• 更新日 : 2024年10月7日

システム障害報告書の書き方やポイントは?無料テンプレート・例文つき

企業の担当者は、担当部署のシステムに障害や事故が発生したとき、障害の原因や復旧に向けて対応した内容をシステム担当者などに報告する必要があります。その状況を報告する書類がシステム障害報告書です。

今回は、システム障害報告書の書き方やポイントについて解説します。無料テンプレートや例文なども紹介しているので活用してください。

システム障害報告書とは?

システム障害報告書とは、そのようなシステム障害や事故などが発生し、対応した際に作成する報告書です。システム障害報告書は、作成する目的やタイミングがあります。

システム障害報告書を作成する目的は?

システム障害報告書は、主に以下の情報共有を目的として作成します。

  • システム障害や事故の発生状況を関係者に正しく報告する
  • システム障害や事故が発生した原因を解明する
  • システム障害や事故が再発しないように防止策を提示する

システム障害や事故が発生した場合は、状況説明と発生した原因の解明、再発防止のための対策を提示することが重要です。システム障害報告書を作成する際は、報告先の相手にこれら3つの情報が求められるでしょう。

システム障害報告書を作成するタイミングは?

システム障害報告書を作成するタイミングは、基本的に障害発生時のタイミングで書かなければなりません。ただし、システム障害が発生した状況や原因などは、システム運用担当者による見解が必要です。ただし、システム運用と障害発生時の対応を一人の担当者に委ねている場合は、システム障害報告書の作成が事後報告となるでしょう。

システム障害報告書の書き方・記載すべき項目は?

システム障害報告書には、次に紹介する項目を記載しましょう。記載すべき項目を組み込むことで、読み手にシステム障害の状況と今後の防止策など、必要な伝達事項の理解を促せます。

発生状況

システム障害報告書の発生状況は、相手に理解してもらうえで重要な項目となります。発生状況の書き方は、状況を分かりやすく記載することが大事です。主に以下の内容を記載しましょう。

  • いつ、どこで、どれほどの規模のシステム障害が発生したか
  • システム障害の発生によりどのような影響を及ぼすか
  • 障害発生から復旧しているかなど

発生状況の説明は、冗長な表現になり過ぎず、重要な要点を伝える書き方が求められます。

原因

システム障害報告書に記述する原因とは、今後発生するかもしれないシステム障害への対策として役立つ項目です。システム障害の原因は、初期調査や事後調査などにより変わる可能性もあります。そのため、初期調査による見解や事後調査による見解など、時系列で原因を究明していく記述が必要です。

今後の防止策

システム障害は、再度発生しないよう意識しなくてはなりません。そのため、原因を究明し再発防止に努めたいものです。システム障害報告書には、今後の再発防止に向けた対策の項目を設けましょう。なお、防止策は、内容の重複に注意し、箇条書きで読みやすくまとめる必要があります。

備考

システム障害報告書は、障害発生の状況や原因、防止策まで事実説明を淡々と記述する書類になりがちです。そのため、備考には、システム障害に携わった関係者から報告先へのお詫びと今後の改善に向けた決意の記す箇所として設置します。

システム障害報告書の無料テンプレート

システム障害報告書を記載する際、テンプレートを使うと効率よく作成ができます。以下の無料テンプレートのリンクでは、前述の書き方の項で紹介した記載すべき項目があらかじめ組み込まれています。ダウンロードし、活用してみてください。

システム障害報告書の例文

システム障害報告書には、いくつかの書き方があります。ここでは、書き方の参考として例文を紹介しましょう。

【例文1】

システム障害報告書

報告日 令和○年○月○日

○○部○○課 社員ID○○ 担当者名○○○
障害発生日時令和○年○月○日○時○分
障害復旧日時令和○年○月○日○時○分
障害発生内容
  • どのような事象が発生したか
  • どのような問題か
障害による影響範囲
  • 全社または一部の部署・顧客など
  • 機能や権限など
  • 推測か確定事項か
障害発生までの経緯発生までの状況を時系列で記載
発生後の代替処置その場をしのぐための応急的に実施した対応
事後行う必要な処置現時点で考えられる事後行う必要がある対応
原因原因が判明している場合に記載
再発防止に向けた対策
  • 再発防止策が確定している場合に記載
  • 防止策が確定していなければ「調査中」または「検討中」と記載

こちらの例文は、発生したシステム障害に対して、影響範囲や発生までの経緯、発生後に対応した内容など、詳細に記載します。そのため、書き方によっては記載内容が重複し、状況を把握しにくいことがあるので注意が必要です。

【例文2】

システム障害報告書

報告日 令和○年○月○日

○○部○○課 社員ID○○ 担当者名○○○
発生日時令和○年○月○日○時○分
障害復旧日時令和○年○月○日○時○分
発生状況
  • どのような事象が発生したか
  • どのような問題か
  • 影響を及ぼす範囲はどの程度か
  • 影響を受ける対象(全社または一部の部署・顧客など)
原因原因が判明していれば時系列に記載する
再発防止に向けた対策要点をまとめて箇条書きで記載する
備考
  • 報告先(社内または顧客など)への謝罪文
  • システム障害発生に対して今後の意向など

こちらの例文は、発生状況に経緯や影響範囲なども含めた書き方です。要点だけをシンプルにまとめて、必要な情報だけを記載します。

システム障害報告書を書くときのポイントは?

システム障害報告書の作成では、次のポイントを心がけて記載しましょう。

冷静に対応している状況を伝える

システム障害に冷静な対応ができなかった状況を伝えてしまった場合、報告書を作成した担当者だけではなく、会社組織全体への不安要素を生み出します。そのため、発生状況や再発防止策の記載では、冷静な対応で処置したことを記載することが重要です。

専門知識で埋め尽くす冗長な文章は控える

システム障害の報告では、システム運用に関わる担当者の知見が反映される機会でもあります。そのため、発生原因や防止策の内容が専門知識で埋め尽くされることも考えられるでしょう。

報告書に書かれた原因や防止策を確認する相手は、ITに関する専門知識が必ずしも高くない場合もあります。そのため、冗長な言い回しや不要な見識の記載は控えましょう。

システム障害報告書は事実を淡々と書き出そう

システム障害報告書は、項目ごとに書き出す内容からシステム運用担当者のインシデント対応能力が浮き彫りになるでしょう。そのため、事実を記載する際は客観的な視点で記載し、報告相手へのお詫びと今後の改善に向けた決意などメッセージ的な要素は、文末で伝えて締める書き方が効果的です。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事