• 更新日 : 2024年12月12日

マーケティング計画とは?スケジュールの立て方や手順・テンプレを紹介

マーケティング計画は、企業がマーケティング目標を達成するための計画です。計画が適切に設計されていれば、限られたリソースを効果的に活用し、目標達成の可能性を高められます。しかし、スケジュールの立て方が曖昧だと、計画の実行段階でつまずきが発生する恐れがあるため、実現可能性が十分に高い計画に落とし込むのが重要です。

この記事では、マーケティング計画の基本概念やスケジュールの立て方を詳しく解説するとともに、役立つテンプレートも紹介します。

マーケティングのスケジュールを定めるマーケティング計画とは

マーケティング計画とは、企業のマーケティング活動を成功に導くための「全体的な設計図」です。マーケティング計画では、目標達成のための戦略や行動指針に基づいてスケジュールが組み立てられます。

なお、マーケティング計画と似た言葉として、「マーケティング戦略」がありますが、それぞれ意味は異なります。マーケティング戦略は、企業が目標達成のために採用する大枠の方針、例えば「誰をターゲットにするか」「何を提供するか」「どのチャネルを使うか」をまとめるものです。対して、マーケティング計画は、マーケティング戦略を実現するための具体的な行動計画を組み立てる書類です。

例えば、「男性向け化粧品の認知度向上」を目的とする場合、「20代の男性」に「SNS広告を通じて」「スキンケアの魅力を訴える」のがマーケティング戦略です。

マーケティング戦略の策定後、マーケティング計画では具体的にSNS広告を活用する際の投稿内容や頻度、効果測定のタイミングを決めます。

マーケティングのスケジュールの無料テンプレート

マーケティング計画を立てるときには、行動スケジュールを適切に立てるのが大切です。無料のテンプレートを使えば、情報の漏れを減らしつつ、分かりやすいスケジュールを立てられるでしょう。

マーケティングのスケジュール立案に向いた無料テンプレートは、以下からダウンロードできます。

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マーケティング計画を立案する手順

マーケティング計画の立案は、事業目標を達成する基盤です。計画を適切に設計すれば、限られたリソースを最大限に活用した、効率的かつ効果的なマーケティング活動を実現できます。

以下では、マーケティング戦略の策定から効果測定までの具体的な手順を解説します。

マーケティング戦略を策定する

マーケティング計画を立てる前に、市場調査をした上でマーケティング戦略を策定します。策定にあたっては、以下のようなフレームワークを活用した分析がおすすめです。

3C分析市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの要素を比較検討し、自社の競争優位性を明確にする
4P分析Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の4つの要素から、マーケティング戦略を分析する
4C分析Customer Value(顧客価値)、Cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション) の4つの要素から、顧客視点で戦略を設計する
SWOT分析自社の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を整理し、内部環境と外部環境を総合的に分析する
PEST分析政治(Political)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)の外部環境要因が自社に与える影響を評価する

フレームワークを活用して、ターゲット市場や顧客のニーズ、競合他社との違いを明確にし、「誰に」「何を」「どのように」提供するかという基本的な戦略を決定します。

マーケティング戦略に合わせてKPIを策定する

マーケティング戦略が決定したら、実行の数値目標であるKPI(重要業績評価指標)を設定します。KPIを策定する際は、以下の「S.M.A.R.T」の法則を満たしましょう。

  • Specific(具体的): 目標が明確かつ具体的である
  • Measurable(測定可能): 定量的な指標で進捗を把握できる
  • Achievable(達成可能): 実現可能な範囲で設定されている
  • Relevant(関連性): 戦略や目標に直結している
  • Time-bound(期限): 期限を明確に設定する

例えば、「ウェブサイトのトラフィックを増加させる」という戦略があれば、「月間訪問者数を5万人に増やす」といったKPIを設定し、達成するための各施策を決定します。

マーケティングの行動スケジュールを立てる

戦略とKPIが整ったら、実行に移すための行動スケジュールを作成します。行動スケジュールを立てる手順は、以下の通りです。

1施策に優先順位をつける
マーケティングスケジュールを立てるときは、施策の優先順位をつけることが重要です。即効性が期待できるSNS広告やリスティング広告などの短期施策と、コンテンツマーケティングなどの中長期施策を洗い出し、KPIに応じて施策の優先順位を付けましょう。
2年間ロードマップを立てる
マーケティング活動をフェーズごとに整理し、1年間のうちどの施策をいつ実行するのかをロードマップにします。
3年間ロードマップを月次スケジュールに分解する
年間ロードマップを月次のスケジュールへと分解し、各月のKPIやタスクを決定します。例えば、クリスマス商戦をターゲットにした場合、10月に広告キャンペーンの準備を開始し、11月中旬に告知、12月初旬からピークに向けた販売促進を行うといった流れを計画します。

月次スケジュールまで分割した上で、各タスクを担当者に割り振ってください。

スケジュールを立てる際には、月次レビューや四半期レビューを設定し、主要なKPIをチェックしてスケジュール管理をするプロセスを含めておきましょう。

マーケティングの予算を決める

スケジュールを立てた上で、KPIや優先順位、および以下のような費用対効果を示す指標に基づいてマーケティング予算を配分します。

  • CPA(Cost Per Acquisition)

顧客獲得単価を示す指標です。「施策の費用÷コンバージョン数」で計算します。

  • ROAS(Return on Advertising Spend)

広告費用に対する売上回収率を示す指標で、「広告費用対効果」とも呼ばれます。「広告経由の売上÷広告費×100」で計算します。

  • ROI(Return on Investment)

投資利益率を示す指標です。「売上利益÷投資した費用×100」で計算します。

  • CPL(Cost Per Lead)

リード1件を獲得するのに必要な金額を示す指標です。「リード獲得にかけた費用÷リード数」で計算します。

  • LTV(Lifetime Value)

顧客が自社に生涯にわたってもたらす利益を示す指標です。「顧客の年間取引額×収益率×顧客の継続年数」で計算します。

各指標を使って施策ごとの費用対効果を算出した上で、重要な施策にリソースを重点配分し、費用対効果が低い施策は縮小するか停止して無駄を防ぎましょう。

マーケティング計画書を作る

立てたマーケティング計画を、マーケティング計画書の形に落とし込みましょう。マーケティング計画書には、以下のような情報を含めてください。

  • 計画の目的と背景
  • KPI
  • 具体的な施策内容と実施方法
  • スケジュール
  • 予算配分

マーケティングの効果を測定する

マーケティング施策が目標を達成しているかを評価するためには、適切な効果測定が不可欠です。効果測定では、以下のような施策の目的に応じた指標を選び、結果をデータとして分析すれば、次回の戦略を最適化できます。

ブランド認知率消費者が自社ブランドをどれだけ認識しているかを示す指標です。将来的な購買行動に直結するため、特に新商品や新規市場参入時に重要です。
クリック単価(CPC: Cost Per Click)広告をクリックされた際に発生する費用で、「広告費÷クリック数」で算出します。特にWeb広告の費用対効果を評価する際に用いられます。
トランザクション・コンバージョン率(TCR)サイト訪問者が購入などの目標行動を達成した割合で、購買や登録が最終的な目的となる施策で特に重要な指標です。「トランザクション数÷訪問者数×100」で算出します。
ROAS次回以降の予算策定の参考として、広告費用対効果も指標として残しましょう。
直帰率サイト訪問者が別ページに移動せずに離脱した割合です。Webサイトのエンゲージメントを評価する際に重要な指標で、「直帰した訪問数÷訪問者数×100」で計算します。

マーケティング計画を立てるときのポイント

マーケティング計画を効果的に実行するためには、関係者で計画を共有し、メンバー全員が目的や戦略を理解している状態を作ることが重要です。具体的な目標、戦略、施策、KPIは文書化してまとめ、全員に共有しましょう。また、計画を立てるときや施策を進めるときは、チームメンバーの誰もが進捗をすぐに確認できるようにすれば、遅れや抜け漏れを防ぎやすくなります。

また、計画が現実的でなければ、どれほど素晴らしい戦略を立てても実行段階で頓挫する可能性があります。したがって、計画範囲内で実現可能な目標を設定するために、予算や期間について十分な分析を行うことが不可欠です。

過去の成果に合わせて費用対効果を見積もるだけでなく、想定外のトラブルや状況変化に備え、全体予算の5~10%を予備として確保しておきましょう。期間設定にあたっては、施策ごとの準備期間と、起こりうるトラブルを考えた上で、タスクを分割して短期的な施策を実行してください。

マーケティングスケジュールや計画の立案にテンプレートを活用しよう

マーケティング計画を効果的に実行するためには、立てた戦略や策定したKPIに基づいて行動スケジュールや予算配分を行うのが重要です。また、計画が現実的であることも成功の鍵となります。目標が過大であれば、施策が頓挫する可能性が高まり、反対に目標が低すぎれば効果が限定的になるでしょう。

この記事で紹介したテンプレートやフレームワークを活用すれば、計画を効率的に立案できるだけでなく、定期的なレビューや効果測定を通じて改善点を見つけやすくなります。ぜひテンプレートを活用し、実現可能なスケジュール立案に役立ててください。


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