• 作成日 : 2025年4月2日

INT関数で四捨五入しよう!使い方をわかりやすく解説

INT関数は、ExcelやGoogleスプレッドシートで利用できる非常に便利な関数です。特に、数値を整数に変換し、四捨五入のような操作が求められる場面で役立ちます。本記事では、INT関数の基本的な使い方から、具体的な利用シーンを解説します。また、ROUNDDOWN関数との違いや、切り上げを行う方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

INT関数の使い方

INT関数は数値を整数に変換するための非常に便利なツールです。この関数は、小数点以下の数値を単純に切り捨てて整数部分だけを取り出す機能を持ちます。INT関数を活用することで、計算結果を整理したり、データの整形を容易に行ったりすることができます。

INT関数の基本的な使い方は、以下の構文で表されます。INT(数値)という形式で、引数(関数に渡される値やセル範囲のこと)には整数に変換したい数値を指定します。例えば、

=INT(3.14)

と入力すると、3という結果が得られます。このように、INT関数は指定した数値の小数点以下を単純に切り捨てるため、結果として整数が得られます。

INT関数の具体例

具体的な使用例として、以下のようなケースが考えられます。

① 商品の価格を整数にしたい場合

商品の価格に消費税がかかる場合、INT関数を使って税抜価格を整数にすることで管理しやすくなります。

たとえば、

=INT(1100.75)と入力すると、1100という整数が戻ります。これは、小数点以下が切り捨てられるためです。

② 負の数を処理する場合

負の数をINT関数で処理すると、小数点以下を単純に切り捨てるのではなく、「負の方向に丸める(より小さい整数にする)」 挙動になります。

たとえば、

=INT(-2.6)

と入力すると、結果は -3 になります。この動作を理解しておくと、データ分析の際に誤解を防ぐことができます。

複数のセルに対する使用

INT関数は複数のセルに対しても利用できます。たとえば、Excelのシートにおいて、A1からA10までのセルに数値データがある場合、 B1セルに

=INT(A1)

と入力し、B1セルのフィルハンドルをドラッグする(セルの右下隅にある小さな四角をドラッグ)ことで(オートフィル機能)、A2からA10までの数値も自動的に整数に変換できます。このように、一度関数を設定すれば、複数のデータに対して一括対応ができ、効率的な作業が実現します。

ちなみに、Web版 では、フィルハンドルをドラッグする代わりに、B1セルをコピーしてB2〜B10に貼り付けても同じ結果が得られます。Mac版でもフィルハンドルは同様に利用できますが、ショートカットキーを使う場合は「Command + D」(下方向コピー)や「Command + R」(右方向コピー)も活用できます。

以上の方法でINT関数を使うことで、数値データをより適切に管理し、分析することが可能になります。さまざまなシーンで活用できるこの関数をぜひ試してみてください。

INT関数の利用シーン

INT関数は数値を整数に変換するための関数で、さまざまな利用シーンがあります。例えば、数値データを扱う際に小数点以下の部分を無視して整数のみを必要とする場合に役立ちます。

具体的な利用シーンを以下に紹介します。

データの整形

データ分析を行う際、数値データを整形することは非常に重要です。例えば、売上データや人口統計などの分析では、整数値のみが求められる場面があります。小数点以下の情報が不要な場合、INT関数を使ってデータを整えることで、見やすく、理解しやすい結果を得ることができます。

集計とレポート作成

企業や組織では、定期的に集計したデータを元にレポートを作成します。INT関数を使用することで、小数点を排除したデータを基に集計を行い、チーム全体での報告やプレゼンテーションを効果的に実施できます。これにより、数値がシンプルになり、伝わりやすくなるのです。

ゲームやアプリケーション開発

ゲーム開発やアプリケーション開発においてもINT関数は頻繁に利用されます。例えば、ポイントやスコアを扱う場合、整数で表現することが一般的です。小数点以下のスコアは意味を成さない場合が多いため、INT関数を用いて整数化することで、プログラムの整合性を保つことができます。

統計分析やモデリング

統計分析やモデリングを行う際にも、INT関数は役立ちます。多くの統計モデルでは、データが整数であることが前提とされる場合があり、数値を整数に変換することでモデルの精度や信頼性を高めることができます。特に、カテゴリーデータの処理においてその重要性は大きいです。

INT関数とROUNDDOWN関数の違いと使い分け

INT関数とROUNDDOWN関数は、数値を整形するために用いられる関数ですが、その働きには明確な違いがあります。ここでは、それぞれの関数の特徴と使い分けのポイントについて詳しく説明します。

ROUNDDOWN関数の特徴

ROUNDDOWN関数も数値を切り捨てる役割を持っていますが、指定された桁数(小数点以下の桁数)に基づいて動作します。この関数は、数値の特定の桁数を基準に小数部分を削除するため、与えられた桁数よりも大きい場合はその部分を切り捨て、例えば、ROUNDDOWN(3.789, 2) を実行すると、小数点第2位までに切り捨てられた3.78が返されます。これにより、ユーザーは希望する精度に応じた数値の整形が可能となります。

なお、Web版・Mac版ともに関数の動作は共通ですが、関数の入力方法は異なる場合があります。

使い分けのポイント

INT関数とROUNDDOWN関数の使い分けについては、主に精度と数値の整形方法に依存します。INT関数は特に、数値に整数だけを取得したい場合に便利です。一方で、ROUNDDOWN関数は、小数点以下を指定した桁数で切り捨てたい場合に便利です。また、ROUNDDOWNを利用することで、小数点の位置を制御することが出来るため、報告書やプレゼンテーションでの数値表示においては、非常に役立つ機能となります。

これらの関数を正しく使い分けることで、データの整形においてより柔軟性が増し、目的に応じた整理された情報を得ることができます。

INT関数で切り上げする方法

INT関数は、数値の整数部分を取り出すための関数ですが、そのままでは切り上げを行うことはできません。切り上げには別の関数(ROUNDUP関数やCEILING関数)が適しています。しかし、INT関数に工夫を加えることで、特定の場面で切り上げのような処理を実現できます。この章では、INT関数の基本的な使い方に加え、切り上げのアプローチについて詳しく説明します。

切り上げとINT関数

一般的に切り上げを行う場合、 ROUNDUP関数(切り上げ専用の関数)やCEILING関数(指定した倍数に切り上げる関数)を使用するのが適切です。 しかし、INT関数を利用しての切り上げを行う方法もあります。 INT関数は、数値の小数部分を切り捨てて整数部分のみを取得する関数です(例:INT(3.7) は 3 を返す)。したがって、INT関数単体では切り上げの処理はできませんが、適切な調整を加えることで切り上げと同じ効果を得ることができます。具体的には、次のような手法が考えられます。

INT関数を用いた切り上げ手法

数値を特定の倍数に切り上げたい場合、次の手順を踏むことでINT関数を活用することができます。

  1. 対象の数値を特定の基準値で割ります(例:5の倍数に切り上げる場合、12 ÷ 5 = 2.4)。
  2. その結果に対してINT関数を使って整数部分を求めます(例:INT(2.4) = 2)。
  3. 得られた整数部分に基準値を掛けます(例:2 × 5 = 10)。
  4. 元の数値と掛け算の結果を比較して、必要に応じて基準値を足して切り上げます(例:12 > 10 のため、10 + 5 = 15)。

したがって、Excelの数式では次のように表現できます。

=IF(A1=INT(A1/B1)*B1, A1, INT(A1/B1)*B1 + B1)

(A1: 切り上げたい数値、B1: 基準値)

A1 = 12、B1 = 5 の場合 → 結果は 15(5の倍数に切り上げ)。

A1 = 20、B1 = 5 の場合 → 結果は 20(すでに5の倍数のため、変更なし)。

ただし、この方法は整数に対してのみ有効であり、小数を含む場合は誤った結果を生じる可能性があります。例えば、12.3 を 5 の倍数に切り上げる場合、上記の方法では「10」に誤って切り下げられてしまいます。小数を考慮する場合は、ROUNDUP関数やCEILING関数の使用が推奨されます。

また、Excelのバージョンによって関数の動作が異なる場合があります(例:Web版では一部の関数の処理速度が遅くなることがある)。Mac版ではショートカットキーが異なるため、操作方法を確認してください。

INT関数はGoogleスプレッドシートでも使える?

INT関数はGoogleスプレッドシートでも利用可能です。この関数を使用することで、数値の整数部分を簡単に取得できます。INT関数は、特にデータ処理や数値管理を行う際に非常に便利です。

GoogleスプレッドシートでのINT関数の使用法は、エクセルと非常に似ています。使用する際には、数式バーに「=INT(数値)」と入力するだけで、指定された数値の整数部分を取得することができます。たとえば、数値が3.45の場合、「=INT(3.45)」と入力すると、結果は3になります。

まとめ

INT関数は、数値を整数に変換する非常に便利なツールです。ビジネスやデータ分析において、数値の整形やデータの加工が求められる場面で、その重要性は一層高まります。特に、ROUNDDOWN関数など他の関数との使い分けを理解することで、より精度あるデータ処理が可能になります。さらに、Googleスプレッドシートへの応用も容易で、幅広い用途に対応できる点も魅力です。これらの利点を活かして、INT関数を積極的に活用していきましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事