• 作成日 : 2025年9月22日

スプレッドシートで文字数カウントするには?基本から特定文字のカウントまで解説

文書作成や入力フォームの管理では、文字数の確認が欠かせません。Xの投稿文作成、商品説明の文字数制限チェック、アンケート回答の分析など、様々な場面で文字数カウントが必要になります。Googleスプレッドシートを使えば、LEN関数をはじめとした仕組みで文字数を自動的に数えられます。

この記事では、基本的な文字数カウントから複数セルの合計、特定文字や単語のカウント方法まで、実務で活用できるテクニックをわかりやすく解説します。

スプレッドシートで文字数をカウントする方法

スプレッドシートで文字数をカウントする最も基本的な方法は、LEN関数を使用することです。LENは「Length(長さ)」の略で、文字列の文字数を返す関数です。使い方は非常にシンプルで、カウントしたい文字列またはセルを指定するだけです。

基本的な構文:

=LEN(文字列またはセル参照)

例えば、A1セルに「こんにちは」と入力されている場合、=LEN(A1)と入力すると「5」が返されます。この関数は全角・半角を区別せず、すべて1文字としてカウントします。つまり、「Hello」も「こんにちは」も、それぞれ5文字としてカウントされます。

直接文字列を指定することも可能です。=LEN(“Googleスプレッドシート”)と入力すると「14」が返されます。この機能は、特定のテキストの文字数を素早く確認したい場合に便利です。

実務での活用例

実際の業務では、様々な場面でLEN関数が活用されています。例えば、ECサイトの商品説明文を管理する場合、各プラットフォームには文字数制限があることが多いです。Amazon なら商品名は200文字以内、楽天市場なら127文字以内といった具合です。

A列:商品名

B列:=LEN(A2)

C列:=IF(B2>127,”文字数オーバー”,”OK”)

このような設定により、文字数制限を超えている商品名を自動的に検出できます。条件付き書式と組み合わせれば、制限を超えたセルを赤色で強調表示することも可能です。

X(旧Twitter)の標準投稿上限は原則280文字です(プランや機能により拡張される場合あり)。日本語だから140文字になるという規定はありません。LEN関数は簡易的な目安として有用ですが、URLや絵文字の扱いなどで実際のカウントと異なることがあるため、最終的にはXの投稿画面のカウンタで確認してください。

スペースや改行の扱い

LEN関数は、スペースや改行も1文字としてカウントすることに注意が必要です。例えば、「Hello World」は11文字(Helloの5文字 + スペース1文字 + Worldの5文字)としてカウントされます。

改行についても同様で、セル内改行(Windows:Ctrl+Enter/Mac:⌘+Enter)は1文字としてカウントされます。これは、データベースに登録する際の文字数制限を確認する場合などに重要なポイントです。

もしスペースを除外してカウントしたい場合は、SUBSTITUTE関数と組み合わせます。

=LEN(SUBSTITUTE(A1,” “,””))

この数式は、A1セルの内容からスペースを削除してから文字数をカウントします。全角スペースも除外したい場合は、さらにネストして記述します。

=LEN(SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(A1,” “,””),” ”,””))

LENB関数によるバイト数カウント

日本語を扱う際に重要なのが、文字数とバイト数の違いです。特定のデータベースでは、バイト数での制限がある場合があります。このような場合は、LENB関数を使用します。

LENB関数は、文字列のバイト数を返します。単バイト文字は1、全角などの2バイト文字は2としてカウントされるため、UTF-8の実際のバイト長とは一致しない場合があります。

=LENB(“ABC”) // 結果:3(3文字×1バイト)

=LENB(“あいう”) // 結果:6(3文字×2バイト)

実際のシステムでのバイト数計算が必要な場合は、より複雑な数式を使用する必要があります。例えば、半角英数字を1バイト、全角文字を2バイトとして計算する場合:

=LEN(A1)*2-LEN(REGEX_REPLACE(A1,”[^x01-x7E]”,””))

スプレッドシートで複数のセルの文字数をまとめてカウントする方法

複数のセルに入力されたテキストの合計文字数を求めたい場合があります。例えば、アンケートの自由記述欄の総文字数や、複数の商品説明文の合計文字数などです。

最も単純な方法は、各セルの文字数を個別に計算してから合計することです。

=LEN(A1)+LEN(A2)+LEN(A3)

しかし、セルが多い場合はこの方法は現実的ではありません。より効率的な方法として、SUMPRODUCT関数とLEN関数を組み合わせる方法があります。

=SUMPRODUCT(LEN(A1:A10))

この数式は、A1からA10までの各セルの文字数を計算し、その合計を返します。空白セルは0文字としてカウントされるため、データに空白が含まれていても問題ありません。

条件付きでの文字数カウント

特定の条件を満たすセルのみの文字数を合計したい場合もあります。例えば、ステータスが「承認済み」のコメントのみの文字数を集計する場合です。

データ構造:

A列:ステータス

B列:コメント

数式:

=SUMPRODUCT((A2:A100=”承認済み”)*LEN(B2:B100))

この数式は、A列が「承認済み」の行のB列の文字数のみを合計します。複数の条件を組み合わせることも可能です。

=SUMPRODUCT((A2:A100=”承認済み”)*(C2:C100>=TODAY())*LEN(B2:B100))

これは、ステータスが「承認済み」かつ、C列の日付が今日以降の行のみを対象とします。

配列数式による一括処理

ARRAYFORMULA関数を使用すると、複数セルの文字数を一度に計算できます。

=ARRAYFORMULA(LEN(A2:A100))

この数式をB2セルに入力すると、A2からA100までの各セルの文字数が、B2からB100に自動的に表示されます。個別にLEN関数をコピーする必要がなく、メンテナンスも容易です。

さらに、条件を加えることも可能です。

=ARRAYFORMULA(IF(A2:A100=””,””,LEN(A2:A100)))

この数式は、A列が空白の場合は何も表示せず、値がある場合のみ文字数を表示します。大量のデータを扱う場合に、見やすい表示を実現できます。

文字数の統計情報

複数セルの文字数について、合計だけでなく平均や最大値などの統計情報も有用です。

平均文字数:

=AVERAGE(ARRAYFORMULA(LEN(A2:A100)))

最大文字数:

=MAX(ARRAYFORMULA(LEN(A2:A100)))

最小文字数(空白を除く):

=MIN(ARRAYFORMULA(IF(A2:A100=””,””,LEN(A2:A100))))

これらの情報を組み合わせることで、例えば「商品説明文の平均文字数は150文字で、最も長いものは300文字」といった分析が可能になります。

スプレッドシートで文字数をカウントする際の注意点

見えない文字の問題

文字数カウントで最も注意すべきは、見えない文字の存在です。特に、外部システムからコピー&ペーストしたデータには、目に見えない制御文字や余分なスペースが含まれていることがあります。

例えば、Webサイトからコピーしたテキストには、改行コード、タブ文字、ノーブレークスペースなどが含まれている可能性があります。これらも文字としてカウントされるため、見た目の文字数と実際のカウント結果が異なることがあります。

見えない空白まで確実に除去するには、NBSP と全角スペースの置換も併用します。

=LEN(SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(TRIM(CLEAN(A1)),CHAR (160),””),” ”,””))

※CHAR (160) は NBSP、” ” は全角スペース。

TRIM関数は前後の空白を削除し、文字間の連続する空白を1つにまとめます。CLEAN関数は印刷できない文字を削除します。これらを組み合わせることで、より正確な文字数カウントが可能になります。

数値と文字列の扱い

スプレッドシートでは、数値も文字列として扱われることがあり、その場合の文字数カウントに注意が必要です。例えば、「1000」という数値は4文字としてカウントされますが、「1,000」という表示形式の数値は、実際の値としては「1000」のままです。

A1: 1000(数値として入力)

=LEN(A1)      // 結果:4

=LEN(TEXT(A1,”#,##0″))  // 結果:5(カンマを含む)

実際の表示形式での文字数が必要な場合は、TEXT関数で文字列に変換してからカウントします。日付の場合も同様で、実際の表示形式での文字数を確認したい場合は、TEXT関数を使用します。

=LEN(TEXT(TODAY(),”yyyy年mm月dd日”))

特殊な文字のカウント

絵文字や特殊記号の文字数カウントも注意が必要です。Googleスプレッドシートは、ほとんどの絵文字を1文字としてカウントしますが、一部の複雑な絵文字(結合文字を使用するもの)は複数文字としてカウントされることがあります。

=LEN(“😀”)    // 結果:1(単純な絵文字)

=LEN(“👨‍👩‍👧‍👦”)  // 結果:7(家族の絵文字:結合文字を含む)

実務では、SNS投稿やチャットボットのメッセージ作成で絵文字を使用する場合があります。プラットフォームによって絵文字のカウント方法が異なるため、実際の環境でテストすることが重要です。

言語による違い

日本語、英語、中国語など、異なる言語が混在する場合の文字数カウントにも注意が必要です。例えば、日本語の「あいうえお」と英語の「AIUEO」は、どちらも5文字としてカウントされますが、実際の表示幅や情報量は異なります。

多言語対応のシステムでは、言語ごとに異なる文字数制限を設けることもあります。このような場合は、言語を識別して適切な制限を適用する必要があります。

=IF(REGEXMATCH (A1,”[ぁ-んァ-ヶー一-龠]”),50,100)

この数式は、日本語を含む場合は50文字、含まない場合は100文字という制限を設定する例です。

スプレッドシートで特定の文字だけをカウントする方法

文書内で特定の文字や単語が何回使用されているかを確認したい場合があります。例えば、契約書での特定の用語の使用回数や、アンケート回答でのキーワードの出現頻度などです。

基本的な方法は、元の文字列の長さから、特定の文字を削除した文字列の長さを引くことです。

=(LEN(A1)-LEN(SUBSTITUTE(A1,”対象文字”,””)))/LEN(“対象文字”)

例えば、

「あ」の出現回数をカウントする場合:

=(LEN(A1)-LEN(SUBSTITUTE(A1,”あ”,””)))/LEN(“あ”)

単語の場合も同様です。

「スプレッドシート」という単語の出現回数:

=(LEN(A1)-LEN(SUBSTITUTE(A1,”スプレッドシート”,””)))/LEN(“スプレッドシート”)

複数の文字を同時にカウント

複数の異なる文字をそれぞれカウントしたい場合は、各文字に対して個別に計算します。例えば、

句読点の使用状況を分析する場合:

B1: =(LEN(A1)-LEN(SUBSTITUTE(A1,”。”,””)))  // 句点の数

C1: =(LEN(A1)-LEN(SUBSTITUTE(A1,”、”,””)))  // 読点の数

D1: =B1+C1  // 句読点の合計

より効率的に複数の文字をカウントする場合は、配列数式を使用できます。

=ARRAYFORMULA(LEN(A1)-LEN(SUBSTITUTE(A1,{“。”,”、”,”!”,”?”},””)))

この数式は、各記号の削除後の文字数を配列として返すため、元の長さから引くことで各記号の出現回数を求められます。

正規表現を使った高度なカウント

より複雑なパターンをカウントする場合は、正規表現を使用します。REGEXREPLACE関数と組み合わせることで、特定のパターンに一致する文字をカウントできます。

英数字のみをカウント:

=LEN(A1)-LEN(REGEXREPLACE(A1,”[A-Za-z0-9]”,””))

日本語の漢字のみをカウント:

=LEN(A1)-LEN(REGEXREPLACE(A1,”[一-龠]”,””))

URL件数を数える正確な例:

=IFERROR(COUNTA(SPLIT(REGEXREPLACE(A1,”https?://S+”,”§”),”§”))-1,0)

(URL をマーカー§に置換→SPLIT→区切り数から件数算出)

複数セルの合計件数:

=SUM(ARRAYFORMULA(IFERROR(COUNTA(SPLIT(REGEXREPLACE(A2:A,”https?://S+”,”§”),”§”))-1,0)))

実務での応用例

特定文字のカウントは、品質管理やコンプライアンスチェックで活用されています。例えば、

プレスリリースで会社名が適切に記載されているか確認する場合:

A列:プレスリリース本文

B列:=(LEN(A2)-LEN(SUBSTITUTE(A2,”株式会社○○”,””)))/LEN(“株式会社○○”)

C列:=IF(B2>=3,”OK”,”要確認”)  // 3回以上の記載を確認

また、禁止用語のチェックにも使用できます。

禁止用語リスト:{“絶対”,”必ず”,”100%”}

チェック式:=SUMPRODUCT(LEN(A1)-LEN(SUBSTITUTE(A1,{“絶対”,”必ず”,”100%”},””)))

この数式が0より大きい場合、禁止用語が含まれていることを示します。

カスタマーサポートのチャット履歴分析では、特定のキーワードの出現頻度を分析することで、顧客の関心事項や問題点を把握できます。「返品」「交換」「故障」などのキーワードをカウントし、傾向を分析することで、サービス改善につなげることができます。

スプレッドシートの文字数カウント機能を使って文書管理を効率化しよう

スプレッドシートの文字数カウント機能は、単純なチェックから分析まで幅広く活用できます。LEN関数で基本的な文字数を確認し、SUMPRODUCTやARRAYFORMULAで複数セルを一括処理、SUBSTITUTEやREGEXREPLACEで特定文字やパターンをカウントすることも可能です。

さらに、条件付きでの集計や絵文字の扱いに注意すれば、SNS投稿の管理や商品説明文の品質管理にも活かせます。

文字数を正確に把握することで、業務効率化と文書の信頼性向上につながるでしょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事