• 作成日 : 2025年8月19日

【Windows】フォルダ内検索の方法、ファイル内容からコマンドを使う方法まで解説

パソコン内に保存された膨大なファイルの中から、目的のデータをすぐに見つけ出せるかどうかは、日々の作業効率に大きく関わります。この記事では、Windows 11の仕様に基づき、タスクバーの検索ボックスを使った全体検索、エクスプローラーを利用したフォルダ単位の検索、コマンドを使った高度な検索方法、そして検索速度や精度を高めるための設定の見直し方までを幅広く解説します。

【Windows】フォルダ内のファイル検索の方法

Windowsでファイルを探す方法には、タスクバーにある検索ボックスと、各フォルダ(エクスプローラー)にある検索ボックスから探す方法があります。

検索ボックスからファイルを検索する

タスクバーにある検索ボックス(または虫眼鏡アイコン)は、パソコン全体を対象に素早く検索したい場合に便利です。ファイル名だけでなく、インストールされているアプリやWindowsの設定項目、必要に応じてWebの検索結果(Bing検索など)までを一度に探せる場合があります。

「まずはPC内のどこにあるかわからないファイルやアプリをざっくり探したい」というシーンで活用しましょう。

検索ボックスからの検索の手順
  1. 画面下のタスクバーにある検索アイコンをクリックするか、検索ボックスにカーソルを合わせます。
  2. 探したいファイル名やアプリケーション名の一部を入力します。
  3. 入力中に、候補となるファイルやアプリがリアルタイムで表示されます。
  4. 結果の中から「ドキュメント」や「フォルダー」といったカテゴリを選択して、結果を絞り込むことも可能です。

この方法は手軽ですが、検索範囲が広いため、特定のフォルダ内だけを探したい場合には次項のエクスプローラー利用が適しています。

エクスプローラーの検索ボックスを利用する

特定のフォルダやドライブの中にあるファイルを探す場合は、エクスプローラーの検索ボックスを利用する方法が確実でしょう。あらかじめ検索したい場所を開いてから検索するため、不要な検索結果が除外され、目的のファイルにたどり着きやすくなります。

エクスプローラーからの検索の手順
  1. エクスプローラー(タスクバーの黄色いフォルダアイコン)を開きます。
  2. 左側のナビゲーションウィンドウから、検索したいドライブ(例: Cドライブ)やフォルダ(例: ドキュメント)を選択して開きます。
  3. ウィンドウの右上にある検索ボックスに、探しているファイル名やキーワードを入力し、Enterキーを押します。
  4. 現在のフォルダとその配下にあるサブフォルダが検索され、結果が表示されます。

この「場所を絞ってから検索する」という手順が、フォルダ内検索の基本であり、時間短縮の鍵となります。

フォルダ内のファイルの中身まで検索する方法

ファイル名が思い出せない場合、報告書や議事録の中身に含まれるキーワードを入力して、目的のファイルを見つけ出します。

これには、Windowsの標準機能の、Word、Excel、PDF、テキストファイルなどの「ファイルの中身(コンテンツ)」まで検索対象に含める設定が必要です。

インデックスでファイルの中身を検索対象にする

ファイルの中身まで効率よく検索するには、その情報をあらかじめデータベース化しておく「インデックス」機能の設定を見直すことが有効です。これにより、検索のたびにファイルを開いて中身を確認するのではなく、データベースを検索するため、素早く結果が表示されます。

1. インデックスのオプションを開く

スタートメニューの検索ボックスに「インデックスのオプション」と入力し、表示された同名の項目をクリックして設定画面を開きます。

2. 詳細設定へ進む

「インデックスのオプション」ウィンドウが表示されたら、「詳細設定」ボタンをクリックします。管理者権限を求めるポップアップが表示された場合は「はい」を選択してください。

3. ファイルの種類を選択する

「詳細設定」ウィンドウが開いたら、「ファイルの種類」タブをクリックします。ここには、パソコンが認識しているファイルの拡張子が一覧で表示されます。

4. ファイルコンテンツのインデックス作成を有効にする

一覧の中から、ファイルの中身まで検索したいファイルの種類を探します。例えば、Word文書なら「docx」、PDFファイルなら「pdf」を選択します。 選択後、下部にある「このファイルのインデックスの作成方法」という項目で、「プロパティとファイルのコンテンツのインデックスを作成する」にチェックを入れます。

5. 設定を保存し再構築を待つ

設定したいファイルの種類すべてに対して上記の手順を繰り返したら、「OK」ボタンを押してウィンドウを閉じます。設定変更後、インデックスの再構築が自動的に始まります。インデックスの再作成には時間がかかる場合があります。この処理が終われば、設定した種類のファイルは中身のテキストまで検索対象となります。

インデックスを再構築し問題を解決する

「以前は見つかったファイルが検索してもヒットしない」「検索結果が明らかに不完全」といったトラブルに見舞われた場合、インデックスデータベース自体が破損している可能性があります。このような状況では、インデックスを一度すべて削除し、ゼロから作り直す「再構築」が有効な解決策となります。

インデックス再構築の実行手順
  1. 「インデックスのオプション」を開き、「詳細設定」をクリックします。
  2. 「インデックスの設定」タブにある「トラブルシューティング」の項目から、「再構築」ボタンをクリックします。
  3. 確認のメッセージが表示されるので、「OK」をクリックします。

再構築はパソコン内のファイル数に応じて時間がかかる場合があり、その間はPCの動作が少し遅くなることがあります。業務時間外やPCを使用しない時間帯に実行するのがよいでしょう。

関係のないファイルを除外する絞り込み

キーワードだけで検索すると、関係のないファイルまで大量にヒットしてしまうことがあります。このような場合は、検索フィルターや検索演算子を使って、より的確に結果を絞り込みましょう。なお、検索演算子はエクスプローラーの検索ボックスでの使用が想定されており、タスクバーの検索では一部機能しない場合があります。

  • 検索フィルター
    エクスプローラーで検索を実行すると、ツールバーに「検索オプション」が表示されます。ここで「更新日時」「種類」「サイズ」などを指定すれば、「今週作成したExcelファイル」といったように、条件を絞り込めます。
  • 検索演算子
    検索ボックスに直接入力することで、さらに高度な絞り込みが可能です。
演算子機能入力例
AND または スペース両方のキーワードを含むファイルを検索報告書 AND 経費
ORどちらか一方のキーワードを含むファイルを検索議事録 OR アジェンダ
NOT または –特定のキーワードを含まないファイルを検索プロジェクト -完了
” “フレーズを完全に一致させて検索“東京支社 売上報告”
*ワイルドカード(任意の文字列)売上報告*.xlsx

これらのテクニックを組み合わせることで、膨大なファイルの中からでも、目的の情報をピンポイントで探し出せるようになります。

コマンドで実行する高度なフォルダ内検索

定型的な検索を定期的に行ったり、複雑な条件でファイルを抽出したりしたい場合には、コマンドラインの利用が有効です。コマンドラインとは、キーボードで命令文(コマンド)を入力してPCを操作する画面のことで、Windowsにはコマンドプロンプトと、より高機能なPowerShellが標準搭載されています。

作成した命令文をスクリプトとして保存すれば、ワンクリックで検索を自動化することもできます。

コマンドプロンプトでファイルや文字列を探す

コマンドプロンプトは、古くからWindowsに搭載されている、シンプルながらも強力なCUI(キャラクター・ユーザー・インターフェース)です。黒い画面に文字で命令を打ち込むスタイルは、慣れるとマウス操作よりも素早く、PCに負荷をかけずにさまざまな処理を実行できます。

ファイルやフォルダの一覧を表示するdirコマンドと、ファイルの中身から文字列を探すfindstrコマンドが代表的です。

dirコマンド(ファイル名検索)

ドキュメントフォルダ以下にある、ファイル名に「2024」を含むPDFファイルをすべて探し、結果をresult.txtというファイルに出力します。

dir “C:UsersYourUserDocuments*2024*.pdf” /s /b > result.txt

findstrコマンド(ファイル内文字列検索)

特定のプロジェクトフォルダ内にあるすべてのテキストファイルから、「至急」という文字列が含まれる行を、ファイル名と共に出力します。

findstr /s /i /n “至急” D:Project*.txt

【オプション解説】

/s: サブフォルダ内も検索

/b: ファイル名のみを表示

/n: ファイル名を右端に表示する一覧形式を使用

PowerShellで柔軟にファイルを検索する

PowerShellは、コマンドプロンプトの後継と位置づけられる、オブジェクト指向の概念を取り入れた、さらに柔軟で強力なファイル操作が可能です。

Get-ChildItemコマンドレット(コマンドプロンプトのdirに相当)を使い、その結果をパイプライン(|)で他のコマンドレットに渡して、段階的にデータを絞り込んでいくのが基本的な使い方です。

PowerShellでの高度な検索例

D:Shareフォルダ以下にある、サイズが10MBより大きく、かつ最終更新が2024年1月1日より前の古いPowerPointファイル(.pptx)を検索し、ファイル名とサイズ、最終更新日時を表示します。

Get-ChildItem -Path D:Share -Filter *.pptx -Recurse | Where-Object { $_.Length -gt 10MB -and $_.LastWriteTime -lt “2024-01-01” } | Format-Table Name, Length, LastWriteTime

このように、複数の条件を論理的に組み合わせて、ファイル棚卸しのような管理業務も効率的に実行できます。

フォルダ内検索が遅い・見つからない原因と対処法

フォルダ内検索がスムーズに機能しないとき、その原因はいくつか考えられます。一つずつ確認することで、問題を切り分けて解決に導きましょう。

Windowsのトラブルシューティングツールを利用する

最初に試すべき最も簡単な対処法は、Windowsに内蔵されているトラブルシューティングツールの実行です。これにより、検索サービスに関する一般的な問題が自動で検出・修正されることがあります。

実行手順
  1. 「設定」を開き、「システム」>「トラブルシューティング」へ進みます。
  2. 「その他のトラブルシューティング ツール」をクリックします。
  3. 一覧から「プログラム互換性のトラブルシューティングツール」を見つけ、「実行する」ボタンをクリックします。
  4. 表示されるウィザードの指示に従い、該当する問題(例:「ファイルが検索結果に表示されない」)にチェックを入れて進めます。

インデックスの作成状況と対象範囲を再確認する

トラブルシューティングでも解決しない場合、インデックスの設定に問題がある可能性が高いです。まず、「インデックスのオプション」を開き、ウィンドウ上部のステータス表示を確認します。「インデックスの作成は実行中です…」と表示されている場合は、処理が完了するまで待つ必要があります。もし「インデックスの作成は完了しました。」と表示されているにもかかわらずファイルが見つからない場合は、検索したいフォルダがインデックスの対象範囲に含まれているかを「変更」ボタンから再度確認してください。

Windows Searchサービスの状態を確かめる

Windowsの検索機能全体を司る「Windows Search」サービスが、何らかの理由で停止していると、一部または全体の検索機能が制限されることがあります。

確認と対処の手順
  1. キーボードのWindowsキー + Rを同時に押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
  2. services.mscと入力してEnterキーを押し、サービス管理ツールを起動します。
  3. 一覧から「Windows Search」を探し、その「状態」が「実行中」になっているかを確認します。
  4. もし停止していれば、「Windows Search」を右クリックして「開始」を選択します。また、恒久的な対策として、右クリックから「プロパティ」を開き、「スタートアップの種類」が「自動(遅延開始)」になっていることを確認しましょう。

フォルダ内検索を最適化し、日々の業務効率を上げる

本記事では、Windowsのフォルダ内検索について、基本操作からファイルの中身の検索、コマンドによる自動化、トラブル解決策まで解説しました。

インデックス設定の最適化や検索フィルターの活用は、情報検索の時間を短縮する有効な方法のひとつです。ぜひ実践し、日々の業務効率の向上につなげてください。


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