• 更新日 : 2025年1月21日

トークスクリプトとは?トークフローとの違いや作り方・無料テンプレ

トークスクリプトは、顧客との会話を体系化した台本で、営業やコールセンターなど幅広い場面で活用されています。顧客の質問や状況に応じた柔軟な対応を可能にするだけでなく、業務効率化や属人化の防止、新人教育にも寄与します。

当記事では、トークスクリプトとトークフローの違いや、具体的な作成方法、活用事例について詳しく解説し、業務の現場で役立つテンプレートも紹介します。

トークスクリプトとは?

トークスクリプトとは、顧客との会話内容や流れをまとめた台本のことです。マニュアルのように画一化するのではなく、担当者が顧客の質問や状況に応じて会話を柔軟に展開するためのガイドラインとして体系化されています。営業やテレアポ、コールセンターなど、対面・非対面を問わず、顧客対応を行う場面で幅広く活用されています。

トークスクリプトが注目されるようになった背景には、新型コロナウイルスの影響が挙げられます。テレワークの普及によりオンラインでの顧客対応が増えた結果、必要な情報の共有方法が新たな課題となりました。そうした社内間の情報共有やコミュニケーションの問題解決を図る手段の1つになったものがトークスクリプトです。

トークスクリプトとトークフローの違い

トークスクリプトと類似する用語にはトークフローがあり、両者は混同されることもありますが、厳密には意味が違います。トークスクリプトは顧客との詳細な受け答えをまとめた台本である一方、トークフローは会話全体の流れを簡単に図式化したものです。

たとえば、顧客からの入電対応をトークフローにした場合、「謝辞→説明→クロージング」と話全体の流れは可視化しますが、「何を聞かれたらどのように話せばよいのか」という具体的な会話までは記載しません。ひと目で会話の大まかな流れを掴めるように簡略的に図式化したのがトークフローであり、そこから想定される対話内容を事細かにまとめたのがトークスクリプトです。

トークスクリプト・トークフローの無料テンプレート

業務経験が浅い場合、まずはトークスクリプトに沿って会話の仕方を学びます。慣れてくるとトークフローに従って案内できるようになりますが、必要になればトークスクリプトを参照することも少なくありません。

そのため、トークスクリプトとトークフローの間には整合性が求められ、トークスクリプトを想定した上でまずトークフローを作成する必要があります。トークフローやトークスクリプトを用意する際は、作成の手間を省けるテンプレの利用がおすすめです。

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トークスクリプトの活用シーンと基本構成

トークスクリプトは主に顧客対応で使われますが、場面や目的によって適切なトークパターンは異なります。ここからは営業やテレアポなど、使用シーンに応じたトークスクリプトの基本構成を紹介します。

対面営業

商談などの対面営業におけるトークスクリプトは、営業活動の中で顧客に何をどの順番で伝えるのかを決めた台本です。トークスクリプトを確立することで、営業トークのノウハウの共有により属人化を防げるほか、営業力や営業効率の向上も図れます。

<対面営業におけるトークスクリプトの基本構成>

アイスブレイク挨拶や雑談を交わしてお互いの緊張をほぐします。
ヒアリングターゲットが抱える課題やニーズを引き出します。
プロポージング自社の商品やサービスをプレゼンします。
クロージング相手の対応に合わせてトークを締めます。

テレアポ

テレアポ・電話営業におけるトークスクリプトは、よくある相手の反応や質問への対処法をまとめた台本です。トークスキルが身に付いていなくても、重要なポイントを押さえながら会話を進められるため電話で話が脱線することなく、対話の質を高めて成約率が上がる効果が期待できます。

<テレアポにおけるトークスクリプトの基本構成>

挨拶堅苦しい挨拶より、ややくだけた挨拶が望ましいです。
自己紹介自分が何者なのかひと言で説明します。
キャッチ相手の興味を引き付ける言葉で要件を伝えます。
案内質問しながら本題に入ります。
対応相手の返答に応じて適切に応対します。
アポ取りクロージングに入り、成約すれば日程を調整します。

テレアポトークスクリプトとは?作り方のポイント・テンプレも

インサイドセールス

インサイドセールスにおけるトークスクリプトは、通話などの非対面で見込み客にアプローチする際、顧客の情報やニーズを聞き出すための台本です。トークスクリプト通りに進めることで、営業トークの標準化を図り、営業経験の浅い新人でもアポイントを獲得できる可能性が上がります。

<インサイドセールスにおけるトークスクリプトの基本構成>

受付突破見込み客のコンバージョンによって受付トークを変えます。
ヒアリング見込み客の現状や悩みを聞き出します。
提案課題に合わせてソリューションを提案します。
日程調整いくつかの候補を出して、希望の日程を選んでもらいます。

コンタクトセンター・コールセンター

コンタクトセンター・コールセンターにおけるトークスクリプトは、オペレーターによる顧客対応でガイドラインとなる台本です。インバウンドかアウトバウンドかによって内容は異なりますが、オペレーターの品質と一貫性を保ち、顧客満足度の向上を目指すのに重要な役割を果たします。

<コンタクトセンター・コールセンターにおけるトークスクリプトの基本構成>

オープニングトーク挨拶や自己紹介など、顧客と交わす最初の会話です。
メイントーク本題の要件を指し、相手の話も聞きながら会話を進めます。
クロージングトーク質民・確認や謝辞など、トークの締めとなるステップです。

トークスクリプトの作成方法

トークスクリプトを作成するときは、ソフトやツールを用いるのが一般的です。自分で1から作ることもできますが、効率性を考えるならテンプレートの利用が便利です。

ここからは、トークスクリプトの各作成方法におけるメリット・デメリットを解説します。

Word・Googleドキュメント

Word・Googleドキュメントのような文書作成ソフトは、基本的に誰でも手軽に扱うことができ、トーク内容を簡単にアウトプットできます。変更履歴も分かりやすいので、共同作業やアップデートも容易に行えます。

ただし、文書作成に特化しているため、会話の分岐を作りにくい点はデメリットです。トークスクリプトの作成にあたって、まずは属人化しているトーク内容を可視化したい場合に適しています。

Excel・Googleスプレッドシート

Excel・Googleスプレッドシートは表計算ソフトなので、会話をチャート形式で表現しやすく、シーンに合わせてトークを分岐できるのが特徴です。直感的な操作で、複雑なトークでもパターンを分けることができます。

縦横に自由にレイアウトできることも魅力ですが、見やすいトークスクリプトに仕上げるにはデザインに工夫を凝らす必要があります。作図のレギュレーションを決めるのが難しいために、図形のサイズや位置にこだわりすぎると、余計な工数がかかることも注意点です。Excel・Googleスプレッドシートは、トークのパターンが複数ある場合や検索性を付与したい場合におすすめです。

PowerPoint・Googleスライド

PowerPoint・Googleスライドは、スライド1枚に情報を収めることで、トークの流れが直感的に分かるトークスクリプトを作成できます。フローチャートを作る機能がデフォルトで入っているので、比較的簡単に作図のアレンジができ、共同作業も可能です。

ただし、レイアウトの自由度が高い分、デザインに凝りすぎると工数がかかってしまう点には注意が必要です。普段からPowerPoint・Googleスライドを使っている場合、視覚的に理解しやすいトークスクリプトを作りたい場合に適しています。

フローチャートの制作ツール

フローチャートの制作ツールを使ってトークスクリプトを用意する方法もあります。フローチャートの作成に特化しているため、手間と時間を省きながら、視覚的にも理解しやすいトークスクリプトに仕上げられます。

しかし、フローチャートの制作ツールの導入・運用にあたっては費用がかかります。ツールの使い方を新たに学ぶ必要もありますが、大量のトークスクリプトを準備する必要がある場合には制作ツールを検討してみてもよいでしょう。

顧客との円滑な会話を実現するトークスクリプトを用意しよう

トークスクリプトは、顧客対応の品質や営業品質を一定に保ちながら、業務改善を図るための強力なツールです。顧客の多様な反応に柔軟かつ即座に対応できるようにするには、場面に応じたトークスクリプトの構成が欠かせません。また、トークフローとの違いを理解し、全体の流れと細部の対応を両立させることも重要です。トークスクリプト作成の際は、必要な情報を整理した上で、ぜひ無料のテンプレートをご活用ください。


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