- 更新日 : 2026年4月28日
ペーパーレスは脱炭素になる?環境への影響やCO2削減効果を解説
ペーパーレスによって脱炭素や環境負荷の軽減を図るには、紙の使用量だけでなく、電気の使用量も減らす必要があります。パソコンなど日々使用しているオフィス機器も、電力を消費することでCO2を排出しているためです。
当記事では、ペーパーレス化において電力消費量の削減が重要になる理由、脱炭素につながるペーパーレス化の方法について説明します。
目次
ペーパーレスで脱炭素・環境負荷軽減につながる?
現在紙ベースで作成・管理している書類などをペーパーレスにすることは、脱炭素や環境負荷軽減につながります。ペーパーレスによって紙の廃棄量を減らせれば、紙を焼却処分する際に発生するCO2の排出量を削減できるためです。
また、紙を製造するために行われる森林伐採も、地球環境に悪影響を与える原因の1つとなっています。紙の原料は木材なので、紙の消費が増えるほど大量の木が伐採されることになります。しかし、CO2を吸収する木が減少すれば、地球温暖化が進行します。ペーパーレスが進んで紙の使用量が減れば、伐採される木も減り、環境保全に寄与できるでしょう。
CO2排出量削減の鍵は「電力消費量」
しかし、ただ紙の使用量を減らすだけでは、CO2排出量削減につながらない可能性があります。なぜなら、紙を使わない代わりに電子機器やサーバーの電力消費が増えれば、CO2排出量がかえって増加するケースも考えられるためです。
簡易的ではありますが、紙の焼却処分によるCO2排出量の目安は「紙の重さ×CO2排出係数0.34」で求めることができます。たとえば、約4gのA4サイズの普通紙を1万枚焼却した場合、CO2排出量は約13.6kgです。
| A4サイズ普通紙:4g×1万枚×CO2排出係数0.34=13.6kg |
出典:環境LOHAS「Web時代の環境家計簿 ~暮らしのCO2チェック~」
一方で、電力消費に伴うCO2排出量の目安は「電力使用量×CO2排出係数」で求められます。東京電力の場合、2023年度のCO2排出係数は、調整後で0.408です。つまり、100kWhの電力を消費すると、約40.8kgのCO2を排出することになります。
たとえば、社内で24時間稼働のサーバー1台、1日8時間稼働のパソコン10台・モニター10台を20日間使用してペーパーレス化を図り、1時間あたりの消費電力を以下のように仮定した場合、消費電力はこのように計算できます。
| サーバー:1時間あたり20W×24時間×20日間×1台=9.6kWh
パソコン:1時間あたり10W×8時間×20日間×10台=16kWh モニター:1時間あたり5W×8時間×20日間×10台=8kWh |
※1,000Wh=1kWh
上記の消費電力を合計すると33.6kwhとなり、CO2排出量の目安は「月の消費電力÷消費電力の基準値100kwh×CO2排出基準値40.8kg」で計算できるので、この計算式に当てはめると、サーバー・電子機器によるCO2排出量は約13.7kgです。
したがって、A4の普通紙1万枚を焼却処分する場合と、サーバー・電子機器を用いてペーパーレス化した場合のCO2排出量を比較すると以下の通りとなり、このケースではペーパーレス化するほうが若干ですがCO2排出量は増えます。
| A4の普通紙1万枚を焼却処分する場合:約13.6kg
サーバー・電子機器でペーパーレス化した場合:約13.7kg |
CO2排出量を削減するためには、電力消費量を減らすことが重要です。紙の使用量を減らすのと同時に、職場環境に応じて最適な機器やシステムを導入し、電力消費量を抑えることを目指すとよいでしょう。
脱炭素につながるペーパーレス化の方法
ただ紙の使用量を減らすだけでは、脱炭素は実現できません。脱炭素につながるペーパーレス化の方法は5つ挙げられます。
会議資料の共有にプロジェクターを使う
会議資料をペーパーレス化すれば、参加者全員分の紙を印刷する必要がなくなり、紙の消費量や廃棄量を抑えられます。しかし、参加者一人ひとりがノートパソコンやタブレットなどの端末を使い、消費電力が大きく増えてしまうと、脱炭素にはつながりません。
脱炭素につなげるためには、会議資料をペーパーレスにした上で、使用する端末の数を減らす必要があります。プロジェクターを使って会議資料を共有すれば、パソコンやタブレットの使用台数を減らせるので消費電力を抑えられるでしょう。会議資料は、会議終了後に更新し、メールやチャットで共有する方法がおすすめです。
紙に出力する際は両面印刷にする
業種や職場環境によっては、会議資料なども紙ベースで用意しなければならない場合もあります。たとえば、プロジェクターや共有のモニターを準備できないケースや、パソコン・タブレットなどを持っていない従業員がいるケースなどです。
資料や文書を紙で用意せざるを得ない場合は、可能な限り両面印刷で出力することで、紙の使用量を削減できます。片面に2ページ分印刷することでさらに紙の使用量を減らせますが、印刷される文字のサイズがあまりに小さいと読みにくくなるため注意が必要です。紙の使用量削減に向けて、業務効率に影響が出ない程度に印刷方法を工夫するとよいでしょう。
古紙を分別回収してリサイクルに回す
使用済みの紙の資料や不要になった冊子、ポスターなどの古紙は、適切に分別回収してリサイクルに回すことが大切です。古紙はリサイクルすることで新たな紙製品になるため、紙を焼却処分する際のCO2排出量削減につながります。古紙をリサイクルする際の資源区分や回収期間は自治体や業者によって異なるため、確認の上、社内でルールを共有するとよいでしょう。
また、重要性が低い資料などの印刷に、使用済みの紙の裏面を利用するという手段もあります。ただし、使用済みの紙の裏面を活用する際には、個人情報などシュレッダーにかけるべき情報が記載された紙は使わないようにしましょう。
省エネ・節電を心がける
ペーパーレスと合わせて省エネ・節電を心がけることで、脱炭素につなげることが可能です。各企業で実施できる具体的な省エネ・節電の方法としては以下が挙げられます。
| ・使っていない部屋の照明は必ず消す
・使っていない機器の電源を落とす ・モニターなどを省電力モードに設定する ・エアコンの設定温度を調節する ・省エネ・節電効果が高い家電や機器に買い替える |
省エネ・節電につながる行動は、誰でもすぐに実施できるものばかりです。オフィスの現状を確認し、従業員にも周知して、できる対策から実施するとよいでしょう。
ペーパーレス化を推進するツールやシステムを導入する
リモートワークを導入する企業が増えたこともあり、ペーパーレス化を推進するツールやシステムも多く登場しています。たとえば、オンラインストレージはペーパーレス化を推進する上で有効なシステムの1つです。データをクラウド上で保管でき、資料の物理的な保管場所が必要ありません。また、社外からもアクセスできる、破損や災害からデータを守れるなど、さまざまなメリットがあります。
従来は紙ベースで管理するケースが多かった勤怠管理も、クラウドサービスを使って行う企業が増えています。クラウド型の勤怠管理システムはリモートワークにも対応しやすい点がメリットです。
国による脱炭素に向けたペーパーレス化の支援
日本が脱炭素に向けた目標を達成するためには、大企業はもちろん、中小企業も脱炭素化を進めていくことが欠かせません。経済産業省は「カーボンニュートラル・アクションプラン」の中で、脱炭素への取り組みを行う中小企業に対してさまざまな支援策を用意しています。
脱炭素への取り組みの内容に応じた各種補助金の交付も、CO2排出量削減に向けた支援の1つです。CO2排出量の把握に役立つ排出量等算定ツールもあるため、脱炭素に向けてどのような取り組みを行うか検討する際などに活用するとよいでしょう。
ペーパーレス化で脱炭素を図るには電力消費を抑えることが必要
ペーパーレスは脱炭素を目指す上で欠かせない要素の1つではありますが、ペーパーレス化の推進でオフィス機器の電力消費量が増えると、かえって多くのCO2が排出される可能性があります。
そのため、ただ紙を減らすのではなく、電力使用量の抑制も意識することが大切です。クラウドサービスを活用してペーパーレス化を図りながら、こまめな省エネ・節電を心がけ、脱炭素を目指しましょう。
システム乱立を解消するためのステップとは?
多くの企業がバックオフィス業務効率化のため多様なクラウドシステムを導入するも、「便利なはずが非効率」という現実に直面しています。
その原因は、勤怠や経費など「部分最適」なシステム導入による乱立です。システム同士がつながらず、データの手入力やExcelでの突き合わせ作業が常態化。
これは「見えないコスト」を増やし、業務フローを複雑化させ、現場の負担を増大させます。システム乱立のリスクを整理し、業務アセスメントによる根本解決策をご紹介するホワイトペーパーを用意していますので、ぜひお気軽にご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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