• 作成日 : 2025年5月7日

営業で手紙を送るメリットや注意点は?利用するシーンごとに例文を紹介

営業活動の一環として手紙を送付することは、他社との差別化に繋がる手段です。手紙は、単なる礼状以上の意味を持ち、相手の心に残る印象を与えることができます。この記事では、手紙営業のメリットや活用する場面、シーンごとの例文を紹介します。

営業活動に手紙を活用するメリット

営業活動において、手紙を用いることは、デジタルコンテンツが溢れる現代においても有効な手段となっています。ここではそのメリットを紹介します。

決裁権者やキーマンに届きやすい

営業手紙は、決裁権者やキーマンに直接届く可能性が高いです。メールや電話と異なり、手紙は送信した瞬間には消えず、目の前に残ります。そのため、忙しい決裁権者に対し、手紙を通じて自分のメッセージに触れてもらいやすくなります。

また、特定の個人をターゲットにすることで、相手のニーズや状況に応じた内容を伝えることができるため、より効果的なアプローチが行えます。相手の業種や職務に基づいて、手紙の内容をカスタマイズすることも可能です。これにより、相手に響くメッセージを届けるチャンスが高まります。

開封率が高い

営業において手紙を用いる理由のひとつに、開封率の高さがあります。ビジネスシーンでは、メールや電話が主流とされている中、手紙は一種特別感を持っており、受け取った際の印象が異なります。

手紙の開封率は約80%を超えると言われています。一般的なビジネスメールの開封率が約20%前後であることと比較しても、その差は明らかです。手紙が目に見える形で届くため、受取人が目を通す確率が高くなるメリットがあります。

特別感や心遣いを伝える手段になる

手紙の手書きのメッセージや、温かみのある文調は、受け取る側に「自分のことを考えてくれている」といった感情を芽生えさせることができます。他の営業担当者が送る冷たいメールよりも、より良い印象を残すことができます。

また、手紙が届くこと自体が、送り手の思いやりや誠意を感じさせるため、相手に良い印象を持ってもらいやすいです。また、手紙を受け取った場合、お礼の返事をしようという気持ちが芽生えることも少なくありません。

手紙のデザインや内容によっては、訪問営業の際のプレゼンテーションよりも印象深く伝わることがあります。初回の接触こそ、一般的な電話やメールではなく、手紙によるアプローチを行うことで、「この会社はしっかりと対応している」といった印象を与えることができます。

印象に残りやすい営業手法を探している営業担当者には、手紙営業は有効な手段となります。

営業マンが手紙を出すと効果的な場面

手紙を活用することで、他の営業手法では得られない信頼関係を構築することが可能です。ここでは、営業マンが手紙を出すとよいビジネスシーンについて考察していきます。

テレアポの後

多くの営業マンがテレアポを行っていますが、手紙を送る営業マンは少数派です。新たなアプローチ手段を模索している業界においては、手紙一通で簡単にライバルと差をつけることが可能です。

テレアポは、電話越しでのやり取りが主となります。電話の中では、相手の表情や反応が見えないため、印象を残すのが難しいかもしれません。テレアポの後にお礼の手紙を送ることで、相手に感謝の気持ちをしっかりと伝えることができます。

手紙は単なる感謝の意を伝えるだけでなく、フォローアップの役割も果たします。テレアポでの話の内容を振り返り、「昨日の電話ではお話しできなかった点についてお伝えします」といった形で補足情報を提供することで、相手はあなたの誠意を感じ、より深いコミュニケーションが生まれるでしょう。

新規開拓の営業時

新規開拓の営業時に手紙を出すことで、顧客との距離を縮め、信頼感を上げることができます。特に初対面のお客様に対して効果的で、その後の関係構築に大いに役立ちます。

新規顧客への初対面後に、会話の中で話した内容に触れることで、相手のニーズを理解していることを示し、関係性を深める効果が期待できます。また、手紙を通じて次のアクションを促すことも効果的です。手紙の中に「ご不明な点がありましたらいつでもご連絡ください」といった文言を入れることで、顧客が質問をしやすい環境を整えることができます。

取引先への初回訪問後

初回訪問の後にお礼の手紙を送ることで、顧客に対する感謝の気持ちを的確に伝えることができます。これにより、顧客は特別感を感じ、営業マンへの好感度が向上しやすくなります。

次に、顧客に対する細やかな配慮を示すことができます。今後の関係を築くための再訪問の提案や、提供可能なソリューションについての簡単な説明を加えると、顧客は営業マンが自分に対して真摯であると感じ、今後のビジネス関係がスムーズに進む確率が高まります。

初回訪問後のお礼の手紙は、営業活動の一環として、顧客との距離を縮め、長期的な関係構築を促進する重要な手段と言えます。

顧客との商談後

商談中に名刺交換を行った場合、その後のフォローとしてお礼の手紙を添えることが特に効果的です。名刺には名前や役職、連絡先が記載されており、情報をもとに手紙をカスタマイズすることができます。これにより、顧客に対して特別感を与えることができ、信頼関係の構築が進みます。

また、手紙の中に商談での具体的な内容を盛り込むことも重要です。商談中に話題になった内容について触れることで、再度のコミュニケーションのきっかけを作ることができます。

さらに、手紙を通じて感謝の気持ちを伝えることは、営業の基本です。顧客が貴重な時間をあなたに使っていただいたことに対するお礼を述べる誠実さが、長期的な関係を築くための基盤となります。

契約成立後

契約が成立した瞬間は、顧客との関係が新たな段階に進むことを意味します。手紙を送ることで顧客に対する感謝の気持ちを示せば、記憶に強く残り、自社のブランド価値を向上させる効果が期待できます。

また、顧客に対して自社のサービスや製品に対する満足度を確認し、さらなるビジネスの機会を模索するきっかけともなります。手紙を通じて今後のサポートや追加提案について言及することができ、営業マンが契約成立後にお礼の手紙を出すことは、顧客との関係をより強固にし、さらなるビジネスチャンスを生むための重要なステップとなります。

新規開拓営業時に送る手紙の例文

新規開拓営業を行う際の手紙には、相手に警戒心を与えないよう配慮することが求められます。以下に、具体的な例文を挙げます。

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株式会社〇〇〇〇
営業部 〇〇〇〇様

はじめまして、株式会社△△△△の田中太郎と申します。突然のご連絡をお許しください。

今回、御社の××業務に関する情報をお届けしたく、手紙をお送りいたしました。当社は□□□を提供しており、多くのお客様にご利用いただいております。この度、御社がさらなる成長を目指されているとの情報を伺い、お手伝いできる可能性があると感じました。

私たちのサポートを通じて、御社の業務効率化やコスト削減に貢献できると考えています。これに関して詳しくお話しできれば嬉しく思います。

もし、ご興味をお持ちいただけましたら、お電話やメールでお知らせいただければと考えております。御社にお伺いして直接お話しすることも可能ですので、ぜひご検討ください。

最後に、貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。それでは、御社の益々のご発展をお祈り申し上げます。

敬具

田中太郎
株式会社△△△△
電話: 012-345-6789
メール: taro@△△△△.co.jp

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この手紙のポイントは、相手に対する敬意を示しつつ、自社のサービスを具体的に提案する部分です。相手に寄り添った内容を心がけることで、警戒心を和らげることが可能となります。

顧客との商談後に送る手紙の例文

商談後に送る手紙は、感謝の意を伝えると同時に、次のステップへとつなげる重要な役割があります。以下に、具体的な例文を挙げます。

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例文1:

株式会社〇〇

営業部 〇〇〇〇様

お世話になっております。株式会社△△の□□です。先日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。

商談の中でお話しいただいた○○のニーズについて、大変興味深く拝聴しました。特に、△△に関するご意見は、私たちの提案をさらに具体化するヒントとなりました。

今後、○○に関連したご提案をお持ちできるよう、社内で検討を進めてまいりますので、何か気になる点がございましたら、お気軽にお知らせください。

改めて、貴重な時間をいただいたことに感謝申し上げます。今後ともぜひお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。

敬具

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例文2:

株式会社□□

営業部 〇〇〇〇様

お世話になっております。株式会社◇◇の△△です。先日はお忙しい中、貴社にお伺いし、楽しい時間を過ごさせていただきありがとうございました。

商談中にお話しした××のテーマについて、私も大変関心を持ちました。お話しいただきました内容を踏まえ、さらに深掘りしてご提案させていただければと考えております。

これからもお互いにメリットのある関係を築いていければ嬉しいです。引き続きご指導いただけますよう、お願い申し上げます。

改めて、貴重なお時間をいただき心より感謝しております。

敬具

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自社の特性やお礼を伝えたい気持ちを織り交ぜてオリジナリティを持たせることが大切です。相手の印象に残るようなお礼の手紙を書くことで、競合他社との差別化にもつながります。

契約成立後に送る手紙の例文

契約が成立した後に送る手紙は、ビジネスの関係をさらに深める貴重な機会です。感謝の意を示すだけでなく、信頼感を構築するためにも重要です。以下に、具体的な例文を挙げます。

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株式会社□□

営業部 〇〇〇〇様

この度は、貴社とのご契約をいただき、誠にありがとうございます。心より感謝申し上げます。

私たちの提案が貴社のニーズにお応えできることを心から嬉しく思っております。今後、より良いサービスをご提供するために全力を尽くしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

貴社との信頼関係をさらに深め、末永いお付き合いをさせていただければと思っております。何かご不明な点やご要望がございましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

敬具

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商品やサービスの成約後に丁寧なお礼の気持ちを手紙で伝えることで、メールや電話だけでは築けない深い信頼関係を築くことができます。「この人だったら任せられる」と感じてもらえることで、今後の取引がスムーズになる可能性が高まります。

営業活動に手紙を活用する際の注意点

営業活動で手紙を送る場合の注意点を解説します。

ビジネスレターのマナーを守る

ビジネスレターのマナーを守ることは、信頼を得るための第一歩です。

内容が明確で分かりやすいことは不可欠であり、冗長な表現は避ける必要があります。さらに、手紙の構成にも気を配りましょう。

ビジネスレターの冒頭には、「拝啓」や「前略」といった頭語を使用します。頭語は敬意を表す言葉であり、受取人との関係性によって使い分けることが重要です。ビジネスの取引先には「拝啓」を用いるのが一般的ですが、親しい関係であれば「前略」を選ぶこともあります。

次に、時候の挨拶に移ります。相手に季節感を意識させることで、親しみを持った印象を与えるための表現です。例えば、「春の暖かさを感じる今日この頃」といったように、現在の季節や天候に関連した言葉を使います。

用件は、ビジネスレターの中心部分です。伝えたいメッセージや情報を簡潔に述べます。特に、要件はポイントを整理して伝えることが大切です。具体的な事例や数字を挙げることで、説得力を高めることができます。

本文の後には結語が続きます。「敬具」や「草々」といった締めの言葉を用います。

最後に、日付と宛名、そして差出人の情報が必要です。日付はレターの作成日を示し、宛名は相手の名前ならびに会社名を正確に書きます。差出人の情報も必要で、自分の名前や役職、連絡先を入れることで、読み手に安心感を与えましょう。

短期的な成果を追求せず、信頼を培うことが目的

手紙によるアプローチは、相手に寄り添ったコミュニケーションを通じて、長期的な信頼関係の構築を目指すものです。

手紙は、手間暇をかけて送られるものであり、企業からのメッセージとして一種の敬意を示すものと捉えられます。特性として、相手に直接会わずにコミュニケーションを図るため、より一層丁寧な印象を与えることが必要です。即効性を求めるのではなく、相手との関係を長期で考えることが成功へとつながります。

信頼関係を築くためには、継続的なコミュニケーションが必要です。一度手紙を送って終わりではなく、相手の関心に応じた内容を定期的に届けることで、より良好な関係につながります。 たとえば、相手のニーズや関心に基づいた情報を提供したり、ちょっとしたお礼や感謝の意を表したりすることで、さらなる接点へとつながる可能性があります。

手紙は感情を伝える媒体としても有効であるため、短期的な目標を超えた視点を持つことが成功への鍵となるのです。

お礼の手紙の内容のポイント

効果的なお礼の手紙には、いくつかのポイントがあります。まず、手紙を送るのはできるだけ早く行うことが肝心です。お礼の気持ちが新鮮なうちに送りましょう。内容としては、感謝の気持ちを表すことはもちろん、相手にとって重要な情報やあなたの提供可能なサービスについて軽く触れると良いでしょう。

まとめ

訪問営業とは異なるアプローチを探している営業担当者にとって、手紙営業は非常に効果的な手段です。手紙は決裁権者やキーマンに直接届きやすく、開封率が高いため、他の営業方法と比べて注目されやすい特徴があります。さらに、パーソナルな印象を与えることができ、記憶に残りやすいのも大きなメリットです。

本記事で解説した手紙営業のメリットや具体的な書き方、ポイントを参考にすることで、より効果的な営業活動ができるでしょう。ぜひ、この新たな手法を取り入れ、成果向上につなげてください。


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