- 作成日 : 2025年2月6日
ビジネスアプリとは?選ぶポイントやおすすめのアプリを紹介
テクノロジーの進化に伴い、アプリの活用が進んでいます。中でも、ルーティン業務やプロジェクト管理を効率化し、生産性を向上させるツールがビジネスアプリです。
そこで本記事では、ビジネスアプリの主要機能やメリット、その選び方を解説します。おすすめのビジネスアプリも紹介するので、ぜひ仕事に役立ててください。
目次
ビジネスアプリとは
ビジネスアプリとは、煩雑な手作業を自動化し、業務プロセスの合理化を支援するアプリ全般のことです。出張先やテレワークなど、オフィスにいなくてもデータにアクセスできることから利用が進んでいます。
特に進捗管理アプリは、スケジュールやタスクの進捗状況をリアルタイムで可視化し、プロジェクトメンバー間の情報共有を円滑にするツールです。従来はExcelとチャットツールを併用するなど、複数のアプリを組み合わせながらプロジェクトを進行するケースが多く見られました。
一方、進捗管理アプリはさまざまな機能が集約されており、プロジェクト管理業務が容易になることから、多くの企業で導入されています。
ビジネスアプリの主要な機能
ビジネスアプリには、チームのパフォーマンスを向上させるためのさまざまな機能が搭載されています。ここでは、ビジネスアプリの主要な機能を5つ見ていきましょう。
文書作成や表計算
ビジネスアプリの文書作成や表計算機能を活用すると、テキストやグラフの入ったプレゼン資料を共同で編集可能です。文書作成や表計算といえば、Microsoft WordやExcelの使用が一般的ですが、インターネット上でGoogleが提供するアプリもあります。クラウド上でデータが保存されており、ファイルのやり取りは不要です。自動保存やリアルタイム同期が可能なので、複数人で共同編集する場合に利用を検討するとよいでしょう。
テキストコミュニケーションやWeb会議
テレワークの普及に伴い、電話や対面に代わり、チャットなどのテキストコミュニケーションやWeb会議などのビジネスアプリの利用も一般的になりました。タスクと連動できるほか、ビデオ通話機能が搭載されているものや、いつも利用しているアプリと容易に連携できるチャットツールもあります。Web会議ツールは、社内での会議や打ち合わせだけでなく、営業・採用面接の現場でも利用されています。
オンラインストレージやファイル転送
オンライン上でデータを共有するための機能が、オンラインストレージやファイル転送です。オンラインストレージはPC、スマートフォン、タブレット端末などのローカルデバイスではなく、クラウド上にデータを保管します。ファイル転送は、クラウド上にデータをアップロードすると発行されるダウンロードURLを介して、他のユーザーとデータを共有する機能です。ファイル転送にはデータの保存期間が定められている点が、オンライストレージとの違いになります。
スケジュールやタスクの管理
スケジュール管理機能は、予定を把握できるカレンダー形式や、進捗状況が一目でわかるガントチャート形式が一般的です。タスクの管理機能では、プロジェクト遂行に必要な工程を細分化し、誰がいつまでに完了させるかを管理します。社内やプロジェクトメンバーでスケジュールやタスクの管理を共有すれば、進捗状況の遅れを見逃すことがなくなり、納期を守りやすくなるでしょう。
労務管理や経費精算
総務・経理・人事労務部門が担う経費精算や勤怠管理は、ワークフローとも密接で煩雑になりがちなため、ビジネスアプリによる自動化・省力化がおすすめです。スマホで申請・承認が完了するアプリなら、データ連携により手入力の手間を削減できるほか、ペーパーレス化によって経費精算の工数を大幅に削減できます。勤怠管理アプリを活用すれば、タイムカードの収集・集計作業から解放されるほか、時間外労働の上限管理や有給休暇の管理など、働き方改革関連法案の遵守も容易です。
ビジネスアプリの導入がおすすめなケース
ビジネスアプリは、情報共有・業務連絡の効率化、テレワーク環境を整備やコンプライアンスを強化したい企業におすすめです。テキストコミュニケーション、Web会議機能を活用すれば、どこにいても社内・社外とのコミュニケーションを活性化できます。
リモートであっても資料・マニュアルのやり取りが容易で、チームメンバーの稼働状況の確認ができるために、迅速なフィードバックやフォローが可能です。その結果、業務品質の向上も大いに期待できます。
また人海戦術で、働き方改革関連法案を確実に遵守していくのは容易ではありません。従業員ごとに月の時間外労働時間をチェックしたり、入社日が異なる従業員に有給休暇を正しく付与したりするにはビジネスアプリの利用が望ましいでしょう。
ビジネスアプリを導入するメリット・注意点
日頃の業務にビジネスアプリを導入すると数多くのメリットが得られますが、注意点もあります。ここでは、ビジネスアプリを導入するメリットと注意点について見ていきましょう。
メリット
ビジネスアプリを導入する大きなメリットは、煩雑な手作業や入力の手間やミスを減らし、バックオフィス業務の効率化を実現できる点です。入力自動化やオートメーション機能が充実したビジネスアプリを活用することで、面倒な突合作業から解放されます。オンラインでワークフローが完結すれば、申請・承認作業のために出社する必要がなくなるのです。
またビジネスアプリを活用してデータをクラウドに保存し、共同編集できるようになれば、場所を問わず業務を遂行できるようになります。その結果、テレワークやアウトソーシングを活用したチーム運営が可能になる点もメリットです。柔軟な働き方を提供できるようになれば離職率は低下し、企業の評判が向上するために人材不足を解消できるでしょう。
注意点
ビジネスアプリは、基本的にオンラインでの作業を前提としています。そのため従業員一人ひとりにデバイスを提供し、インターネットに接続できる環境を整えなくてはなりません。
PCを社内で利用することを想定し、内部ネットワーク(イントラネット)を構築している企業は、安全にインターネット接続するための費用が発生します。セキュリティベンダーに脆弱性診断を依頼したり、サイバーセキュリティについて従業員教育を行ったりする必要性がある点も視野に入れましょう。
またビジネスアプリに投入したデータは、解約時に取り出せるかどうかも事前に確認しておくことが重要です。
ビジネスアプリを選ぶポイント
自社のニーズに適したビジネスアプリを選ぶには、どのような点に留意すればよいのでしょうか?ここでは、ビジネスアプリを選ぶポイントを4つご紹介します。
操作性が高く誰もが利用しやすい
幅広い世代による利用を想定している場合、操作性の高さを重視しましょう。ITツールの操作に不慣れな人でも、直感的に使えるビジネスアプリを選びます。シンプルでわかりやすいユーザーインターフェースを持つアプリがおすすめです。誰もが利用しやすいアプリを選んでおくと、導入・運用にあたって従業員の教育に割く時間は最小限で済ませられるでしょう。
自社の費用に見合っている
ビジネスアプリごとに料金体系が大きく異なるので、自社の費用感に見合うものを選ぶことが重要です。複数プランが用意されている場合、利用できるユーザー数は何名か、ストレージの容量はどれくらいか、どの機能あるいはサービスを利用できるのか確認しましょう。中には、ユーザー数課金あるいは使用量課金を採用しているビジネスプランもあります。
セキュリティ対策が充実している
ビジネスアプリを導入する際には、信頼性の高いクラウドベンダーを選ぶようにしましょう。セキュリティポリシーを確認するほか、総務省が提供する「サイバーセキュリティ関連の法律・ガイドライン」をもとに、セキュリティ対策が適切に実施されているかどうかも定期的に確認するのがおすすめです。ISMSクラウドセキュリティ認証(ISO / IEC27001)など、第三者機関による認証を取得しているかどうかもチェックしてみてください。
既存のシステムやツールと連携できる
導入を検討しているビジネスアプリが、現在利用している基幹システムやツールと連携できるかどうかも確認しましょう。異なるアプリ・ツール・システムの機能やデータを共有する「API連携」に対応していれば、機能の拡張性を高められます。既存のシステムやツールとビジネスアプリを組み合わせることで、一連の作業を自動化することが可能になるのです。
おすすめのビジネスアプリ
ここでは、プロジェクトの進捗管理におすすめのビジネスアプリを5つご紹介します。それぞれの特徴やスペック、強みを解説しますので、導入を検討しているビジネスパーソンはぜひ比較してみてください。
Google ドキュメント・ Google スプレッド シート・ Google スライド
Googleドキュメントは文書作成、Googleスプレッドシートは表計算、Googleスライドはプレゼンテーションを作成できるビジネスアプリです。いずれのアプリを使う場合も、複数のユーザーがブラウザ上で共同編集を同時に行える点に特徴があります。非常に多機能で操作性が高いにもかかわらず、Googleアカウントを保有していれば誰でも15GBのクラウドストレージとともに無料で利用できる点が大きな強みです。
ただし各アプリからMeetを介した会議に直接参加するなど、プレミアム機能を利用する場合には、有料プランのGoogle Workspace Businessを購入する必要があります。なおGoogle Workspaceは、組織向けに設計されたオンラインビジネスアプリのセットのことで、利用可能なストレージも大容量です。
Googleドキュメント | Googleスプレッドシート | Googleスライド | |
---|---|---|---|
月額料金 | 0円 ※Googleアカウントを保有するユーザーのみ利用可能 | ||
ストレージ容量 | 15GB ※追加購入も可能 | ||
共同編集 | 可能 ※共有設定から、閲覧・編集を許可するユーザーを指定 |
出典:Googleドキュメント|Google Workspace
Chatwork
Chatworkは、ビジネスチャットツールでありながらタスク管理機能も搭載されているため、進捗管理がしやすいという特徴があります。もともと非IT業界向けに機能が設計されており、ITツールに不慣れな人でも操作しやすい点が強みです。さらに日本国内で開発されていることから、導入・運用・定着の支援、技術的なサポートが手厚い点にも強みがあります。
Chatworkのスペックは以下のとおりです。
フリー | ビジネス | エンタープライズ | |
---|---|---|---|
月額料金(税抜) | 0円/ユーザー | 840円/ユーザー | 1,440円/ユーザー |
ユーザー数の上限 | 100名 | 制限なし | 制限なし |
ストレージ容量 | 10GB/組織 | 10GB/ユーザー | 10GB/ユーザー |
チャットへの参加 | 制限あり | 制限なし | 制限なし |
メッセージ | 制限あり
| 制限なし | 制限なし |
タスクの追加・完了 タスク担当者の設定 | 制限なし | 制限なし | 制限なし |
ファイル管理 | 制限あり
| 制限なし | 制限なし |
ビデオ通話・音声通話 | 1対1 | 14人まで | 14人まで |
ユーザーの管理 | 制限あり | 制限なし | 制限なし |
チャットログのエクスポート | 不可 | 不可 | 可 |
出典:料金プラン|Chatwork
Dropbox
Dropboxは、もともと個人向けのオンラインストレージとしてスタートしたビジネスアプリです。その後、ビジネス利用向けのDropboxBusinessが誕生しました。全てのコンテンツが保存されているクラウド上で、ドキュメントへの署名、共同作業やコラボレーションを行える点に特徴があります。
複数デバイス間のファイル同期の高速さや安定性に定評があるほか、大容量ファイルの転送機能も搭載されているなど、ファイルの同期・共有に強みがあるアプリです。サードパーティ製のアプリとの連携も豊富に用意されており、プロジェクト及びチーム管理を効率化できます。
Dropboxのスペックは次のとおりです。
Essentials (プロフェショナル向け) | Business (チーム向け) | Business Plus (企業向け) | |
---|---|---|---|
月額料金(税込) | 2,640円 | 5,940円〜 (ユーザー数3人) | 9,504円〜 (ユーザー数3人) |
ユーザー数 | 1人 | 3人以上 | 3人以上 |
ストレージ容量 | 3,000GB | 9,000GB〜 (チーム全体で) | 15,000GB〜 (チーム全体で) |
送信とトラッキング機能 | 制限なし | 制限なし | 制限なし |
アカウント復元とバージョン管理 | 180日間の履歴 | 180日間の履歴 | 1年間の履歴 |
削除済みファイルの復元 | 180日間の履歴 | 180日間の履歴 | 1年間の履歴 |
動画ツール | 制限なし | 制限なし | 制限なし |
生産性向上に役立つツール(PDF編集) | 制限なし | 制限なし | 制限なし |
コラボレーション用に共有 | 制限なし | 制限なし | 制限なし |
ファイル/フォルダ転送 | 最大100GBを送信 | 最大100GBを送信 | 最大250GBを送信 |
電子署名 | 制限あり
| 制限なし
| 制限なし
|
チーム管理 | 制限あり | 制限あり | 制限なし |
出典:プランを比較|Dropbox
Todoist
Todoistは動作が軽く、スピーディにタスクを追加できることから、快適な操作性に特徴のあるビジネスアプリです。中でも「Todoist ビジネス」プランは、チーム管理を想定しており、プロジェクトの進捗管理に適した機能が搭載されています。タスクの進捗をグラフ表示で見える化でき、チームの誰がどのタスクをいつ完了したのか、プロジェクト進捗状況を一元管理できる点が強みです。
Todoistのスペックは次のとおりです。
初心者 | プロ | ビジネス | |
---|---|---|---|
月額料金 | 0円 | 588円/ユーザー | 888円/ユーザー |
個人プロジェクト数 | 5 | 300 | 各メンバーにつき300件 |
ファイルのアップロード | 5MB | 100MB | 100MB |
1つのチームワークスペース | なし | なし | あり |
チームプロジェクト | なし | なし | 最大500 |
タスクとフィルター作成のAI Assistant | なし | あり | あり |
自動バックアップ | なし | あり | あり |
アクティビティ履歴 | 1週間 | 無制限 | 無制限 |
カラーテーマ | 4 | 8 | 8 |
出典:料金|Todoist
ジョブカン勤怠管理
ジョブカン勤怠管理は、勤怠を管理する機能に、工数管理の機能を組み合わせられる点に特徴があります。工数管理を組み合わせることで、管理者ページから従業員のプロジェクトやタスクの登録・管理が可能です。従業員によって入力された工数を集計し、 グラフ表示することもできます。
「出勤管理」「シフト管理」「休暇・申請管理」の3つの機能については単独利用が可能です。必要な機能だけを選べるほか、初期費用・サポート費用は無料なので、安価に利用できる点が強みです。料金は毎月の登録ユーザー数によって変動します。
ジョブカン勤怠管理のスペックは次のとおりです。
無料プラン | 有料プラン | |
---|---|---|
月額料金(税込) | 0円/ユーザー | 220〜550円/ユーザー ※利用する機能数によって変動 ※月額最低利用料金は2,200円 |
利用できる機能数 | 1〜4 ※機能制限あり | 1〜4 |
出典:プラン・料金|ジョブカン勤怠管理
ビジネスアプリでチームの生産性を向上しよう
チーム内の連携作業を円滑に進めたいなら、ビジネスアプリの導入がおすすめです。本記事では、プロジェクトの進捗管理に役立つビジネスアプリを中心にご紹介しました。ビジネスアプリをうまく活用すれば、日々の業務の大幅な効率化が可能です。選ぶポイントを踏まえながらビジネスアプリを選定し、チーム全体の生産性を大きく向上させましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
Google Chromeが重い?読み込みが遅いと感じる時の9つの原因と対処法
高速かつ拡張機能も豊富なGoogle Chrome(グーグル クローム)を、活用している方も多いでしょう。しかしパソコンを使い続けていると、 Chromeの動作が重いと感じるケースが出てきます。 Chromeの動作を速くするにはどうすればよ…
詳しくみるChatGPTの始め方をPCとスマホ別に日本語で紹介!ビジネスでの使い方も
ChatGPTとは、人と話しているかのような自然な会話を実現するAIチャットサービスです。昨今日本で話題となっており、業務効率化のために利用したいと考えている方もいるのではないでしょうか。 そこで本記事では、ChatGPTとは何かやPC・ス…
詳しくみる動画マニュアルとは?適した内容や作り方、おすすめソフトを紹介(無料あり)
動画マニュアルとは、業務の手順を動画化して、パソコンやスマートフォンなどから閲覧できる形にしたものです。動画化することで、紙の冊子では伝わらない視覚的および聴覚的な情報も直感的に理解できます。 本記事では、動画マニュアルのメリット・デメリッ…
詳しくみるNotionとは?機能や料金、注目されている理由を解説!
Notionとは情報整理やナレッジ共有、タスク管理など、さまざまな用途で使える万能ツールです。「オールインワンワークスペース」とも呼ばれており、Notionに仕事で必要な情報やツールを集約できます。 また、UIにも直感的な操作が可能になる工…
詳しくみる【2025年最新】WBSツールのおすすめ10選!選び方のポイントも解説
タスク管理を効率的に行い、プロジェクトのスケジュール管理を徹底させる手法として、WBSツールの利用が注目されています。一方で、ExcelやガントチャートとWBSの違いがよくわからない人も多いのではないでしょうか。 そこで本記事では、WBSの…
詳しくみるスプレッドシートの共有方法は?使い方やよくあるトラブルを解説
Googleスプレッドシートには共有機能があり、ほかのメンバーと共同編集が可能なため、多くのビジネスシーンで活用されています。しかし、スプレッドシートの共有方法が複雑なため、上手く使いこなせない方も少なくないのではないでしょうか。 この記事…
詳しくみる