策の例です。 本記事では、生産性の意味や向上させるた…
詳しくみる申し送りって何?言い換え表現やマナー、例文を紹介
申し送りとは、円滑に業務を引継ぐために、後任者に必要な情報を伝えることです。 しかし、適切な申し送りをするには、どのように情報を伝えたらよいかわからない人もいるでしょう。この記事では、申し送りのマナーやポイントについて解説しました。 申し送…
詳しくみる