- 作成日 : 2025年4月2日
FIND関数の使い方や利用シーンをわかりやすく解説
FIND関数は、テキスト内で特定の文字列の位置を探すための非常に便利なツールです。ExcelやGoogleスプレッドシートなどで利用でき、データ分析やレポート作成の際に大いに役立ちます。この記事では、FIND関数の基本的な使い方から実際の利用シーン、さらには空白セルや複数条件を指定して検索する方法、右からの検索について解説します。また、FIND関数とSEARCH関数の違いや、スプレッドシートでの利用についても触れます。これにより、FIND関数を使いこなすための知識が深まるでしょう。
目次
FIND関数の使い方
FIND関数は、特定の文字列の中に別の文字列が含まれている位置を見つけるための非常に便利なExcel関数です。この関数を使うことで、データの管理や分析が効率的に行えるようになります。具体的には、FIND関数は大文字と小文字を区別して文字の位置を返します。この特性により、特定の文字や単語の出現位置を簡単に特定できます。
基本的な構文
FIND関数の基本的な構文は以下のようになります。
=FIND(検索文字列, 対象文字列, [開始位置])
この関数には3つの引数(関数に与える値や条件のこと)があります。最初の引数は探したい文字列(検索文字列)、次に検索する対象の文字列(対象文字列)、最後に任意で検索を開始する位置(開始位置)を指定します。開始位置を省略すると、検索は最初の文字から行われます。
具体的な利用例
例えば、セルA1に「Excelの使い方についての基本」と入力されているとします。ここで、「使い方」という文字列がどの位置にあるかを確認したい場合、以下のようにFIND関数を使用します。
=FIND(“使い方”, A1)
この式を実行すると、「使い方」という文字列がセルA1の中で何文字目にあるのかを返します。結果として、8という数値が表示されます。これは、FIND関数が文字列の位置を1から数えるためです。
注意点
FIND関数を使用する際には、いくつか注意すべき点があります。まず、FIND関数は大文字小文字(アルファベットの場合)を区別します。そのため、「ABC」という文字列の中から「abc」を探しても見つかりません。ただし、ひらがな・カタカナの違いは区別しないため、「か」と「カ」は同じものとして認識されます。また、指定した文字列が見つからない場合や、引数が間違っている場合には、エラー(#VALUE!)が表示されます。
また、FIND関数は、Excelのすべてのバージョン(Windows版、Mac版、Web版)で使用できますが、Web版のExcelでは関数の入力補助機能が一部制限されることがあります。
複合的な使用方法
さらに、FIND関数は他の関数と組み合わせて使用することも可能です。例えば、IF関数(条件に応じて処理を分岐させる関数)やMID関数(文字列の一部を抽出する関数)と組み合わせることで、より柔軟にデータを処理できます。FIND関数を利用して条件付きで特定の文字列を抽出することもできるため、データ解析や整理の際に非常に役立ちます。
空白セルを検索したい場合
FIND関数は特定の文字列を検索するための関数であり、単独では空白セルを検出することはできません。空白セルを特定する場合は、ISBLANK関数(セルが完全に空白かどうかを判定する関数)やLEN関数(文字数を取得し、0なら空白と判断する関数)といった他の関数を使用するのが一般的です。
FIND関数の利用シーン
FIND関数は、特定の文字列を別の文字列の中から探す際に非常に便利です。この関数を活用することで、データの整理や分析を効率的に行うことができます。以下では、具体的な利用シーンをいくつか紹介します。
データセットのフィルタリング
例えば、大量のデータが含まれるスプレッドシートにおいて、特定の文字列を含む行だけを抽出したい場合、FIND関数が役立ちます。この関数を使うことで、特定のキーワードやフレーズが含まれているかを確認し、必要なデータのフィルタリングを簡単に行えます。例えば、顧客名簿の中から特定の企業名が含まれる顧客のみを選び出す際に使用できます。
文字列の位置を特定する
また、FIND関数は文字列内の特定の部分がどの位置にあるかを見つけるのにも最適です。これにより、データの内容に基づいた分析を行いやすくなります。たとえば、商品名に含まれる型番やバージョン番号の位置を特定し、その情報を使って新たなデータを生成する際に役立ちます。
データの整形や変換
FIND関数はデータの整形や変換を行う際にも多くのシーンで利用されます。たとえば、住所データから特定の要素を抽出したり、名前の並び替えを行ったりする場合に、文字列の位置を正確に把握することが重要です。この場合、FIND関数を用いることで正確なデータ処理が可能となります。
複数条件での検索
さらに、FIND関数は複数の条件での検索もサポートしています。特定の文字列が複数回現れるデータに対して、そのすべての位置を取得し、どのようにデータが構成されているかを調査することが可能です。これは特に、分析や報告書の作成時に役立つ機能と言えるでしょう。
FIND関数で複数条件を指定する方法
FIND関数を利用して複数の条件を指定する方法について説明します。このテクニックを使うことで、特定の文字列が複数の異なる位置に存在するかどうかを判断することが可能になります。
通常、FIND関数は一つの条件に基づいて文字列内を検索します。しかし、複数条件を扱う場合は、他の関数と組み合わせる必要があります。この章では、具体的な方法として、IF関数(条件分岐を行う関数)やOR関数いずれかの条件が満たされた場合にTRUEを返す関数)を組み合わせる手法をご紹介します。
IF関数とOR関数を組み合わせる方法
まず、FIND関数を利用する際に、条件に応じて異なる出力を得たい場合にはIF関数を使うことが効果的です。さらに、OR関数を利用することで、複数の文字列を同時に検索することができます。
具体的な構文は以下の通りです:
=IF(OR(ISNUMBER(FIND(“条件1”, A1)), ISNUMBER(FIND(“条件2”, A1))), “条件が見つかりました”, “条件は見つかりませんでした”)
この式では、セルA1内で「条件1」または「条件2」が見つかった場合に、”条件が見つかりました”と表示され、それ以外の場合は”条件は見つかりませんでした”と表示します。このように、FIND関数とIF関数、OR関数を組み合わせることで、複数の条件を簡単にチェックできる仕組みを作ることができます。
AND関数を利用する方法
逆に、複数の条件がすべて満たされる場合のみ特定の操作をしたい場合には、AND関数(すべての条件が満たされた場合にTRUEを返す関数)を利用します。この関数を使うことで、すべての指定した条件が満たされた時にだけ結果が得られるようになります。
構文は以下の通りです:
=IF(AND(ISNUMBER(FIND(“条件1”, A1)), ISNUMBER(FIND(“条件2”, A1))), “すべての条件が見つかりました”, “条件が足りません”)
この式では、セルA1内に「条件1」と「条件2」の両方が存在する場合に”すべての条件が見つかりました”と表示され、どちらか一方でも欠けている場合は”条件が足りません”と返されます。
なお、FIND関数は大文字と小文字を区別するため、条件の設定には注意が必要です。特にデータが手動で入力された場合や、一部のデータが異なる形式で記載されてしまうことを考慮すると、事前にデータの品質を確認しておくことをお勧めします。大文字・小文字の違いを無視したい場合は、後述するSEARCH関数(FIND関数と似ているが、大文字・小文字を区別しない関数)を使用すると便利です。
このようにして、FIND関数を駆使することで、複数の条件を容易に設定し、必要な情報を効率的に抽出することが可能です。実際にこれを使うと、データ集計の際などで非常に便利ですので、ぜひ試してみてください。
FIND関数で右から検索する方法
FIND関数は通常、文字列の左端から検索を行いますが、右から検索を行いたい場合もあります。この章では、FIND関数を使用して右から文字を検索する方法を解説します。
まず、FIND関数の基本的な構文を理解しておくことが大切です。FIND関数の構文は次の通りです:
=FIND(検索文字, 対象文字列, [開始位置])
この構文では、検索文字が検索したい文字列、対象文字列がその中から探す文字列、開始位置(省略可能)が検索を開始する文字位置を指定します。右から検索を行うためには、これを工夫する必要があります。
右からの検索を行うには、まず対象の文字列の長さを求め、その長さから逆算してFIND関数を使用します。具体的な手順を以下に示します。
手順1:対象文字列の長さを求める
まずは、検索を行いたい文字列の長さを求めます。この場合、LEN関数(文字列の長さを取得する関数)を使います。例えば、セルA1に「abcde」と入力されている場合、次のように記述します。
=LEN(A1)
手順2:関数を組み合わせる
次に、求めた文字列の長さを利用してFIND関数を実行します。具体的には、右から検索したい文字の位置を計算し、その位置を基にFIND関数を作成します。例えば、セルB1に検索したい文字「c」があり、セルA1を対象にする場合、次のように記述します。
=FIND(B1, A1, LEN(A1) – LEN(B1) + 1)
ただし、この方法では指定した文字が複数ある場合、最も左にあるものが検出される点に注意してください。
この数式によって、文字列の右端から指定した文字を検索することができます。この方法を使えば、右からでもFIND関数を有効活用することが可能です。
この機能は、データが右寄せである場合や、終わりに近い部分に特定のキーワードが存在する時に特に役立ちます。仕事の効率を高めるために、是非試してみてください。
FIND関数とSEARCH関数の違いと使い分け
FIND関数は文字列の中から特定の文字を検索するための関数ですが、SEARCH関数も同様の目的を持っています。しかし、この二つの関数には明確な違いがあり、それぞれの特性を理解することで適切に使い分けることができます。
FIND関数の特性
FIND関数は、指定した文字列が最初に現れる位置を返します。この際、大文字と小文字を区別するため、例えば「A」と「a」は異なるものとして扱われます。使用例としては、名前やパスワードなど、正確な一致が求められる場面での活用が挙げられます。
SEARCH関数の特性
一方でSEARCH関数も文字列を検索しますが、こちらは大文字と小文字を区別せずに検索を行います。したがって、「A」と「a」を同じものとして扱います。このため、より柔軟な検索が可能であり、例えば文書中の単語の検索、部分一致を利用した検索(例:「売上」でも「売上高」にヒットする)、リンクを含むテキストの検索などに適しています。
具体的な使い分け
それぞれの関数の特性を踏まえると、使用シーンは次のように使い分けることができます。FIND関数は正確な一致が必要な場合に、SEARCH関数はより許容範囲の広い検索が求められる場合に適しています。具体的には、データベースや顧客情報の管理においてはFIND関数を利用し、資料作成やレポート作成時にはSEARCH関数を活用すると良いでしょう。
このように、FIND関数とSEARCH関数は異なる場面でその真価を発揮します。自分の求める結果に応じて、どちらの関数を使うべきかを明確に判断することが、効率的なデータ処理の鍵となります。
FIND関数はGoogleスプレッドシートでも使える?
FIND関数はGoogleスプレッドシートでも使用可能です。Googleスプレッドシートでは、FIND関数を利用することで特定の文字列が他の文字列内に存在する位置を調べることができます。この機能はデータの整理や分析に非常に役立ちます。
GoogleスプレッドシートのFIND関数は、基本的にExcelでのFIND関数と同じ構文を持っています。これは、ユーザーが異なるプラットフォーム間でスムーズに作業できることを意味します。また、Googleスプレッドシート内のデータを処理する際には、特定のデータポイントを見つけだすための便利なツールとなります。
FIND関数の基本的な構文
GoogleスプレッドシートでのFIND関数の構文は次の通りです。
FIND(検索文字列, text_to_search対象文字列, [開始位置])
ここで、検索文字列は検索したい文字列、対象文字列は対象となるテキスト、開始位置は検索を開始する位置を示します。この構文を使えば、特定の文字やフレーズを迅速に見つけ出すことができます。
実際の例
例えば、A1セルに「デジタルマーケティング」というテキストがあるとします。B1セルで「マーケティング」という単語を検索したい場合、以下の式を使います。
=FIND(“マーケティング”, A1)
この式を入力すると、マーケティングという文字列が「デジタルマーケティング」の中で何文字目にあるかが返されます。これにより、データ内での情報の確認が容易になります。
異なるデータ形式への対応
スプレッドシートでは、さまざまなデータ形式への対応も能力の一部です。数値や日付が文字列として表示されている場合でも、FIND関数を使用することでそれらのデータを操作しやすくなります。この機能は特に大きなデータセットを扱う際に重宝されます。
ただし、FIND関数は完全に数値として扱われているセル(例:100が数値データとして保存されているセル)には適用できません。文字列として扱うためには、数値をTEXT関数で変換するか、「’100」のようにシングルクォートを付けて入力します。
さらに、文字列の大文字・小文字を区別するため、状況に応じて適切な使い方を選択することで、精度の高いデータ分析を実現することができます。これにより、データの完全性と整合性を保ちながら、業務効率を向上させることができます。
まとめ
FIND関数は、Excelやスプレッドシートにおいて特定の文字列を迅速に検索するための強力なツールです。この記事で紹介したように、FIND関数はその柔軟性からさまざまな利用シーンで活用でき、特に複数条件や右からの検索が可能な点が魅力です。また、SEARCH関数との使い分けも理解しておくことで、より効果的なデータ処理が実現できます。これからの業務において、FIND関数を活用し、効率的なデータ管理を行っていきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
エクセルで値を貼り付けするには?ショートカットも解説
エクセルを活用する際、データのコピーと貼り付けは非常に重要な作業です。特に「値を貼り付ける」手法は、元のデータの書式や数式を無視し、数値や文字だけを移すことができるため、データ管理の効率を大幅に向上させます。この記事では、エクセルでの値の貼…
詳しくみるエクセルで取り消し線を入れるには?ショートカットも紹介
エクセルを使用していると、特定の情報やタスクを視覚的に分かりやすくするために取り消し線を入れたくなることがあります。取り消し線を使うことで、完了した項目や不要な内容を簡単に示すことができ、作業効率が向上します。本記事では、エクセルで取り消し…
詳しくみるエクセルで時間を計算する方法まとめ!目的別にやり方を解説
エクセルは、時間の計算を行う上で非常に便利なツールです。ビジネスシーンや日常生活において、勤務時間の集計やタスクごとの経過時間の把握など、さまざまな場面で役立ちます。本記事では、エクセルを使用して時間を計算する方法を詳しく解説します。合計時…
詳しくみるエクセルでシート移動するためのショートカットを紹介
エクセルを使用する際、複数のシートを効率的に移動する技術は、業務のスムーズな進行に欠かせません。シート間の移動を簡単にするためのショートカットキーや操作方法を活用することで、作業効率が大幅に向上します。本記事では、エクセルでシートを移動する…
詳しくみるエクセルで見やすい表の作り方をわかりやすく解説
エクセルを使って表を作成する際、見やすさは非常に重要な要素です。情報を整理し、わかりやすく提示することで、閲覧者の理解を助けることができます。そこで本記事では、エクセルで見やすい表を作るための具体的な方法や工夫を解説していきます。初めてエク…
詳しくみるWEEKDAY関数の使い方とは?利用シーンや曜日に色を付ける方法を解説
WEEKDAY関数は、日付を基にその曜日を数値で示す便利な関数です。本記事では、WEEKDAY関数の基本的な使い方から、実際の利用シーンに至るまで詳しく解説します。特に、条件付き書式と組み合わせることで、特定の曜日に色を付ける方法についても…
詳しくみる