• 更新日 : 2024年7月3日

ChatGPTとは?日本語での使い方や活用方法、注意点を解説

今回は、ChatGPT(チャットGPT)とはどのような生成AIなのか、について解説しています。日本語での使い方、活用事例なども説明しているのでお役立てください。また、PCやスマートフォンでの始め方、使う際の注意点なども説明しています。公式サイトや本では説明されていないポイントも理解できることでしょう。

ChatGPT(チャットGPT)とは?

ChatGPT(チャットGPT)とは、米国サンフランシスコを拠点にAI(人工知能)研究の非営利団体「OpenAI」が開発した対話型の生成AIサービスです。冒頭でも触れたように、ChatGPTの国内で注目されている理由は、次の特徴が考えられます。

日本語に対応のAI対話型のサービス

ChatGPTは、サービス画面が英語表記ですが、質問フォームは日本語に対応しています。AIとの対話画面では、テキストフォームに日本語で入力すると日本語で回答する仕組みです。

ただし、アカウント登録するまでの案内は、全て英語対応で進みます。アカウント登録後は、質問および回答も日本語で実行可能です。

無料でも利用できる

ChatGPTの利用ユーザーが増えている要因は、無料で利用できる手軽さも考えられます。ChatGPTは、メールアドレスからの認証だけでアカウントの無料登録が可能です。アカウント登録が済めば、すぐにAIとの対話を始められます。

ChatGPTの使い方・活用事例

ChatGPTによる生成AIとの対話は、さまざまな場面で活用できます。ここでは、ビジネスでの活用事例をいくつかご紹介しましょう。

文章や記事の作成・要約

ChatGPTは、AIとの対話で効率よく文章を作成できます。文章作成は、Webサイトの記事や長文の要約などにも利用可能です。ChatGPTの長文要約の精度は高く、膨大な文章をまとめる作業によって生成AIの技術で時間短縮できます。

メールの作成

通常の業務におけるメールの作成は、状況次第で時間と手間がかかるものです。例えば、急なトラブルが発生して予定していた打ち合わせに参加できなくなることもあるでしょう。相手が上司や取引先であれば、印象を悪くしないためにも欠席を伝えるメールが必要です。

そのような状況の場合、ChatGPTにメールの趣旨を入力するだけで、状況に応じたメール本文が回答されます。例えば、ChatGPTに質問を入力することで、次のような回答が得られました。

ChatGPTへの質問文
直属の上司(人事部部長)に30分後の打ち合わせの欠席を伝えるメールを作成してください。
ChatGPTの回答
件名: 打ち合わせの欠席について

尊敬する○○さん(人事部部長)へ

お世話になっております。私は○○(あなたの名前)です。先ほど急な状況が発生し、申し訳ありませんが、30分後の打ち合わせに参加できないことをお伝えしたくメールさせていただきました。

詳細な理由として、○○(状況の説明、例えば、他の重要な業務が割り込んできた、または予期せぬ緊急事態が発生したなど)のため、この打ち合わせには出席できない状況となりました。誠に申し訳ありませんが、急な事態が発生したため、他のメンバーに代理出席していただくことはできないかご検討いただけないでしょうか。

その他の参加者にも個別に連絡を取り、欠席を伝えますが、私の不在により打ち合わせの進行に影響が出ることを避けるため、代理出席者の手配にご協力いただければ幸いです。

再度、急な変更によりご迷惑をおかけすることをお詫び申し上げます。誠に恐れ入りますが、次回の打ち合わせへの積極的な参加と、このような事態が再発しないよう努めてまいります。

ご対応いただけますと幸いです。お忙しい中、ご検討いただき、ありがとうございます。

よろしくお願いいたします。

○○(あなたの名前)

翻訳

ChatGPTを使った生成AIとの対話では、あらゆる言語の翻訳が可能です。国を基準とするだけではなく、地方ごとの方言による翻訳もできます。ChatGPTで翻訳した文章は、自然言語処理能力により、会話のような自然な表現が期待できます。

Excelの関数・プログラミング

ChatGPTの対話では、Excelの関数を始め、プログラミングの実行コードの回答が可能です。Excel関数では、それぞれの関数の意味や使い方はもちろんのこと、実行したい処理を質問すると処理内容に適した関数や計算式の回答が得られます。

プログラミングにおいては、言語と処理内容を質問することでコードや実行結果などの回答が入手可能です。そのため、手作業で行っていたコーディングの手間が省けるでしょう。

アイデアの提案

アイデアが浮かんでは消えることは、日常においてよくある話です。ChatGPTでは、漠然としたアイデアの提案を質問すると、生成AIが具体的な回答で返します。

例えば、漠然と「蓄電池を作ることはできますか?」と質問した場合、蓄電池作りに必要な行動を分類し、順序立てた説明が返されます。

  • 種類の選定
  • 材料の調達
  • 構成の設計
  • 製造プロセスの実行
  • 制御回路の設計

抽象的なアイデアの提案でも、具体的な内容へと導く回答はアイデア出しのツールとしても有効です。

雑談・お悩み相談

対話型のChatGPTの活用は、質問への回答だけではなく、単なるおしゃべりにも使えます。AIとのおしゃべりは、雑談からお悩み相談など幅広く自由に使えるでしょう。相談内容によっては、ChatGPTが解決策などをアドバイスする場合もあります。身近な相談相手にもなるかもしれません。

小説・歌詞の創作

ChatGPTは、小説や歌詞などの創作にも活用できます。小説の場合は、登場人物や物語の背景、大枠の展開などを提示するだけで作成可能です。その創作能力は、豊富な知識を活かして予想もしない物語になることも期待できます。

人間による創作の場合は、考えながら作るため一定の時間が必要です。生成AIによる創作では、流れるような速さで作り出されます。

議事録

ビジネスにおいてのChatGPT活用では、会議などの動画音声から文字起こししたデータを議事録にまとめることが可能です。ChatGPTの議事録作成では、文字起こしした文章の体裁を整えてテンプレートに反映するだけで出来上がります。

文章校正・コード添削

ChatGPTの活用は、文章の校正やプログラミングのコード添削にも役立ちます。例えば、文章の言い回しが「だ・である」調の表現の文章から「です・ます」調に変換する作業をスピーディに実行します。

コードの添削についても、あらかじめルールを設定しておけば、改善点も含めた回答が得られるでしょう。

ビジネスでChatGPTを利用するメリット

企業のChatGPT利用では、次のメリットが期待できます。

自然な対話のようにコミュニケーションができる

ChatGPTは、自然言語処理技術で生成される対話のようなコミュニケーションが可能です。そのため、状況に適した柔軟性の高い会話文を作成できます。

例えば、忙しい上司に相談する機会がなくて困っている若手社員がいたとしましょう。ChatGPTを上司に相談する前の事前相談にも使った場合、ビジネスマナーなどのヒントを得られるかもしれません。自然な対話を交わせるため、重要な相談の予行練習にも使えます。

リサーチとタイピングの時間を短縮できる

ビジネスにおいて、情報収集や共有は欠かせません。ChatGPTの活用は、情報収集のためのリサーチ時間や文章を作成するタイピング時間の短縮ができます。通常は、情報収集から文章作成までの作業に一定の時間が必要です。

ChatGPTの活用により、リサーチと文章作成の同時に実行ができるため、時間短縮を実現します。

質問を深掘りすることで的確な回答を引き出せる

ChatGPTは、深掘りした質問の繰り返しで的確な回答を引き出すことも期待できます。入力した質問に対しての回答は、それで完了ではありません。

回答に対して疑問があれば、その部分を深掘りした質問で具体的な回答を追求できます。深掘りした質問は、回答の精度を上げ、作成する文章の品質向上にもつながります。

PC(ブラウザ)からのChatGPTの使い方

ChatGPTをPCやスマートフォン、タブレットなどから使う場合は、ブラウザ経由でログインする使い方が一般的です。ブラウザからの使い方は、アカウント登録さえ済ませれば簡単に始められます。アカウント登録の手順は、次の通りです。

  1. 公式サイトにアクセス
  2. 右上の「Sign up」を選択
  3. 任意のメールアドレスもしくはGmail、Microsoftアカウント、Apple IDを入力
  4. パスワードを設定
  5. 登録したメールアドレスに届いた認証メールを開き、本人認証

この手順で無料のアカウント登録は完了です。続いて公式サイト右上の「Log in」を選択して、テキストフォームのあるページに移動します。

テキストフォームに質問を入力(日本語)

ChatGPTは、登録したアカウントでログインすると、「Examples(例)」や「Capabilities(能力)」、「Limitations(制限)」などの概要を案内したページに移動します。

ChatGPTの始め方は、ページ最下部にある「Send a message」と隠し文字のあるテキストフォームに質問を入力するだけです。

質問を入力したら、右側の三角矢印マークをクリックします。この際、質問文が日本語の場合は、日本語による回答が返されます。質問文が他の言語であればその言語に適した回答が返される仕組みです。

New chatで新規質問

テキストフォームに入力した質問は、そのチャットだけで質問と回答を続けていくことが可能です。別の対話を始める場合は、ページの左側上部の「+New chat」を選択することで、新たなチャットが開始できます。

チャットの削除・編集

ChatGPTで作成したチャットは、「+New chat」で追加するたびに増えていきます。チャットで質問した内容は、作成期間別(過去30日間、過去7日間、昨日など)に分類および自動保存される仕組みです。

作成したチャットは、削除や編集ができます。左側に表示されるチャットから該当のチャットを選択すると、そのまま追加で質問を続けることも可能です。

また、チャットタイトルをクリックすると、右側に3つのアイコンが表示されます。

  • ペンアイコン:チャットタイトルの編集
  • 上矢印アイコン:チャットごとのシェアリンク作成
  • ゴミ箱アイコン:チャットの削除

チャットの編集や削除の場合は、アイコンをクリックすると「チェック」と「×」が表示されます。「チェック」を選択すると実行され、「×」がキャンセルとなっています。

さらに、質問を入力するテキストフォームの上には「Regenerate response」と表示されたボタンがあります。こちらは、生成した回答を再生成する際の実行ボタンです。質問に対しての回答が満足いくものではない場合に活用します。再生成の実行は、より具体的な情報を含めた応答になる場合もあるでしょう。

ChatGPTを上手に使う質問力

ChatGPTを上手に使うには、質問力が求められます。質問力で重要なポイントは、次の通りです。

  • 回答形式の指定(文章の型・~調など言い回し・文章の種類)
  • 文字数の指定
  • 言語の指定(日本語・英語など)
  • さらに質問して深掘りする
  • 長文で止まるときは「続き」を催促する

ChatGPTは、質問文への補足として、これらのポイントを付け加えることで回答文の精度向上に役立ちます。

スマートフォン(アプリ)からのChatGPTの使い方

ChatGPTの使い方は、ブラウザ上でログインする以外に公式サイトで提供するアプリもあります。現段階ではiPhone(iOS版)のみ利用できる状況です。

ChatGPTの公式サイトでは、2023年5月よりiPhone向けの日本語対応アプリをリリースしています。アプリを始める手順は、次の通りです。

  1. App Storeよりアプリをダウンロード
  2. 新規アカウント作成の場合は「Continue with~」をタップ
  3. 画面の指示に従ってAppleアカウントまたはメールアドレスを登録

すでにアカウントを持っている場合は、アプリ起動後に「Log in」を選択して、登録済みのアカウント情報を入力すれば利用できます。アプリには、公式サイト以外のサードパーティー製の生成AIアプリも存在するため、利用する際は注意が必要です。

ChatGPTの有料プランChatGPT Plus|無料版との違い

ChatGPTには、無料版と有料プランのChatGPT Plusがあります。

ChatGPT(無料版)ChatGPT Plus
ブラウザ利用料金なし月額20ドル
アプリ利用料金(iOSのみ)なし月額3,000円
GPT本体(大規模言語モデル)GPT3.5GPT4.0
画像認識機能不可(テキスト認証のみ)実装見込み
サーバ混雑時の接続回答が遅い無料版より回答が早い
回答内容の品質低い無料版より高い

※2023年7月27日時点の情報

ChatGPTは、無料版と比較すると有料プランの方が回答に対して精度の高さを期待できます。

ChatGPTを利用する際の注意点

ChatGPTを利用する際は、回答をそのまま利用せずにチェックしてから使いましょう。チェックが必要となる理由は、「知識の範囲」や「正確性」などに制限があるからです。情報の正確性については、ChatGPT公式サイトの英語表記の案内でも注意を呼びかけています。

直近の情報には非対応

ChatGPTの公式サイトの案内では、「Limitations(制限)」が掲載されています。

「It has limited knowledge of world and events after 2021(私たちの知識の範囲は2021年までの情報に限られています)」

つまり、ChatGPTで扱う情報は、2021年までの知識範囲で回答するという判断です。そのため、2022年から直近の情報には対応していません。例えば、2022年以降に実施されたイベントの結果などは、知識範囲ではないため間違っている可能性があります。

情報の正確性をチェック

ChatGPT公式サイトの「Limitations(制限)」では、情報の正確性についても注意を呼びかけています。

「may occasionally generate incorrect information(時には正確な情報ではない答えを出すこともあります)」

ChatGPTの回答では、間違った情報を返すことがあります。例えば、人名や企業名、年号、場所などを間違ったまま回答することです。その際、検索エンジンで情報を調べることで掲載情報と一致しない場合もあります。

その結果、回答が正しいか指摘すると、間違っていれば回答の誤りを認めます。ただし、検索エンジンも100%正解であるとは言い切れません。正確な情報については、正しい情報ソースで確認することが必要です。例えば、事業家の著名人のことをChatGPTに質問してみました。

ChatGPTへの質問
星野リゾートの創業者は誰ですか?
ChatGPTの回答
星野リゾートの創業者は、星野佳路(ほしの よしじ※)氏です。星野佳路氏は、日本の宿泊施設およびリゾート開発企業である星野リゾートの創業者であり、1981年に同社を設立しました。星野リゾートは、自然環境を大切にし、伝統的な日本の文化や風土を活かした高品質な宿泊体験を提供することを目指しています。その結果、星野リゾートは日本国内外で高い評価を得ています。
ChatGPTへの質問
星野佳路さんは、4代目社長ですよね?
ChatGPTの回答
申し訳ありません、情報の誤りがありました。星野佳路氏は星野リゾートの創業者ではありますが、正確には星野リゾートの4代目社長ではありません。星野リゾートの4代目社長は星野佳路氏の息子である星野修身(ほしの おさみ)氏です。星野修身氏は現在、星野リゾートの経営に携わっています。お詫び申し上げます。
ChatGPTへの質問
星野修身さんって存在しませんよ。
ChatGPTの回答
申し訳ありません、私の以前の回答に誤りがありました。星野修身さんは存在しません。星野リゾートの創業者である星野佳路氏は、現在も経営に関与しており、星野リゾートの中核的な存在です。星野佳路氏は星野リゾートの創業者であり、長年にわたり同社の成長と発展に貢献してきました。もう一度、前回の回答に誤りがあったことをお詫び申し上げます。ご指摘いただき、ありがとうございました。
ChatGPTへの質問
あと星野リゾートの設立は1981年ではありませんよ。
ChatGPTの回答
おっしゃる通りで、再度申し訳ありませんが、私の以前の回答には誤りがありました。星野リゾートの正確な設立年は1951年です。星野佳路氏は、星野リゾートの創業者であり、1951年に鹿児島県の薩摩半島にある指宿温泉で最初の宿泊施設を開業しました。その後、星野リゾートは多くのリゾート地を展開し、日本国内外で高い評価を得ています。訂正いたしますこと、お詫び申し上げます。ご指摘いただき、ありがとうございました。
ChatGPTへの質問
1951年に開業したのは、鹿児島県ではありませんよ。
ChatGPTの回答
おっしゃる通りで、再度訂正いたします。星野リゾートの最初の宿泊施設の開業は、鹿児島県ではなく、長野県北佐久郡軽井沢町で行われました。1951年に星野佳路氏が軽井沢に「星野ホテル」として開業しました。この施設が星野リゾートのはじまりであり、その後さまざまなリゾート施設が展開されてきました。おっしゃっていただいた正確な情報に基づいて訂正いたしましたこと、お詫び申し上げます。ご指摘いただき、ありがとうございました。

※固有名詞の表記については、状況により正しく表記されない場合があります。本記事では執筆者が実際にやり取りした内容をそのまま反映しております。ご了承ください。

上記の例のように、間違った回答を指摘すると、訂正します。ただし、こちらから指摘しない限り、正しい回答と見なされてしまいます。その点は、他の情報ソースとの併用でチェックが必要になるでしょう。

精度の高い回答でChatGPTをビジネスに活用しよう

ChatGPTは、テキストフォームに日本語で質問を入力するだけのシンプルさが特徴的です。その手軽さから、ブラウザを介してアクセスできる環境であれば、いつでも生成AIとの対話が楽しめます。

今回ご紹介したChatGPTのビジネスにおける活用事例は、応用することで活用場面を増やせるでしょう。活用場面を増やすポイントは、深掘りした質問力です。質問の回答に対して、具体性や正確性を求めて質問することが回答の精度向上につながります。回答の精度が上がれば、ChatGPTはビジネス現場でも安心して導入できるでしょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事