• 作成日 : 2024年6月12日

レジュメとは?書き方や作り方、作成する際のポイントを解説

レジュメは大学の講義やビジネス会議などで使用されますが、分野によって使い方や書き方が異なります。分野に合わせた正しい書き方を理解しておかなければ、要点から逸れたわかりにくいレジュメになってしまうかもしれません。

本記事では、レジュメとは具体的に何を意味するのか、また各分野でのレジュメの使い方やポイントを解説します。研究や教育、ビジネスなど、それぞれの分野でのレジュメ作成の参考にしてください。

レジュメとは

レジュメとは、文章や発表などを要約したもののことをいいます。フランス語で「要旨」や「概要」などの意味を持つ「résumé」が語源です。

レジュメは研究や教育、ビジネスなど多様なシーンで使われます。授業やプレゼンテーションなどの開始時に配布され、レジュメを閲覧しながら話を聞くのが一般的です。

ビジネスではプレゼンテーションや会議資料のほか、職務経歴を記載した履歴書のことをレジュメと呼ぶことがあります。

どの場合においても、基本的にレジュメとは何らかの内容についてまとめてある資料のことを指します。

レジュメを作成する目的は?

レジュメは伝えたいことの要点や結論をわかりやすくするために作成されます。たとえば、一般的に会議用のレジュメには議題の要旨が記載されています。

プレゼンテーションや授業の場合は、細かい説明を除いたおおまかな内容が載っていることが多いでしょう。パワーポイントを使う場合は、スライドを印刷した書面がレジュメとして配布されることがあります。

レジュメには、とくにテンプレートやルールはありません。利用シーンや話し手に合わせて自由に作成できます。ただし、どのようなレジュメを作るかにかかわらず、要点が明確にわかるよう見やすさ・読みやすさにこだわりましょう。

レジュメに似ている言葉との違い

レジュメに似ている言葉に、以下の4つがあります。

  • アジェンダ
  • アウトライン
  • サマリー
  • アブストラクト

どれも似たような場面で使われますが、細かい違いを理解しておかないと混乱してしまうことがあります。ここではそれぞれの意味やレジュメとの違いを解説するので、違いを理解し、的確に使い分けましょう。

アジェンダ

「アジェンダ」とは「議題」や「行動指針」のことです。会議のアジェンダの場合、単に会議の議題を指すこともあれば、会議のタイムスケジュールや決定事項の効力などを記載した資料のことを指すこともあります。

アジェンダはレジュメのなかに含まれていることもあれば、アジェンダとレジュメを別々に用意することもあります。とくに参加者が多い大規模な会議や話し手が複数人いるプレゼンテーションでは、内容の要旨をまとめたレジュメとは別に、式次第のようなアジェンダを作成することが多いでしょう。

アウトライン

「アウトライン」とは「概要」や「あらすじ」のことです。レジュメよりもカジュアルな意味で使われることが多く、レジュメを作るために書き出した要点の箇条書きやメモなどのことをアウトラインと呼びます。

プレゼンテーションにおいて「レジュメを作って」と言われたら、一般的にはプレゼン時に配布する資料のことを指します。「アウトラインを作って」と言われたら、これから作るプレゼンの概要資料を求められていることが多いでしょう。

サマリー

「サマリー」とは「要約」や「要旨」のことです。レジュメと比べるとより結論に焦点が置かれています。レジュメが会議やプレゼンテーションの前に共有するものであるのに対し、サマリーは最後に共有するのが一般的です。

会議の場合、レジュメは会議の流れや議題をまとめているのに対し、サマリーは会議で出た意見や結論をまとめています。レジュメと比べると、サマリーのほうが箇条書きは少なく、文章でまとめられていることが多い傾向にあります。

アブストラクト

「アブストラクト」とは「概要」や「要旨」のことです。サマリーとほとんど同じニュアンスで使われますが、アブストラクトはとくに研究の発表や論文において使用されます。主に実験や研究の結果がまとめられており、アブストラクトを読んだだけで研究の概要と成果がわかるように構成されています。

分野別:レジュメの使い方

レジュメは分野ごとに使い方が少し異なります。ここでは、以下の3分野におけるレジュメの使い方を解説します。

  • 研究や教育
  • 就職や転職
  • ビジネス

それぞれどのような場合にレジュメを用意すべきなのか理解しましょう。

研究や教育の分野

研究や教育の分野では、論文や研究テーマの要点を伝えるためにレジュメを使用します。単に要点を箇条書きで列挙すればよいのではなく、論理的な流れも重要です。

講義で使うレジュメは、講師が学生に対して講義の助けとして配布するものです。その日の講義の要点や、パワーポイントのスライドなどが記載されています。

読んだ文献の内容を報告するためのレジュメは、研究分野によってフォーマットが決まっていることがあります。レジュメに必要なのは文献に書かれていることの要点で、自分の意見や感想は基本的に記載しません。

自身で行った研究を報告するためのレジュメは、研究内容や結果の前に問題設定も記載します。どのようにして研究するに至ったのかがわかるようにまとめましょう。

就職や転職の分野

就職や転職の分野では、一般的にレジュメ=履歴書や職務経歴書を指しています。英語で履歴書を「resume」というため、とくに外資系企業では履歴書や職務経歴書をレジュメと呼ぶことがあります。

履歴書や職務経歴書とは別に「レジュメを出してください」と言われた場合、学歴や職歴に加えて、自身がこれまで企業でどのような活躍をしてきたかを記載した書類を提出しましょう。

とくに決まったフォーマットはありませんが、だからこそ自分のキャリアやスキルを強くアピールするような工夫が求められます。これまでの経歴を簡潔にまとめつつ、長所やポテンシャルが明確に伝わるような資料を作りましょう。

ビジネスの分野

ビジネスの分野では、レジュメはプレゼンテーションや会議の資料に使われます。プレゼンテーションの場合は、パワーポイントのスライドを出力した資料をレジュメとすることもあります。

会議のレジュメで重要なのは議題の論点が明確であることです。なぜ会議が必要なのか、何を討議するのかが参加者にはっきりわかるように記載します。

併せて、討議に必要なデータや参考資料もあればレジュメに載せることがあります。

分野別: レジュメの書き方や作り方

ここからは、以下の3分野におけるレジュメの書き方や作り方を解説します。

  • 研究や教育
  • 就職や転職
  • ビジネス

それぞれの書き方を押さえ、各分野にふさわしいレジュメを作れるようにしましょう。

研究や教育の分野

研究や教育の分野では、主に以下の事項を記載します。

  • 研究や講義のタイトル
  • 発表日時
  • 研究発表者や講師の氏名
  • 論文や教育の目的・背景
  • 方法
  • 結果
  • 考察
  • 結論
  • 参考文献

研究や教育の分野のレジュメで大切なのは、論文・研究内容の論点を簡潔に伝えることです。目的や方法、結果などは論理的かつシンプルにまとめるよう意識しましょう。

とくに結果や考察は自身で得た研究成果に関する部分なので、内容を省きすぎないように注意してください。

信憑性を高めるために参考文献も必要です。参考文献は基本的に最後に記載しましょう。またレジュメ内で引用する場合は、各分野で定められている形式に沿って引用することで信憑性をより高められます。

就職や転職の分野

就職や転職の分野では、主に以下の事項を記載します。

  • 氏名
  • 住所
  • 生年月日
  • 学歴
  • 職歴
  • 資格・スキル
  • 自己PR
  • 志望動機
  • 希望条件

就職や転職の分野のレジュメは、履歴書や職務経歴書に書く内容と大きな違いはありません。レジュメには履歴書のようなフォーマットがないので、自分をアピールできるよう記載事項を調整してください。

人となりを伝えるためや、仕事に関係する内容であれば趣味や特技について触れるのもよいでしょう。

なお、就職や転職の分野では基本的に箇条書きは使用せず、文章で伝えるようにしてください。読む人に好印象を与えられるよう、丁寧で具体的な文章を意識しましょう。

ビジネスの分野

ビジネスの分野のレジュメは、主に以下の事項を記載します。

  • 会議・プレゼンテーション日時
  • 場所
  • 出席者の氏名
  • 議題・テーマ
  • 目次

社内で使用するレジュメであれば、箇条書きで要点のみ記したものでもよいでしょう。ただし、経営陣や役員など目上の立場の人が同席する場合や、社外向けのレジュメの場合は見た目にもこだわるのがベターです。

グラフや画像などを適宜挿入し、わかりやすいレジュメを作りましょう。社外向けのレジュメには、会社のロゴを挿入したりコーポレートカラーで装飾したりすると自社をアピールできます。

レジュメを作成する際のポイント

ここでは、とくにビジネスの分野のレジュメを作成する際のポイントを解説します。以下のポイントを意識して、読んだ人に伝わりやすいレジュメを作りましょう。

  • 一目見て理解できる目次にする
  • レイアウトをわかりやすくする
  • テーマごとに予定時間を記載する
  • 要点は簡潔に整理する
  • データや数値を盛り込む
  • 誤字脱字をチェックする

一目見て理解できる目次にする

レジュメは目次を見ただけで会議やプレゼンテーションの要点がわかるようにしましょう。

目次を読んだだけで討議の全体的な流れや決定すべきことが把握できる状態が理想です。最初に目次を読んで会議の方向性がわかれば、参加者の意欲の向上にもつながります。

また、どこに何のデータがあるのか目次で明確しておくことも大切です。討議に必要なデータの箇所がすぐにわかることで、スムーズな会議を実施できます。

レイアウトをわかりやすくする

レジュメは見やすさにこだわり、レイアウトをわかりやすくしましょう。

レイアウトが乱雑だと内容が読み取りにくく、せっかく要点をまとめても相手に伝わりにくくなってしまいます。

特別おしゃれにしようとしたり、オリジナリティを出そうとしたりする必要はありません。見出しを通常の文字より大きくする、適宜マーカーを引くなど、内容のわかりやすさを重視しましょう。

テーマごとに予定時間を記載する

とくに会議では、テーマごとに予定時間も記載しておくとよいでしょう。

予定時間を決めずに会議を始めると、ひとつのテーマで大量に時間を使ってしまい、会議全体の予定を押してしまう恐れがあります。

経営陣や役員など重要な会議の多い人がいる場合は、とくに会議時間が伸びないように気を付けなければいけません。

どのようなタイムスケジュールで進めるのか、どのテーマにもっとも時間を割く予定なのかを共有することで進行が容易になります。全員におおまかな予定時間を把握してもらい、時間を意識しながら討議してもらいましょう。

要点は簡潔に整理する

レジュメは要点を簡潔にまとめることを重視しましょう。

レジュメに細かく内容が記載されていると、会議そのものよりもレジュメを読み込むことに参加者が集中してしまいます。討議しながら読み込める簡潔さがなければ会議の内容も薄くなってしまうため、要点のわかりやすさが大切です。

反対に簡潔すぎるレジュメだと何度も口頭での説明が必要になり、会議の進行の妨げになってしまいます。

箇条書きや図解などを活用して端的にまとめつつ、レジュメだけで会議の要点がわかるようにしましょう。

データや数値を盛り込む

必要に応じてデータや数値を盛り込み、説得力のあるレジュメにしましょう。

客観的なデータがあると事実に焦点を置いて討議しやすく、主観的・感情的な討議を避けやすくなります。ただし、データが多すぎると読み取りや整理に時間がかかるため、むやみやたらにデータや数値を挿入するのは控えましょう。

データは収集された日や調査団体などの情報と一緒に記載してください。

誤字脱字をチェックする

レジュメが完成したら必ず誤字脱字をチェックしましょう。誤字脱字があると読みにくくなるだけでなく、読み手に誤解を与えてしまうこともあります。

とくに、固有名詞や数値のミスはレジュメ全体の印象を悪くするので、あいまいな部分があれば正しい表記を確認してください。できれば上司や先輩にもチェックしてもらいましょう。

レジュメを使って要点をしっかり伝えよう

レジュメは文章や発表の内容を要約したもののことで、ビジネスではプレゼンテーションや会議の際に配られます。

とくに、テンプレートやルールが決まっているわけではありませんが、わかりやすいレイアウトを使い、適宜データや数値を盛り込んで説得力のあるレジュメにするとよいでしょう。誤字脱字に気を付け、要点が簡潔にまとまっていることを意識してください。

会議の場合は各テーマの予定時間も記載しておくと進行がスムーズです。

会議やプレゼンテーションが充実したものになるよう、丁寧にレジュメを作成しましょう。


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