• 更新日 : 2024年9月11日

エクセルで文書を作成するメリットやデメリット・作成方法を徹底解説

エクセルは表やグラフを簡単に作成できるほか数式や関数を活用できるため、データを示して説得力を持たせたい文書作成に特に向いています。一方で、セルの数には上限があることから大量・複雑な文書管理には不向きであり、操作ミスによるエラーが発生しやすいといったデメリットもあります。当記事では、エクセルで文書を作成するメリットやデメリット、作成方法を解説するのでぜひご覧ください。

文書作成はエクセルとワードどちらがいい?

ワード・エクセルのいずれでも文書・資料作成ができるものの、双方にはそれぞれの特徴があります。ワードは、マニュアルや契約書、仕様書、報告書などの文書作成に適しています。一方、エクセルは経費明細や見積書、顧客リストなどのように、計算やグラフ作成が必要な書類作成に適したソフトです。

基本的にはワードのほうが文書作成に適しているものの、エクセルで文書作成するほうが便利な場合もあります。文書作成の向き不向きを見るために、まずはエクセルとワードの特徴を比較してみましょう。

エクセルの基本機能

エクセルの機能は、大きく次の3つに分類されます。

計算・関数機能

簡単な四則演算に加えて、関数を用いて複雑な計算を行ってデータを作成します。

表・グラフ機能

入力されたデータを使い、表やグラフなどデータを可視化する機能です。

データベース機能

データの並べ替えや閲覧したいデータの抜き出しなど、データの整理・管理に役立つ機能を備えています。

以上のように、エクセルは複数のデータを使った計算や分析、管理などに対応した機能が中心です。

ワードの基本機能

ワードは、文書作成に特化したソフトです。ワードでは、1枚の用紙に文書を左から右に書いていくイメージで文字を入力します。文字入力機能や改行機能など、文書を書くにあたって不可欠な機能から、文字のフォントやサイズ、レイアウトなどを簡単に変更できる機能が備わっています。

図や表なども挿入でき、チラシやポスターなどの目を引く書面から、マニュアルや論文のような長文の作成までこなせる点が特徴です。

エクセルで文書を作成・管理するメリット

エクセルで文書・ドキュメントを作成する際は、セルにテキストを入力します。セルのサイズを調整することで文書を表形式でまとめたり空白の記入欄を作ったりできるため、エクセルでは主に設計書や仕様書、請求書などを作成することが多くなります。

エクセルで文書を作成・管理するメリットは次の通りです。

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セルで列と行を管理できる

エクセルでは、セルでテキストを管理します。セルはマス目状の入力エリアで、膨大なセルが方眼紙のように並んでいます。セルの縦の並びは「列」、横の並びは「行」です。

エクセルではテキストをセル単位で管理することで、文書のレイアウトを整えられます。代表的なレイアウトの要素が行頭です。ワードでは「ルーラー」で行頭をそろえるところを、エクセルでは列で行頭をそろえています。

表やグラフを簡単に作成できる

エクセルは、もともと表やグラフの作成に特化したソフトです。ワードでも表作成やグラフの挿入はできるものの、エクセルのほうがよりお手軽に表・グラフを挿入できます。プレゼン資料や報告書など、データを示して説得力を持たせたい文書作成にはエクセルを活用できるでしょう。

数式や関数を活用できる

エクセルの数式入力機能や関数機能を活用すると、セルに入力した数値を使った計算結果を該当のセルに表示できます。データ入力の手間が省ける上、自力で計算した結果を入力するより間違いが少なくなります。見積書や請求書、売上表など、数字の計算・入力が必要な文書を作成する際には、エクセルが便利です。

複数のタブを作成できる

エクセルのタブとは、一般的にはワークシートの下部に表示されている「シートタブ」を指します。シートタブをクリックすると、別のシートが現れる仕組みです。

ワードは、基本的にファイル1つにつき1つの文書を管理します。一方、エクセルは複数のタブを作成できるため、1つのファイルで複数の文書を管理できます。関連性のある複数の文書を管理したい場合は、エクセルが有効です。

エクセルで文書を作成・管理するデメリット

エクセルはもともと文書作成用のソフトではないため、共有に手間がかかる・後から文書を振り返りにくいなどのデメリットがあります。また、関数などを駆使すると属人化しやすく、グループ内でのメンテナンスが困難になる点も問題点の1つです。

エクセルによる文書作成・管理には、上記以外にも、以下のようなデメリットがあります。

大量・複雑な文書管理には不向き

エクセルには膨大な量のセルがあるものの、セルの数には上限があり、大量のデータを処理すると動作が重くなって作業が制限されます。そのため、大量の文書や複雑な文書の管理には向いていません。エクセルはできるだけシンプルな文書の管理に活用しましょう。

複数人による同時編集ができない

エクセルにはリアルタイムでファイルを共有する機能が備わっておらず、複数人で同時に編集できません。ファイルを共有する機能自体はあるものの、リアルタイムでは情報共有できないため、編集された情報を確認するにはタイムラグが生じます。

さらに、いつ誰がファイルに変更を加えたかが分かりにくく、ファイルのバージョン管理も難しくなります。

また、誰かがファイルを開いたままでいると他の人が編集できません。エクセルによる文書管理は、グループより個人で行う場合のほうが向いているでしょう。

操作ミスによるエラーが発生しやすい

エクセルは操作ミスによるエラーが発生しやすいソフトです。特に、数式や関数の入力を誤ると計算結果にも誤りが生じて、データ全体の正確性が損なわれます。

エクセルはセルの数が多く、管理するデータや文書の量も多くなる傾向があります。データの量によっては、その中から誤入力などのミスを見つけ出すのは困難です。

初心者に対する教育コストがかかる

エクセルの各種機能は、ユーザーの知識やスキルによっては使いこなすのが難しい場合があります。そのため、初心者に対してファイルの使い方を教育する際には、教育の手間がかかります。

特に、作成者がVLOOKUP関数などの複雑な関数やマクロを多用した場合、初心者にはファイルの構造が理解できません。誰でも使えるようにするには、マニュアル作成や、最悪の場合はファイルの作り直しが必要となるでしょう。

エクセルで文書を作成する方法を初心者向けに解説

単にエクセルで文書を作成するだけであれば、初心者にとってもさほど難しい作業ではありません。ここでは、エクセル初心者に向けて、エクセルで文書を作成する方法を解説します。記事を参考に、エクセルでの文書作成にチャレンジしてみてください。

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基本の文章を作成する方法

エクセルで基本の文書を作成する方法は、次の通りです。

1文書を入力したいセルにカーソルを合わせる
2セルもしくは数式バーをクリックし、文書を入力する
3Enterキーを押し、入力内容を確定させる

Enterキーで確定すると、入力した真下のセルが選択されます。

セル内で改行したい場合、ワードなどと同じようにEnterキーを押すと入力が終了するため、Altキーを押しながらEnterキーを押しましょう。

文字を削除・修正したい場合は、ワードなどと同様にBackspaceキーもしくはDeleteキーを使います。セルをダブルクリックするか、該当のセルを選択して数式バーをクリックし、修正したい文字の前後にカーソルを移動させます。

カーソルより前の文字を消したい場合はBackspaceキー、後の文字を消したい場合はDeleteキーで消しましょう。

表を入れて文書を作成する方法

エクセルで表を入れた文書を作る方法は、次の通りです。

1任意のセルに表のタイトルと見出しを入力する
2各行・各列の見出しに合った情報を入力する

表には罫線をつけたり、セルの色などの書式を変更したりできます。罫線作成やセルの装飾の手順は次の通りです。

1表の範囲のセルをドラッグアンドドロップで選択する
2画面上部の「ホーム」タブから「罫線」を選択する
3罫線メニューの中から「格子」を選択する
4文字を強調したいセルを選択し、ホームタブから装飾の方法を選ぶ

傾いたバケツのようなアイコンを選ぶとセルの色が変わり、文字の下に色つきのラインがあるアイコンを選ぶと、文字の色を変えられます。

グラフを入れて文書を作成する方法

エクセルでは、すでに入力した表のデータを参照し、簡単にグラフを作れます。グラフを作成する手順は次の通りです。

1グラフにしたいデータの範囲をドラッグアンドドロップで選択する
2画面上部の「挿入」タブから「グラフ」を選択する
3作りたいグラフの種類を選択する
4グラフが表示される

エクセルで作れるグラフには、縦棒・横棒グラフ、折れ線・面グラフ、円グラフなどがあります。示したいデータにふさわしいグラフを選びましょう。

また、作成後のグラフは、後から位置や大きさ、表示方法などを変更できます。

エクセルで効率よく文書を作成・管理するポイント

ポイントを押さえると、エクセルでの作業の効率をアップさせられるでしょう。ここでは、エクセルで効率よく文書を作成・管理するためのポイントを解説します。文書作成や作業全体の効率化に役立ててください。

エクセルでタスク管理を行うコツ!おすすめテンプレートや作成方法

テンプレートを活用する

エクセルにおけるテンプレートとは、文書のひな型となるファイルのことです。テンプレートには、すでに見出しや入力項目といったフォーマットが整っています。テンプレートを活用すると、1からフォーマットを作る手間が省けるでしょう。

エクセルの場合、オンラインで無料テンプレートがいくつか配布されています。基本的には配布済みのテンプレートをダウンロードして使いますが、同じ文書を複数作るのであれば、自分でテンプレートを作って使い回すのも1つの方法です。

基本操作以外の設定も活用する

エクセルには、基本操作以外にも便利な機能が備わっています。ただし、使い方次第ではオフにしておくと効率が上がる機能もあるため、次のような設定を覚えておくと便利です。

  • 自動保存オン
  • ハイパーリンクの無効化
  • ファイルの保存形式の指定 など

特にファイルの保存のように繰り返す場合が多い作業については、設定を見直すと作業効率がアップするでしょう。

時間短縮につながる関数を覚える

エクセルの関数には、作業の時間短縮につながる関数がいくつかあります。ここでは、特に活用しやすい関数について、使用例を交えて解説します。

SUM関数選択したセルの数値をすべて合計する

(例:商品ごとの売上額を合計し、総売上額を算出する)

SUMIF関数選択したセルから条件に当てはまる数値のみを合計する

(例:小学校の児童から4年生以上の人数を調べる)

SUM系の関数を活用すると、数値を一つひとつ抜き出して計算したり、数値が変わった場合に計算し直したりする必要がなくなるため、業務効率化が図れるでしょう。

エクセルは表計算やデータ管理に優れたソフト

ワードとエクセルは、それぞれ異なる特性を持つソフトであり、用途に応じて使い分けることが重要です。

ワードは文書作成に特化しており、報告書やマニュアルの作成に適しています。一方、エクセルは表計算やデータ管理に優れており、見積書や顧客リストの作成に便利です。適切なツールを選ぶことで、作業効率が向上し、正確な文書管理が可能となります。


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