• 更新日 : 2024年10月8日

業務改善報告書の書き方やポイントは?無料テンプレート・記載例つき

業務改善報告書は、会社組織の非効率な業務を見直すために必要な書類です。会社の生産性向上や業務効率化には、業務改善報告書の作成が欠かせません。では、業務改善報告書をどのように作成すればよいでしょうか。

本記事では、業務改善報告書の書き方やポイントについて解説します。無料テンプレートや記載例なども触れていますので、参考にしてください。

業務改善報告書とは?

業務改善報告書は、会社の既存業務に対して非効率な点を課題として改善するための報告書類です。ここでは業務改善報告書の概要について解説します。

業務改善報告書を作成する目的は?

業務改善報告書は、これらを実現するための改善点を報告する目的で作成します。

  • 業務効率化:業務の非効率で無駄な部分を改善する取り組み
  • 生産性の向上:業務の見直しやコスト削減、リスク管理により収益を増加させる取り組み
  • 従業員の満足度向上:従業員の無理な作業工程を見直し、業務負担を軽減

業務改善提案書との違いは?

業務改善報告書と業務改善提案書は、作成するタイミングに違いがあります。

  • 業務改善報告書:業務改善の実施結果や実施の意向を報告する書類(実施後の報告)
  • 業務改善提案書:業務改善の実施を提案する書類

業務改善報告書は、すでに実施した業務改善の取り組みを報告する書類です。一方の業務改善提案書は、改善すべき取り組みを提案し、上長の判断を仰ぐ目的で作成します。ただし、企業によってはどちらも同じ意味合いの書類として扱う場合もあるでしょう。

業務改善報告書の書き方・記載すべき内容は?

業務改善報告書は、実施する改善施策の内容や効果などの理解を促す書き方が求められます。1枚の業務改善報告書で理解を得るには、次の項目が必要です。

業務改善報告書に記載する項目
  • 業務改善施策の概要:目的・実施期間の明示
  • 業務改善施策の内容:具体的な内容の提示
  • 改善効果の測定:定量的な効果・定性的な効果
  • 現状の課題と今後の対応策:改善施策を必要とする理由・改善に必要な取り組み
  • 次年度の改善計画:改善対象の業務・改善する目的・改善の実施予定時期

改善施策の概要

改善施策の概要では、施策名や施策の目的、施策の実施期間などを記載します。改善施策が「どのような目的のために取り組むのか」を書き出す項目なので、会社の利益に関わる内容が求められます。例えば、業務効率化や社内コミュニケーションの活性化、ペーパーレス化など改善による利益向上を判断できることがポイントです。

具体的な改善施策

業務改善施策は、概要で示した施策の目的を具体的に示す必要があります。例えば、クラウド型グループウエアの導入により社内連携の効率化を図ったり、ワークフローの電子化によりペーパーレス化を促進したりすることです。

また、具体的な改善施策では、実施内容や導入日、導入対象なども詳しく記載しましょう。

改善効果の測定

業務改善施策は、「どのような効果を得られたか(または得られるか)」を判断するために改善効果の測定の項目が必要です。改善効果の測定では、定量的な効果と定性的な効果を分けて記載するとより理解しやすくなるでしょう。

課題と今後の対応

改善施策には、課題と今後の対応の記述も必要です。現状の課題と今後の対応を示すことで改善施策の精度向上が期待できます。具体的な対応策が記されてあれば報告内容の実現可能性も高くなるでしょう。

次年度の改善計画

次年度の改善計画の記載は、報告した改善施策の将来的な展望として役立ちます。改善施策の実施結果から、業務効率化に向けた取り組みや、社内のデータ連携システムの強化など、さらなる企業の成長につながる次年度改善計画の項目が必要です。

業務改善報告書の無料テンプレート

業務改善報告書は、最初から作成しなくても記載すべき内容を反映したテンプレートが利用可能です。

下記のリンクの無料テンプレートは、前項の業務改善報告書の書き方で紹介した記載すべき内容がすべて含まれています。

業務改善報告書(エクセル)はこちら

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業務改善報告書の記載例

ここでは、実際の業務改善報告書の記載例をいくつか紹介します。

業務効率の改善を実施する場合

業務効率の改善を実施する場合、以下の項目の記載例が参考になるでしょう。

報告者:○○○○(○○部 課長)

基本情報報告期間令和○年○月○日 ~
令和○年○月○日
対象部署全社
改善施策の概要施策名デジタルツールの活用による業務効率の改善
施策の目的業務効率の向上
実施期間令和○年○月○日 ~
令和○年○月○日
具体的な改善施策1.クラウド型グループウエアの導入
  • 具体的な業務内容
  • 明確な導入日
  • 対象者(改善該当者)
2.ワークフローのデジタル化
  • 具体的な業務内容
  • 明確な導入日
  • 対象業務プロセス(改善に該当する業務)
改善効果の測定定量的な効果
  • 紙の使用量○%削減
  • 稟議承認プロセス○%削減
定性的な効果
  • 属人的な業務の見直し
  • 社内における情報共有・連携の強化
課題と今後の対応現状の課題
  • 一部社員のITスキル不足
  • セキュリティ意識の向上
今後の対応策
  • ITスキル習得のための社員研修を定期的に実施
  • 情報セキュリティ知識教育の実施
次年度の改善計画IT技術の導入による定型業務の自動化
  • 対象業務
  • 導入予定時期
社内のIT知識強化に向けたナレッジ管理システム構築
  • 実施目的
  • 構築予定時期

改善効果の測定項目では、定量的な効果には具体的な数値指標が理解を促します。また、報告書は必要に応じて添付資料を添えることも効果的です。

社内コミュニケーションの活性化を実施する場合

業務改善報告書の記載事例では、社内コミュニケーションの活性化を実施する場合の書き方があります。

報告者:○○○○(○○部 課長)

基本情報報告期間令和○年○月○日 ~
令和○年○月○日
対象部署全社
改善施策の概要施策名デジタルツールの活用による社内コミュニケーションの活性化
施策の目的社内コミュニケーションの活性化
実施期間令和○年○月○日 ~
令和○年○月○日
具体的な改善施策オンライン会議システム活用の促進

  • 具体的な実施内容
  • 導入開始日
  • 対象の会議
改善効果の測定定量的な効果
  • 会議時間前年比○%削減
  • 会議開催コスト(移動コストなど)○%削減
定性的な効果
  • リモートワーク環境の整備による働き方の見直し
  • 社内コミュニケーション機会の創出
課題と今後の対応現状の課題個々の過密スケジュールによるコミュニケーション機会の減少
今後の対応策オンラインとオフラインを融合したコミュニケーション機会の創出
次年度の改善計画オンライン会議システムに付随する機能の強化
  • 対象業務
  • 導入予定時期
  • 実施目的
  • 構築予定時期

社内コミュニケーションの活性化が施策の場合は、オンライン会議システムの導入を機に、次年度以降のシステムを強化することも改善計画となるでしょう。

業務改善報告書を作成するときのポイントは?

業務改善報告書を作成するときは、次のポイントが重要です。

記載内容の具体性

業務改善報告書は、記載すべき内容の具体性が求められます。特に、定量的な改善効果や次年度の改善計画などは、明確な数値で表し、数値の裏付けになる資料の添付が必要です。記載内容に具体性がなければ、希望的観測と判断されるかもしれないので、その点を意識しましょう。

提出先に適した書き方

業務改善報告書は、提出先に適した書き方で調整しましょう。提出先の部署が非IT系の担当者ばかりであれば、専門用語を極力抑えた内容が適しています。また、社内向けの報告書と社外向けの報告書では、書き方が異なります。提出する相手を意識した書き方が求められるでしょう。

報告書の共有

作成した業務改善報告書は、業務改善の事例として共有する可能性があります。改善施策の実施によりコスト削減や人材不足解消などの成果を出せれば会社の基本ノウハウになるかもしれません。そのため、業務改善報告書は社内で共有することも考えた実用的な視点で作成しましょう。

業務改善報告書は項目ごとに具体的な書き方が必要

業務改善報告書は、記載する内容によって1枚の報告書だけで読み手の理解を高められるでしょう。読み手が理解を得るには、改善施策の概要や具体的な内容、改善効果の測定、課題や対応策、次年度改善計画などを項目として作成します。その際に記載すべき項目を一つひとつ具体的に表現することが大事です。まずは、自社の基本テンプレート作成してみましょう。


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