• 更新日 : 2024年12月19日

消防点検のお知らせの書き方とは?例文やテンプレートを紹介

建物管理者には消防点検を定期的に行う義務があります。ただし、入居者側には協力義務がないので、当日スムーズに消防点検をするためにも、消防点検のお知らせ文書を掲示するなどの形で、協力を要請することが必要です。

この記事では、消防点検のお知らせを作成する際に役立つ書き方のポイントや、具体的な例文、無料で活用できるテンプレートを紹介します。

消防用設備の点検は管理者の義務

分譲マンションであれば管理組合の理事長、賃貸マンションではオーナーなど、建物の管理者には消防用設備の点検を法令に基づいて実施・報告する義務があります。

第十七条

学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店、旅館、飲食店、地下街、複合用途防火対象物その他の防火対象物で政令で定めるものの関係者は、政令で定める消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設(以下「消防用設備等」という。)について消火、避難その他の消防の活動のために必要とされる性能を有するように、政令で定める技術上の基準に従つて、設置し、及び維持しなければならない。

第十七条の三の三第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等(第八条の二の二第一項の防火対象物にあつては、消防用設備等又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。

引用:e-gov法令検索「消防法」 引用日2024/12/11

1年に1回の消防点検、半年に1回の機器点検が義務です。報告の頻度は、以下のように定められています。

特定防火対象物(不特定多数が利用する飲食店やホテル、百貨店など)1年に1回
非特定防火対象物(集合住宅、倉庫、工場など)3年に1回

管理者は点検日時の周知を行い、入居者にも協力を求めてスムーズな点検環境を整える必要があります。

もし、正当な理由なく報告を怠る、あるいは虚偽の報告を行った場合、30万円以下の罰金や拘留などの罰則も規定されています。一方で、居住者の立場では、点検自体は義務ではありません。

消防点検のお知らせの無料テンプレート

居住者に協力を要請し、円滑に消防点検をするためにも、誤った情報や曖昧な表現を避け、法的根拠や具体的スケジュールを明示したお知らせを行うことが大切です。

情報に抜け漏れがないように、消防点検のお知らせをする場合は、テンプレートを活用しましょう。必要な情報が揃っているテンプレートを使えば、相手に伝わりやすい消防点検のお知らせ文ができます。

消防点検のテンプレートのダウンロードはこちら

消防点検のお知らせの書き方・例文

消防点検のお知らせは、以下のように書くとよいでしょう。印刷して共用部に掲示する、居住者のメーリングリストあるいは居住者向けのSNSに投稿するなどの形で、全員に内容が伝わるようにしてください。

  • 消防点検のお知らせ例文

(建物名) 住居者各位

消防用設備定期点検実施のお知らせ

平素より(建物名)の管理運営にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。

当建物では、消防法第17条の3の3に基づき、年2回の機器点検および年1回の総合点検を行っております。以下の日程で消防設備点検を実施いたしますので、ご確認をお願いいたします。

■点検日程

  • 〇月〇日(曜日)〇時~〇時頃まで

上記時間内に、共用部および該当住戸内の消防用設備点検を行います。

■点検内容

自動火災報知機、避難器具、消火器具などの動作確認を行います。

一部、室内へ立ち入りを要する点検がございます。点検者は身分証明書を携帯し、名札を着用いたします。動作確認のために非常ベルや火災報知器を鳴らしますが、試験のためであり、火災発生ではございません。

点検は1住戸あたり5分程度で終了する予定です。

■ご協力のお願い

当日は、点検担当者が居室内の感知器や避難器具の状態を確認する場合がございます。大変お手数ですが、入室点検が必要な際には立ち会いをお願いします。また、避難梯子や非常扉などの前に荷物がある場合、前日までに移動いただければ幸いです。

もし都合が合わず当日に対応が難しい場合は、事前に管理会社までご連絡ください。別日程での対応を調整いたします。ご不明な点やご質問がございましたら、下記までお問い合わせください。

本点検は、皆様の安全と安心を確保するための重要な作業です。なにとぞご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

管理組合/管理会社 〇〇部

TEL:XXX-XXX-XXXX

E-mail:[email protected]

  • 簡素に通知する場合の例文

(建物名) 住居者各位

消防設備点検実施のお知らせ

平素より(建物名)の管理運営にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。消防設備法定点検を以下の日程で実施いたします。

■実施日時

  • 〇月〇日(曜日)〇時~〇時

■点検内容

  • 共用部、ならびに対象となる各室内の感知器、避難器具、火災警報器などの確認・作動試験

■点検時間

  • 1住戸あたり5分程度

■ご協力のお願い

  • 当日は動作確認のため、非常ベルや各種警報装置を一時的に作動させます
  • 当日は点検員が室内へお伺いするので、立ち会いをお願いします
  • 非常扉を点検するため、扉周辺の荷物は移動をお願いします
  • 当日ご不在の場合は、別途調整を行いますので、事前に下記連絡先までご連絡ください

皆様の安全確保のため、なにとぞご理解・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

管理組合/管理会社 〇〇部

TEL:XXX-XXX-XXXX

E-mail:[email protected]

消防点検のお知らせを書く際のポイント

消防点検のお知らせを書く際は、以下のポイントを押さえておくと、より居住者が消防点検の準備をしやすくなります。

  • 居住者に当日は在宅するように求める
  • 点検にかかる時間の目安を書く
  • 非常ベルや火災報知器が鳴ることを事前告知する
  • 避難ハッチや非常扉周辺の整理を依頼する

室内で感知器や避難器具などの点検が必要な場合、居住者の在宅を求める旨を書きましょう。どうしても在宅が難しい場合には、「ご都合がつかない場合は、別途調整を行いますのでご連絡ください」といった依頼文を添えると、トラブル防止につながります。

また、点検にかかる時間がどの程度なのか分かると、居住者は当日の予定を立てやすくなります。「1住戸あたり約5~10分を予定しております」といった形で、目安を伝えてください。

点検中は非常ベルや火災報知機などが正常に動作するかチェックするため、短時間作動させるときがあります。入居者が誤って避難しないように、警報音が鳴る旨を伝えておくと安心です。

加えて、居住者の中には避難梯子や非常扉の近くに荷物を置いている人もいます。点検日前に荷物を整理してもらうように伝えると、当日の点検がスムーズになります。

消防点検をスムーズに進めるためにテンプレートを活用しよう

消防点検のお知らせを作るときは、点検の目的や法律に基づく必要性を分かりやすく伝えることが大切です。点検の日程や内容、注意事項を具体的に書いておくと、居住者も準備がしやすくなります。

また、テンプレートを使えば、必要な情報を簡単にまとめることができ、間違いや漏れを防げます。作業の手間も省けるので、無料のテンプレートを活用して消防点検のお知らせを書きましょう。


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