- 更新日 : 2024年12月19日
【建築】質問回答書とは?読み方や書き方・無料テンプレートも紹介
建築業界における質問回答書とは、施工者が設計図書に関する疑問や不整合点を解消するために設計者へ提出する質問と、設計者の回答をまとめた書類です。主に入札時や施工中に使用され、設計者の意図を伝え、施工を円滑に進める役割を担います。
当記事では、質問回答書の基本的な内容や書き方、さらに効率的に作成できる無料テンプレートを紹介します。
建築の質問回答書とは?読み方は?
建築分野における質問回答書とは、建築物の設計図に基づいて施工業者から提出された質問と、それに対する設計者の返答を明記した回答のことです。読み方は「しつもんかいとうしょ」です。
質問回答書は、施工業者が質問をまず提示し、それに対する設計者の回答を記載する形式が一般的です。入札時のほか、施工業者が施工図を描く中で生じた設計図面の変更点や疑問点、不整合、誤記なども質問書として随時送られてくるので、質問回答書を通して回答を行います。
質問回答書は設計図書に関係する?
質問回答書は設計図書の1つで、設計図・標準仕様書・特記仕様書・現場説明書とともに重要な書類として添付されます。設計図書には優先順位があり、基本的には「質問回答書>現場説明書>特記仕様書>設計図>標準仕様書」の順で、新しい書類や工事に特有の書類ほど優先されます。
施工業者が見積もりや受注に伴い設計図書を読み解く際、不備や矛盾点、修正点が発見される場合があります。また、施工計画に応じて工法の変更が提案される可能性もあります。そうした後から生じた質疑応答を記したものが質問回答書であり、時系列として最新の書類となることから、質問回答書はもっとも優先度が高くなります。
質問回答書の無料テンプレート
質問回答書は施工業者と設計者のお互いのコミュニケーションに不可欠です。効率よく作成するためにはテンプレートの活用が便利です。以下から無料テンプレートをダウンロードし、ぜひご利用ください。
質問回答書の書き方
質問回答書は建築プロジェクトにおいて重要性の高い書類ですが、書式や様式に関する具体的な規定はありません。しかし、基本的なビジネスマナーを押さえて質問回答書を準備すると、よりスムーズに連携が取れるでしょう。
質問回答書を作成する際、まず右寄せで発行日、左寄せで宛先、右寄せで発行者名を記載し、タイトルを中央に配置します。その後、前文・主文・末文を記載しましょう。
<前文>
前文は、頭語→時候の挨拶→感謝の挨拶という流れで作成します。「拝啓」などの頭語を入れたら「○○の候」の形で季節を表す言葉を入れ、相手の発展を喜ぶ言葉と日頃の取引に対する感謝を述べましょう。なお、時候の挨拶は省略しても失礼にあたりません。 |
<主文>
主文では、質問に対する回答を記す旨を簡潔に記載します。主文を書き始める際は、「さて」「この度は」などの起こし言葉を使うのが一般的です。 |
<末文>
末文では、文書を締めくくる言葉や、相手への配慮を記載します。今後の指導を願う文章を入れ、「敬具」などの結語を右寄せで配置しましょう。 |
その後、「記」を中央寄せで記載したら、施工業者からの質問とそれに対する回答を明記します。回答文を作成する際は、長文にならないよう要点を絞り、簡潔で正確な表現を心がけます。また、誠実な態度が伝わるよう、できるだけ丁寧な言葉遣いにしましょう。
円滑に工事が進むよう簡潔で正確な質問回答書を作ろう
質疑回答をまとめた質問回答書は、建築プロジェクトにおいて重要な書類であり、施工業者と設計者の間で意思疎通を図るために欠かせません。書き方に特定の決まりはありませんが、前文・主文・末文を意識し、簡潔で正確な表現を用いることがポイントです。質問回答書を効率的に作成するには、テンプレートを活用するのが便利です。当記事を参考に質問回答書を正確に作成し、プロジェクトの成功に役立ててください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
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