• 更新日 : 2024年7月3日

マイルストーンとは?意味やビジネスでの書き方、設定方法を解説

ビジネスにおけるマイルストーンの意味は、プロジェクトをスムーズに進めるために設ける中間目地点や節目になるポイントのことです。マイルストーンによりプロジェクトの進捗状況がわかり、業務効率を上げるといったメリットがあります。

本記事では、マイルストーンの意味や重要性、書き方などを解説します。

マイルストーンの意味とは?

マイルストーンは英語の「milestone」が由来の言葉で、距離の単位である「mile」と、石という意味の「stone」からなります。本来は、鉄道や道路における起点から中間地点の距離を表すための標石という意味です。

ビジネスでは、プロジェクトを実行する際の中間目標地点という意味で使われています。

ここでは、ビジネスシーンにおけるマイルストーンの使い方や例文をみていきましょう。

ビジネスでのマイルストーンの使い方・例文

マイルストーンは、ビジネスシーンではプロジェクト管理の用語として使われています。取引先やプロジェクトのメンバーと進捗を確認したり、工程について議論したりする際に使われる言葉です。

特にプロジェクトが長期化しそうなときや、複雑になっている場合などに使われます。

(例文)

  • このプロジェクトには、5つのマイルストーンが設定されています
  • プロジェクトの中で、このマイルストーンが一番重要です
  • マイルストーンに影響が出る場合は、すぐに連絡してください
  • 現時点で、3番目のマイルストーンまで進んでいます

マイルストーンと似た意味との違い

ビジネスシーンでは、マイルストーンと似た意味で使われる言葉があります。それぞれの言葉とマイルストーンとの違いを紹介します。

スケジュールとの違い

スケジュールとは、計画における全体の予定を指します。すべてのタスクとプロジェクトの流れを把握する役割があります。

これに対し、マイルストーンはスケジュール全体の中間地点です。スケジュール表に工程の節目となるマイルストーンを設置することで、各マイルストーンまでにどれだけの時間と人員が必要なのかがわかります。マイルストーンはスケジュール表の中で工程ごとの期限の役割を果たし、スケジュールの立案・管理をしやすくするものです。

タスクとの違い

マイルストーンは目標であるのに対し、タスクとは仕事における作業の単位を指します。タスクは計画の構成要素であり、どれだけ大規模なプロジェクトでも、するべきことを細分化するとタスクになります。

小さなタスクを着実にこなしていくことで、プロジェクトが完成します。マイルストーンは、これら複数のタスクをこなして到達する目標地点という関係です。いつまでにどのタスクを完了させれば何を達成するのかを可視化し、タスクを進めやすくするのがマイルストーンの役割といえるでしょう。

ベンチマークとの違い

ベンチマークとは本来、建築分野で測量を行う際に使う水準点を意味する言葉です。ビジネスでは製品やサービスの品質を評価、比較するための基準として使用されます。

マイルストーンは工程ごとの中間地点を指し、進捗度合いを確認する指標であるのに対し、ベンチマークは「この程度の水準に到達していたい」という価値判断の基準として使われます。

フェーズとの違い

フェーズとは、プロジェクトの過程にある段階という意味です。ビジネスでは、「次のフェーズに入った」という使い方をします。

これに対し、マイルストーンは計画の中間地点であり、フェーズと重なることが少なくありません。そのため、両者を混同してしまうこともあるでしょう。

しかし、フェーズは始動から完了までに期間があり、その間に複数のタスクを抱えます。一方、マイルストーンは計画の進捗を示すチェックポイントであり、時間をかけるものではないという点が異なります。

ロードマップとの違い

ロードマップとは「道路地図」という意味のほか、「目標達成までの道筋、計画表」という意味があります。計画の方向性を定め、成功に導くための工程表です。開始から最終地点までのスケジュールや段階について、全体像を把握できます。

一方、マイルストーンは節目に置かれた中間地点であり、ロードマップ上に設置される場合もあります。

メルクマールとの違い

メルクマールは「目標達成までの道筋」「中間目標」という意味です。マイルストーンは重要な通過点に中間目標として設置される一方、メルクマールも全体の進捗を判断するために設置されるため、両者は同じ意味で使われることもあります。

ただし、マイルストーンは期日までにタスクが完了しているかどうかを確認する指標になるのに対し、メルクマールは、その時点で目標を達成できているかを確認する指標であるという点が異なります。

マイルストーンがビジネスで重要な理由

マイルストーンはプロジェクトの進捗状況を把握して業務効率を上げるなど、ビジネスで重要な役割を果たします。

ここでは、マイルストーンがビジネスで重要な理由を解説します。

進捗状況がわかり業務効率があがる

マイルストーンはメンバー全員が進捗状況を見て業務の優先度を判断できるのがメリットです。長期に及ぶプロジェクトはゴールまでの道のりが長く、メンバーのモチベーションを保つのが難しい側面があります。

しかし、マイルストーンを設定して目指すべき中間目標を共有することで、チーム内のモチベーションを維持することが可能です。その結果、業務効率も上がるでしょう。

スケジュール管理に役立つ

マイルストーンはスケジュール管理がしやすいのもメリットです。大規模なプロジェクトの場合は長期間になることも多く、先のスケジュールも不明確になりがちです。関わるメンバーが多くなれば、誰が何をどの程度まで進めているのか、進捗状況が見えにくくなることもあるでしょう。

マイルストーンを設定すれば、このような不都合を回避できます。ゴールまでの道筋が明らかになり、重要な日付の特定や計画調整ができるかなど、スケジュール管理に役立つでしょう。

長期プロジェクトの主な概要を確認できる

マイルストーンは、プロジェクトの主なステップ・フェーズの概要を把握できるのもメリットです。長期的なプロジェクトで目標達成までの過程が長くても、マイルストーンの設定により概要が明確になり、管理がしやすくなります。

また、プロジェクトの段階ごとに細かく品質管理できるのもメリットです。必要とされる品質水準を単位に分け、工程ごとに水準を満たしているかどうかをチェックすれば、プロジェクト全体の品質を高めることができるでしょう。

マイルストーンの書き方、設定の仕方

マイルストーンの書き方、設定の方法は、以下の手順で行います。

  • 期限を設定する
  • タスクを洗い出す
  • ガントチャートを作成する
  • マイルストーンを設定する

ここでは、それぞれの内容について解説します。

期限を設定する

まず、プロジェクトの期限を設定します。プロジェクトが予定通り進行しない可能性も考慮し、余裕のある期限を設定してください。次に、プロジェクトの期限までに通過すべきマイルストーン(中間地点)の大枠を定めます。

マイルストーンを適度な間隔で設定すれば、定期的に達成の度合いを確認できます。長期におよぶプロジェクトの場合は2〜4週間単位で設定することで、メンバーのモチベーションも維持できます。

タスクを洗い出す

プロジェクトに必要なタスクを設定します。タスクの設定により行うべき工数が明確になり、スケジュールづくりに役立ちます。タスク間の関係性や優先順位が把握できるようになり、作業を効率化できるでしょう。

タスクの洗い出しはマイルストーンを有効に活用するために大切な工程です。漏れのないよう、適切に設定しましょう。

ガントチャートを作成する

ガントチャートとは、タスクごとのスケジュールを管理する表のことです。それぞれのタスクに担当者を割り振り、予定と実施した開始日・終了日を記入して、作業の進捗状況を確認します。

ガントチャート

ガントチャートの作成により作業内容が明確になり、プロジェクトの全体像を把握できるようになります。作業全体の時間軸や工程を確認できるため、作業途中でスケジュール全体を振り返ることも可能です。

マイルストーンを設定する

作成したガントチャートにマイルストーンを設定します。マイルストーンを設定することで、作業が計画通りに進んでいるか、遅延していないかを可視化できます。プロジェクト全体の進捗状況を確認できるでしょう。

適切な期間ごとにマイルストーンを設定することでモチベーションを維持し、目標達成率などを細かく確認できます。

マイルストーン設定のポイント

マイルストーンを設定する際は、いくつか注意したい点があります。詳しくみていきましょう。

マイルストーンを設定しすぎないこと

マイルストーンは、設定しすぎないよう気をつけましょう。設定しすぎると、進捗状況がわかりにくくなります。

プロジェクトに必要なマイルストーンはプロジェクトごとに異なり、目標達成までにどのステップが重要であるかにより設定するポイントは変わります。

それらの点を考慮することなく作りすぎないよう注意してください。 各プロジェクトで重要な区切りを判断し、適切な場所に設定しましょう。

マイルストーンとタスクは分けて管理すること

マイルストーンとタスクは明確に異なります。マイルストーンは全体における区切りであり、タスクはマイルストーンに到達するために必要な作業を指します。両者を混同しないよう、しっかり分けて管理するようにしてください。

管理方法を工夫し、どのタスクを終えればマイルストーンを達成するのかを明確にしましょう。

情報を一元管理すること

プロジェクトの成功には、情報の一元管理が欠かせません。 情報が1つの場所に集まれば、すぐに必要な情報へアクセスできます。情報を探すために時間をとられることもありません。

情報の一元管理には、管理ツールの導入もおすすめです。期日を設定できるタスク管理機能を搭載したツールであれば、マイルストーンの管理にも活用できるでしょう。

マイルストーンの意味を正しく理解しよう

マイルストーンとはビジネスで中間目標地点という意味があり、プロジェクト管理に使われる言葉です。スケジュール表の中で工程ごとの区切りとなり、進捗状況の把握に役立ちます。

マイルストーンの設定によりゴールに向けたモチベーションを維持でき、業務効率を高める効果も期待できます。

設定の手順を踏まえながら、適切なマイルストーンを設定してプロジェクトを成功させましょう。


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