- 作成日 : 2024年4月11日
業務効率化の事例・アイデア一覧!企業事例や職種別も紹介
業務効率化とは、業務を行う際の「無理・無駄・ムラ」を無くし、仕事を効率的に行うための取り組みです。業務効率化のアイデアとして、ペーパーレス化やAIの活用などが挙げられます。
本記事では、業務効率化の成功事例や職種別のアイデア、注意点を解説します。業務効率化の事例を参考にして、自社の業務をスムーズに進められるようにしましょう。
業務効率化とは?
業務効率化とは「無理・無駄・ムラ」のない効率的な業務遂行を目指す取り組みです。業務効率化により、業務にかかる時間やコスト、人材リソースの削減ができ、企業の利益を増やせます。
業務効率化には、従業員の生産性を向上させる効果があります。人的なリソース不足により、今ままで着手できなかった業務も取り組めるようになるでしょう。
業務効率化の事例・アイデア一覧
業務効率化を行う際には、多種多様なアイデアが役立ちます。
例えば、紙でのやり取りをやめて、クラウド上で共有すると、印刷や手渡しなどの時間がなくなります。また、業務のマニュアル化により、一人一人に教育しなくても、仕事が回るようになるでしょう。
さらに、自社が行う必要のない仕事のアウトソーシングも重要です。
本項では、業務効率化を行うための10の事例・アイデアを解説します。
無駄な業務の削減
そもそもやる必要のない業務の削減をすることで、業務時間を大幅に削減できます。具体的には、大人数での会議や細かい資料作成などが挙げられます。
無駄な業務を削減する際には「何のために行われているのか」「業務を削った場合、生産性にどのような影響があるのか」という点を考えることが重要です。
ペーパーレス化
文書を電子化し、クラウド上に保管することで情報の共有がスムーズになり、複数人での業務が短時間で終わるようになります。
とくに、電子文書はファイル名やファイル内の文字も検索できるため、必要情報をすぐに見つけ出せるでしょう。
AI・オンラインツールの導入
昨今では、多種多様なオンラインツールが提供されており、それぞれの企業が抱えている問題に応じた適切なツールを選べます。
例えば、業務をスムーズに進めるためには、従業員間のコミュケーションが欠かせません。したがって、SlackやChatworkの導入により、時間をかけなくてもコミュニケーションを円滑にできます。
そのほかにも、AIの導入により、業務効率化の提案を自動的に行えるメリットもあります。
業務のマニュアル化
業務の手順やルールをマニュアルにまとめると、仕事のスムーズな進行が可能になります。
マニュアルを作る際には、誰が読んでも理解しやすい文章や図表を使い、見やすさを考慮しましょう。それにより、すぐに理解し、問題なく仕事に取り組めます。
また、マニュアルは、業務が円滑に進むように、チームでの業務開始前に用意しておきましょう。仮に、マニュアルに不備があれば、途中で修正してください。
業務の自動化
業務を行ううえで、同じ作業を繰り返す場合は、自動化がおすすめです。
具体的には、Excelやメール、Wordでの作業はマクロを利用して短時間で作業を完結できるようになります。
また、ボタン一つで作業が完結する設定も可能で、作業効率が大幅に向上するでしょう。今まで数時間かかっていた作業でも、数分で終われる場合があるため、試してみてください。
データベースの一元管理
データベースとは、これまで企業で使用されていたデータを集約したシステムです。データを蓄えるだけなく、必要に応じて取り出せます。
データベースには、質問と回答や顧客からの意見など、細かな情報も保管されています。そのため、顧客対応の際には、必要な情報を素早く知れて、待たせずに対応できるでしょう。
データの活用
意思決定する際には、個々の主観だけで物事を決めるのではなく、データに基づいた決断が重要です。
なぜなら、人が判断するよりも大量のデータをもとに決断した方が正確かつスピーディーに対応できるためです。
例えば、マーケティング戦略を考える場合、顧客の購買データを観察し、それに基づいて次の戦略を策定するといった活用方法が考えられます。
担当者の変更
社内で苦手な仕事を担当している従業員がいた場合、得意な分野に職務を変更することをおすすめします。どのような人にも、得手不得手があり、苦手な仕事をすると、生産性が大幅に減少してしまうためです。
それに伴い、チームの業務効率も低下する恐れがあります。
そのため、従業員の得意な分野を見つけて配置することで、業務効率が向上する可能性があります。
アウトソーシングの実施
限られたリソースを最大限に活用するためにも、一部の業務を外部に委託しましょう。
とくに、利益に直結するコア事業に集中するために、それ以外の業務を積極的にアウトソーシングすることを推奨します。
例えば、事務作業や補助金関連の業務などをアウトソーシングする方法などが挙げられます。
社内の環境整備
社内で、環境を整えることで、従業員の業務効率化につながります。
例を挙げると「各部署の人員が適切か」「担当者が不足している部署がないか」など、人員配置の見直しを行うことが求められます。
適切な人員配置や業務体制の調整により、業務効率化が実現できるでしょう。
業務効率化に成功した企業事例
- 契約業務のシステム化で工数削減|キューサイ株式会社
- 当たり前を変え業務効率向上|株式会社シップス
- 環境整備により業務効率化を実現|株式会社ブリヂストン
- ITツールの活用で業務効率化を実現|東日本電信電話株式会社(NTT東日本)
- 経費処理のシステム化で業務削減|株式会社Amazia
昨今、さまざまな企業が業務効率化を目指しています。
キューサイ株式会社では、契約業務の電子化を行い、委任状や解約に関する書類の処理を効率化しています。さらに、東日本電信電話株式会社では、在宅勤務やWeb会議の導入により、時間外労働を13%減少できました。
本項では、業務効率化に成功した企業の事例を紹介します。
契約業務のシステム化で工数削減|キューサイ株式会社
キューサイ株式会社では、契約業務を電子化し、契約書や発注書を始め、委任状や解約に関する書類など、いろいろな文書の処理を効率化しました。
さらに、紙契約の場合も、マネーフォワードクラウド契約のワークフローを活用し、内部統制を強化できています。これにより、契約業務にかかる時間は月62.7時間から15時間に短縮でき、大幅な効率化を実現しています。
キューサイ株式会社の業務効率化事例をより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
https://biz.moneyforward.com/case/9586/
当たり前を変え業務効率向上|株式会社シップス
株式会社シップスでは、当たり前とされていたルールの見直しにより、業務効率を大幅に向上させました。
具体的には「掃除を営業時間外に行う」という既存のルールを変更し、客数が少ない時間帯に、店内フロアを4分割して掃除を行う新たな取り組みを実施しています。
その結果、販売戦略を練るための時間を確保でき、売上が5億円増加し、残業時間も25%削減できています。
参考:株式会社ワークライフバランス「行政・研究機関・民間企業の事例」
環境整備により業務効率化を実現|株式会社ブリヂストン
株式会社ブリヂストンでは、効率的な業務運営を実現するため、会議スペースの設置に取り組みました。
単に会議室を増やすだけではなく「立ったままで短時間の会議」や「2人だけの打ち合わせ」「客先との打ち合わせ」など、目的に応じた空間利用を行い、業務の質と効率を向上させています。
この取り組みにより、年間の平均休暇取得日数も12. 3日から15日へと増え、より従業員が働きやすい労働環境が整いました。
参考:働き方・休み方改善ポータルサイト「取組事例」
ITツールの活用で業務効率化を実現|東日本電信電話株式会社(NTT東日本)
NTT東日本では、事務作業を始めとする時間的コストを短縮するために、ITツールの活用に取り組んでいます。在宅勤務の推進とWeb会議の導入により、従業員の働き方が大きく変化しました。
その結果、時間外労働は13%減少し、月間時間外労働が45時間以上となる従業員も34%も減少しています。これにより、業務効率化だけでなく、労働環境の改善も達成されています。
参考:株式会社ジャストシステム「5つの成功事例から考えた業務効率化のアイデア」
経費処理のシステム化で業務削減|株式会社Amazia
株式会社Amaziaでは、経費処理のシステム化により、業務を大幅に効率化しています。
業務効率化に取り組む前までは、交通費精算において、従来は取引先訪問ごとの経路をインターネットで検索し入力する手間がありました。
しかし、システム化によりこの作業が不要になり、ICカードの読み取りだけで経費精算が可能になっています。
株式会社Amaziaの事例について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
https://biz.moneyforward.com/case/6634/
業務効率化の職種別の事例
職種により、業務効率化の効果が異なります。
例を挙げると、経理部門では会計業務をシステム化して、提携業務の効率化を図れます。人事・労務部門では、採用業務において、Web会議を用いた効率化が可能です。
そのほかにも、カスタマーセンターはチャットボットを活用して、自動回答を行っています。
本項では、職種別の業務効率化の事例を6つ紹介します。
経理
経理部門は、ルーティン業務が多いため、業務効率化を適用しやすいとされています。例えば、会計ソフトを利用して会計業務をシステム化し、手入力の業務を削減できます。
また、法人クレジットカードの活用により出入金の流れを一目で把握でき、現金のチェックにかかる手間を省くことも可能です。細かい作業が多い経理部門でも、業務効率化により従業員の負担を減らせるでしょう。
人事・労務
人事・労務部門では、業務を効率化するために、多種多様なアウトソーシングサービスやパッケージシステムが利用されてきました。
とくに、面接や面談のプロセスについては、Web会議システムを活用したオンライン化が進められています。
さらに、採用業務全体をアウトソーシングし、業務負荷の軽減と効率化を実現しています。
事務
事務部門では、備品の発注や書類に関する業務など、オンラインで完結するサービスの活用が進んでいます。
例えば、捺印や署名といった作業もオンライン化され、業務効率化が図られています。また、原本が必要だった契約書類も、現在はクラウド上で完結することが可能です。
さらに、在庫管理システムの利用により、在庫管理の効率化も実現しています。これらの取り組みにより、事務部門の業務負荷の軽減と効率化が進んでいます。
営業
営業部門では、現在、外出せずに営業活動を行う「インサイドセールス」が注目を集めています。インサイドセールスは、Web会議システムなどを活用して遠隔で営業活動を行う職種です。これにより、訪問先への移動時間を営業時間として活用できます。
そのほか、Web会議システムの録画機能を利用すれば、営業報告の作成も容易になります。これらの取り組みにより、営業部門の業務効率化が進められるでしょう。
カスタマーセンター
カスタマーセンターでは、顧客からの問い合わせに対して、チャットボットを活用した自動回答が行われています。これまでに寄せられた質問を集約し、チャットボットが回答可能です。
さらに、従業員が直接対応すべき問い合わせのみを電話やチャットで対応して、労力の削減を行っています。
カスタマーセンターでは、従業員が重要な対応に集中して、より高品質なサービスを提供しているのです。
企画・経営
企画・経営部門では、AIの力を借りてアイデア出しをスムーズに行う手法が注目を集めています。具体的には、AIにアイデアを出してもらったり、自身が考えたアイデアをAIに評価してもらったりする方法です。
また、市場分析などの業務もAIを活用して、業務効率化が可能になります。市場規模が大きい業界でも、AI活用により、効率的に行えるようになるでしょう。
業務効率化を実施する際の注意点
業務効率化を進めるにあたっては、業務の担当者への事前説明が求められます。具体的な工程やツールの使い方などを説明し、効率化の施策にスムーズに対応できる体制を整える必要があるためです。
さらに、業務効率化の目的を理解してもらう点も大切です。
それぞれの施策がどのように業務効率化につながるのかを理解すると、担当者のモチベーションが高まり、施策実行に積極的に関わるようになるでしょう。
業務効率化の事例を参考にして仕事をスムーズに進めよう
業務効率化とは、業務において「無理・無駄・ムラ」を無くし、仕事を効率的にする仕組みづくりをすることです。
業務効率化を行う際には、無駄な業務を削減したり、オンラインツールを利用したりするアイデアがあります。さまざまな企業が業務効率化に取り組んでいるため、参考にしながら取り入れてみましょう。
本記事で紹介した業務効率化の事例を参考にして、社内の仕事を円滑に進めてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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