- 更新日 : 2024年11月27日
差が出る日報の書き方は?テンプレート・例文や上司の注目点を解説
業務日報や作業日報などの日報は、仕事の進捗報告などに必要な書類です。書き方を押さえておけば、頑張りを上司にアピールできるでしょう。
本記事では、日報の書き方を例文と一緒に紹介します。書くことがない時の対処法や短期間で良い日報を書くコツも紹介するため、新人だけでなくベテランの方も参考にしてください。
目次
日報を書く目的は?
そもそも、日報とは日々の業務内容や進捗などを報告するための書類のことです。一般的に、ビジネスではその日の業務内容を記すためのツールとして用いられています。
日報を書く主な目的は、以下のとおりです。
- 業務の振り返りと翌日への活用
- 上司やチームへの進捗報告
- ノウハウ・ナレッジの共有
- 自分の成長を早める
ここから、各目的について詳しく解説します。
業務の振り返りと翌日への活用
業務を振り返ることが、日報を書く目的のひとつです。日報を書く作業を通して、その日自分がどのような業務をこなしたのか、何がうまくいかなかったのか(うまくいったのか)をあらためて考えられます。
また、翌日以降の業務改善につなげることも日報を書く目的です。日報には備忘録の役割があるため、翌日以降の業務を進める際に参考にすれば同じ過ちを犯すことを未然に防げます。
上司やチームへの進捗報告
上司へ進捗を報告することも、日報を書く目的です。
一般的に、上司は部下の日報を毎日チェックします。そのため、日報に詳しく記載しておけば、進捗状況が上司に伝わるでしょう。
また、日報はチームのメンバーとのコミュニケーションツールとしても機能します。日報をチーム内で共有する仕組みが整っていれば、距離的・時間的制約から日頃会話する機会が少ない同僚とも、お互いが何をしているのかを伝え合えるでしょう。
ノウハウ・ナレッジの共有
ノウハウやナレッジを共有することも、日報を書くことの目的として挙げられます。ナレッジとは、自身の経験を通じて確立した情報のことです。
日報には、日常業務や顧客との面談といった日々のビジネスで経験したことを記録します。そのため、自分が体験したことをチームで共有すれば、他のメンバーが同じ失敗を繰り返すことを避けられるでしょう。
自分の成長を早める
自分の成長を早めることも、日報を書く目的のひとつです。
一日の業務で何が良かったのか(悪かったのか)、何を達成・改善できたのかなどを考えつつ文章にまとめることで、自分の頭の中を整理して成長を早められます。時間がある時に、過去の日報と比較すればより客観的に考えられるでしょう。
また、より成長を早めるためには、上司や先輩からフィードバックを受けることも重要です。
上司が日報で注目する点と書き方のコツ
日報には、業務日報・研修日報・出張日報などの種類があります。業務日報は1日の活動内容を報告するための書類、研修日報は研修を受講した際に学んだことなどをまとめた書類、出張日報は出張終了後に出張概要を報告する書類です。
いずれの日報でも、一般的に上司は以下のポイントに注目します。
- 業務の理解度や進捗状況
- 自発性や問題解決能力
- コミュニケーション能力
- 文章のスキルや表現力
- 期限厳守とタイムマネジメント
各ポイントの概要や、それを踏まえた上での書き方のコツについて解説します。
業務の理解度や進捗状況
上司は日報を通して部下の業務に対する理解度に注目します。また、業務の進捗状況を知りたいと考えて、日報を確認することもあるでしょう。
日報を書く際は、上司が知りたい情報をすぐに確認できるように見やすくすることが大切です。たとえば、5W3H(いつ・どこで・誰が・なぜ・何を・どのように・どのくらい・いくら)を意識して書くだけでも、読みやすい文章に改善できます。
自発性や問題解決能力
日常業務において、自発的に課題を見つけて動いているかも、上司がチェックする項目です。また、その課題をどのように解決しようとしているかも日報から確認することがあります。
そこで、日報の中に業務を通じて直面した課題を盛り込むことが大切です。課題に対してどのような対策を立てたかも記載すれば、上司からアドバイスをもらえます。
コミュニケーション能力
日報からコミュニケーション能力を読み取る上司もいます。なぜなら、日報が会話のきっかけにもなるツールのためです。
ありきたりな文章にするのではなく、日報に所管を盛り込んで自分の考えを伝えれば、上司からフィードバックをもらえます。また、フィードバックをもらった際にしっかりと感謝を伝えれば、その後のコミュニケーションも取りやすくなるでしょう。
文章のスキルや表現力
上司は日報を読めばその人の文章のスキルや表現力がわかります。たとえ日報に多くの情報を盛り込んでいても、その内容がわかりにくければ、上司から作業効率の悪い人物と判断されかねません。
そこで、日頃から文章を書くトレーニングを積むことが大切です。文章に自信がない場合は、良い文章を参考にしたりテンプレートを使用したりすることも検討しましょう。
期限厳守とタイムマネジメント
期限厳守できているか、タイムマネジメントのできる人物かという点も、日報の提出を通して判断されることがあります。毎回日報を期限内に提出していなければ、「期限を守れず信頼できない人物」「時間の使い方が下手な人物」として上司からの信頼や評価を下げかねません。
日報を記入する際は、必要以上に時間をかけすぎず、まずは当日中に提出することを心がけましょう。
日報のテンプレート
エクセルの作業日報(業務日報)のテンプレート・ひな形は、以下ページより無料でダウンロードできます。
以下のページからは、ワードの作業日報のテンプレートも無料でダウンロード可能です。
自分で1から作成するよりも手軽に作成できるため、お気軽にご活用ください。
日報の書き方
日報に記載する内容は、主に以下のとおりです。
- 業務内容(作業内容)
- 進捗状況
- 所感
例文を使って、それぞれの書き方を紹介します。
業務内容(作業内容)
業務内容・作業内容には、その日の何時に、何を実施したのかを具体的に記載します。以下は、法人営業した際の業務内容の例文です。
- 13:00 〇〇社を訪問してA部長に□□のサービス概要を説明
ただ単に、法人営業したことを述べるのではなく、どの会社の誰にどのような商品を説明したのか、提案したのかを記載することが大切です。
進捗状況
進捗状況には、どれくらい業務が進んでいるのか、目標のうちどれだけ達成しているのかなどを記載します。成約状況を記載する際の例文は以下のとおりです。
- 〇〇社で500万円成約(個人目標達成状況8割、課の全体目標達成状況7割)
期日までに作業を終えられそうか、期中の目標を達成できそうか上司が判断できるようわかりやすく記載しましょう。
所感
日報の所感には、業務を通じて気づいた課題や発見に自分の考察を加えたものを記載します。今週に入り、課内で作業の遅れが目立っていることに触れた所感は以下のとおりです。
- 今期に入り総務課全体の業務スピードが遅くなっていると、他部署より指摘がありました。〇〇さんが先月末で退職して以降、誰がどの作業をするかはっきり掴めていないことがひとつの要因ではないでしょうか。この機会に、各職員の担当する業務や作業フローを整理し、次回の全体会議で提案したいと考えております。
感想は単に自分が感じたことを述べるものです。それに対し、所感は自分が感じたことを通して、業務を改善するために何をすべきか深く考えたことを述べる点に注意しましょう。
短時間で良い日報を書くポイント
短期間で効率良く日報を書くためのポイントは、以下のとおりです。
- 数字を用いて具体的に書く
- 業務ごとにメモを取る
- 箇条書きでまとめる
- その日のうちに作成する
- テンプレートを活用する
それぞれ解説します。
数字を用いて具体的に書く
時間がない時も、数字を用いて具体的に書くことが大切です。たとえコンパクトな内容でも、数字を使えば上司がひと目で理解できます。
「本日成約になったことで目標達成が現実的になってきたが、まだ遠い」のようにダラダラと述べずに、「本件の成約で目標の5割を超えた」と述べるだけで、上司にその日の成果や目標との乖離を伝えられるでしょう。
業務ごとにメモを取る
業務ごとにメモを取ることも、効率良く日報を書くために必要です。
多忙な一日を過ごした場合、どのような業務をこなしたか思い出せず、日報を書き始めるまでに時間がかかることがあります。その点、業務中にこまめにメモを取っておけば、メモ帳を取り出してすぐ日報作成に取りかかれるため、作業時間を短縮できるでしょう。
箇条書きでまとめる
箇条書きを活用して、日報に記載する文章をまとめることもポイントです。
箇条書きの場合、文章にするよりも少ない文字数で済みます。また、上司にとっても読みやすいため、箇条書きは短期間でわかりやすく文章を作成するために必要です。
あらかじめ箇条書きのフォーマットや例文を用意しておけば、さらにスムーズに進められます。
その日のうちに作成する
その日のうちに作成することも、短期間で良い日報を仕上げるために重要です。
人の記憶は時間が経つごとに薄れていきます。そのため、日にちを置けば置くだけその日の業務内容を思い出すのに時間がかかり、非効率です。
忙しい日でも、極力その日のうちに作成することを心がければ、上司からの信頼を損なうこともありません。
テンプレートを活用する
すでに紹介したとおり、テンプレートを活用することも効率良く日報を作成するためのポイントです。テンプレートを活用することで、日報を最初から作成する分の手間を省けるでしょう。
なお、会社によってあらかじめ定型の日報が定められていることもあります。社内ルールに違反しない範囲で、テンプレートを活用してください。
日報に書くことがない時はどうする?
日報に書くことがない時の対処法は、主に以下のとおりです。
- 指摘されたこと、教わったことを書く
- 業務で感じた改善点や提案を書く
- ふとした疑問を書く
それぞれ解説します。
指摘されたこと、教わったことを書く
入社したばかり、転勤で新しい部署に配属されたばかりなどで特筆すべき業務がなかった場合、当日上司・先輩から指摘されたことや教わったことを書くことが対処法のひとつです。
ただし、聞いたことをそのまま書くのでは、自分のノートと同じため日報の役割を果たしません。学んだことを踏まえ、どのように業務にいかすか自分自身で考えたことなども盛り込むことが大切です。
業務で感じた改善点や提案を書く
日常業務の中で感じた改善点や提案を書くことも、方法のひとつです。
「ルーティンワークの中で省けそうなもの」「ツールやシステムを活用することにより業務効率化につながりそうなもの」などを日報にまとめ、提案するとよいでしょう。自分の業務だけでなく課内・社内全体を見渡すことで、改善すべきことが見えてくることもあります。
ふとした疑問を書く
業務を担う中で気づいた、ふとした疑問を書く方法もあります。「〇〇の作業は週1回に減らしても支障がないのではないか」などを記載すると良いでしょう。
ビジネスで何事にも疑問を持つ習慣をつければ、日報を書きやすくなるだけでなく、質問力が鍛えられたり、物事の本質を見抜けるようになったりするなどのメリットも期待できます。
日報を作成する目的として、業務の振り返りと翌日への活用、上司やチームへの進捗報告などが挙げられます。上司が読みやすいように、箇条書きを用いたり、具体的な数字を活用したりすることがポイントです。
日報の提出が遅れると、上司からの信頼を損なう可能性があります。効率良く日報を作成できるように、業務中からメモを取ることなどを心がけましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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