• 作成日 : 2025年4月2日

SORT関数の使い方を解説!複数条件の指定や任意の順番での並び替えまで

SORT関数は、データを効率的に並び替えるための強力なツールです。この関数を使うことで、シンプルな一つの条件に基づく並び替えだけでなく、複数の条件を考慮した柔軟な並び替えも実現可能です。また、任意の順番にデータを整理する方法も、SORT関数を使用することで簡単に行えます。本記事では、SORT関数の基本的な使い方から、さまざまな活用シーンや、他の関数との違いについて詳しく解説します。さらには、スプレッドシートでの適用方法にも触れていきますので、ぜひご覧ください。

SORT関数の使い方

SORT関数は、特定の範囲内のデータを指定した基準で並び替えるための強力なツールです。この関数を使用することで、効率的にデータを分析したり、視覚的にわかりやすくすることができます。SORT関数の効果的な使い方を以下に詳しく説明します。

SORT関数の基本構文

SORT関数を使うためには、基本的な構文を理解する必要があります。SORT関数の基本構文は以下のようになります。

=SORT(範囲, ソート基準, 昇順/降順, [オプション])

ここで、“範囲”は並び替えたいデータの範囲、“ソート基準”はどの列を基準にするかを指定します。“昇順/降順”は並び替えの方向を示します。並び替えの方向は、「論理値」という「真(TRUE)」か「偽(FALSE)」の二つの値しか取らないデータ値を用い、”TRUE”で昇順、”FALSE”で降順を選択します。また、「並び替え方向」オプションで、行または列のどちらを基準に並び替えるかの設定も行えます。

具体例を使ったSORT関数の実践

具体的な例を通じて、SORT関数の使い方を見てみましょう。例えば、ある商品のリストがあり、価格を基準に昇順で並び替えたい場合、以下のように入力します。

=SORT(A2:C10, 2, TRUE)

この場合、A2からC10の範囲を指定し、2列目(ここでは価格列とします)を基準にして昇順で並び替えます。結果として、価格が安い商品から高い商品へと順序が整えられます。

なお、SORT関数は、Microsoft 365、Excel 2021以降のバージョン、およびExcel for the web で使用できます。Excel 2019 以前のバージョンでは使用できません。Mac版も同様に使えますが、メニューの表示や操作方法が若干異なる場合があります。

SORT関数の活用ポイント

SORT関数を使用する時に役立つポイントがあります。それは、データの動的な更新です。例えば、新しいデータを追加した際、SORT関数を設定済みのセルに正しく反映されるため、常に最新の情報を確認できるのです。これにより、データ形式を保ちながら、効率よく情報を取り扱うことが可能になります。

このように、SORT関数はデータを整理し、分析の効率を高めるために非常に役立つ機能です。これからぜひ活用してみてください。

SORT関数の利用シーン

SORT関数はデータを整理するための強力なツールです。特に、データの可視化や分析を行う際に、適切な順序で情報を整えることが重要です。ここでは、SORT関数が役立つ具体的な利用シーンをいくつかご紹介します。

データのランキング作成

データのランキングを作成することは、店舗の売上データや試験の成績など、さまざまな場面で必要です。SORT関数を使用することで、簡単に特定の列を基準にデータを昇順または降順に並べ替えることができます。この機能を活用することで、上位のデータをすぐに把握でき、ビジネスや学業の改善点を見つけやすくなります。

顧客データの整理

企業が顧客データを管理する場合、特定の基準(例えば、顧客名や購入金額など)でデータを整列させることが重要です。SORT関数を使えば、顧客リストを簡単に整理でき、必要な情報を迅速に取り出すことが可能です。これにより、マーケティング戦略や顧客対応をより効率的に行うことができます。

プロジェクト管理

プロジェクトの進行状況を把握する際にも、SORT関数は役立ちます。タスクの締切や担当者を基準にデータを並べ替えることで、重要なタスクをすぐに特定できます。これにより、優先順位を明確にし、チーム全体の生産性を向上させることができます。

成績データの分析

教育機関においては、学生の成績を正確に分析するためにSORT関数が便利です。成績を科目別、または個々の学生のスコアに基づいて並べ替えることで、弱点を特定したり、成績の向上施策を考えたりする際に非常に有効です。

このように、SORT関数はさまざまなシーンで活用できる強力なツールです。データを整理・分析することで、ビジネスや学業においても効果的な意思決定を行えるようになります。

SORT関数とSORTBY関数の違いと使い分け

SORT関数とSORTBY関数は、どちらもデータを並び替えるために使用される関数ですが、その動作原理や使用シーンにおいて明確な違いがあります。ここでは、これら二つの関数の違いを明らかにし、どのような場面で使い分けるのが適切かを説明します。

SORTBY関数の概要

SORTBY関数は、複数の基準に基づいてデータを並び替えることができる機能を持っています。この関数では、並び替えたい配列(データの範囲)を第一引数(最初に指定するデータ範囲)に、次にそのデータを基準にして並び替える配列(列の範囲)を指定します。例えば、従業員のリストを役職や入社日など、複数の要素でまとめて並び替える際に役立ちます。さらに、それぞれの要素に対して昇順または降順を指定できます。

具体的な違い

SORT関数は特定の列を基準にして並び替えますが、SORTBY関数は複数の列を利用して、さらに細かく並び替えを行うことができます。このため、シンプルな並び替えが必要な場合はSORT関数が適しており、複雑な条件での並び替えが求められる場合にはSORTBY関数を使用するのが効果的です。

使用場面の例

たとえば、商品の販売データがあり、価格を基準に昇順で整列させたい場合はSORT関数を利用するのが良い選択です。しかし、もし同じ商品データの中で、価格と評価の両方を基準にして並べ替えを行いたいのであれば、SORTBY関数が適しています。このように、目的に応じて適切な関数を選ぶことが重要です。

最終的に、SORT関数とSORTBY関数の使い分けは、ユーザーがどの程度の複雑さを必要とするかに基づいて行うべきです。

なお、SORTBY関数はSORT関数と同様に、Microsoft 365、Excel 2021以降のバージョン、およびExcel for the web で使用できます。Excel 2019 以前のバージョンでは使用できません。Mac版も同様に使えますが、メニューの表示や操作方法が若干異なる場合があります。

SORT関数を複数条件にする方法

SORT関数を用いてデータを複数の条件で並び替えることが可能です。これにより、特定のニーズに応じたデータの整列が実現できます。例えば、顧客データベースにおいて、「地域」と「売上高」の2つの条件でデータを整理したいと考える場合があるでしょう。このように、複数条件での並び替え手法を活用することで、目的に応じた情報の見やすさが向上します。

ここでは、SORT関数を使ってデータを複数条件で並び替える具体的な方法を説明します。

複数条件の具体例

具体的な例を挙げて説明しましょう。例えば、A列に「地域」、B列に「売上高」があるデータがあるとします。このデータを「地域」で昇順に、同じ地域内で「売上高」を降順に並び替えたい場合、以下のようにSORT関数を用います。

SORT(A2:B10, 1, TRUE, 2, FALSE)

このように、最初の引数である範囲はデータの範囲(A2:B10)を指定し、次に並び替える条件を次々に指定することで、希望する順序でデータを整列します。また、これにより同じ地域内での売上の高い順にデータが並ぶため、必要な情報が一目でわかりやすくなります。

なお、SORT関数で複数条件を指定する場合、3つ目以降の引数は「並べ替え基準」「昇順/降順」のペアで指定します。例えば、3つ目の条件で並び替える場合は、「並べ替え基準」「昇順/降順」のペアで5つ目と6つ目の引数に指定します。

注意点

複数条件でSORT関数を使用する際には、条件を正確に指定することが重要です。条件を間違えると、思った通りにデータが並び替えられず、結果が無意味になってしまう可能性もあります。そのため、条件を設定する前に、データの内容を十分に確認しておくことが推奨されます。

SORT関数を有効に活用することにより、特定の条件に基づいてデータを整列させることができ、より効果的なデータ分析や管理が可能となります。これによって、業務効率の向上にもつながるでしょう。

なお、最新版のWeb版、Mac版も同様に複数条件 SORT関数を使用できますが、メニューの表示や操作方法が若干異なる場合があります。

SORT関数で任意の順番で並び替える方法

SORT関数では、特定の条件に基づいてデータを並び替えることが可能ですが、さらに任意の順番で並び替えたい場合があります。これは、通常の昇順や降順ではなく、自分が決めた特定の順序に基づいてデータを配置したいときに有用です。

この章では、SORT関数を使用して任意の順番でデータを並び替える具体的な手順と方法について詳しく説明します。

任意の順番で並び替えるための準備

まず、任意の順番でデータを並び替えるためには、あらかじめ並び替えたい順番を示すリストを作成する必要があります。このリストは、並べる対象となるデータと同じ項目が含まれている必要があります。例えば、果物のリストがあり、「リンゴ」「バナナ」「オレンジ」の順番で並び替えたい場合、「リンゴ」「バナナ」「オレンジ」を一列に並べた別のリストを作成します。

SORT関数を使った任意の並び替えの手順

次に、任意の順番で並び替える具体的な手順について説明します。まずは以下のステップに従ってください。

  1. データと順番リストをそれぞれのセルに入力します。
  2. SORT関数を用いてデータを並び替えます。並び替えの基準として、作成した順番リストを指定します。
  3. 並び替えた結果を新たな場所に表示します。

具体例で説明すると、A1からA5に「バナナ」「リンゴ」「オレンジ」「グレープ」「キウイ」といった果物が入力されているとしましょう。そして、C1からC3に「リンゴ」「バナナ」「オレンジ」と並ぶようにしたい場合、以下のようなSORT関数を入力します。

=SORT(A1:A5, MATCH(A1:A5, C1:C3, 0), TRUE)

この関数は、A1からA5のデータを、C1からC3の順番に基づいて並び替えます。

なお、MATCH関数は、指定された範囲内で特定の値を検索し、その値が最初に見つかった位置を返す関数です。上記の例では、A1からA5の各果物がC1からC3のリストの何番目に位置するかを検索し、その結果をSORT関数の並べ替え基準として使用しています。

注意点

任意の順番でデータを並び替える際には、いくつかの点に注意が必要です。まず、順番リストに含まれる項目は、データリストに必ず存在しなければなりません。また、リストに存在しない項目がある場合、そのデータは「#N/Aエラー」が表示されます。

なお、最新版のWeb版、Mac版などでもSORT関数に組み合わせてMATCH関数を使用できますが、メニューの表示や操作方法が若干異なる場合があります。

最後に、SORT関数を含むスプレッドシートの使い方は、非常に柔軟でさまざまな応用が可能です。自分の目的に合わせて、さまざまな方法でデータを整理してみてください。正しい手順を踏めば、任意の順番でデータを並び替えることも簡単に実現できます。

SORT関数はGoogleスプレッドシートでも使える?

SORT関数は、Googleスプレッドシートでも利用可能です。スプレッドシートは、データの整理や分析に非常に便利なツールであり、その中でSORT関数を活用することで、より効率的にデータを管理することができます。

SORT関数は、指定した範囲のデータを並べ替えるための簡単で強力な機能です。Googleスプレッドシートでは、SORT関数を使うことで、昇順や降順にデータを並べ替えることができ、視覚的にデータを把握しやすくなります。例えば、取引データや成績表など、さまざまなデータセットにおいて、特定の列に基づいてスムーズに並べ替えることが可能です。また、SORT関数は、複数の列に基づいて並べ替えることもできます。

GoogleスプレッドシートにおけるSORT関数の利点

GoogleスプレッドシートのSORT関数を利用する主な利点は、リアルタイムでのデータ更新です。データが追加または変更された際に、SORT関数が自動的に新しいデータに基づいて並べ替えを行います。そのため、手作業でデータを並べ替える手間が省け、効率的な作業が実現できます。

また、SORT関数は、複数の列に基づいて並べ替えることもできるため、複雑なデータ分析にも対応可能です。たとえば、成績データを学年ごとに並べ替え、さらに点数で並べるといった具合です。この柔軟性が、スプレッドシートにおけるデータ管理を一層簡単にしています。

なお、GoogleスプレッドシートのSORT関数は、元のデータを変更せず、並び替え結果を別の場所に表示します。Excelと同様に複数条件での並び替えが可能ですが、引数の指定方法やオプションに若干の違いがあります。

まとめ

SORT関数は、データの並び替えを簡単に行うことができる非常に便利なツールです。これにより、分析やレポート作成の効率が大幅に向上します。様々な利用シーンを通じて、必要な情報を迅速に整理できる能力は、ビジネスにおいて不可欠です。さらに、SORT関数とSORTBY関数の特性を理解し、適切に使い分けることで、さらなるデータ活用が可能になります。データ整理において、SORT関数はまさに必須の技術と言えるでしょう。今後も積極的に活用して、業務の効率化を図りましょう。


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