- 更新日 : 2025年2月12日
動画制作・撮影の企画書とは?必要な項目や作成手順・テンプレを紹介
動画制作や撮影のプロジェクトをスムーズに進めるには、まず「何を」「誰に」「どう見せるか」をまとめた企画書が欠かせません。動画の目的やターゲットがあいまいなままだと、効果的な訴求ができないばかりか、後々の修正が増えて予算やスケジュールの浪費につながる恐れもあります。関係者同士が共有できる企画書を準備しておくと、意図や方向性が曖昧になるリスクを減らせるでしょう。
この記事では、動画制作・撮影の企画書について、目的や作成手順・作成のポイントを解説します。無料のテンプレートも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
動画制作・撮影の企画書とは?
動画制作・撮影の企画書とは、動画を作る前に「どういった動画を作るのか」「誰に見せるのか」「どの程度の費用で作るのか」などの情報をまとめた書類のことです。
動画制作・撮影の企画書は、社内のチームや外部の動画制作会社と、作成する動画のイメージを共有し、目的と方向性を揃えるために作られます。
1人で撮影や編集を担当する場合でも、企画書があれば社内の稟議を通しやすくなるほか、自分が作る動画の情報を整理して、伝えたい内容をはっきりさせられます。
動画制作・撮影の企画書の目的
動画制作・撮影の企画書の主な目的は、動画制作の「意図」と「方向性」を明確に示し、関係者全員に共通の見解を持ってもらい、制作中の迷いや手戻りを防ぐことです。
主に以下のような役割を、企画書は果たします。
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動画制作・撮影の企画書の無料テンプレート
動画制作・撮影の企画書は情報を共有するために作るものです。しかし、慣れていないうちはどうしても必要な情報の抜け漏れが起きてしまいます。また、毎回フォーマットが変わっていると、どこに何の情報があるのか一目で分かりづらくなり、情報共有という企画書の目的を果たしづらくなります。
抜け漏れを防ぎ、分かりやすい企画書を作るためにも、企画書テンプレートを活用するのがおすすめです。
ぜひ、以下のような無料のテンプレートを使って、動画制作・撮影の企画書をお作りください。
動画制作・撮影の企画書の作成方法
動画制作・撮影の企画書は主に、以下のような内容を含めて作成されます。
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ただし、企画書は各項目を上から順番に書いていけばよいものではありません。以下のような手順で企画書を作っていけば、伝わりやすく、内容にぶれのない企画書を作れます。
目的とターゲットを設定する
動画の企画書制作は、まず「何のために動画を作るのか」という目的を明確にすることから始まります。動画を作る目的は、商品の魅力を伝える、企業の認知度を向上させる、採用活動を活性化させるなど、さまざまです。目的がはっきりしていれば、後々で行う構成や演出、使用する素材の選定などでもぶれが生まれず、一貫した動画制作ができます。
同時に、動画コンテンツを届けたいターゲット層についても、できるだけ具体的に決めましょう。年齢、性別、職業、趣味やライフスタイルなどの情報を収集し、データに基づいてターゲットを決めるのが大切です。
目的とターゲットを決めたなら、配信媒体も決まります。SNS、YouTube、Webサイトなど、ターゲットにあった媒体を選びましょう。
コンセプト・メッセージを決める
目的とターゲットが固まったら、次に動画全体のコンセプトと視聴者に伝えたいキーメッセージを決定します。
コンセプトでは、「シンプルでクリーン」「エネルギッシュでポジティブ」など、作品全体のトーンを一言で表しましょう。それに合わせて、キーメッセージでは動画の核となる情報を1~3点までに絞り込み、内容をシンプルに伝えます。
例えば、新商品の紹介であれば「使いやすさ」と「デザインの美しさ」をキーメッセージにする、といった形を取るのがおすすめです。情報が多すぎると視聴者に混乱を与えるため、焦点を絞り込むのが大切です。
コンセプトとキーメッセージを企画書に盛り込めば、制作チーム全体が共通のイメージを持てるため、動画の方向性を揃えられます。
動画の長さや表現方法を検討する
コンセプトとキーメッセージを固めたなら、次に行うのは動画の尺(長さ)と具体的な表現方法を決めることです。
動画の長さは、伝えたい内容や目的、配信媒体、さらには予算に合わせて調整する必要があります。たとえば、1分以内の短尺動画なら要点をシンプルにまとめ、強いインパクトを与えるシーン構成が求められます。一方、数分にわたる動画であれば、ストーリー性を持たせたり、詳細な情報を加えることが可能です。
表現方法については実写動画とアニメーション動画のどちらが適しているかを検討します。実写はリアルで信頼感を生むため、採用動画や企業紹介に向いており、アニメーションは抽象的なコンセプトや無形サービスの説明に柔軟な表現ができるメリットがあります。
また、長さや表現方法を決めるにあたっては、同時に必ず「なぜそうしたか」を書き、期待する効果を載せましょう。
アイデアの参考になりそうな動画をリサーチする
企画書作成の段階では、自社だけでなく、他社の成功事例や業界内で評価の高い動画をリサーチすることも効果的です。YouTube、TikTok、Instagramなどの動画プラットフォームから、ターゲット層に支持されている作品を探しましょう。制作会社が関わる場合、過去のポートフォリオからイメージに合ったものを選ぶのもおすすめです。
参考動画の中から、自社や競合の過去の動画から映像の構成や演出、音楽の使い方、カメラワークなど、参考になるポイントを抽出します。そして、どのシーンにどのような効果を狙うのか、どのようなストーリー展開が視聴者に響くのか、参考にしたポイントを企画書に載せましょう。動画の絵コンテを作る工程や、後々動画を撮影・編集する工程で、それらのポイントがヒントになります。
簡易的な絵コンテを作成する
参考になる情報がそろったのであれば、最後の工程として、動画の全体像を視覚的に示すために、簡易的な絵コンテを作成します。絵コンテとは、動画における各シーンの流れやカメラのアングル、セリフ、ナレーション、効果音の指示などをラフイラストおよび補足説明で表現したものです。
絵コンテを作ることで、撮影前に制作に携わる社内のメンバーや社外の制作会社と具体的なイメージを共有でき、実際の撮影や編集作業がスムーズに進みます。企画書段階で作る絵コンテは、大まかなシーンの切り替えや動画全体の流れを掴むことが目的です。そのため、細かいディテールにこだわる必要はありません。ただし、セリフなどを書く際は、実際にセリフを読み上げ、尺内に収まるかどうかチェックしておきましょう。
動画制作・撮影の企画書を作成する際のポイント
効果の出る動画を制作・撮影するためには、企画書作成の段階で以下のようなポイントを押さえておきましょう。
動画制作の目的を整理する
制作にあたって、面白さや魅力を優先した結果、ターゲットを置いてけぼりにした動画ができるときがあります。「なぜ動画を作るのか」という目的を忘れると、どれほど自分たちにとっては魅力的であっても動画を使ったプロモーションやマーケティングはうまく行きません。
企画書の各段階では、必ず動画制作の目的に沿っているかどうかセルフチェックするのが大切です。また、目的を決める際には、同時に達成すべきKPIとして再生数、視聴時間、クリック率などを設定すると、後で効果を測定しやすくなります。
ターゲットを明確にしてペルソナを設定する
動画の内容や表現方法は、視聴者であるターゲット層に大きく依存します。ターゲットを明確にするためには、年齢、性別、職業、趣味、行動パターンなど、できるだけ具体的な情報を収集し、ペルソナ設計をしましょう。
ペルソナ設計とは、実際のターゲット層の代表者として、架空の人物像を詳細に設定することです。ペルソナを想定して動画の企画を作れば、視聴者のニーズや行動パターン、価値観を理解しやすくなり、より効果的なコンテンツ制作ができます。
フォーマットにこだわりすぎない
企画書は基本的に関係者に見せるもので、外部向けのものではありません。企画書のフォーマットに過度にこだわらず、中身の充実を優先することが大切です。
フォーマットはあくまでもガイドライン以上のものではないので、使いづらいと思ったなら使いやすいツールに切り替えてかまいません。大切なのは、アイデアやストーリー、具体的な数値目標など、動画制作に必要な情報が網羅されているかどうかです。
関係者全員が見やすく、編集などで手を加えやすい使い慣れたツールを使えば、情報共有をしやすくなり、内容の充実を図れます。結果的に高品質な企画書作成につながるでしょう。
動画制作・撮影の企画書作成はテンプレートを参考にしよう
動画制作・撮影の企画書は、プロジェクトの目的やターゲット、構成や演出の方向性を整理するために必須となるツールです。たとえ自分1人で動画撮影・編集を担当する場合でも、社内で承認を得、成果を可視化するために企画書づくりは欠かせません。しかし、初めて企画書を作成する場合、項目の抜け漏れや構成の迷いが生じ、無駄に時間がかかる可能性もあります。
あらかじめ用意されたテンプレートを活用すれば、必要な要素が整理されているので、誰でもスピーディーに企画書を完成させられます。これから企画書に取り組む方は、ぜひテンプレートの利用を検討してみてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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