- 作成日 : 2025年3月3日
【2025年版】ナレッジ共有ツール10選を比較(無料あり)失敗を防ぐコツも解説
個人に蓄積しているナレッジをマニュアルや動画にまとめて、社内で共有したいと考える企業は多いでしょう。しかし膨大な量のナレッジを手作業で集約し、検索できる環境を整えるのは容易なことではありません。
そこで本記事ではナレッジの伝え方、ナレッジ共有ツールの導入メリットやおすすめ、その選び方などをご紹介します。ナレッジ共有ツールの活用に興味のある担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ナレッジ共有ツールとは?
ナレッジ共有ツールとは、業務を通じて得た知見やノウハウをコンテンツ化して一元管理し、情報の集約や共有を効率化するツールのことです。
テンプレートや同時編集機能を使えばマニュアル作成を効率化できるほか、生成AIが要約したナレッジのサマリーを表示して検索性を高めたり、AIに編集・翻訳などのアシストを依頼したりできます。
ナレッジ共有ツールを導入すれば、誰もがほしい情報に即アクセスできるので、会社や部署のナレッジを有効活用できるでしょう。
そもそもナレッジの意味とは?
そもそもナレッジとは英語の「knowledge」であり、「知識」を意味します。とくに企業経営の文脈では、業務遂行に役立つ情報、付加価値のある経験やノウハウのことです。誰かの成功体験や有益な情報を共有することで、業務の改善や人材・組織の成長に繋げられることから、ナレッジ共有は企業内で必須の取り組みといえるでしょう。
後述しますが、ナレッジには「共有しやすいもの(形式知)」と「共有しにくいもの(暗黙知)」といった2つの概念があります。この2つの概念の違いを把握し、暗黙知を形式知に転換することが、ナレッジ共有を社内で成功させる鍵です。
ナレッジの共有はなぜ重要なのか
なぜ近年では、ナレッジ共有の重要性が増しているのでしょうか。その理由は、人材の流動性の高まり、働き方の多様化、労働人口の減少やIT技術の発展といった社会の大きな変化です。
人材の流動性が高まっており、ナレッジが属人化していると、優秀な人材が退職した際に有益な情報を引き継ぐことができません。同時に、中途採用者が即戦力として力を発揮できるよう、ナレッジ共有を進めて教育・研修を効率化する必要があります。
テレワークの導入が進んだことで、人材の確保につながる一方で、業務遂行に必要な情報を一元管理する必要性が増しました。また労働人口の減少に伴う人材不足が想定される一方で、IT技術の急速な発展によって、あらゆる業務の効率化は避けて通れない状況になりつつあります。
ナレッジ共有に着手しない場合、誰もが必要な情報をすぐに見つけられないために、企業は事業拡大やイノベーション創出の機会を逸するかもしれません。部署・職種間でナレッジが分断されていると認識に齟齬が生まれやすく、手戻りの頻発や業務品質の低下が懸念されます。
ナレッジ共有がしやすい、共有しにくい知識とは?
共有しやすいナレッジは、「形式知」と呼ばれています。たとえばマニュアルや手順書など、テキストや図表などを使って言語化・可視化された知識のことです。
一方、業務を通じて個人に蓄積された経験や勘、専門知識などは誰かの頭やパソコンの中だけにあるため、共有しにくいという特徴があります。こういった言語化されていないナレッジが「暗黙知」です。
暗黙知は属人化しているケースが多く、本人以外は誰もアクセスできません。そこでナレッジ共有の取り組みにおいては、社内にある暗黙知を形式知に転換し、ナレッジとして蓄積する作業を進める必要があります。
ナレッジ共有しにくい知識はどう伝える?
共有しにくいナレッジ(暗黙知)を、誰もが理解しやすい形式知へ転換させる方法について考えてみましょう。形式知は、テキストベースのマニュアルや手順書だけでなく、動画を撮影するなどして蓄積することも可能です。
ここでは、暗黙知から形式知への転換方法を4つご紹介します。
動画で作業を記録する
テキストや図表などで作成されたマニュアルや手順書を読んだだけではイメージしにくく、実際の作業に活かせない場合もあるでしょう。たとえばツールやシステムの操作系のコンテンツや、職人的な技術・スキルを形式知化するケースなどです。
このようなケースでは、複雑な手順や雰囲気を伝えやすく、視覚的に理解を深められる動画マニュアルを採用しましょう。洗練された動画でなくても、誰でも作業できるよう再現性を高めるポイントを押さえてあれば、十分にナレッジとしての役割を果たします。
判断基準のリスト化
ある手順に従って業務を進めていく中で、判断や選択が求められるケースに役立つのが判断基準の見える化です。業務上の判断基準やルールを、テキスト化したりチェックリスト化したりする作業を通じて深堀りしましょう。
たとえば、担当者が作成したマニュアルを責任者とともに確認しながら、品質を高めるコツやポイントをヒアリングしアウトプットすることで、他の人に伝えやすいナレッジを作成できます。
ペア作業やシャドウイング
2人1組で作業するペア作業やシャドウイングを取り入れることも、暗黙知を伝えやすくする方法の一つです。とくに特定の業務を次の担当者に継承する場合、ナレッジを保有する人は次の担当者とペアを組み、業務を体験させるようにします。
ペア作業やシャドウイングによる体験を通じてスキルや知識の継承はもちろん、抜け漏れやミスを早期発見できるほか、実感として腹落ちしやすくなるでしょう。
インタビューの実施
経験に裏付けされた営業や接客の高度なテクニックなどは、マニュアル化がとくに難しい暗黙知です。そこでナレッジを保有する人や継承したい人にインタビューを実施し、今までの体験を語りによって共有することを検討しましょう。
インタビューを動画として記録・共有すれば、スピーカーの高度なテクニックを属人化したままで終わらせず、多くの人材に継承できます。
ナレッジ共有ツールを導入するメリット
ナレッジ共有ツールを導入すると、ナレッジを集約し検索できるようになります。ナレッジを検索できるようになることで、企業や従業員はどのようなメリットが得られるのでしょうか?
ここでは主に4つの観点から、その導入メリットについてご紹介します。
技術やスキルの向上
ナレッジ共有ツールによって、経験豊富な従業員が持つ技術やスキルを社内で公開できるようになれば、あらゆる従業員の技術やスキルの向上につながります。
経験不足の従業員であっても、事前に熟練の技術やスキルを学んでおくことで、現場で合格点以上の成果を挙げられるかもしれません。やる気のあるすべての従業員の技術やスキルの底上げを実現できるでしょう。
失敗やリスクの防止
業務遂行に必要なナレッジを標準化して共有できることから、業務品質をある一定の品質に保てるようになります。誰が担当者になっても大きな失敗がなく、業務品質の極端なバラツキが発生するリスクを防げるでしょう。
たとえばセールスの現場では、今までの成功事例を模範にしたり、失敗事例から課題解決のヒントを得てリスクを回避する方策を練ったりできます。フィードバックやプロセスの分析データを蓄積することで、営業力の向上に繋げることも可能です。
属人化を防ぐ
ツールを使ってナレッジを蓄積・管理し、検索できるようになると、ナレッジは企業・組織の情報資産に変わります。
業務に関連するナレッジが一元管理されていれば、担当者が長期間休暇に入ったり離職したりしても、他の従業員が共通認識を持ちながら業務を引き継ぐことが可能です。その結果、重要な顧客を失ったり他部署に迷惑をかけたりするなど、組織の成長を阻む要因を取り除くことができます。
人材教育の時間や労力の削減
ナレッジ共有化ツールを使って新人向けに研修マニュアルをまとめておくことで、人材教育に充てる人事や教育担当者の時間・労力を大幅に削減できるでしょう。とくに従業員の入れ替えが激しい企業では、中途採用者の研修を繰り返し行うことになり、教育担当者の負担が大きいものです。
知見やスキルにバラツキのある各従業員が、主体的にマニュアルやノウハウを検索してアクセスできる状態であれば、必要なときに必要なナレッジを学べるようになります。その結果、新人の成長を早められるでしょう。
ナレッジ共有ツールの主な機能
ナレッジ共有ツールには数多くの機能が搭載されていますが、中でも主要な基本機能は次の6つです。
機能 | 概要 |
---|---|
マニュアルの作成 | 同時編集が可能な高機能エディターとテンプレートの利用で、マニュアルのフォーマットを標準化 |
情報の検索 | 添付ファイルの中身までサーチし、ほしい情報をすぐ見つけられる強力な検索機能 |
情報の整理 | フォルダやタグの利用で構造化 |
ファイル共有 | 社内メンバー、あるいは社外ゲストとファイルを共有 |
アクセス権限の設定 | 編集・削除できるメンバーの制限や閲覧のみ権限の付与 |
外部ツールとの連携 | シームレスな運用を可能にするAPI連携など |
これらの主要機能に加えて、Markdown記法、ナレッジ利用状況の定量的な分析機能、AIによる支援、SNSのようにリアクションができる機能などが搭載されています。
ナレッジ共有ツールおすすめ10選(無料あり)
ここでは、おすすめのナレッジ共有ツールの特徴や機能をご紹介します。
Kibela(キベラ)
Kibelaは厳密な権限管理を行いながら、柔軟に共有できるよう設計されたナレッジ共有ツールです。個人的な情報発信はBlog、リアルタイムに共同編集できるチームのドキュメントはWikiとして蓄積できるほか、いいね!でレスポンスできる点が特徴です。記事添削や要約を支援するKibelaAIは、スタンダードプラン以上で利用できます。
機能とプラン | 概要 |
---|---|
マニュアルの作成 | 表作成時にはExcel、CSV、スプレッドシートをコピペできる他、画像、動画も簡単な操作で貼り付け可能 |
情報の検索 | 複数条件の指定や自社専用の同義語辞書で検索機能を強化 |
情報の整理 | フォルダ |
ファイル共有 | 外部共有も可能 |
アクセス権限の設定 |
|
外部ツールとの連携 | API、Webhook、Zapierなど |
無料トライアル | 選択した有料プランごとに14日、1か月、2か月 |
無料プラン |
|
有料プラン(月額料金・ユーザー単位課金) |
|
出典:Kibela
NotePM(ノートピーエム)
NotePMは、使いやすさはもちろん、銀行や大学も導入するほど高度なセキュリティを備えたナレッジ共有ツールです。ページを見た人がわかるほか、定量的な分析も得意なので「ナレッジ共有の貢献度が高い社員を集計」することもできます。コメント・いいね!機能でコミュニケーションの活性化や、社内FAQ、目標管理にも活用可能です。
機能とプラン | 概要 |
---|---|
マニュアルの作成 |
|
情報の検索 | Word・Excel・PowerPoint・PDFファイルの中身も全文検索 |
情報の整理 | フォルダとタグ |
ファイル共有 | 外部共有も可能 |
アクセス権限の設定 |
|
外部ツールとの連携 | チャット連携・API対応 |
無料トライアル | 30日間 |
無料プラン | なし |
有料プラン(月額料金・定額課金) | プラン8「4,800円/8ユーザー、80GB」~ |
出典:NotePM
flouu(フロー)
flouuは、作業・コミュニケーション・ナレッジ活用の3つを効率化できるナレッジ共有ツールです。ドキュメントを見ながらチャットができるので、ナレッジ蓄積の作業効率や質を向上できます。動画を格納したBoxやGoogleドライブと連携すれば、flouu上から横断的に検索できるようになるので便利です。
機能とプラン | 概要 |
---|---|
マニュアルの作成 | 同時編集可能なテキストエディタ |
情報の検索 | ドキュメント、コメント、添付ファイルも含めて全文検索 |
情報の整理 | フォルダ |
ファイル共有 | ゲストへのドキュメント共有あり |
アクセス権限の設定 | 柔軟な公開範囲・編集制限の設定が可能 |
外部ツールとの連携 | チャットツールやBox、Googleドライブなど |
無料トライアル | 14日間 |
無料プラン | なし |
有料プラン(30日ごと・ユーザー単位課金) |
|
出典:flouu
Kintone(キントーン)
Kintoneは、専門知識のない非IT部門の担当者でも、課題解決のために業務用アプリを作成できるシステムです。一から作成することはもちろん、アプリストアのサンプルアプリを活用したり、既存のExcelファイルをアップロードしたりしてナレッジ共有アプリを作成できます。
機能とプラン | 概要 |
---|---|
外部ツールとの連携 | API連携やJavaScript/CSSを用い、200以上の外部サービスと連携可能 |
無料トライアル | 30日間(スタンダードコース) |
無料プラン | なし |
有料プラン(月額料金・ユーザー単位課金) | 最小契約ユーザー数は10から1000ユーザー
|
出典:Kintone
ナレカン
ナレカンは、100名から数万名規模の企業に適したナレッジ共有ツールです。AIによる超高精度の検索を実現しており、上司に質問するように自然な言葉で検索できます。動画を添付することももちろん可能です。
機能とプラン | 概要 |
---|---|
マニュアルの作成 | 添付ファイルをAIが全自動でナレッジ化 |
情報の検索 | 超高精度のキーワード検索 生成AIによる「自然言語検索」に対応(プレミアム) |
情報の整理 | フォルダやタグ |
ファイル共有 | 「一般メンバー権限」以上のメンバーはメールでユーザー招待が可能 |
アクセス権限の設定 | 4種類の権限設定 |
外部ツールとの連携 | メール自動転送やチャットツールとの連携あり |
無料トライアル | あり(詳細は要申し込み) |
無料プラン | なし |
有料プラン | 要問い合わせ
|
出典:ナレカン
Qast(キャスト)
Qastは、全社利用や部署・拠点の垣根を越えた利用を想定して設計されたナレッジ共有ツールです。ナレッジの投稿・蓄積から活用までを促進するQ&A、メモ、こまりしbox、プロフィール、リアクションボタン、バッジなど、独自の仕組みを構築しています。
機能とプラン | 概要 |
---|---|
マニュアルの作成 |
|
情報の検索 |
|
情報の整理 | フォルダやタグ(ユーザータグもあり) |
ファイル共有 | 外部パートナーの招待が可能 |
アクセス権限の設定 |
|
外部ツールとの連携 | チャットツール、Azure Active Directory |
無料トライアル | 無料デモ画面には10人まで招待可能 |
無料プラン | なし |
有料プラン | 初期導入費用+月額費用(要問い合わせ)
|
出典:Qast
Stock(ストック)
Stockは、社内の情報ストック、タスク管理やメッセージのやり取りが可能なナレッジ共有ツールです。チームの情報管理をシンプルに行いたい企業に向いています。
機能とプラン | 概要 |
---|---|
マニュアルの作成 | テンプレート機能あり |
情報の検索 | AND検索(入力内容をすべて含むデータがヒット) |
情報の整理 | フォルダやタグ |
ファイル共有 | 1フォルダゲスト権限の付与あり |
アクセス権限の設定 | 4種類の権限を設定可能 |
外部ツールとの連携 | メール自動転送機能、チャットツール、Evernoteからのインポート |
無料トライアル | あり |
無料プラン |
|
有料プラン(月額料金・定額課金) | 「ビジネスプラン」、あるいはセキュリティが強化された「エンタープライズプラン」から選択
|
出典:Stock
Notion(ノーション)
Notionは、豊富なテンプレートを搭載し、タスクやプロジェクト管理など幅広く使えるナレッジ共有ツールです。メンバー間のコラボのしやすさはもちろん、AIによるサポートも強化されています。
機能とプラン | 概要 |
---|---|
マニュアルの作成 | 同時編集やAIアシスト機能 100以上のコンテンツタイプ |
情報の検索 | AIが接続した他のアプリの中身まで検索 |
情報の整理 | フォルダ |
ファイル共有 | ゲスト招待機能あり |
アクセス権限の設定 | 権限グループ機能でアクセス付与の効率化のためユーザーをグループ分け |
外部ツールとの連携 | Slack、GitHub などあらゆるツール |
無料トライアル | 30日間(プラスプラン) |
無料プラン | 個人向けの利用は無料 |
有料プラン(月額料金・ユーザー単位課金) |
|
出典:Notion
esa(エサ)
esaは、「楽しくチームで情報を育てる」「チームの全てのメンバーが全ての情報にアクセス可能」という思想のもと設計されたユニークなナレッジ共有ツールです。記事・カテゴリ毎に閲覧権限を付与できない、オープンな情報共有が特徴になります。
機能とプラン | 概要 |
---|---|
マニュアルの作成 |
|
情報の検索 | 多様な検索オプションを使って絞り込み検索が可能 |
情報の整理 | フォルダ |
ファイル共有 | 外部公開用のURLをチーム外に共有可能 |
アクセス権限の設定 | なし |
外部ツールとの連携 | Webhookによるチャットやメールとの連携 |
無料トライアル | 最初の2か月 |
無料プラン | なし |
有料プラン(月額料金・ユーザー単位課金) | 500円(アップロード容量は原則無制限) |
出典:esa
Mazrica(マツリカ)
Mazrica Salesは、閉鎖的になりがちな営業組織において暗黙知を資産に変えるナレッジ共有ツールです。「誰でも使える・成果を出せる」を目指し、過去データを機械学習したAIが、おすすめアクションを提案してくれるので受注率の向上に役立ちます。
機能とプラン | 概要 |
---|---|
管理機能 | 顧客管理、案件管理、行動管理 |
レポート機能 |
|
AI機能 |
|
外部ツールとの連携 | グループウェア、チャット、請求管理、名刺管理、MA、BI、CTI |
無料トライアル | あり(要問い合わせ) |
無料プラン | なし |
有料プラン(月額料金・定額課金) |
|
ナレッジ共有ツールの選び方
近年では、ナレッジ共有ツールの選択肢は増え続けています。クラウドストレージやビジネスチャットも情報共有に役立つ機能を強化していることから、選択肢が多すぎてツールの絞り込みに困ることがあることでしょう。
そこで、ナレッジ共有ツールの選定時にチェックすべきポイントを6つご紹介します。
作成や更新がしやすいか
ナレッジ共有ツールが社内で信頼され、頼りにされるようになるには、最新の状態にナレッジが更新されていることが大前提です。ドキュメントをリアルタイムで同時編集できるほか、バージョン管理が容易であれば、ナレッジを蓄積・更新する作業の効率化につながります。編集履歴を管理し、バージョン更新数を可視化できる機能が搭載されていると便利です。
またテンプレートを活用できれば、ナレッジの内容に応じて適切なフォーマットを選んで効率よく作業できます。場合によってはナレッジの編集や翻訳を効率化できるAIアシスト機能を搭載したツールを検討するのもよいでしょう。OCR機能はデータ入力の省力化に役立つので、必要に応じてチェックしてみてください。
動画を使いたい場合には、扱えるファイル容量の上限はもちろん、画像・動画共有に対応しているか、SNSの動画などを添付する機能が搭載されているかなどの確認も必要です。
モバイルに対応しているか
ナレッジ共有ツール選定時には、スマホアプリやタブレット用アプリが用意されているかも重要なチェックポイントです。マルチデバイスに対応するナレッジ共有ツールなら、どこからでも必要なときに、どのデバイスからでもナレッジにアクセスできるようになります。
情報が検索しやすいか
ナレッジ共有ツールの選定において、検索性の高さは必須のチェックポイントです。検索しても必要なナレッジにたどり着けないと、必要な情報がすぐに見つからないストレスから利用されなくなる恐れがあります。そこで素早くほしい情報にアクセスできるか、検索機能を確認するようにしましょう。
たとえば、さまざまなファイルを横断的に検索できる「全文検索機能」です。ドキュメントだけでなく、コメントや添付ファイルの内容も検索対象にしているツールがあります。「AI自然言語検索」は、上司に質問するように入力するとAIが自然言語で回答してくれるほか、回答のソース情報も閲覧できる機能です。
ナレッジの投稿内容から適切なタグを自動付与したり、生成AIが作成した投稿内容のサマリーを表示したりして、検索の手間を削減できるツールもあります。
セキュリティ対策はどうか
ナレッジ共有ツールは、基本的に十全のセキュリティ体制でサービスを提供しています。中にはエンタープライズレベルの高度なセキュリティを提供しているツールもあるので、自社のニーズに合ったセキュリティ対策が可能なツールを見極めることが大切です。
ナレッジ共有ツールに搭載されたAIは、入力データから学習しないように設計されていますが、念の為、確認しておく必要があります。ナレッジは自社の情報資産であることから、情報漏えいを回避するためにも、セキュリティオプションの利用も検討するようにしましょう。
また公開範囲設定・編集制限など共有範囲を細かく制御できる機能やIPアドレス制限の有無、データのバックアップ体制の状況なども確認しておくことが重要です。
必要な機能が備わっているか
近年ではナレッジ共有に必要な基本機能に加えて、AIや分析機能なども搭載されていることから、自社の企業理念にフィットする機能をよく見極めることが重要です。
完全に整理されていない雑多な情報をこまめに共有したい場合は、不完全でも「書き途中」として共有できる「WIP機能」が役立ちます。ナレッジは経営者側ではなく現場で働く従業員が提供するものなので、有益なナレッジを評価できるよう、ナレッジ共有への貢献度を見える化する機能もチェックしてみてください。
中には情報のオープンさを重視し、アクセス権限をあえて設けていないツールもあります。ダッシュボードからナレッジの活用状況を数値化して定量的に把握し、分析できる機能が搭載されているかどうかも、必要に応じて検討しましょう。
試用期間があるか
どんなに優れたツールであっても、実際に使用してみなくては自社の実情にマッチしているかどうかはわからないものです。一般的に、企業向けのナレッジ共有ツールは無料の試用期間を用意しています。
試用期間を活用して、事前調査だけでは気づかなかった点を確認してから契約・導入するようにしましょう。
ナレッジ共有に失敗しないためのポイント
ナレッジ共有へのモチベーションが低い企業は、激変する社会や時代の要請に合わせて成長を続けていくことが難しくなるかもしれません。そこで着手したナレッジ共有を形骸化させずに文化として定着させるためには、どのようなポイントを押さえて取り組めばよいのでしょうか。
ナレッジ共有ツールの運用は、現場で働く従業員から継続的に提供されることを前提としています。そこでアウトプットしやすい環境を整えることが、失敗しないための1つ目のポイントです。雑多なアイデア出しからチーム全体で徐々にナレッジを育てる発想を取り入れたり、役立ったナレッジに対して称賛や感謝を表し、共有した社員を評価したりする取り組みを検討しましょう。
ナレッジ共有ツールの導入にあたっては、運用方法を周知させるための推進担当者を決めることが、失敗しないための2つ目のポイントです。社内で導入のために他の従業員に働きかける作業は負荷が高いため、導入推進にかかる活動を業務として割り当てるようにします。
ナレッジ共有ツールで情報資産を形成しよう
個人が保有する業務上のノウハウやコツを社内で共有する文化を持たないままでは、チームや組織の力を強化することはできません。ナレッジを作成・集約・共有する文化を育むことで、個人のスキルの底上げや業務の改善が可能になり、そのプロセスから新たなナレッジを生むこともできます。
ナレッジ共有ツールを活用して、社内で情報資産を形成し、持続的な成長に繋げていきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
キントーン(kintone)でできることは?活用事例やおすすめな企業を解説
キントーン(kintone)は、業務改善に取り組んでいる企業に支持されているクラウド型の業務改善プラットフォームです。導入することで、ノーコードの業務アプリの作成が可能になったり、コミュニケーションの円滑化につながったりとさまざまなメリット…
詳しくみるIT導入補助金のITツールとは?社内導入するメリット・デメリット
IT導入補助金は、中小企業が業務効率化や生産性向上を図るために利用できる支援制度です。IT導入補助金の対象となる「ITツール」は、業務をオンライン化・自動化することで、業務の効率化やコスト削減を実現するシステムやサービスを指します。 当記事…
詳しくみるOneDrive(ワンドライブ)とは?使い方や特徴、社内利用の注意点を解説
OneDrive(ワンドライブ)とは、マイクロソフトが提供するクラウドストレージです。パソコンやスマートフォンなどで共同作業できる点が主な特徴として挙げられます。 社内で利用する際にリスクを抱える点に注意が必要です。本記事では、OneDri…
詳しくみるマイクロソフトプランナーの特徴やメリットは?料金や類似サービスとの違いを紹介
マイクロソフトプランナーは、マイクロソフトが提供するタスク管理のツールです。 操作が簡単で、タスクの管理をしやすいだけでなく、Microsoft365の各種アプリケーションと連携できることが、マイクロソフトプランナーの大きな特徴です。本記事…
詳しくみるGaroonとは?特徴や機能、メリットやデメリットを解説
Garoonとは、スケジュール管理やチャット機能など、業務に必要な機能を一手に担ってくれる法人向けグループウェアです。こうした法人向けグループウェアサービス自体はほかにもいくつかあるため、Garoonを利用するメリットについて疑問に思うかも…
詳しくみるAsanaの使い方のおすすめは?チームや個人で活用するコツを解説
Asana(アサナ)は、オンラインでプロジェクトやタスクを効率的に管理するためのプロジェクト管理ツールです。プロジェクトの計画、期限、担当者を一元管理できるほか、リアルタイムでのコミュニケーションも可能です。 多機能なAsanaは、さまざま…
詳しくみる