• 更新日 : 2024年12月19日

理解度アンケートを実施する目的|テンプレ・作り方のポイントも

研修を実施した後、その内容がどれだけ受講者に理解されているかを把握することは、研修の品質を計測する上で欠かせません。理解度アンケートは、受講者の学びの状況や研修の改善点を明確にするための重要なツールです。ただし、アンケートの設計を誤ると、正確なデータを得ることが難しくなる可能性があります。

この記事では、理解度アンケートを実施する目的や、すぐに使える無料テンプレート、さらに効果的なアンケート作成のポイントについて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

研修後に理解度アンケートを実施する目的とは?

社内外で研修やセミナーを実施した後、受講者に対してアンケートを行うことが少なくありません。研修終了後に行われるアンケートの趣旨や内容はさまざまですが、おおむね次のような目的で実施されます。

研修の効果を測定するため

アンケートを行うことで受講者が何を習得したか、習得したことを今後の業務へどのように活用できそうかを把握できます。また、重要度の高い研修とそうでない研修を選り分けたり費用対効果を分析したりするためにも有効です。

アンケートへの回答は、受講者自身にとっても研修について振り返るよい機会になります。研修を受けて終わりではなく研修を通じて得た学びや気づきを再確認することで定着率が高まり、スキルアップへの大きな手がかりとなるでしょう。

研修の改善点や課題を明確にするため

研修の効果測定や受講者の意見の洗い出しに役立つアンケートは、今後の研修プランをアップデートするためにも欠かせません。研修に満足できなかった受講者が多い場合、何が不満だったかを問うことでさまざまな課題が見えてきます。受講者が研修に対して抱きやすい不満の例は、次の通りです。

  • 講義やテキストの内容が分かりにくかった
  • 講師からの一方的な説明だけで終わってしまった
  • 質問時間が足りず、理解が曖昧なまま終わってしまった
  • 研修内容が受講者のレベルに合わず、受講した意味があまりなかった

受講者が不満に思った点が明らかになれば、「座学だけでなく実践研修を増やす」「質問時間を十分に設ける」というように具体的な改善策が見えてくるでしょう。

研修内容に関する評価を関係者間で共有するため

データとして残したアンケートを、研修に出席していない関係者と共有することも可能です。例えば受講者が回答したアンケートを本人の上司と共有した場合、上司から適切なフォローやフィードバックをしてもらうことで研修内容の定着率向上に役立ちます。また、上司から研修内容の改善に役立つ意見をもらえることもあるでしょう。

長期間にわたって複数回の研修をする場合も、アンケートが大きな役割を果たします。例えば、古いアンケートと新しいアンケートの内容を比べることで受講者がどのようにスキルアップしたか、心境の変化があったかなどが分かります。また、研修担当者が途中で変わる場合はアンケートが重要な引継ぎ資料となるでしょう。

理解度アンケートの無料テンプレート

研修後に理解度アンケートを実施する場合、例文やテンプレートを活用することで効率よくアンケートを作成できます。下記のリンクからダウンロードした無料テンプレートをそのまま活用することはもちろん、研修内容やアンケートで問いたい事柄などに合わせてアレンジすることも可能です。

理解度アンケートのテンプレートのダウンロードはこちら

理解度アンケートの作り方のポイント

いくつかの要点を踏まえながら理解度アンケートを作ることで回答率を高めやすくなり、かつ回答者から率直な意見を引き出しやすくなると期待できます。また、アンケート結果の集計・分析作業の効率化にも役立ちます。理解度アンケートを作る際に注意したいポイントは、次の通りです。

理解度テストとは別で実施する

研修内容をどれだけ理解できたかを計測する理解度テストに対して、アンケートは研修そのものの分かりやすさや研修内容への満足度を把握するためのものです。例えば研修内容は理解できてもテキストの内容や時間配分などに不満を持つ受講者がいた場合、理解度テストとアンケートを別々に行うことで率直な意見を収集できます。

また、テストのような内容をアンケートに入れると「研修内容を十分に理解できなかったことで評価が下がるのでは」と回答者が不安に感じるかもしれません。忌憚のない意見を書いてもらうためにも、理解度テストとアンケートはきちんと分けましょう。

重要度の高い質問は前半に入れる

特に重要度の高い質問や確実に回答してほしい質問は、なるべくアンケートの前半に入れることが大切です。たとえ短いアンケートでも後半になるほど回答者の集中力が途切れやすく、また研修内容や研修中に感じたことを忘れやすくなるため、正確に回答してもらいにくくなります。

ただし、アンケート序盤にいきなり記述式の質問を入れると回答者が心理的プレッシャーを感じやすくなります。アンケートの前半で詳しい意見を聞きたい場合は、まず回答しやすい選択式の質問を設けてから記述式の質問へ誘導しましょう。

設問数はできるだけ少なくする

回答者に余計な負担をかけないよう、設問数はなるべく少なくします。設問数が多すぎると回答者の集中力が途切れてしまい、空欄が多くなったり正確な回答を得にくくなったりする恐れがあるためです。また、設問数を増やしすぎるとアンケートの集計や分析にかかる手間も増えます。特に、記述式の設問を増やしすぎないことがポイントです。

回答者の心理的負担を軽減するためには、設問数を絞るだけでなく「アンケートの設問数は全部で○問」「回答にかかる時間の目安は○分」と明記しておくことも優れた方法です。

質問内容を具体的で分かりやすくする

設問文には、簡潔かつ具体的な表現を用います。例えば「研修内容はどうでしたか?」などの漠然とした設問を投げかけても、多くの回答者はどう答えてよいか分からず戸惑ってしまうでしょう。「研修内容は分かりやすかったですか?」「研修内容は今後の業務に役立ちそうですか?」などのように知りたい内容ごとに設問を分けることで、具体的に答えやすくなります。

また、「近頃」「たくさん」などのように読み手によって解釈が分かれる表現の使用も避けましょう。

匿名でアンケートを実施する

回答者に自己開示してもらうためには、アンケートを匿名で実施することも重要なポイントです。記名アンケートにすると「本音を書いて怒られたり評価が下がったりしたらどうしよう」と回答者を不安がらせてしまい、無難な回答ばかりになりかねません。

社内で匿名アンケートを実施する場合、回答者から「Web上のログなどから誰が回答したか特定されるのでは」と警戒される可能性があります。より率直な感想を知りたい場合は、回答結果はあくまでもデータとして取り扱い、回答者の特定には用いない旨を明記しておくと安心です。

クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを適切に使い分ける

クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンをバランスよく織り交ぜることで回答者の心理的ハードルが下がり、率直な意見を引き出しやすくなります。

クローズドクエスチョンは、「はい」「いいえ」のように選択肢が限られている質問です。一方、オープンクエスチョンでは「○○についてどう思いますか?」というように回答を制限せず自由に答えてもらいます。

アンケートにおいて記述式のオープンクエスチョンを増やしすぎると、回答者の負担が大きくなります。ただ一方で、クローズドクエスチョンばかりにすると、まるで尋問されているかのような印象を回答者に与えかねません。まずは回答しやすいクローズドクエスチョンから始め、後半にオープンクエスチョンを配置して質問を深掘りするとよいでしょう。

理解度アンケートで研修の効果を最大化しよう

理解度アンケートは、研修の効果測定や改善点の特定に役立つ重要な手段です。適切な設計でアンケートを実施することで、受講者の理解状況を正確に把握し、研修内容の質を向上させることができます。

質問数や内容を工夫することで、効果的なアンケートを実現できます。研修の品質を上げるために、この記事で紹介したポイントを参考にしてください。


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