- 更新日 : 2024年10月16日
ビジネス向けのお歳暮のお礼状テンプレート・書き方と例文を紹介
日本では、1年間お世話になった相手へ感謝の気持ちを伝えるためにお歳暮を贈る風習が古くから存在しています。お歳暮は年末の挨拶も兼ねた季節の贈り物であり、贈る相手は取引先や恩師、親戚など多岐にわたります。
お歳暮を贈られた際は、受け取った後にお礼をするのが一般的です。親しい相手へのお礼は電話やメールで済ませても問題ありませんが、ビジネス相手や目上の方には、より丁寧な印象を与えるためにもお礼状を送ることをおすすめします。
そこで今回は、ビジネスでお歳暮のお礼状が重要な理由から、お歳暮用のお礼状(ビジネス向け)の書き方と例文、さらにお礼状を出すときのポイントまで紹介します。
目次
ビジネスでお歳暮のお礼状が重要な理由
お歳暮は、1年のうちにお世話になった相手へ贈るだけでなく、関わりのある相手から贈られることもあります。
家族や親戚、親しい知人からお歳暮を受け取った際は、電話やメールでお礼を済ませるケースがほとんどです。しかし、一般的なビジネスマナーとして、上司や取引先の担当者からお歳暮を頂いた場合は、封書という形でお礼状を送ることが大切です。
そこでまずは、ビジネス相手からお歳暮を贈られた際にお礼状が重要となる理由を3つ、詳しく説明します。
感謝の気持ちを伝えるため
お礼状は、相手がお歳暮を贈ってくれたことに対する感謝を、より丁寧かつ正式に伝える手段として非常に有効です。
電話やメールでのスムーズなお礼は重要であるものの、紙に書かれたお礼状は、手間と時間をかけて準備されたものとして、相手により深い感謝の気持ちが伝わります。
上司や取引先のようなビジネス相手からお歳暮を頂いた場合は、直筆のお礼状を送ることで、丁寧な印象を与え、相手との信頼関係をより強固にできます。直接手を動かして書くことで、相手への特別な感謝の気持ちを表現できるため、ビジネスマナーとして重要です。
無事に品物が届いたことを知らせるため
お礼状は、頂いたお歳暮に対する感謝を伝えるだけでなく、品物が無事に届いたことを相手に知らせる意味合いも兼ねています。
本来、お歳暮は手渡しが理想とされていますが、ビジネスの場では、多くの相手に贈る場合や遠方の相手に贈ることが多いため、配送が一般的です。配送の場合、送り主はお歳暮が無事に届いたかどうか心配することがあります。その不安を解消するためにも、受け取ったことをすぐに知らせるのが重要です。
お歳暮の時期は年末で忙しいことが多いため、お礼状を遅らせずにできる限り早く送ることで、相手に丁寧な印象を与え、ビジネス関係の円滑な維持につながります。
今後も継続的なお付き合いをしていくため
お歳暮は、毎年継続的に贈ることが慣例であり、単年で終わらせるのはマナー違反とされています。お歳暮を通じて、相手に対する感謝の気持ちや「今後も良好な関係を続けたい」という意思を表すのが目的であり、一度だけ贈って終わることは失礼にあたります。
お歳暮を贈ってくれた相手は、自社や自分に対して感謝を示すとともに、今後も信頼関係を継続したいという意思表示をしてくれていると考えるべきです。お礼状を送ることで、こちらからもその感謝に応え、相手とのコミュニケーションを大切にしていることを示せます。
物理的に残るお礼状は、単なる言葉以上に真心を伝える効果があり、より丁寧な感謝の表現となります。こうした丁寧なやり取りが、ビジネスにおいても相手との信頼関係を深める大きな要因となるでしょう。
お歳暮用のお礼状(ビジネス向け)の無料テンプレート
ビジネスにおけるお歳暮のお礼状は、手書きのほうが丁寧な印象を与えられるものの、パソコンで作成してもマナー違反ではありません。むしろ、お礼状を多く送らなければならない場合、通常業務を圧迫させないためにもパソコンでの作成がおすすめです。
パソコンでお礼状を作成する際は、テンプレートを利用することで手間を省き、スムーズに作業を進められます。下記は、マネーフォワード クラウドが提供するお歳暮用のお礼状テンプレートです。無料でダウンロードできるため、ぜひご利用ください。
お歳暮用のお礼状(ビジネス向け)の無料テンプレートのダウンロードはこちら
ビジネスでのお歳暮のお礼状の書き方と例文
ビジネスにおけるお歳暮へのお礼は、基本的には封書でお礼状を送ることが望ましいとされています。しかし、必ずしも封書でお礼状を送らなければならない決まりはなく、メールでのお礼状もマナー違反ではありません。
お歳暮のお礼状の書き方は、封書とメールで異なることに注意が必要です。ここからは、ビジネスにおけるお歳暮のお礼状の書き方と例文を、封書とメール別に解説します。
封書で出す場合の例文
お歳暮のお礼状を封書で出す場合は、「白地の便箋」を用い、「縦書き」で作成するのが基本です。
ビジネスシーンにおいて、取引先の担当者や目上の方に手紙を送る際の正式な書き方は「縦書き」とされています。縦書きで作成された封書のお礼状は、相手により丁寧な印象を与えられます。
下記は、封書でお礼状を出す場合の例文です。実際のお礼状では、白地の便箋を選び、縦書きで作成しましょう。
拝啓 歳末の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、このたびはご丁寧にお歳暮の品を賜り、誠にありがとうございます。 ご芳志に深く感謝いたしておりますとともに、今後とも変わらぬお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。 略儀ながら、書中にてお礼申し上げます。 末筆ながら、貴社ますますのご繁栄と皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。 敬具 令和○○年○月○日 株式会社△△△△ (自社の名前・役職・氏名) |
メールで出す場合の例文
お歳暮をいただくのは基本的に師走の忙しい時期であり、「お礼状をすぐに出せる時間がない」という場合もあるため、取り急ぎメールでお礼状を出しても問題はありません。
しかし、一般的にお礼のメールは親しい間柄の相手に送るため、ビジネスではメール内に「取り急ぎ」や「メールにて失礼いたします」といった文言を含めることが大切です。加えて、「まずはお礼を伝えたい」という気持ちを伝えるためにも、遅くとも1週間以内には送信しましょう。
下記は、メールでお礼状を出す場合の例文です。メールでお礼状を出す際も、封書と同様に結びの言葉には「相手の体調や健康への気遣い」を組み合わせましょう。
件名:お歳暮のお礼 |
〇〇株式会社 (相手の役職・名前)様 いつも大変お世話になっております。 株式会社△△の(自分の名前・役職)でございます。 このたびは、誠に結構なお歳暮の品を頂戴し、心よりお礼申し上げます。 お心遣いに深く感謝するとともに、今後ともより一層のお付き合いを賜りますようお願い申し上げます。 略儀ながら、メールにて失礼かとは存じますが、まずはお礼申し上げます。 寒さ厳しき折、どうかご自愛の上、良いお年をお迎えくださいませ。 何卒よろしくお願い申し上げます。 株式会社△△△△ (自分の役職・名前) (自分の電話番号) (自分のメールアドレス) |
お歳暮のお礼状を出すときのポイント
お歳暮のお礼状を出すときは、封書やメールを問わず確認しておくべきポイントがいくつかあります。
最後に、お歳暮のお礼状を出す際の3つのポイントを、それぞれ詳しく説明します。お歳暮を贈ってくれたビジネス相手と今後も良い関係を長く維持するためにも、ぜひ参考にしてください。
お礼状は早めに出す
お歳暮のお礼状において最も重要なポイントが、「なるべく早めに出す」という点です。お礼状はお歳暮を贈ってくれたことに対する感謝の気持ちを伝えるものであり、品物が届いたことを相手に伝える役割も果たします。
そのため、お歳暮が届いたら当日中にお礼状の作成に取り掛かり、遅くとも3日以内にはお礼状の送付を済ませましょう。お礼状の送付が早いほど、相手への印象もよくなります。
品物をお返しするときは半額から同額程度のものにする
お歳暮を受け取った際のお返しとしては、基本的にお礼状のみで十分です。しかし、日頃からお世話になっている相手や、1年間の感謝を伝えたい相手の場合は、お返しの品物を贈ることで、さらなる関係の構築につながるでしょう。
お返しする品物の価格帯は、頂いた品物の半額から同額程度にするのが基本です。頂いた品物よりも明らかに高額な品物は、かえって相手に気を遣わせてしまうほか、「今後お歳暮は必要ありません」という意味に捉えられるため、必ず避けましょう。
お返しの品物とお礼状が別便となる場合は、その旨をお礼状の文面に含めておくのが基本です。このとき、お返しの品物は先方にお礼状が届いてから配達されるよう、発送の日付を調整しましょう。
具体的な表現で感謝を伝える
お歳暮のお礼状には、「受け取った品物がどのように活躍したか」「誰と食べて、どれほどおいしかったのか」といった具体的な表現を付け加えることで、感謝の気持ちがよりストレートに伝わります。
下記は、実際に感謝の気持ちを伝える際の文章例です。
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お礼状とともにお返しの品物を贈る際は、「品物を贈る理由」や「贈り物を楽しんでほしい気持ち」を具体的に表現するのがおすすめです。
ビジネスにおけるお歳暮のお礼状は「より良い関係の維持・構築」につながる
ビジネスにおけるお歳暮のお礼状は、相手に感謝の気持ちを迅速に伝えるため、また品物が届いたことを知らせるためにも、1~3日以内に出すのがマナーです。お礼状は基本的に縦書きの封書が基本となっているものの、相手との関係性や状況によっては、横書きの手紙やはがき、あるいはメールでも問題ありません。
また、お礼状の書き方は封書とメールとでやや異なります。それぞれの書き方やマナーを守った上で、お返しの品物を贈ったり、具体的な表現で感謝の気持ちを述べたりすれば、より丁寧な印象を与えられるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
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