- 更新日 : 2024年7月18日
FAQシステムおすすめ10選!無料・有料を比較、選び方や注意点
FAQシステムとは、ユーザーから頻繁に寄せられる質問と回答を提示するシステムのことです。システムの利用場面は、主に社外・社内・コールセンター向けに分けられます。顧客や従業員からの類似した質問への対応工数を減らせるため、情報の一元管理による業務の効率化が期待できます。この記事ではFAQシステムのメリットや種類、無料・有料のFAQシステムを比較紹介するので、ぜひご覧ください。
目次
FAQシステムとは?
FAQシステムとは、ユーザーから頻繁に寄せられる質問と回答を集約し、検索しやすいように構築できるシステムです。FAQとは、Frequently Asked Questionsの頭文字であり、日本語にすると「よくある質問」を意味します。
つまりFAQシステムとは「よくある質問とその回答を集約し整理する仕組み」であり、利便性の高い効率化ツールとして世界中の企業で導入されています。
ここでは、FAQシステムの利用場面や基本機能などを紹介します。
FAQシステムの利用場面
FAQシステムの利用場面は主に社外・社内・コールセンター向けがあり、それぞれ使用者が異なります。
システムを利用する場面ごとの使用者と、主な利用場面は以下の通りです。
社外向け | |
---|---|
利用者 | 顧客 |
主な利用場面 | 企業や商品・サービスの紹介ページに「よくある質問」として設置する |
社内向け | |
---|---|
利用者 | 社員 |
主な利用場面 | バックオフィス部門(経理や人事)や情報システム部門が社内からの質問に対して回答するために利用する |
コールセンター向け | |
---|---|
利用者 | コールセンタースタッフ |
主な利用場面 | コールセンタースタッフがユーザーからの質問に回答するときに利用する |
FAQシステムの基本機能
FAQシステムの主な機能は、主に「コンテンツ作成機能」「分析機能」「検索機能」の3つです。システムの提供元によって呼び方が異なる場合もありますが、基本的な内容は共通です。
具体的にどのような機能なのか、それぞれの概要を確認しましょう。
- コンテンツ作成機能FAQコンテンツの作成・更新をサポートする機能。HTMLやCSSなどの専門知識がなくても作業可能で、常に最新のニーズにあった情報に対応したコンテンツが提供できる。
- 分析機能FAQシステムで検索・入力されたキーワードから、「どのような質問が多いのか」「どの回答がよく閲覧されるのか」といったユーザーの動向を分析。より活用されやすいFAQへと改善させる機能。
- 検索機能AIが回答を予測してサジェストしたり、多く検索されるものをランキング表示させる機能。自然文・サジェスト・タグ・カテゴリなどさまざまな検索方法に対応し、ユーザーが回答にスムーズにアクセスできるサポートにつなげる。
チャットボットとの違い
チャットボットも広い意味ではFAQシステムの1つと言えますが、情報をやり取りするときの操作や表示が大きく異なります。
FAQシステムとチャットボットの特徴は以下の通りです。
【FAQシステム】
- 自分でキーワード検索やカテゴリ選択によって情報を探す方式
- ホームページ内の特定の場所に設置
- 図や表を用いながら長文での説明も可能
【チャットボット】
- AIとの対話形式で答えを探す方式
- WEBページ上の好きな場所に設置可能
- 表示範囲は画面一部の対話ウィンドウ内
「よくある質問に対して回答を提示して、ユーザーの自己解決を促す」という点こそ共通ですが、操作や表示といったUIに明確な違いがあることが分かるでしょう。
FAQシステムを導入するメリット
FAQシステム導入におけるメリットは多数挙げられますが、ここでは代表的なメリットを5つ紹介します。システムの導入を検討している企業経営者やIT担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
問い合わせ件数、応対時間の削減
FAQシステムを導入することで、利用者が自ら知りたい情報を探し出せるようになります。電話やメールを使わずとも、WEB上で検索して自己解決できるため、結果的に問い合わせ数の減少につながります。
答える側向けのFAQシステムがあれば、問い合わせにスピーディーに対応でき、応対時間の削減が見込めるでしょう。
情報の一元管理による業務の効率化
社内のあらゆる情報を一元管理することで、誰もが過去の履歴から最適な対応を素早く検索できます。サポートセンターや営業スタッフの顧客対応はもちろん、コンプライアンス上の対応など確認が必要な業務も、効率よく進めることが可能になります。
サービス品質の向上
自社サイト上のFAQページを充実させることは、ユーザーの製品やサービスに対する課題や疑問の速やかな解消につながります。FAQシステムで分析した内容は、顧客の声をヒアリングし記録した、まさに「消費者の生の声」そのものです。ホームページのコンテンツ充実やサービス内容の改善など、さまざまな点で役立ちます。
顧客満足度の向上
コールセンターでの問い合わせでは、顧客側が下記のような不満を抱えている場合があります。
- 無機質な機械の音声のプッシュフォンで、選択を誤ればまた始めからやり直し
- コールセンターはつながるまで何分も待たされる
- フリーダイヤルの問い合わせ先がなく、電話代がかかる
FAQシステムを導入して頻繁に寄せられる質問と回答を事前に用意しておけば、顧客は自力での問題解決が可能となります。その結果、問い合わせに関するマイナス意見を未然に防ぐことができ、顧客満足度の向上が狙えるでしょう。
属人化の防止・ナレッジの蓄積
FAQシステムにナレッジを蓄積すれば、経験値や知識量に依存せず誰でも同じような顧客対応が可能になります。「○○さんだったら分かるはず」といった業務の属人化が防止できるのと同時に、サービス内容が統一され「回答者によって内容が違う」という問題もなくなります。
社内FAQの無料テンプレート
マネーフォワード クラウドでは、社内FAQの無料テンプレートをご用意しております。ご自由にダウンロードしていただけますので、ぜひお気軽にご利用ください。
FAQシステムの種類
FAQシステムは、利用対象をどこに向けるかによって「コールセンター(オペレーター)向けFAQ」「社外(顧客)向けFAQ」「社内(従業員)向けFAQ」と3つの種類に分けられます。
導入目的にあったFAQシステムを選ぶためにも、種類それぞれの特徴や導入効果について確認しましょう。
コールセンター(オペレーター)向けFAQ
コールセンター(オペレーター)向けFAQは、コールセンター業務の現場で活用されるシステムです。問い合わせに対応する際のナレッジやマニュアルの閲覧・検索が容易になり、あらかじめ統一した回答内容・過去の対応履歴の確認も可能です。
【導入効果の例】
- 応対品質の平準化
- 新人教育の短期化
- 過去の対応履歴の素早い参照
社外(顧客)向けFAQ
社外(顧客)向けFAQは、主に企業のホームページやアプリに導入されるシステムで、利用対象は企業のWEBサイトを訪れた一般ユーザーです。問い合わせ頻度の高い質問内容を集約しながら、多くの人が利用しやすいページ作成に役立ちます。
【導入効果の例】
- コールセンターの業務軽減
- 顧客満足度の向上
- ホームページのコンテンツ充実
社内(従業員)向けFAQ
社内(従業員)向けFAQは、 社員からの問い合わせへの回答や部署間・代理店との情報共有を目的としたシステムです。社内の各種手続きやシステム不具合といった従業員が持つ疑問とその回答が検索できるよう構築されており、バックオフィス部署の業務軽減に大きく役立ちます。
【導入効果の例】
- 社内間での問い合わせ量軽減
- 他部署との効率的な情報共有
- 社内の情報資産管理
無料で使えるFAQシステムを比較紹介
FAQシステムには無料で使えるものも多く存在します。有料プランのほうが機能面は優れるものの、「まずはFAQシステムを試してみたい」「シンプルなシステムが欲しい」という方にはおすすめです。
以下では、無料で使えるFAQシステムを5つ紹介します。
Freshdesk|ヘルプデスク管理
「Freshdesk」は、分析機能が充実したFAQシステムです。連絡ツールの一元管理に加え、問い合わせの自動割り振りなど、業務の効率化に役立つ機能が揃っています。すべての機能を試してみたい方は「14日間の無料トライアル」がおすすめです。
【無料プランで使える主な機能】
- 問い合わせをチケットに変換し、トラッキング・優先順位付け・返信
- ナレッジベースを活用してセルフサポートを支援
- 受信および解決したチケットを分析し、日ごとにレポートを作成
- 24時間365日のメールサポート
参考:Freshdesk
Tayori|顧客対応管理
Tayoriは、カスタマーサポートなど顧客対応を目的としてFAQの導入を検討している方におすすめのシステムです。直感的に操作できる分かりやすさがあり、WEBに不慣れな方でもテンプレートを用いて、フォームやヘルプページを簡単に作成できます。
【無料プランで使える主な機能】
- 利用ユーザーは1人まで
- フォーム、FAQ、アンケートそれぞれ1つまで
- 返信可能数 10件/月
参考:Tayori
Notion|顧客対応管理
Notionは、アメリカ発の多機能クラウドツールです。タスク管理や社内Wiki、ドキュメント作成などビジネスシーンで使えるさまざまなツールが1つにまとまっています。中でもNotion AIは、テキスト生成AIシステムの中でも精度が高く、Q&Aも優れており実用性に富んでいると注目されています。
【無料プランで使える主な機能】
- SlackやGitHubなどの外部ツールとも連携し、日々のあらゆる情報の整理整頓
- 7日間のページ履歴
- ベーシックなページアナリティクス
参考:Notion
phpMyFAQ|オープンソースのFAQソフトウェア
phpMyFAQは、FAQサイトを構築するためのオープンソースソフトウェアです。公式サイトは英語表記のみですが、日本語マニュアルも国内のIT企業から無償公開されています。
【主な機能】
- ナレッジ共有システム
- FAQをカテゴリに分類して管理
- 精度の高い検索機能
- 既存のFAQを用いた自動回答
参考:phpMyFAQ
Ultimate FAQ|WordPress用プラグイン
Ultimate FAQは、世界中で人気の高いブログツールWordPressの公式プラグインです。無料会員でも使える機能が充実しており、ユーザーの評価も高いのが特徴です。
【無料プランで使える主な機能】
- 閲覧数のカウントや人気順、新着順の表示
- カテゴリの他にタグを使ったFAQの分類
- カスタム CSS によるデザインの調整
- インポート機能
参考:Ultimate FAQ
FAQシステムの有料ツールを比較紹介
機能面やサポート体制の充実を求めるなら、有料のFAQツールも視野に検討を進めましょう。自社の目的にあったシステムを選びつつも、予算とのバランスも考慮するのが大切です。
以下では、おすすめのFAQシステムの有料ツールを5つ紹介します。
Zendesk
Zendeskは、多様化する問い合わせ方法の情報を一元管理し、効率的な課題解決が目指せるFAQツールです。サポート担当者の業務負担を軽減させながら、顧客満足度の向上を後押しする多彩な機能が搭載されています。価格は、AIを搭載した包括的なソリューションを提供するSuiteプランが月額55~115ドル、営業チーム向けの多機能なSellプランが月額19~115ドルです。
【主な機能】
- サポートチケット管理ツール
- ヘルプセンター(FAQ)の構築
- WEBチャット&メッセージ機能
- 顧客同士のコミュニティフォーラムの構築
参考:Zendesk
ナレッジリング
ナレッジリングは、社内・コールセンター向けの情報共有を目的としてFAQを導入したい企業におすすめのシステムです。ファイル内のテキスト情報まで検知できる「ファイル内検索」機能など精度の高い検索性能を持ち、文書管理にも役立ちます。料金プランは、月額9,800円のベーシックプランや月額20,000円のアドバンスプランなどがあります。
【主な機能】
- 記事の編集、閲覧機能
- サジェスト機能
- キーワード分析機能
- 検索数、閲覧数が多い情報をトップ表示できる機能
参考:ナレッジリング
NotePM
NotePMは、社員がさまざまな情報を書き込み蓄積する形のFAQシステムです。知識・情報・顧客情報を一か所に集約して共有でき、業務効率化やコミュニケーションの活性化を推進します。料金プランはユーザー数とストレージ量によって異なり、月額4,800円~となっています。
【主な機能】
- マニュアル作成機能
- ファイルの全文検索、キーワードハイライト、ワンクリック絞込など強力な検索機能
- フォルダとタグによる細かな情報整理
参考:NotePM
Helpfeel
「Helpfeel」は高い検索精度と高速応答が強みのFAQシステムです。特許取得済みの独自技術「意図予測検索」を武器に、ヒット率は驚異の98%超えを掲げています。「顧客や従業員への問い合わせ対応業務を効率化したい」とお悩みの方におすすめです。料金は要問い合わせとなっているため、料金体系が知りたい場合は見積もりを取りましょう。
【主な機能】
- 利用状況を分析し毎月自動的に改善
- 既存FAQシステムからのコンテンツ移行
- 画面構築、検索用辞書作成、モバイルデバイス対応
- 運用レポートによる改善アクションの提案
参考:Helpfeel
QA ENGINE
QA ENGINEは、世界最先端の人工知能による質問応答システムが強みのFAQシステムです。操作性も非常にシンプルで分かりやすく、クリックベースの簡単な操作と少ないデータ量で高精度なAI質問応答システムが作成できます。料金はエンジン1個目で月額30万円、2個目以降で20万円です。
【主な機能】
- 質問応答API
- 機械学習運用画面
- LINE、Zendeskとの連携
参考:QA ENGINE
FAQシステムの選び方
FAQシステムは、導入目的によって最適なサービスが異なります。社外・社内・コールセンター向けのどれを導入するかに加えて、UIや導入コスト・提供タイプなど細かな条件も含めた比較・検討が大切です。
ここでは、FAQシステムの選び方を3つのポイントに分けて解説します。
サービス内容が自社に合っているか
FAQシステムのサービス内容は提供元によって大きく異なるため、自社に合ったサービス内容が充実しているかをしっかりと確認することが重要です。
まずは、導入目的や抱える課題をどのように解決していきたいか、そのために必要なFAQの機能はどのようなものかを洗い出すところから始めます。その上で、提供されているFAQサービスの中から、自社のニーズを満たせるシステムをピックアップしましょう。
検索や操作が使いやすいか
導入したFAQシステムを使いこなすためには、管理機能・編集画面の使いやすさも重要なポイントです。
多くのシステムが無料トライアル期間を設けています。これを活用し「個人の作成能力にかかわらず一貫性のあるFAQの構築が可能か」「テンプレートの充実度はどうか」といった点を見極めて、比較検討しましょう。
サポート体制や料金はどうか
FAQシステムは一度導入すればそれで終わりではなく、継続的な利用が前提となるサービスです。組織や利用者の規模、予算に合わせて価格と機能面のバランスを考え、無理なく使っていけるシステムを選びましょう。
また、操作に関する質問やトラブル時の対応などサポート体制が整っているかも重要です。分析をカスタマーサポート側に委託できるものもあるなど、各社の違いが出やすいポイントでもあるため慎重に比較してください。
FAQシステムを導入するときは製品ごとの特徴・機能を比較しよう
FAQシステムとは、顧客や従業員からのよくある質問と回答を集約し、検索しやすいように構築できるシステムのことです。FAQシステムの種類は主に社外・社内・コールセンター向けに分けられ、それぞれ特徴や導入効果が異なります。FAQシステムは無料で使えるものも多くあるため、製品ごとに特徴や機能を把握し有料システムと比較した上で自社に合ったFAQシステムを導入しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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