- 更新日 : 2024年12月12日
NPSアンケートとは?質問内容や例文、調査方法(テンプレート付き)
「NPS(ネット・プロモーター・スコア)アンケート」は、顧客ロイヤルティを測るための指標です。いざ実施しようとなると、「どのようなアンケートを用意すべきかわからない」と悩む方も少なくないでしょう。
この記事では、NPSアンケートの基本的な質問内容や例文、調査方法について解説します。テンプレートも用意していますので、アンケート作成にご活用ください。
目次
NPSアンケートとは?
NPS(ネット・プロモーター・スコア)アンケートとは、顧客が自社の商品やサービスをどのくらい他の人に勧めたいかを測定する指標です。
具体的には「この商品(またはサービス)を友人や同僚にどのくらい勧めたいと思いますか?」といったシンプルな質問を通じて、顧客満足度やロイヤリティを数値化します。企業は顧客からのフィードバックをもとに、サービスの向上やリピーターの獲得に役立てています。
NPSはアメリカのベイン・アンド・カンパニー社が提唱した指標で、欧米の多くの企業で導入されており、近年では日本国内でも導入が増えている状況です。
顧客満足度との違い
NPSと顧客満足度の違いは、業績との関連性にあります。
NPSは、顧客が自社の商品やサービスをどれだけ他人に勧めたいかを測定し、企業の成長率や収益性と高い相関関係が見られる指標です。
一方、顧客満足度は現時点での体験に対する満足度を評価するものであり、満足している顧客がリピート購入や業績向上につながるとは限りません。
NPSは未来の行動を予測し、業績向上の可能性をより正確に把握できる指標であるといえるでしょう。
NPSアンケートを実施するメリット
NPSアンケートを実施するメリットのひとつは、業績向上につながる点です。NPSは顧客のロイヤリティや推奨意向を測定するため、スコアが高いほど顧客が自社の商品やサービスを他人に勧める可能性が高くなり、将来的なリピート購入や新規顧客の獲得につながる可能性があります。
また、NPSアンケートはサービス改善や新規事業開発にも有益です。アンケート結果から得られる顧客のフィードバックは、サービスや製品の改善点を明らかにし、より良いサービスの提供や新たなビジネスチャンスの開発に役立ちます。
NPSアンケートのテンプレート-無料ダウンロード
NPSアンケートのテンプレートは、顧客の推奨意向を効果的に測定するための便利なツールです。テンプレートを利用すれば、簡単にNPS調査を実施し、顧客から貴重なフィードバックを収集できます。
無料でダウンロードできるテンプレートを活用し、業績向上やサービス改善に役立ててください。
NPSアンケートで質問する内容
NPSアンケートで質問する主な内容は、以下の4項目です。
- 商品・サービスの推奨度の点数
- 推奨度の点数をつけた理由
- 最も評価するポイント
- 商品・サービスの改善点
先述のテンプレートをもとに、質問内容について確認していきましょう。
商品・サービスの推奨度の点数
NPSアンケートの中心となる質問は、顧客が自社の商品やサービスをどの程度他人に勧めたいかを数値で示すことです。
「弊社のサービスをどの程度友人や同僚に勧めたいと思いますか?」といった簡単な質問を用意し、顧客に商品・サービスの推奨度を0から10のスケールで評価してもらいます。
推奨度の点数は、顧客のロイヤリティや満足度を把握するための基礎データとなり、企業の成長や改善の指針を示す重要な指標です。
推奨度の点数をつけた理由
顧客が推奨度の点数をつけた理由を尋ねることで、評価の背景や具体的な感情を把握できます。高評価の場合は強みや成功要因を特定でき、低評価の場合は改善点や不満の具体的な要因を理解する手助けになるでしょう。
こうして得られた具体的なフィードバックをもとに、顧客の期待に応えるための改善策を講じることが可能になります。
最も評価するポイント
顧客が最も評価するポイントを知ることで、商品やサービスの強みが明らかになります。特に高く評価される要素を把握できれば、それらを活かした戦略を効率的に立てられます。成功している要素の強化は、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
商品・サービスの改善点
顧客から商品の改善点を尋ねると、サービスに関する具体的な問題や不満が明らかになります。具体的な意見や提案を集めることで、どこに問題があるのかが把握でき、対応すべきポイントが浮かび上がるはずです。
顧客の期待に応えるためのアクションプランを立て、サービスの質を向上させるための参考になります。
NPSアンケート結果の集計・計算方法
NPSアンケート結果の集計と計算方法は、得られたデータを正確に分析し、企業の顧客ロイヤリティを評価するために不可欠です。
顧客を推奨者・中立者・批判者に分類し、それぞれのグループの特徴を理解する方法や、NPSの計算手順について詳しく見ていきましょう。
顧客を推奨者・中立者・批判者に分類する
NPSアンケート結果を正確に分析するためには、顧客の点数に基づいて「推奨者」「中立者」「批判者」の3つのカテゴリに分類することが重要です。それぞれのタイプの特徴を把握できれば、より具体的なインサイトが得られます。
推奨者は、10点または9点をつけた顧客で、自社の商品やサービスを高く評価し、積極的に他人に勧める傾向があります。企業の成長に寄与し、ロイヤリティが高いグループです。
中立者は、7点または8点をつけた顧客で、商品やサービスに対して特に強い意見を持たず、勧めることも避ける傾向があります。満足も不満もなく、企業への忠誠心が安定していないグループです。
批判者は、6点以下をつけた顧客で、商品やサービスに対して不満を持ち、他人に勧めない傾向があります。このグループの意見は、どこに問題があるかを把握するために重要で、改善すべき具体的なポイントを明らかにするのに役立ちます。
これらの分類をもとに、NPSスコアの分析を行い、顧客の声を反映させた戦略の策定が可能です。
NPSの計算方法
NPSの計算方法は、「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いた数値で求めます。計算例として、回答者500人を対象にしたアンケートを見てみましょう。
分類 | 回答数 | 全体割合 |
---|---|---|
推奨者 | 250 | 50% |
中立者 | 150 | 30% |
批判者 | 100 | 20% |
NPSスコア = 50% - 20% = 30 |
上記の場合、NPSスコアは「推奨者」の割合50%から「批判者」の割合20%を引いた30になります。推奨者が多いほどNPSスコアは高く、批判者が少ないほどスコアも低くなります。
NPSアンケートの質問を作成するコツ
NPSアンケートを作成する際は、以下のコツを押さえておくと効果的です。
- アンケートの目的を定める
- アンケートの種類を確認する
- 質問数は7問以内にする
- 回答時間は5分以内を目安にする
- サンプル数は400以上が望ましい
それぞれのポイントについてひとつずつ解説します。
アンケートの目的を定める
NPSアンケートを作成する際は、何を知りたいのか、どのタッチポイントに対するフィードバックが必要かを明確にしましょう。
タッチポイントとは、顧客が商品やサービスに接する場面のことで、例えばウェブサイトの購入ページやカスタマーサポートとのやり取りなどが挙げられます。
目的を明確にすることで、質問が具体的になり、得られる回答も的確になります。
アンケートの種類を確認する
NPSアンケートでは、目的に応じて「リレーショナル調査」か「トランザクショナル調査」を選ぶことが重要です。
リレーショナル調査は年に1〜2回程度実施され、顧客との長期的な関係性や全体的な満足度を評価します。一方、トランザクショナル調査は特定の取引やタッチポイントの直後に実施し、取引ごとの満足度を測るのに効果的です。
目的に応じた調査を行うことで、顧客体験やロイヤリティの把握がより正確に行えるでしょう。
質問数は7問以内にする
NPSアンケートの質問数は、多くても7問以内に抑えるのが理想的です。質問が多すぎると、回答者が途中で疲れてしまい、正確なデータが得られない可能性があります。
NPSスコアを得るための基本的な質問に加え、追加の質問は、必要最低限の数に絞るようにしましょう。シンプルで焦点を絞ったアンケートが、より良い回答結果を生むでしょう。
回答時間は5分以内を目安にする
NPSアンケートの回答時間は、5分以内を目安に設定するのがよいでしょう。長時間のアンケートは、回答者の集中力が持続しにくく、結果として正確なデータが得られなくなる可能性があります。
回答者が気軽に取り組める短いアンケートにすることで、回答率が向上し、データの質も高まります。
サンプル数は400以上が望ましい
NPSアンケートの結果を信頼性のあるものにするためには、できるだけ多くの回答を集める必要があります。目安として、少なくとも400以上のサンプル数が望ましいです。
サンプル数が多いほど、統計的に信頼性の高い結果を得ることができ、アンケート結果をもとにした分析や改善策の精度が向上します。回答数が少ないと、偏りが生じる可能性があるため、集計時には十分なサンプルを確保しましょう。
NPSアンケートの活用で課題点を把握しよう
この記事では、NPSアンケートの基本的な質問内容や調査方法などについて解説しました。
NPSアンケートを活用すれば、顧客のロイヤリティや満足度を把握し、企業の課題点を明確にできます。また、顧客がどの程度自社の商品やサービスを推奨しているかを測ることで、サービスや製品の強みと改善点が見えてきます。
企業のマーケティングに活かすために、NPSアンケートを実施し、顧客の声をもとにした戦略的な改善を始めましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
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