- 作成日 : 2025年3月3日
DATEDIF関数の使い方とは?使えない場合はどうする?
ExcelやGoogleスプレッドシートを日常的に利用している方には、DATEDIF関数が役立つ場面が多々あります。この関数は、2つの日付の差を計算し、年、月、日単位での差を示すために利用されます。しかし、使い方には注意が必要であり、特定の条件下では正常に機能しないことがあります。本記事では、DATEDIF関数の基本的な使い方や利用例を詳しく解説し、使えない場合の対処法についても触れていきます。これにより、日付の管理や計算がよりスムーズになるでしょう。
目次
DATEDIF関数の使い方
DATEDIF関数は、2つの日付の間の期間を計算するための非常に便利なツールです。この関数を使用すると、年、月、日単位での期間を簡単に求めることができます(Excelのバージョンによっては、関数の一覧に表示されない場合があります)。
DATEDIF関数の基本構文
この関数の基本的な書き方は以下の通りです。DATEDIF関数は3つの引数(関数に入力する値のこと)を取ります。
=DATEDIF(開始日, 終了日, 単位)
ここで、開始日には比較したい最初の日付、終了日にはその後の日付を入力します。そして、単位には計算したい期間の単位を指定します。
使用できる単位
DATEDIF関数では、期間の単位として以下の簡略を用いることができます。
“Y” – 年数(満年数)を返します。(例: 2023年12月31日から2024年1月1日の場合、”Y”では0が返されます。)
“M” – 月数(満月数)を返します。(例: 2023年1月15日から2023年12月15日の場合、”M”では11が返されます。)
“D” – 日数(2つの日付間の総日数)を返します。
“YM” – 年は無視して、月数(満月数)を返します。(例: 2023年1月15日から2024年1月14日の場合、”YM”では11が返されます。)
“YD” – 年を無視して、日数を返します。(例: 2023年1月1日から2023年12月31日の場合、”YD”では364が返されます。)
“MD” – 月と年を無視して、日数を返します。(例: 2023年1月1日から2023年1月31日の場合、”MD”では30が返されます。)
例を用いた具体的な使い方
例えば、2022年1月1日から2023年1月1日までの年数を計算する場合、次のように記入します。
=DATEDIF(“2022/1/1”, “2023/1/1”, “Y”)
この場合、結果として1が得られます。(2022年1月1日から2023年1月1日までの期間は、満1年であるため、1が返されます。)同様に、月数や日数を計算したい場合も、単位を変更すれば簡単に求めることができます。
別の例では、2021年5月15日から2022年8月20日までの日数を求めたい場合、次のように入力します。
=DATEDIF(“2021/5/15”, “2022/8/20”, “D”)
これにより、合計の期間を日単位で確認することができます(この場合、結果として462が返されます)。
注意点とエラーチェック
DATEDIF関数を使用する際にはいくつかの点に注意が必要です。まず、開始日が終了日よりも前でなければなりません(開始日が終了日よりも後の場合、計算結果は正しく表示されません)。もし開始日が終了日よりも後である場合は、エラー(#NUM!)が表示されます。また、日付の形式には注意し、正しく入力することが重要です。
日付の形式は、”YYYY/MM/DD”、”YYYY-MM-DD”、”YYYY年MM月DD日”など、Excelで認識できる形式であれば使用できます(例: “2023/1/1″、”2023-01-01″、”2023年01月01日” など)ただし、文字列として入力する場合は、””(ダブルクォーテーション)で囲む必要があります。(例: “=DATEDIF(“”2023/1/1″”, “”2024/1/1″”, “”Y””)” )。
DATEDIF関数の利用シーン
DATEDIF関数は、日付間の差を計算するための非常に便利なツールです。この関数は、特定のビジネスやプライベートのシチュエーションで特に役立ちます。以下に具体的な利用シーンをいくつかご紹介します。
契約期間の算出
ビジネスの世界では、契約期間の計算が必要な場面が多々あります。例えば、リース契約や人材契約の有効期間を確認する際に、DATEDIF関数を使うことができます。これにより、契約が開始された日と終了した日を基に、契約の持続期間を簡単に算出することができます。このようなデータがあることで、次のステップをスムーズに進めることができるのです。
年齢の計算
年齢を計算することも、DATEDIF関数の一般的な利用法の一つです。特に誕生日から特定の日付までの年齢を求める際に、この関数は効果的です。例として、ある人の誕生日が1990年1月1日で、2023年10月1日までの年齢を計算する場合に、DATEDIF関数を活用することで、年、月、日単位で正確に表現することができます。誕生日の記録や年齢確認が求められる場面で極めて便利です。
プロジェクトの進捗管理
プロジェクト管理においても、DATEDIF関数を用いることで進捗状況を把握しやすくなります。例えば、プロジェクトの開始日と終了日、または中間の目標日を設定する際に、各タスクの残り日数や全体の進捗率を計算するのに重宝します。この引き算を実施することで、チーム全体の効率的な時間管理が実現できるでしょう。
以上のように、DATEDIF関数は多様なシーンでの応用が可能です。日付に関する計算が必要な場面では、その簡易さと正確性から非常に役立ちます。
DATEDIF関数が使えない場合の対応
DATEDIF関数が利用できない状況においても、他の方法で日付の差を計算することが可能です。この章では、DATEDIF関数が使えない理由と、その代替手段について詳しく説明します。
DATEDIF関数が使えない理由
まず、DATEDIF関数が使えない理由について考えてみましょう。主な原因として、使用しているエクセルのバージョンが古いこと(例えば、Excel 2010以前のバージョン)や、特定のフォーマットに対応していない場合(例えば、日付の形式がDATEDIF関数で認識できない形式の場合)があります。また、エクセルの非対応の環境下でこの関数を利用しようとすると、エラーが発生することもあります。
代替手段の紹介
DATEDIF関数が使えない場合には、他の方法で日付の差を求めることができます。一つは、単純にDATEDIF関数と同様の結果を得られる数式を使用することです。この場合、実際の計算方法や数式の使い方を理解しておくことが必要です。また、 YEARFRAC関数などの他の関数を組み合わせることで、より高度な計算を行うことも可能です。
日付の差を計算する基本的な数式
日付の差を計算する基本的な方法は、二つの日付を引き算することです。具体的には、次のように入力することができます。例えば、セルA1に開始日(2023/1/1)、セルB1に終了日(2023/1/31)が入力されている場合、次の式で日数を求めることができます。
=B1 – A1
この数式によって、B1の日付からA1の日付を引き算し、その結果が日数(この場合は30)として得られます。日数以外の単位(例えば月や年)で結果を求めたい場合は、さらに加工が必要です。
日数を月や年に変換する方法
もし日数を月数や年数として表示したい場合、別途数式が必要です。例えば、日数を月数に変換する場合、次のような計算が考えられます。ここでは、1年を約365日、1月を約30日と仮定します。
=INT((B1 – A1) / 30)
この数式は、日数を30で割ることで月数を求める方法です(より正確な月数を計算する場合は、1カ月の平均日数である30.4375で割ります。=INT((B1 – A1) / 30.4375))。同様に年数を計算するには、次のように入力します。
=INT((B1 – A1) / 365)
これにより、開始日と終了日から求めた日付の差を年数として表すことができます。(より正確な年数を計算する場合は、1年の平均日数である365.25で割ります。=INT((B1 – A1) / 365.25))
他の便利な関数との組み合わせ
DATEDIF関数の代わりに、他の関数を組み合わせて日付の差を求めることも可能です。たとえば、YEARFRAC関数を使用すると、開始日から終了日までの年数を小数点以下で計算することができます。次のように式を入力します。
=YEARFRAC(A1, B1)
この関数によって、実際の日数に基づいた正確な年数が得られます。この方法は、特に財務やプロジェクト管理において役立つことでしょう。
DATEDIF関数はスプレッドシートで使える?
DATEDIF関数はGoogleスプレッドシートでも使用可能です。この関数は、2つの日付の間の差を計算するために用いられ、特に年、月、日単位での期間を求める際に非常に便利です。スプレッドシートを使用することで、データの管理や計算をより効率的に行うことができます。
スプレッドシートでのDATEDIF関数の使い方
Googleスプレッドシートでは、DATEDIF関数を簡単に入力することができます。その基本的なフォーマットは以下の通りです。
DATEDIF(start_date, end_date, unit)
ここで、start_date は計算の開始日、end_date は終了日、unit は求めたい期間の単位を示します。単位には、「Y」(年)、「M」(月)、「D」(日)などが使用できます。
実際の使用例
例えば、2022年1月1日と2023年1月1日の間の年数を計算したい場合、以下のように入力します。
=DATEDIF(“2022/01/01”, “2023/01/01”, “Y”)
この関数を実行すると、結果は「1」となり、1年の差であることが分かります(同様に、月数を計算する場合は”M”、日数を計算する場合は”D”をunitに指定します。例えば、=DATEDIF(“2022/01/01”, “2023/01/01”, “M”)と入力すると、12ヶ月の差が計算されます)。実際のデータ管理において、このような計算を頻繁に行うことができるため、非常に便利です。
注意点
DATEDIF関数は、実際にはスプレッドシートのヘルプドキュメントには記載されていないことがあるため、使い方に注意が必要です。例えば、開始日が終了日よりも未来の日付である場合、エラー(#NUM!)が表示されるため、日付の順序には気を付けてください。また、この関数は、時間要素を考慮に入れないため、時刻まで含めた精密な計算には向いていません。
スプレッドシートでのDATEDIF関数は、日付の差を簡単に計算できる強力なツールです。その便利さを活かして、様々な状況で活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
DATEDIF関数は、日付間の差を求める際に非常に便利なツールです。特に、年、月、日単位での計算が可能であり、さまざまなビジネスシーンで活用できます。正確なデータ管理や分析において、DATEDIF関数をマスターすることで、業務の効率化を図ることが可能です。また、利用できない場合の代替手段についても知識を持つことで、状況に応じた柔軟な対応ができます。スプレッドシートにおいても、手軽に使用できるため、ぜひ実践してみてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
MATCH関数とは?使い方をわかりやすく解説
MATCH関数とは、ExcelやGoogleスプレッドシートにおいて、指定した値が範囲内のどの位置にあるかを返す関数です。MATCH関数を使用すると、大量のデータの中から必要な情報を迅速に見つけられます。MATCH関数は、他の関数と組み合わ…
詳しくみるエクセルで平均を出す方法の基本と応用
エクセルを使用することで、数値データの平均を簡単に求めることができます。基本的な平均の算出方法から、離れたセルや異なるシートを参照した平均値の計算、更にはゼロを除外して平均を求めるテクニックまで、幅広く解説していきます。それぞれの手法を理解…
詳しくみるCOUNTIF関数の使い方とは?複数条件・範囲の指定までわかりやすく解説
ExcelのCOUNTIF関数は、特定の条件に基づいてセルの数をカウントする非常に便利なツールです。本記事では、COUNTIF関数の基本的な使い方から、複数条件や範囲の指定方法までを丁寧に解説します。さらに、COUNTIF関数と他の関連関数…
詳しくみるエクセルの改ページプレビューとは?ページを増やしたり解除する方法
エクセルにおける「改ページプレビュー」は、データを印刷する際のページ分割を視覚的に確認できる便利な機能です。これにより、どのようにデータが印刷されるかを予測しやすくなります。改ページの位置を調整することで、帳票の見栄えや情報の伝達を向上させ…
詳しくみるエクセルで行や列を非表示にするには?解除の仕方やグループ化の方法まで
エクセルを使っていると、データの整理や見やすさを向上させるために行や列を非表示にすることがあります。しかし、非表示にした行や列の解除方法や、グループ化を利用して折りたたむテクニックも必要です。この記事では、エクセルで行や列を簡単に非表示にす…
詳しくみるエクセルで時間を計算する方法まとめ!目的別にやり方を解説
エクセルは、時間の計算を行う上で非常に便利なツールです。ビジネスシーンや日常生活において、勤務時間の集計やタスクごとの経過時間の把握など、さまざまな場面で役立ちます。本記事では、エクセルを使用して時間を計算する方法を詳しく解説します。合計時…
詳しくみる