• 更新日 : 2024年7月3日

Slackのワークフローとは?使い方や活用方法を解説

Slackのワークフローは、テンプレートを活用した定型的な反復タスクを自動化できるワークフロー作成機能です。今回は、Slackのワークフロー作成手順やワークフロービルダーの使い方などを解説します。Slackのワークフローを使ってできることや、注意点なども説明するので、チーム管理者はツール導入のヒントにお役立てください。

Slack(スラック)のワークフローとは?

Slackのワークフローとは、Slackで作成したチームでタスクを効率的に進めるための機能であり、主にビジネスにおける業務の流れを可視化し、チーム運営の効率化につなげる目的で活用します。複雑な業務手順が発生するチームは、ワークフローを活用することで個々の負担を軽減するのが可能です。

なお、Slackで利用可能なワークフローは、手軽に扱えるものから時間のかかるものまで、あらゆるものがあります。テンプレートをもとに作成したり、新規で独自性の高いワークフローも作成したりすることができます。ただし、Slackでワークフローを使う場合は、有料プランの加入が必要です。

Slackのワークフロービルダーとは

ワークフロービルダーは、Slackでワークフローの作成を自動化できる専用のツールです。ワークフロービルダーを使うことで、コミュニケーションの効率化が期待できます。

ワークフロービルダーの特徴

ワークフロービルダーは、Slackでワークフローを作成するための機能です。ワークフローを作成するだけではなく、作成したワークフローの管理や必要に応じた編集ができます。

  • ワークフローの編集
  • ワークフロー名の変更
  • ワークフローのコピーを作成
  • ワークフローファイルのダウンロード
  • メンバーからの回答をダウンロード(リクエスト機能利用の場合)
  • ワークフローの公開停止
  • ワークフローの削除

ワークフローファイルは、テキストファイルとしてダウンロードできます。ダウンロード(エクスポート)したワークフローファイルは、必要に応じてワークフロービルダーへのインポートが可能です。

ワークフロービルダーのエクスポート・インポートについて

エクスポートやインポートするワークフローファイルは、テキストファイルの拡張子が「.json」になっています。「.json」は、データ記述言語のJavaScriptで使うフォーマットのJASON(JavaScript Object Notationの頭文字を略したもの)形式の拡張子名です。

ワークフロービルダーでは、ワークフローをテンプレートから作成と、新しいワークフローの作成ができます。

ワークフロービルダーで動作しないレガシーワークフロー

2023年9月以前に作成したワークフローは、レガシーワークフローとして扱われます。レガシーワークフローは、2023年9月以前の古いワークフローのことです。レガシーワークフローは、ワークフロービルダーで再作成しないと新しくバージョンアップされたワークフロービルダーでは動作しない仕様とのことです。

参考:Slack「ワークフロービルダーの新しいバージョンへのレガシーワークフローの移行」

Slackのワークフローでできること

Slackのワークフローは、活用することでチームマネジメントを効率化できます。ワークフローが得意とする具体的なシーンは、次の通りです。

出来上がったテンプレートから始められる

Slackでワークフローを活用する場合は、出来上がったテンプレートから始められるため、作成する工数が減らせます。具体的には、次のテンプレートなどが利用可能です。

活用できるテンプレート内容
ステータス通知フォームメンバー全員に送信したフォームで回答を受けメンバーの状況を把握できるテンプレート
リクエストの承認経費や出張などの申請から承認までのプロセスをリクエストできるテンプレート
長時間労働を防止するリマインダーメンバーへの休憩を促すリマインダーの自動発信テンプレート
進捗状況を共有するリマインダーメンバーへ送信したリマインダーにより、スレッド上で進捗状況を共有するテンプレート
フィードバック依頼メンバーからフィードバックをもらうためのテンプレート

Slackでは、テンプレートの活用で効率的にワークフローを作成できます。テンプレートは、リクエストやアラート機能などの定型的な業務手順の自動化が可能です。

業務に集中しているメンバーは、フィードバックや報告が負担となる場合も考えられます。そのような時間のかかる反復タスクをテンプレートで自動化すれば、円滑なコミュニケーションが期待できるでしょう。

外部クラウドベースをひとつにまとめられる

Slackは、外部のクラウドベースのツールとワークフローを一つにまとめられます。Slackには、外部ツールと連携するアプリを選ぶAppディレクトリがあります。Appディレクトリに表示されている外部クラウドベースのツールは、連携することでSlack上から操作が可能です。

例えば、メンバーの投稿アクションにより、連携したGoogleスプレッドシートの行を自動で追加もできます。ワークフローでリマインドしたメンバーと、そのままビデオ会議を始めることも可能です。

これら外部クラウドベースのツールは、Slackとは別に起動する必要がありません。外部連携の設定が完了できれば、Slackのワークフローとして活用できます。

チームビルディングに役立つリマインダーの活用ができる

Slackは、チームビルディングに役立つリマインダー機能を活用できます。チームビルディングとは、チームメンバーの能力や経験などを引き出し、明確な目標で運営する活動方法のことです。

チームビルディングでは、明確な業務内容でメンバー間の業務の重複を防ぐ必要があります。Slackのワークフローで設定できるリマインダー機能は、進捗状況の投稿や確認事項などを促す役割を持っています。リモートワークで進めるチームビルディングには、欠かせないコミュニケーション機能ではないでしょうか。

新規で独自のワークフローを構築できる

Slackのワークフローは、新規で独自のワークフローを構築できます。企業独自のカスタムアプリなどとの連携も可能です。コーディングが必要な自社アプリの場合は、Slack API(Slack用のアプリケーションインターフェース)で企業ツールと連携できます。

ワークフロービルダーと連携した場合は、コネクタ経由でワークフローを構築できます。定型的なワークフローであれば、ワークフロービルダーによるテンプレートの編集でも対応できるでしょう。

Slackワークフローの使い方

Slackのワークフローを使うには、ワークフローの場所や作り方、編集方法などを理解する必要があります。

Slackのワークフローの場所

Slackのワークフローは、ワークフロービルダー内で管理されています。名前から探す場合は、Slackのツール画面上部の検索フォームにワークフロー名の入力が必要です。他にも、次の場所からワークフローを表示できます。

  1. 左端の縦メニューバー下部にある「その他(横の三点リーダー)」をクリック
  2. 「自動化」をクリック
  3. 「自動化」右にある「+」または「ワークフロービルダー」をクリック
  4. 「ワークフロー」を選択

ワークフローの作成方法

ワークフローの作成方法は、ワークフロービルダーを開き次の手順で実行します。

  1. ワークフロービルダー右上部の「作成」をクリック
  2. 新しく開いたダイアログボックス「ワークフローに名前を付けます」に名前を入力
  3. 「次へ」を選択
  4. 「このワークフローを開始する方法を選択」画面で5つの開始方法から目的のワークフローを選ぶ
  • ショートカット
  • チャンネルの新しいメンバー
  • 絵文字リアクション
  • スケジュールされた日付と時間
  • Webhook(高度な設定)

ワークフローを選択したら、必要項目を設定して「次へ」をクリックします。すると、ワークフローの最初のステップが設定されます。必要に応じてステップを追加しましょう。

ワークフローの編集方法

ワークフローは、ワークフロービルダーを使って編集できます。

  1. ワークフロービルダーの「ワークフロー」から編集対象を選択
  2. 右側にある「横の三点リーダー」をクリック
  3. 「編集」を選ぶ
  4. 編集したいステップに表示された「編集」ボタンをクリック
  5. 編集カ所を変更したら「保存する」をクリック

編集した内容は、右上部に表示された「変更内容を公開」ボタンを押すことで変更が反映されます。

ワークフローの連携方法

ワークフローによる外部との連携は、次の手順で行います。

  1. 左端の縦メニューバー下部にある「その他(横の三点リーダー)」を開く
  2. 「外部とのつながり」を選択
  3. 「ダイレクトメッセージを開始する」を選択
  4. 「外部の人とのメッセージ」に外部メンバーのメールアドレスを追加する
  5. 「招待を送信する」を選択

招待メールを送った先方が承諾することで、外部メンバーとして追加されます。招待用のメールアドレスは、複数の追加が可能です。そのため、複数のメンバーを一括招待することもできます。

Slackワークフローの活用方法

Slackのワークフローは、ビジネスにおいて次の場面で活用できます。

申請や承認にまつわるアクション

一般的には、ワークフローは、申請や承認などの社内稟議で活用されます。Slackで実行するワークフローは、社外メンバーも含めた契約書申請や承認の効率化が可能です。Slackを実行できる環境さえあれば、どこからでも申請書類の承認ができます。

また、テンプレートを編集すれば申請書類に不備があった際の差し戻しも設定できます。

人事・経理業務の申請手続き

Slackは、ワークフロー機能を使うことで人事や経理関連の書類申請も可能にします。リモートによる申請手続きを実行できれば、書類申請だけの目的で出社する必要がありません。申請手続きのコスト削減にも役立ちます。

企画書の壁打ち

Slackは、チームメンバーと書類の共有ができます。チャンネルで企画書などを共有し、メンバー同士の壁打ちも可能です。共有する書類上のコメントとは別にワークフローで確認済みのメッセージを送信できます。

Slackワークフロー利用のポイントや注意点

Slackのワークフローを利用する際の押さえておくポイントは、Slackで使われている専門用語を覚えることです。

ITに慣れていない方がワークフロービルダーを利用した場合、初期設定で迷うことが考えられます。参考までに、ワークフロービルダーで使う専門用語をいくつか紹介しましょう。

ワークフロービルダーで使う専門用語内容
トリガー
  • ワークフローで自動化の対象となるポイント
  • トリガーを起点として設定
ステップSlackユーザーによる具体的なワークフローの操作方法
変数ワークフローで設定する任意の変数

  • クリックユーザー数
  • ワークフローを始めるチャンネル
  • ワークフロー開始時刻
  • ステップの開始時間や完了時間
  • 質問への回答数
  • フォームの提出ユーザー数

など

コラボレーターワークフロー管理権限(編集・管理)のあるユーザーのこと
ワークフローマネージャーコラボレーターに付与できる権限(ワークフロー作成者と同じ権限を付与)
トリアージ優先順位を設定する方法
スタンドアップ・ミーティング
  • メンバーの進捗状況を共有
  • 本日のToDo(やるべきこと)
  • 課題の絞り込み

Slackのワークフローで定型業務をテンプレート化しよう

Slackのワークフローは、ワークフロービルダーを活用することでテンプレートから独自のワークフローが作成できます。チームメンバーが社内外問わず増えてきた場合は、定型業務のテンプレート化で業務の負担軽減に役立つでしょう。

ただし、Slackのワークフローはテンプレートを活用したメリットだけではありません。ワークフローは、有料プランを利用しなければ使えない機能なので、その点を知ったうえで活用しましょう。

ワークフロービルダーは、専門用語が登場します。言葉の意味を覚えておき、慣れないうちは、既存のワークフローを編集して利用してみてはいかがでしょうか。


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