• 更新日 : 2024年12月12日

引継ぎマニュアルの作り方は?コツやスケジュールの無料テンプレも

引継ぎマニュアルは、業務内容や注意点を明確に記載し、後任者がスムーズに業務を引継げるようサポートするための重要なツールです。この記事では、引継ぎスケジュールの無料テンプレートや引継ぎマニュアルの具体的な内容と作成手順、効率的に作成するコツについて解説します。後任者に分かりやすく業務を引き継ぎたい方や、引継ぎによる業務の停滞を防ぎたい方は、ぜひ参考にしてください。

引継ぎマニュアルが求められる理由

引継ぎマニュアルは、業務の工程や注意点を記載したマニュアルです。マニュアルを読んだ人が迷わずに作業を進められるように、事前準備や手順が詳細に記載されています。

引継ぎ内容をリスト化した業務引継ぎ書と実践向けの引継ぎマニュアルの2つがあれば、トラブル発生時や疑問が生じた場合にも慌てずに対処できます。

引継ぎマニュアルを作成する主なメリットは、下記の通りです。

  • 引継ぎ後の業務をスムーズに進行できる
  • 伝え漏れや聞き漏れを防げる
  • 属人化を防げる
  • 後任者が抱える不安を軽減できる

引継ぎが不十分だと、後任者が業務内容を把握するまでに時間がかかります。引継ぎマニュアルがあれば、後任者はスムーズに業務を進められるでしょう。

また、引継ぎを口頭で行う場合、伝え漏れや聞き漏れによるミスが起こりやすくなります。すべての情報を文書として残しておくことで、引継ぎ後に確認のために前任者に連絡を取る必要がなくなります。

業務の引継ぎによって、プレッシャーや不安を感じる後任者は少なくありません。引継ぎマニュアルが正しく機能すれば、後任者の負担軽減と業務品質の維持につながります。

引継ぎスケジュールの無料テンプレート

引継ぎスケジュールを立てることで、引継ぐ業務の全体像をイメージしやすくなります。伝え忘れや聞き漏れの防止にも効果的です。

引継ぎスケジュールの作成には、以下の無料テンプレートの活用がおすすめです。

引継ぎスケジュールのテンプレートのダウンロードはこちら

引継ぎマニュアルの内容と作り方

引継ぎマニュアルの作成は、業務の全体像の把握から始まります。後任者が迷うことなく業務を引継げるように、必要な項目をしっかり埋めておきましょう。

ここでは、引継ぎマニュアルの作り方と書き方のポイントを詳しく解説します。

業務の全体像と目的

引継ぎマニュアルには、どのような業務を何の目的で行うのかを記載します。後任者に該当業務に関する知識がない可能性もあるため、自社にとっての必要性や社会的意義が伝わるように、簡潔かつ分かりやすくまとめることが大切です。

フローチャートを用いると、業務の開始から完了までの全体像を掴みやすくなります。他社や他部署との関わりが深い業務の場合は、円滑に業務を継続できるようにそれぞれの関係性を記載しておきましょう。

スケジュール

引継ぐ業務を洗い出してスケジュールに落とし込みます。定期的に発生する業務もあれば季節ごとの業務もあるため、年間・月間・週間の3つに分けてスケジュール表を作成しましょう。

  • 年間スケジュール

業務の全体像を把握するために、担当業務を年間スケジュール表に記載します。納期や締め切り日も併せて記載すると、着手すべきタイミングや優先順位をイメージしやすくなります。ガントチャート形式でまとめたり矢印で対応期間を示したりするのも効果的です。

  • 月間スケジュール

月ごとに発生する業務は、月間スケジュール表に詳細を記載します。集計作業や月次レポートの作成などの業務内容、納期と報告先などをまとめましょう。後任者の備忘録としても活用できます。

  • 週間スケジュール

週明け・週末・曜日ごとに発生する業務があれば、週間スケジュール表も作成しましょう。週間スケジュールをもとに業務を進めることで、後任者がルーティンワークに慣れるまでの負担を軽減できます。

業務の引継ぎを効率よく進めるために、業務が発生するタイミングや関係部署が一目で分かる状態にしておきましょう。

業務内容と作業手順

スケジュール表に記載した業務ごとに、事前準備と実際の作業手順を資料にまとめます。ノウハウや注意点も記載することで、引継ぎ後の業務をスムーズに進めやすくなります。

併せて記載すべき項目は、下記の通りです。

  • パスワード
  • 使用するフォーマットやツール
  • 操作マニュアル

パスワードや使用するフォーマットなどが分からないと、作業に遅れが生じるおそれがあります。後任者が迷うことなく作業を進められるように、しっかりと準備しましょう。

対応中の作業や案件

対応中の作業や案件を引継ぐ場合、後任者への負担が大きくなります。できるだけ負担を軽減するには、Excelなどのツールを活用して業務状況を明確化することが大切です。

対応中の作業や案件を把握できるように、下記の内容についてまとめましょう。

  • 業務概要
  • 進捗状況
  • 納期
  • 今後必要な作業
  • 会議の議事録

業務を途中で引継ぐにあたって懸念点があれば、後任者に確実に伝わるように追記しましょう。

イレギュラー業務・トラブル対応

引継ぎ後にイレギュラーやトラブルが起こった場合、後任者が中心となり対応する必要があります。業務経験が浅いと適切な対策を講じるまでに時間がかかり、問題が大きくなるおそれがあります。早期に問題を解決できるように、トラブル事例や対処法、連絡すべき部署や担当者名などをマニュアルに記載しましょう。

起こりうるイレギュラーやトラブルを事前に知ることで、後任者は心構えができるようになります。万が一の場合にも、慌てずに適切な対応を取れます。

資料・データの管理方法

関連資料やデータをすぐに取り出せるように、ファイリングやフォルダ分けをすることが大切です。紙ベースの資料は保管しているキャビネットの棚番号やファイル番号をマニュアルに記載し、データはファイルサーバー名とフォルダ名を記載します。

秘匿性が高い情報を取り扱う場合は、閲覧に鍵やパスワードが必要です。資料・データの閲覧や管理に関するルールも明記しましょう。

社内・社外の情報や連絡先

社内の関連部署や取引先の連絡先をまとめておくと、引継ぎ後の業務をスムーズに進められます。業務内容やトラブル対応の説明の中で連絡先について触れている場合も、すぐに把握できるように連絡先一覧にも必要な情報を記載しましょう。

連絡先の一覧に記載すべき主な内容は、下記の通りです。

  • 社名
  • 部署名
  • 担当者名
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 連絡可能な時間帯

業務との関連性も記載すると、連絡を取る優先順位をイメージしやすくなります。

引継ぎマニュアルを作成するコツ

引継ぎマニュアルを作成するコツは、以下の通りです。

  • 業務の順番通りに手順を記載する

業務を滞りなく進められるように、順番通りに手順を記載しましょう。取り組む順番通りの説明があれば、迷いが生じにくくなり業務効率がアップします。どのような状態を「業務完了」とみなすのかを明確にすることもポイントです。

  • 一般的な言葉を使う

知識の有無やリテラシーの高さは人によって異なるため、誰にでも分かるような言葉を使うことが大切です。専門用語が多い場合は、言葉を正しく理解できるように用語集も一緒に作成します。

  • 図や写真を活用する

理解度を高めるためには、図や写真を使って説明するのが効果的です。文章だけで説明するより、手順をイメージしやすくなります。操作画面の画像を添付するのも効果的です。

  • 「結論」「補足」の順に記載する

重要な事柄や伝えたいことは、文章の始まりに記載するのがポイントです。まずは結論を示した上で、補足事項を説明します。文章が長すぎると重要な部分を見逃しやすくなるため、簡潔にまとめることが大切です。

引継ぎマニュアルは、誰が引継いでも問題なく作業を完了できるように作成しましょう。質の高い引継ぎマニュアルがあれば、後任者も安心して作業を進められます。

引継ぎスケジュールは無料のテンプレートを活用しよう

業務を引き継ぐ際、引継ぎマニュアル・引継ぎスケジュールは後任者がスムーズに作業を進めるための道しるべとなります。特に、業務内容の属人化を防ぎ、引継ぎ後のミスやトラブルを最小限に抑えるためには、詳細な手順書が必要です。さらに、引継ぎスケジュールを作成する際には、無料で利用できるテンプレートを活用することで、全体像を簡単に整理し、伝え漏れや聞き漏れを防ぐことができます。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事