- 作成日 : 2025年8月25日
GigaCCとは?メリット・デメリット・料金プランまで徹底解説
GigaCC(ギガシーシー)は、多くの企業が抱えるファイル共有の課題を解決するために開発された、高いセキュリティ性能を誇る法人向けのオンラインストレージ・ファイル転送サービスです。
この記事では、GigaCCの基本的な機能から、導入によって得られるメリット、知っておくべきデメリット、そして具体的な料金プランに至るまでを解説します。
目次
GigaCCとは?
GigaCCは2002年よりサービス提供を開始し、BtoBに特化した機能が評価され続けている企業向けのファイル転送・共有サービスです。
日本ワムネット株式会社が開発・運営する純国産のクラウドストレージで、サービスの開発・提供・サポート、データの保管まですべてを国内で運用している点が大きな特徴となっています。
主要な3つのサービス
GigaCCは利用目的に応じて3つのサービスを提供しています。
- GigaCC ASP
最も汎用性が高く、企業規模に関わらず幅広く対応可能な総合型サービス - OKURN(オクルン)
ファイル転送に特化したシンプルなサービス - SHARERN(シェアルン)
柔軟な権限設定に対応した純国産クラウドストレージ。フォルダ階層やアクセス権の細かな設定が可能で、ファイル共有に特化したサービスです。※同社サイトでは柔軟な権限設定を強みとして紹介しています。
核となる機能
ファイル送信・共有・共有ノートの3つの機能をオールインワンで提供しており、メール感覚で直感的に操作できるため、ITリテラシーをあまり問わず使いやすさを追求した設計となっています。
GigaCCのメリット・デメリット
GigaCCの利用を検討する際には、そのメリットとデメリットを正しく理解することが重要です。
メリット
1. 高度なセキュリティ対策
パスワード付きZIPファイルよりもセキュリティ環境でファイルを送信でき、送信相手への受取回数・期間設定やパスワード設定が可能です。さらに、誰がいつどんなデータをやり取りしたか見られる履歴ログは200項目以上の詳細な管理が可能で、企業のコンプライアンス要件にも対応できます。
2. 直感的で分かりやすい操作性
ファイル送信時は、メールアドレスを入力してファイルをドラッグ&ドロップ操作で選択後、件名と本文を入れて送信するだけの簡単操作で、ITリテラシーに関係なく誰でも利用できます。
3. 豊富な業務効率化機能
「一斉仕分け送信機能」を利用すれば、宛先毎に内容の異なるファイルを一斉送信することができ、宛先とファイル名を入力したCSVファイルをアップロードするだけで大量の請求書の発送業務が完了します。
4. 誤送信防止機能
万が一、間違った相手にファイルを送信しても、1クリックで無効化できるため、確実なファイル共有ができる点は、企業にとって非常に重要な機能です。
5. 純国産による安心感
開発・提供・サポートからデータの保管まで国内で運用する純国産サービスです。2002年から20年以上の運用実績と累計1,000社以上の導入が公式に示されています。
なお市場シェアに関しては、ITR調査で2013〜2018年度にオンラインファイル共有市場のベンダー別売上金額シェアNo.1の実績(当時)が公表されています(直近年のシェアについては公的な公開情報を確認できていません)。
デメリット
1. 容量・ID上限の超過による追加費用
料金はID数やプラン、容量帯で決まります。契約上限(ID/容量)を超えると追加費用が発生する場合があるため、削除・アーカイブ運用を含めた定期的な容量管理が必要です。詳細は自社契約条件で要確認。
2. アップロード・ダウンロード速度
一部レビューで速度低下の指摘がある一方、導入で転送時間が短縮した評価もあります。ネットワーク環境やファイルサイズの影響が大きいため、事前検証(PoC)を推奨します。
3. 外部ユーザー対応の運用設計が必要
外部宛てにはアカウント不要のURL共有やアップロード用リンクを使えますが、機密度に応じてゲスト登録・認証の必須化など社内ポリシーで厳格化する運用設計が必要です。
4. 先方のURLフィルタリング対策が必要
一部の取引先では外部サービスのドメインをブロックしている場合があります。GigaCCは**独自ドメイン運用(SSL証明書の手配/更新が必要)**に対応しており、到達性の改善が見込めます。費用・提供形態はプラン/オプションにより異なるため要見積りです。
GigaCCの料金プラン
GigaCCの料金プランは、利用目的やセキュリティレベルに応じて選択できる体系となっています。
GigaCC ASPの料金プラン
初期費用は税別50,000円で、セキュリティレベルに合わせた3つのプランが用意されており、最低利用期間は3ヵ月となっています。
- 月額費用: 12,000円(税別)〜
- アカウント数: 10ID〜
- 容量: 1GB〜
- 特徴: ファイル受け渡しに必要な基本機能を実装
- 月額費用: 37,000円(税別)〜(基本料金12,000円+25,000円)
- 特徴: Standardプランの機能に加え、追加のセキュリティ機能から選択可能
- 月額費用: 54,000円(税別)〜(基本料金12,000円+42,000円)
- 特徴: 最高レベルのセキュリティ機能をすべて利用可能
その他サービスの料金
OKURN(オクルン)
初期費用は50,000円(税別)、月額費用は10ID/5GBで24,500円(税別)〜のファイル転送特化型サービスです(50ID/25GB=48,800円、100ID/50GB=69,800円。最低利用期間は3カ月)。
無料トライアル
無料トライアルを提供しています(法人申込制/フリーアドレス不可)。トライアル終了後は、別途契約手続きがない限り有料プランへ自動移行しない運用とされていますが、最終的な取り扱いは申込時の条件・契約書に従ってご確認ください。
GigaCCが向いている会社
GigaCCの特徴と機能を踏まえると、以下のような企業に特に適しています。
1. セキュリティを重視する企業
高いセキュリティを求める重要ファイルでも安心・確実に転送できるため、無料のオンラインストレージではセキュリティ面が不安な企業に最適です。特に金融機関、製薬会社、法律事務所など、機密性の高い情報を扱う業界に向いています。
2. 多数の取引先との連携が必要な企業
出版社、放送局、印刷会社などのメディア関連企業にも多くご利用いただいており、一つのコンテンツを作るにも、カメラマン、ライター、編集者、印刷会社などの間でデータをやりとりしながら協力して進める必要がある企業に適しています。
3. 請求書業務を効率化したい企業
宛先毎に内容の異なるファイルを一斉送信できる「一斉仕分け送信機能」や、請求書回収のための専用ポスト機能により、経理業務の効率化を図りたい企業に最適です。
4. 国産サービスを重視する企業
純国産のオンラインストレージとして、サービスの開発・提供・サポート、データの保管まですべてを国内で運用しているため、データの海外流出リスクを避けたい企業や、日本語でのサポートを重視する企業に向いています。
5. テレワーク環境の充実を図りたい企業
GigaCCは2020年に東京都の「はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)」の対象ツールに選定された実績があります(同事業は令和2年度で終了)。現在は東京都の「テレワーク促進助成金」など別の助成制度が実施されており、上限額・助成率・対象経費は制度により異なるため、最新の東京しごと財団の公式情報を確認して活用をご検討ください。
企業規模別の適性
- Standardプランで基本的なファイル転送・共有機能を導入
- コストを抑えながらもセキュアな環境を構築可能
- Advancedプランで必要な機能を選択的に導入
- 部署ごとの権限管理や承認フローの設定が可能
- Premiumプランで最高レベルのセキュリティ機能を活用
- グローバルゲートウェイやWebAPI機能など高度な連携機能を利用
導入を成功させるためのポイント
GigaCCの導入を成功させるためには、以下の点に注意することが重要です。
1. 容量管理の徹底
料金はID数/容量帯の定額が基本です。契約上限(ID・容量)を超えると追加費用や容量帯変更が必要になる場合があるため、定期的なデータクリーンアップとアーカイブ運用で上限超過を防ぎましょう。
2. 外部ユーザーへの説明体制
外部宛てにはアカウント不要の受取用URL/アクセスURLや返信用URLを案内できます。機密度に応じ、パスワード・有効期限・回数制限やゲスト登録の必須化など、社内ポリシーを明文化して説明資料を整備しましょう。
3. 段階的な機能導入
豊富な機能があるため、一度にすべてを導入するのではなく、基本機能から始めて段階的に高度な機能を活用していくアプローチが効果的です。
4. セキュリティポリシーとの整合性確認
企業のセキュリティポリシーに合わせて、適切なプランと機能設定を選択することが重要です。
GigaCCの特徴を理解して業務に活用しよう
GigaCCは、純国産の安心感と高いセキュリティ機能、直感的な操作性を兼ね備えた企業向けファイル転送・共有サービスです。特に機密性の高いファイルを扱う企業や、多数の取引先との連携が必要な企業にとって、業務効率化とセキュリティ強化を同時に実現できる有力な選択肢となります。
ただし、容量管理や外部ユーザーの登録手続きなど、運用面での注意点もあるため、導入前には無料トライアルを活用して実際の使用感を確認することをお勧めします。自社の業務フローとセキュリティ要件に最適なプランを選択し、段階的に機能を活用していくことで、GigaCCの真価を最大限に引き出すことができるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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