• 更新日 : 2024年12月12日

香典返しのお礼状の書き方!基本マナーと例文・無料テンプレも

香典返しのお礼状は、香典をいただいた方々への感謝とともに、忌明けを報告する書状です。対面で香典返しを渡す場合は不要ですが、発送する場合はお礼状を添える必要があります。「文章中には句読点を使わない」「忌み言葉を避ける」などの注意点を守ることで、相手に失礼なく誠意を伝えられます。

当記事では、お礼状の作成に悩む方に向けて、香典返しのお礼状の基本的な書き方やマナー、宗教別の例文を解説します。手書きが負担に思える場合は、テンプレートを活用し、内容に誠意を込めましょう。

香典返しお礼状の無料テンプレート

香典返しのお礼状は手書きのほうが望ましいと言われることもありますが、パソコンを使って作成・印刷する方法でも問題ありません。お礼状の枚数が多い場合や手書きで対応する時間がない場合は、無料のテンプレートを活用すると簡単にお礼状を作成できます。

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香典返しのお礼状とは?

香典返しのお礼状とは、葬儀や通夜に参列した方からもらった香典の返礼品に添えるお礼状のことです。香典返しは、四十九日法要を済ませた後、これまでのお礼と無事に忌明けを迎えた報告とともに渡します。かつては喪主が一軒ずつ訪ねて手渡しし、直接お礼を伝えていました。

しかし、現在は手渡しよりも郵送が一般的です。そこで、口頭で伝える代わりにお礼状を用意し、返礼品に添えるのが礼儀となりました。香典返しを手渡しするならお礼状は不要ですが、配送する場合はお礼状が必須です。

香典返しのお礼状や挨拶状に使う用紙は?

香典返しのお礼状に使う用紙には主に3種類あり、それぞれ格式が異なります。香典返しを贈る相手との間柄によって使い分けるとよいでしょう。

  • 奉書紙

昔は官府の公文書などに用いられていたことから、格式が重んじられる場面で使う上質な和紙です。お礼状には巻紙タイプを使用し、等間隔に折りたたんで封筒に入れます。

  • カード

弔事にふさわしいデザインが施されたカードタイプのお礼状は、「略式挨拶状」とも呼ばれます。奉書紙よりも格式は下がりますが、近年は広く使われています。

  • はがき

一般的なはがきもお礼状として使われることがありますが、親しい人に略式でお礼する場合のみに限られます。「略儀ながら」などの文言を入れるようにしましょう。

香典返しのお礼状を書く際のマナー

香典返しのお礼状を書く際には、さまざまなマナーがあります。相手に失礼にならないよう、基本的な書き方のポイントを押さえておきましょう。

濃墨もしくは薄墨を使う

一般的に、忌明け後の香典返しに添えるお礼状は濃墨で記載するのが適切とされています。ただし、地域や宗派によっては薄墨を用いる場合もあるため、事前に確認が必要です。手書きに限らず、印刷する場合も同様です。そのため、住んでいる地域の風習に合わせて濃墨もしくは薄墨を選択するようにしましょう。

「。」「、」の句読点は使わない

香典返しのお礼状には「、」の読点と「。」の句点を使わないのが基本です。句読点を使わないとする由来には「葬儀や法要が滞りなく終わったことを伝えるため」「毛筆で書く書類には句読点を使う習慣がないため」などの諸説があります。

本来であれば読点を使うところにはスペースを、句点を使うところには改行を入れるようにしましょう。厳格なマナーとして決まっているわけではありませんが、目上の方や年配の方のお礼状を書く際は句読点を使わないよう心がけるほうが無難です。

忌み言葉や重ね言葉を使わない

忌み言葉とは、冠婚葬祭で避けるべきとされている、不吉や不幸を意味する言葉です。重ね言葉も忌み言葉の1つで、不幸が繰り返されるとして冠婚葬祭で使うのはタブーと言われています。忌み言葉の具体例は以下の通りです。

忌み言葉具体例
死を思わせる直接的な言葉死ぬ、死去、急死、生きていた
不吉に感じられる言葉四、九、切れる、終わる、忙しい、大変、消える
不幸が続くような言葉再び、また、続いて、重ねて、次に、何度も、追って
同じ音を繰り返す重ね言葉いろいろ、重ね重ね、度々、次々、時々、わざわざ

日本には「言葉にはその通りになる力が宿っている」とする、言霊の考え方があります。そのため、不吉や不幸を思わせる言葉を発すると、その言葉と同じ結果が実現するとされ、冠婚葬祭の場では避けるようになりました。また、不幸や不吉な出来事を思い起こさせる言葉は、遺族の気持ちを意図せず傷つけることにもなりかねません。

忌み言葉や重ね言葉は挨拶状にできる限り使わないようにするか、適切な表現に言い換えるようにしましょう。

頭語・結語は入れるが時候の挨拶は入れない

「拝啓」などの頭語や「敬具」などの結語は、香典返しのお礼状には入れなくても問題ないとされています。しかし、香典返しを贈る相手が目上の方なら、頭語と結語はセットで使うほうが、より丁寧な印象になります。

ただし、相手との関係を問わず、香典返しのお礼状には時候の挨拶は不要です。通常の手紙では頭語の次にその季節に関する事項の挨拶を入れますが、香典返しのお礼状は忌明けの報告とお礼を兼ねたものなので必要ないとされています。

便箋1枚で一重の封筒に入れる

香典返しのお礼状は長く書けばよいわけではなく、紙を何枚も使うと不幸が続くことを連想させるので、便箋1枚に収めるのがマナーです。折りたためる奉書紙、もしくは1枚で済むカードタイプを使うと、お礼状が複数枚になる心配はありません。

また、お礼状を入れる封筒は白無地の一重封筒を使うのが一般的です。二重封筒は、不幸が続くことを連想させるので、香典返しのお礼状を贈る際には使いません。封筒の表面には、中央に「御礼」「御挨拶」と書きます。裏面には、左側に喪主の住所と名前を記載しましょう。

香典返しのお礼状の書き方|基本的な構成

香典返しのお礼状の書き方には、ある程度のパターンがあります。書き方に迷った際は、基本的な構成に従ってみましょう。

  • 頭語
  • 葬儀参列や香典に対するお礼
  • 四十九法要が終わった報告
  • 生前の故人との付き合いに対するお礼
  • 香典返しの品物を届ける報告
  • 略式で済ませることのお詫び
  • 結語
  • 日付と氏名

親族や友人など、親しい人へのお礼状の場合は、頭語と結語を省いても問題ありません。その際、どちらか片方のみを省くのではなく、両方とも入れない形で統一しましょう。

【宗教別】香典返しのお礼状の例文

基本的に香典返しを贈るのは仏式の習慣で、キリスト教式や神式にはそうした風習はありませんが、「御花料」や「御玉串料」に対するお礼を渡す場合があります。宗教によって使用すべき言葉や返礼品を贈るタイミングは異なるので、ここからはキリスト教式と神式に分けてお礼状の文例や送付時期について説明します。

キリスト教式

故人が亡くなることをカトリックは「昇天」、プロテスタントは「召天」との言葉で示します。また、御花料のお返しを贈る時期はカトリックは逝去後30日目の追悼ミサ、プロテスタントは1か月後の昇天記念日以降になります。

<書き出し部分の例文>

拝啓

先般は 亡(続柄)(洗礼名や俗名)の昇天に際し 丁寧なお心遣いを賜り 厚く御礼申し上げます

おかげを持ちまして 追悼ミサを滞りなく執り行うことができました

掛け紙は黒白または黄白の結び切りを使い、表書きには地域や宗派に応じて「志」「偲び草」など適切な言葉を記載します。

神式

神式では「帰幽」などの言葉を使います。御玉串料のお返しは、故人が亡くなってから50日目にあたる「五十日祭」以降に贈ります。

<書き出し部分の例文>

拝啓

先般は 亡(続柄)(俗名)の帰幽に際し ご丁重なるご厚志を預かり 厚く御礼申し上げます

おかげを持ちまして 五十日祭を滞りなく相営むことができました

掛け紙は黒白または黄白の結び切りを使い、表面の中央に「偲び草」と記入します。中国・四国地方などでは「茶の子」を使うこともあります。

基本的なマナーを守って香典返しにお礼状を添えよう

香典返しのお礼状は、忌明けの報告とともに、香典をいただいたことに対する感謝の気持ちを表す大切な書状です。作成時には「句読点を使わない」「忌み言葉を避ける」「便箋1枚にまとめる」など、基本的なマナーを守ることが求められます。

また、宗教や地域の風習により、お礼状の文面やタイミングが異なる点にも配慮が必要です。香典返しのお礼状は印刷したものでも問題ないため、テンプレートも活用し、相手に心からの感謝を伝えるお礼状を作成しましょう。


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