- 作成日 : 2024年8月15日
無料でデータ保存できるクラウドストレージ8選|メリットや選び方も
クラウドストレージを使うと、どこからでもデータにアクセスでき、大容量の保存や自動バックアップが可能です。セキュリティ対策も充実しており、ファイルの共有や共同作業も簡単に行えます。クラウドストレージには無料版・有料版、個人向け・法人向けなどの種類があるため、違いを理解した上で目的に合ったサービスを選びましょう。この記事では、クラウドストレージの選び方やおすすめのクラウドストレージを紹介します。
目次
クラウドストレージによるデータ保存とは?
クラウドストレージとは、インターネット経由でデータの保管・共有ができるオンラインストレージサービスのことです。
クラウドストレージによるデータ保存は、社内にファイルサーバーを設置する必要がなく、インターネットを通してデータを保存できます。インターネットを利用できる環境があればどこからでもデータ保存が可能です。
近年はさまざまなベンダーがクラウドストレージを提供しており、企業がビジネスにクラウドストレージを活用するケースも増えています。
クラウドストレージでデータ保存するメリット
クラウドストレージには、業務効率化やコスト削減につながる多くのメリットがあります。
ここからは、クラウドストレージでデータ保存をするメリットを7つ挙げて、クラウドストレージ導入の魅力を説明します。
データを一元管理できる
業務データをクラウドストレージで保存すると、データの一元管理ができます。
データの一元管理とは、分散しているデータを1つの場所に集め、統一的な方法で管理することです。一元管理を行うことにより、情報管理にかかるコストが少なくなり、情報の収集や活用もしやすくなります。
ただし、データの一元管理による効果を高めるためには、データ保存を行う全社員の意識改革をしなければなりません。
情報の保管場所を明確にしたり、新しい情報共有の方法を策定・周知したりして、データの一元管理に社内が協力してくれる体制を構築する必要があります。
一元管理とは?メリットやデメリット、効率化のためのポイントを解説
共同で編集作業ができる
クラウドストレージではデータに複数人が同時にアクセスして、共同で編集作業ができます。チーム内などでデータの受け渡しを行う必要がなくなり、業務効率化が可能です。
クラウドストレージでデータを共同編集すると、変更された部分がリアルタイムで反映されて、情報を素早く共有できます。クラウドストレージ上のデータが常に最新バージョンとなり、データや作業の重複も発生しません。
バックアップ作業が必要ない
クラウドストレージサービスの多くには、自動バックアップ機能が備わっています。クラウドストレージにデータを保存していればバックアップ作業が必要なくなり、業務工程を減らせる点がメリットです。
バックアップを取っていれば、元データが破損したときにバックアップデータを使って復元できます。人為的ミスによるデータ削除への対応はもちろん、サイバー攻撃対策としても役立ちます。
場所を選ばずに利用できる
クラウドストレージはインターネット環境があればアクセスできるため、場所を選ばずに利用できます。営業などの外回りや出張先からでも、社内のクラウドストレージにアクセスしてデータの保存・活用が可能です。
また、クラウドストレージの権限を追加すれば、社外の人も社内のクラウドストレージにアクセスできます。社外の人とも簡単に情報共有ができるようになり、業務協力や連携がしやすくなるでしょう。
初期投資を抑えられる
クラウドストレージを導入する際にかかる費用は、基本的にサービス事業者に対して支払う初期費用のみです。サーバー設置や回線工事を行う必要がなく、導入にかかる初期投資を抑えられます。
また、クラウドストレージは無料で利用できたり、低価格で始められたりするサービスが多いことが特徴です。最初は必要最低限のデータ容量で利用して、必要に応じて容量を追加すれば初期費用を大きく抑えられます。
運用コストを削減できる
社内にファイルサーバーを設置する従来型のデータ保存方法では、サーバー・回線やシステムを自社で運用・管理する必要があります。
一方、クラウドストレージではサービス事業者がストレージ用のシステムやサーバーの運用・管理を行っているため、自社が関与する必要はありません。
運用・管理を行う人材の配置や、機器の点検・交換を行うなどの作業も不要であり、運用コストを削減できます。
常に最新バージョンで利用できる
クラウドストレージの保守管理はサービス事業者が行っていて、システムアップデートも自動的に行われます。自社がアップデートを行う必要はなく、常に最新バージョンのシステムを利用できる点がメリットです。
社内に設置するファイルサーバーでは、システムのバージョンが古いと最新機能の追加や容量拡張ができないケースがあります。システムの脆弱性が発見された場合、バージョン更新をしていないとサイバー攻撃の標的になる可能性が高くなるでしょう。
クラウドストレージは常に最新バージョンで利用できるため、機能追加などに対応でき、システムの脆弱性にも素早く対処できます。
クラウドストレージでデータ保存するデメリット
クラウドストレージを導入すると多くのメリットが得られるものの、デメリットもいくつかあります。
ここでは、クラウドストレージでデータ保存する場合に注意したい、4つのデメリットを紹介します。
オフライン環境では使えない
クラウドストレージはインターネット経由で利用できるサービスであり、オフライン環境では使えません。クラウドストレージを利用したいもののインターネット環境がない場合、まずはインターネット環境の整備が必要になり、導入コストが余計にかかります。
利用しているインターネット回線の強度が低いと、クラウドストレージのパフォーマンスが低下する点にも注意してください。クラウドストレージを十分に活用するためには、安定した通信環境があるかどうかが重要です。
データが消失・流出する可能性がある
クラウドストレージのメリットである「場所を選ばずに利用できる」点は、データが消失・流出するリスクにもなり得ます。アクセス権限を持つ人物がデータを悪用したり、サイバー攻撃の標的となったりする可能性があるためです。
データの消失・流出リスクを低減するためには、強固なセキュリティ対策が施されているサービスを選びましょう。
また、「社内で退職者が出た際は対象者のアカウントをすぐに削除する」「社外との情報共有をする場合は権限設定を厳しく管理する」などの対策も必要です。
カスタマイズ性が低い
データ保存の方法として社内にファイルサーバーを設置する場合、業務上の必要性に合わせてサーバーの仕様をカスタマイズできます。
対してクラウドストレージのサーバーはサービス事業者が管理しているため、自社に合わせることができず、カスタマイズ性が低い点がデメリットです。
クラウドストレージで利用できる容量上限や回線速度などは、サービスごとに違いがあります。導入前にはサービスの特徴や仕様をチェックして、自社に合っているか、機能の拡張性があるかを検討しましょう。
障害時に操作できない
クラウドストレージのサーバーやシステムに障害が発生した場合、ユーザーはストレージにアクセスできません。保存したデータの操作もできなくなり、業務に支障を来たす可能性がある点に注意してください。
障害時に備えた対策としては、システムの冗長性(障害時に備え予備システムを稼働しておくこと)を確保しているサービスを選ぶ方法があります。
また、重要なデータや業務での使用頻度が高いデータについては、社内でも保存しておくとよいでしょう。
クラウドストレージの選び方
クラウドストレージサービスはさまざまな製品が登場しており、同一製品内にも複数のプランがあります。サービスの選び方では、製品ごと・プランごとの違いを調べることが大切です。
ここでは、クラウドストレージを選ぶ際にチェックすべき6つのポイントを解説します。
オンラインストレージの選び方は?個人・法人向けおすすめ13選を比較
個人向け・法人向け
クラウドストレージは個人利用か、法人がビジネス利用するかによって重視すべきポイントが異なります。
個人向けのクラウドストレージを選ぶ場合は、なるべく無料で利用できて、かつ最大保存容量が大きいサービスを選びましょう。
一方、法人向けのクラウドストレージでは、セキュリティ機能や機能性を重視します。大容量ファイルの保存・共有などに使う場合は、料金がかかっても保存容量が大きいサービスがおすすめです。
ストレージの容量・料金プラン
クラウドストレージを大容量データの保存に使用する場合は、基本的に有料プランを選びます。利用目的に必要な容量を、なるべく安く利用できるサービスを選びましょう。
また、クラウドストレージは月額料金で支払うことが多いものの、サービスによっては年額一括払いで支払うと割引を受けられるケースがあります。
セキュリティ対策
クラウドストレージには情報流出リスクがあるため、万全のセキュリティ対策が施されていることが重要です。ログイン時の2段階認証や、通信時・保存時のデータ暗号化、定期的なセキュリティアップデートなどがあるサービスを選びましょう。
クラウドストレージを介したデータ共有を行う場合は、共有リンク設定に有効期限を追加できるかも確認してください。
操作性・機能性・利便性
クラウドストレージは操作性・機能性・利便性が高いかどうかで使い勝手のよさが変わります。データ保存を直感的に行えるか、共有機能・ファイル転送機能・ワークフロー機能などの便利な機能が付いているかを確認しましょう。
特に企業がクラウドストレージを導入する場合、従来のファイルサーバーに操作感が近いサービスを選んだほうが社員の負担を抑えられます。
利用可能な人数
クラウドストレージの利用可能人数は、無料プランであれば基本的に1人、有料プランであればプラン種別ごとに決められています。クラウドストレージを利用する人数に対応できるサービス・プランを選ぶことが大切です。
また、有料プランでは利用人数が増えるほどに利用料金も高くなります。想定する利用人数で契約した場合、料金が予算内に収まるかも確認する必要があります。
PCやスマホとの親和性
クラウドストレージによっては、特定のPC・スマホOSとの親和性が高いケースがあります。自分や社内でよく利用しているデバイスがある場合は、親和性の高いサービスを選ぶとよいでしょう。
組み合わせの例としては、Androidスマホと「Googleドライブ」、WindowsOSと「OneDrive」、MacOS・iPhoneと「iCloud」が挙げられます。
無料版・有料版クラウドストレージの違い
無料版・有料版クラウドストレージには、以下のような違いがあります。
無料版 | 有料版 | |
---|---|---|
容量 | 使用できる容量の上限が低い。 | 大容量や容量無制限のプランがある。 |
機能 | データ保存や共有など、基本的な機能のみに制限されている。 | 基本的な機能に加えて、外部サービス連携や管理機能、ファイルのバージョン管理機能などを利用できる。 |
セキュリティ対策 | 個人向けの基本的なセキュリティ対策が多い。 | 2要素認証やワンタイムパスワード、ログ監視などの高度なセキュリティ対策が施されている。 |
サポート体制 | 問い合わせ対応などのサポートに限定される。 | 専任の担当者がつくなど、サポート体制が充実している。 |
その他 | データサイズに上限があったり、回線速度が遅かったりすることがある。 | 回線速度が高速で、サイズが大きいデータの転送にも対応できる。 |
無料版は利用料金が発生しないメリットがあるものの、容量・機能・セキュリティ対策・サポート体制などは有料版のほうが優れています。
無料で使えるおすすめのクラウドストレージ8選
クラウドストレージにはさまざまな種類があります。製品の特徴や使い勝手を詳しく知るためには、まずは無料や低価格のプランで利用するとよいでしょう。
最後に、無料で使えるおすすめのクラウドストレージを8つ紹介します。
Googleドライブ
Googleドライブは、Google社が提供するクラウドストレージです。PC・スマホ・タブレットでアクセス可能で、データの保存・共有に使えるほか、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントなどのサービスも利用できます。
Googleドライブは個人向けプランが無料で、ストレージは上限15GBです。ビジネスプランは、最も安いBusiness Starterプランが月額816円・上限30GBとなっています。
出典:Google Drive「柔軟な価格プランオプションの比較」
Googleドライブ(Google Drive)とは?機能や使い方、ビジネスでの注意点
OneDrive
OneDriveは、Microsoft社が提供するクラウドストレージです。Microsoftアカウントを持つユーザーであれば誰でも利用できます。
OneDriveの特徴は、Windows上に作成したOneDriveフォルダにファイルをドラッグ&ドロップするだけで保存・共有ができることです。Microsoft Teamsとの連携機能もあり、チーム内での共同作業を効率化できます。
なお、OneDriveは家庭向けプランが無料で、ストレージは上限5GBです。法人向けは最も安いプランが月額749円で、上限1TBと大容量です。
出典:Microsoft「個人用のクラウド ストレージ – Microsoft OneDrive」
OneDrive(ワンドライブ)とは?使い方や特徴、社内利用の注意点を解説
Dropbox
Dropboxは、Dropbox社が提供するクラウドストレージです。データの同期速度が速く、ファイルの同期を個別選択できるなど便利な機能があります。データ暗号化・ログ取得などの高度なセキュリティがある点もDropboxの魅力です。
DropboxはBasicプランが無料で、2GBのストレージを使用できます。チーム向けのBusinessプランは月額1,800円で、上限はチーム全体で9TB~です。追加ストレージを購入すれば最大1,000TBまで拡張できます。
出典:Dropbox「Dropbox プランを探す | 30 日間無料トライアルを始める」
Dropboxとは!ドロップボックスの使い方や料金、企業の導入ポイント
Box
Boxは、Box社が提供するクラウドストレージです。
Boxはシンプルな操作性とセキュリティ性の高さが評価されていて、世界各国の政府機関や有名企業も採用しています。Slackに代表されるアプリ連携にも対応しており、チャットを併用したファイル共有で業務効率化が可能です。
Boxは個人向けのIndividualプランが無料で、ストレージは上限10GBです。ビジネス向けのBusiness Starterプランは月額約579円で、上限100GBとなっています。
出典:Box「最適なプランをお選びいただけます」
iCloud
iCloudは、Apple社が提供するクラウドストレージです。Apple IDを持っているユーザーであれば、誰でも無料で5GBのストレージを利用できます。
iCloudの特徴は、iPhone・MacOSなどのAppleデバイスからシームレスにデータ保存ができる点です。もちろん、Windowsからの利用もできます。
なお、有料のiCloud+は月額130円~1,300円で、ストレージの上限を50GB~2TBに増やせます。
出典:Apple「iCloud+ – Apple(日本)」
iCloudドライブとは?どこにある?使い方や容量の減らし方を解説
pCloud
pCloudは、pCloud社が提供するクラウドストレージです。ユーザー登録をするだけで、無料で最大10GB(初期状態は4GB)のストレージを利用できます。
pCloudの特徴は、仮想ドライブ方式によるデータ保存を採用している点です。クラウドサーバーにのみファイルを保存する仕組みになっていて、端末のディスク容量を節約できます。
なお、法人向けであるBusinessプランは1ユーザーあたり月額7.99ドル~で、ユーザー1人あたり1TBのストレージが追加されます。
出典:pCloud「pCloud ― ビジネスに最高のクラウドストレージ」
MEGA
MEGAは、MEGA社が提供するクラウドストレージです。
MEGAにはファイルの保存・管理以外に、ファイル共有・同期・コミュニケーションの3つが基本機能として備わっていて、チーム内の共同作業に便利に使えます。データ暗号化などの高度なセキュリティがある点も魅力です。
MEGAの無料プランは20GBのストレージを利用できます。ビジネス向けの有料プランは、ユーザー数が3人、ストレージ容量・転送容量が3TBの場合で月額2,585円です。
出典:MEGA「価格 – MEGA」
MEGA(メガ)とは?ストレージに困らない?アプリの使い方も解説
InfiniCLOUD
InfiniCLOUDは、InfiniCloud株式会社が提供するクラウドストレージです。サーバーはすべて日本国内のデータセンターに設置されていて、アップロード速度が高速であることが評価されています。
InfiniCLOUDは無料アカウントを作成するだけで20GBのストレージを利用できて、友達紹介もすれば最大1,000GBの容量追加が可能です。有料プランは月額880円で、300GBのストレージを利用できます。
出典:InfiniCLOUD「大容量クラウドストレージ | InfiniCLOUD」
クラウドストレージでビジネスや個人のデータ管理を効率化しよう
クラウドストレージは、インターネット上でデータの保管や共有ができるオンラインストレージサービスです。自動バックアップや強化されたセキュリティ機能、簡単な容量の追加ができ、ビジネスや個人のデータ管理を効率化します。クラウドストレージにはGoogleドライブやOneDrive、Dropboxなどさまざまな種類があるので、料金や機能を比較して目的に合ったサービスを選びましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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