- 更新日 : 2024年10月8日
イベントのタイムスケジュール・進行表の作り方|無料テンプレも
イベントを成功させるためには、タイムスケジュール・進行表の作成が重要です。これにより、スタッフや司会者が役割を把握し、円滑なイベント運営が可能になります。進行表は、トラブルを防ぎつつ、スムーズな進行をサポートする役割を果たします。
この記事では、イベントのタイムスケジュール・進行表の作成方法やポイントについて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
イベントのタイムスケジュール・進行表とは?
イベントのタイムスケジュールとは、イベント当日の開始から終了までのスケジュールが記載された表のことです。イベント進行表や進行台本と呼ばれることもあります。イベントのタイムスケジュールに記載されるのは、大まかな進行予定だけではありません。イベント進行中の司会や運営スタッフ、来場者の動きなども予定時刻とともに細かく記載されます。
イベントの進行をスムーズに行うためには、タイムスケジュールは誰が、いつ、どこでといった「5W1H」を明確にして作成される必要があります。大きなイベントであればあるほど、タイムスケジュールの作成には全体を考える俯瞰的な視点が必要です。綿密なタイムスケジュールがあればイベント進行につきもののトラブルを大幅に減らせます。タイムスケジュールはイベント成功の鍵を握るとも言えるでしょう。
台本との違い
台本とは、主にイベントの司会進行役がイベント中に何を話すかをまとめた資料のことです。イベントの司会進行は、盛り上げ役の要であると同時に場に応じた適切な振る舞いが求められます。台本には、イベントを盛り上げるため司会進行中に起こりうる展開を予測し、参加者に投げかけるとよいセリフやコメントがあらかじめ書き込まれていることもあります。バラエティ色の強いイベントであれば、「この話題で盛り上がった場合は、さらに深掘りする質問を投げかける」など、具体的な指示が書き込まれていることもあるでしょう。会議や研修のイベントであれば、イベントの流れの説明や参加者の自己紹介のタイミングなど、スムーズなイベント進行を行うためにやるべきこととそのタイミングが細かく指示された台本もあります。
一方、イベントのタイムスケジュールはイベント全体の構成を一覧にしたものを指します。台本は司会進行役のためのもの、タイムスケジュールはイベントを運営する全体の進行を助けるものという点が大きな違いです。
タイムテーブルとの違い
タイムスケジュールとタイムテーブルの違いは、指定の時間に行われるべき活動やタスクが明示されているかどうかにあります。
タイムテーブルは特定の期間内に予定されている行動や行事について時間順にまとめた一覧表です。具体的な作業内容までは明記されていません。学校の授業時間や交通機関の時刻表がタイムテーブルの一例です。イベントに関しても、開場時刻や出演予定時刻などの進行スケジュールと時間のみを表した一覧表はタイムテーブルと言えるでしょう。
一方タイムスケジュールは会議やイベントの進行中に行われるべき活動やタスクを一覧にまとめたものを指します。指定の時間に誰がどこにいるべきなのか、何をするべきなのかといった活動内容の詳細が示され、イベントを円滑に進行するための計画表としての役割も果たします。
タイムテーブルとタイムスケジュールは一般的には厳密な区別がなく、意味を混同して使われることもあるため注意が必要です。タイムスケジュールの作成を依頼された場合は、どのような情報を盛り込めばよいかを担当者間で確認しておくとよいでしょう。
イベントのタイムスケジュール・進行表が必要な理由
イベントの進行をスムーズに行うためには、タイムスケジュールが必要不可欠です。ここでは、なぜタイムスケジュールを作成する必要があるのかについて3つの理由を説明しましょう。
スタッフの役割が明確になりスムーズにイベントを運営できるため
タイムスケジュールには、イベントの進行中にそれぞれのセクションのスタッフがいつどこでどのようなタスクを消化すればよいか明記されています。イベントは刻一刻と状況が変化するため、スタッフが漠然とした役割を把握しているだけではうまくいかないこともあります。事前に必要な準備ができていなかったり、他の担当者との連携が不十分だったりすると、イベントの進行に重大な影響を及ぼしかねません。
タイムスケジュールにスタッフの役割やタスクを明記することで、イベントをスムーズに運営できるようになります。
司会者・運営担当者がタイムマネジメントしやすくなるため
イベントは時間管理も重要です。終了時刻が遅れた場合、撤収時刻にまで影響し会場の延長使用料を支払わなければならなくなることもあります。そのため、イベント進行役となる司会や進行係にはタイムマネジメント能力が求められます。
タイムスケジュールがあれば、進行役のタイムマネジメントが想定しやすくなるでしょう。適切な話題の提供や転換のタイミングを把握できていれば、行き当たりばったりで段取りの悪い進行になる心配もありません。
同じ認識でスタッフが運営に携われるため
タイムスケジュールに書かれた役割を俯瞰的に確認することで、スタッフそれぞれに他の担当者が同時刻にどのような動きをしているかが理解できるようになります。他の役割を担うスタッフの動きが分かれば、担当者間で声を掛け合うなどセクションを超えた連携が期待できます。
また、タイムスケジュールを通してスタッフそれぞれに明確な役割を自覚してもらうことで、一つひとつの仕事の精度を高め、よりよいイベント運営が行えるでしょう。
イベントのタイムスケジュール・進行表の無料テンプレート
イベントのタイムスケジュールを作成する際は、テンプレートを使うと便利です。印刷サイズや視認性をふまえた文字サイズの設定などを考える必要がなく、あらかじめ決まった枠内に必要事項を記入するだけでスムーズに作成が完了します。下記のテンプレートをぜひご活用ください。
イベントのタイムスケジュール・進行表の作り方
イベントのタイムスケジュールにはスムーズなイベント進行に欠かせない情報を盛り込む必要があります。ここでは、タイムスケジュールを作成するにあたって考えておくべき5つの項目について紹介しましょう。
スタッフの役割を決める
スタッフの役割はイベントを成功させる上で最も重要です。抜け漏れがないよう、必要な役割を洗い出すところから始めましょう。一般的なイベント運営で必要となる主な役割には以下のものが挙げられます。
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イベントの規模によっては、役割をより細分化したりスタッフが複数の役割を兼任したりする必要もあります。たとえば、ステージ係はさらに音響係や照明係などに分ける場合もあるでしょう。人数が足りない場合は、プロのスタッフを外注するという方法もあります。まずは適切な役割分担と人数配分を考えることが重要です。
会場の見取り図を元に当日の動きを決める
イベントの運営者は、緊急避難経路を確保し誘導できるようになっておく義務があります。その他にも、関係者と来場者が鉢合わせしないようそれぞれの導線を限定したり、資材の大きさに合わせた搬入経路を確保したりするために、会場見取り図に精通しておく必要があるでしょう。
1つの経路に複数のスタッフの導線を用意してしまうと、混雑や怪我の原因になりかねません。他にも、ステージ係のスタッフの導線が遠回りする仕様になっていると、舞台での演出のタイミングにミスが生じる場合もあります。出演者の控え室やスタッフの待機場所、駐車スペース、物資・ケータリングの搬入経路など、必要な導線はさまざまです。会場見取り図を用いてどのスタッフがどの導線を使うのかを仕事の優先度を考慮しつつ整理することが大切です。
当日の全体的な流れを決める
イベント開催当日の会場設営から撤収までの流れを計画します。全体の流れや予定時刻が定まれば、当日の細かな動きを決定できます。また、全体の流れは「スタッフ」「出演者」「来場者」など役割を分けて整理しておくとよいでしょう。同じ時間軸でどのスタッフがどのような仕事をしているかが把握しやすくなります。イベントに伴って決めなければならない主な流れは以下の通りです。
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全体の流れを決めるのは、定刻どおりにイベントを進行するためです。時間を厳守するためには明確なスケジュールを立てることも大切ですが、不測の事態に備えてそれぞれの時間には余裕を持たせるようにしましょう。
イベント自体の流れを決める
準備や撤収の時間を除いた、イベント本番中の流れを決定します。司会者をはじめ、音響や照明といった裏方スタッフ、ゲスト・来賓の動きなど役割ごとに分刻みの詳細な内容を盛り込みましょう。司会や音響、照明などの演出プランについてもイベント自体の流れとして決定します。
大きなイベントでは専門のスタッフに外注していることもあるため、詳しいプランはスタッフに委ねられることもあるでしょう。その場合は、仕上がったプランに時間や配置人数を考えつつ無理のないものになっているかをチェックする必要があります。
緊急時の対応マニュアルを決める
緊急時の対応マニュアルは、地震等の自然災害のほか、怪我人や急病人が発生した場合も含めさまざまな事態を想定して作成することが重要です。天候や交通機関の大幅な遅延などもイベント進行に影響を及ぼしかねないため、想定に加えておくとよいでしょう。
特に来場者への避難誘導は、責任者だけでなくスタッフ全員が的確な指示ができるよう準備しておく必要があります。緊急時の対応をスムーズに行うには、アナウンス内容や誘導の方法についてはマニュアル化しておくことが効果的です。さらに、災害や事故が発生した場合、適切な緊急連絡先に繋げられるよう、警察や消防などの連絡先を一覧にしてリストを作成しておきましょう。来場者だけでなく、スタッフの安全確認も想定して緊急時の指示系統や集合点呼のタイミング、避難経路の指示もマニュアルに記載します。
イベントのタイムスケジュール・進行表の記載内容
ここでは、実際のタイムスケジュールにどのようなことを記載すればよいのかを詳しく解説します。
- タイムテーブルタイムテーブルは、イベントの中で取り上げられる話題や企画について分刻みに記した一覧表です。司会による開会の挨拶や出演者の紹介など、イベント内で予定されているスケジュールがいつ起きるのかを示しています。また、その話題や展開の所要時間も併記しておきましょう。
- 台本司会者がイベントを進行する際に言うべきことをまとめた台本です。開会の挨拶や来賓紹介の順番など、アドリブではなくきちんとした文言で伝えなければならない情報は、言うべきタイミングでセリフが記載されています。
- 照明・音響の指示イベント進行中に用いる演出の指示です。台本やタイムテーブルに記載されている場合もあります。時間で指定するとトラブル等で開演が遅れた場合に正確なタイミングで演出できないかもしれません。時間の進行以外にも開会の挨拶や紹介者の名前が呼ばれたタイミングなど、具体的な展開と演出プランを合わせて書き込むとよいでしょう。
- 映像の指示VTRやスライドの表示のタイミングです。記念映像の上映や議題の表示など、最適なタイミングで提示できるようにあらかじめタイムスケジュールに記載しておきます。時間だけでなく司会者のセリフなどを合わせて記しておくことで抜け漏れやタイミングのズレを防ぐことができます。
ライブなどの音楽イベントでは、さらに細かな指示が必要になるかもしれません。場合によってはカメラワークの指示や小道具のセッティングなどの記載が必要になる可能性もあります。イベントの内容をよく練りながら、適宜記載するものを考えましょう。
イベントのタイムスケジュール・進行表を作成する際のポイント
イベントのタイムスケジュールを作成する際は、確認するスタッフや運営者に必要な情報がより正確に伝わるよう意識することが大切です。ここでは、タイムスケジュールを作成する際のポイントについて解説します。
トラブルの発生を考慮する
どれだけ緻密な計画を立てていても、イベントにトラブルはつきものです。機材の故障や交通機関の遅延など、想定されるトラブルについては対策をあらかじめ考えておくとよいでしょう。トラブルへの対応については、タイムスケジュールの備考欄を活用する方法があります。備考欄には他にも、特定の時間に終わらせておくべきタスクを書き込んでおきましょう。タイムスケジュールを確認すればやるべきことが分かる状態を作っておくことで、スタッフの急な配置換えが起こった場合も抜け漏れを防げます。
スタッフ向けの注意事項を記載する
会場によっては独自の利用ルールが定められている場合があり、飲食が可能なスペースが限られていたり、搬入搬出の経路や方法に制限があったりします。各スタッフが知っておくべき注意点は、口頭で伝えるだけでなくタイムスケジュールに盛り込んでおくとよいでしょう。タイムスケジュールはスタッフそれぞれが必ず確認するため、備考欄に注意事項が記載されていれば目にとまる確率も高くなります。注意事項を知らずにミスやトラブルを招く確率を下げるためにも、注意事項を書き込んでおくことが大切です。
タイムスケジュールを活用してイベントを円滑に運営しよう
タイムスケジュール・進行表は、イベントを滞りなく進めるために欠かせません。スタッフの役割を明確にし、会場全体の流れを把握することで、当日の混乱を防げます。また、トラブル対策を事前に講じることで、柔軟な対応が可能になります。
これらのポイントを押さえて、効果的なタイムスケジュールを作成し、イベントを成功に導いてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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