• 作成日 : 2025年3月3日

【2025年最新】WBSツールのおすすめ10選!選び方のポイントも解説

タスク管理を効率的に行い、プロジェクトのスケジュール管理を徹底させる手法として、WBSツールの利用が注目されています。一方で、ExcelやガントチャートとWBSの違いがよくわからない人も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、WBSの概要やガントチャートとの違い、WBSツールのメリットや選び方、おすすめ10選をご紹介します。進捗管理やタスク管理を効率化できるツールをお探しの方は、ぜひ参考にしてください。

WBSツールとは

WBSツールとは、タスクの体系化のほか、リソースおよびスケジュールの管理を効率的に行えるサービスです。

多くのプロジェクト管理の現場では、遅延によって予算を達成できないといった課題を抱えています。必要な工数の見積もりが甘かった、十分なリソースを確保できていなかった、などが主な原因です。このような課題を解決するために、WBSツールの利用が注目されています。

ここでは、WBSの概要やガントチャートとの違いについて見ていきましょう。

そもそもWBSとは

WBSとは英語の「Work Breakdown Structure」の略で、日本語では「作業分解構造図」と訳されるフレームワークです。プロジェクト遂行に必要な作業を、段階的に小さな作業単位に分解した上で計画をたて、その進捗を管理します。

WBSの種類は「プロセス軸」と「成果物軸」の2つです。一般的には、下記のようにWBSの種類を使い分けます。

  • プロセス軸:人材開発のように成果物が曖昧で中長期のプロジェクト向け
  • 成果物軸:Webサイト制作のように成果物が明確で短期のプロジェクト向け

WBSとガントチャートの違い

WBSとガントチャートは、作成する目的が異なります。

プロジェクト管理においてよく使われるのが、進捗を管理する目的で横棒グラフ化されたガントチャートです。ガントチャートは横軸に日付(作業開始日・作業完了日)を、縦軸に作業工程やタスクを並べます。一方、WBSの作成目的はプロジェクト最終目標までの作業工程を明確にし、それぞれの作業を管理可能なタスクに分割することです。

つまりガントチャートを正確に作成したい場合には、作業工程とそれぞれのタスクのリスト、つまりWBSが必要になります。この関係性が、WBSとガントチャートを併用するプロジェクト管理ツールが多数存在する理由です。

WBSツールを導入するメリット

WBSツールをプロジェクト管理に導入すると、実際にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではWBSツール導入の3つのメリットをご紹介します。

プロジェクトのスケジュール管理ができる

WBSツールを導入すると、プロジェクトの遅延を未然に防ぐ効果が期待できます。洗い出した工数が正確であれば、成果物の納品日から逆算してスケジュールを組むことが可能です。

WBSツールで洗い出した作業工程とそれぞれのタスクのリストをガントチャートに組み込むことで、プロジェクトのスケジュールを緻密に管理できるようになるでしょう。

WBSツールは、納期管理から予実の精度を向上させるといった使い方ができる点もメリットです。

必要なタスクを可視化できる

WBSツールによって、プロジェクト全体のタスク階層を構造的に把握できるようになります。「Aが終わるとBをスタートできる」「AとCは同時進行できる」など、優先順位や依存関係を可視化できるようになるのです。

WBS展開により、より効率的にタスクを洗い出せるので、必要なタスクの抜けモレを防止できます。さらに、それぞれのタスクの担当者や期日を明確にすることで、誰が見ても把握しやすく、確認モレなどのうっかりミスによる遅延を防げるようになるでしょう。

なおWBSツールによるタスクの可視化は、プロジェクトのみならず、社内業務の効率化にも使える機能です。

作業の進捗状況を管理できる

WBSとガントチャートを併用すれば、さまざまな作業の進捗状況をリアルタイムで把握できるようになります。正確にプロジェクト全体と個別のタスクの進捗状況を管理できるようになるほか、手間のかかる小さな作業の工数や進捗管理もスムーズに進められる点がWBSツール導入のメリットです。

突発的な問題が発生した場合も、速やかにリソースを確認し、作業の再割り振りやリスケジュールを行えるでしょう。

WBSツールを選ぶポイント

プロジェクトやタスク管理を支援するWBSツールには数多くの選択肢があり、自社に合ったツールを絞り込む作業は容易ではありません。そこで、ここではWBSツールの選定ポイントを4つご紹介します。

誰でも使いやすいツールか

プロジェクトを円滑に進めるためには、メンバー全員が使いやすいユーザーインターフェースであり、直感的に操作できることが重要な選定ポイントです。中には「初心者専用」をうたっているクラウド型ツールもあります。

各メンバーのITリテラシーや業種・業界を問わず、誰もが安心して使えるWBSツールを選んでください。マニュアルを参照しなくても基本操作が可能で、作業時に疲れにくいツールが望ましいでしょう。

必要な機能は揃っているか

WBSツールには、タスクの細分化・構造化のほか、作業工数や進捗状況の管理などの機能が搭載されています。プロジェクト進行に必須のコミュニケーション機能も含まれていることが多いです。ガントチャート作成やビューの切り替えで、視覚的なプロジェクト管理を支援するWBSツールもあります。

高度な機能やセキュリティが搭載されていれば料金も高額になるために、自社のプロジェクト規模などを考慮し、必要十分な機能が揃っているツールを選ぶようにしましょう。

自社に合った料金プランがあるか

WBSツールはクラウド型で提供されており、初期費用は無料、あるいはオンプレミス型より少なくすみますが、継続的に課金される仕組みです。ユーザー単位での課金だと、プロジェクトによっては毎月かなりの料金が発生する可能性があります。プロジェクトごとにかかる料金をシミュレーションし、自社に合った料金プランがあるか確認することが重要です。

中には使える機能に制限があるものの、少人数向けに無料プランを提供しているWBSツールもあります。特に予算に限りのある個人・中小企業であれば、無料で使えるITツールを使いこなして生産性・効率を上げるのも一つの方法です。

無料トライアルやお試し期間はあるか

多くのWBSツールには無料トライアルやお試し期間を用意しています。機能や操作性が想定と異なると使いにくく、ツールの利用をチーム内で定着させることができません。すぐれたUIを搭載し、必要な機能が揃っていることが事前調査でわかっていても、念の為、小さなチームで実際の使用感を試してから本契約に進むのがおすすめです。

WBSツールのおすすめ10選

ここでは、WBSツールのおすすめ10選をご紹介します。それぞれのツールの特徴、料金や機能をまとめていますので、比較検討の参考にしてください。

Backlog

Backlogは、タスク管理のみならず、プロジェクト管理、コラボレーション、バージョン管理に使えるWBSツールです。タスクを設定する際に担当者・期日・作業内容を明確化し、さらにリスト化できるので、タスクの進行状況を一目で把握できます。

タスクを親課題と子課題に分け、関係性を把握できるほか、タスクの更新やコメントのたびに通知が届くので、チーム全体で進捗状況を把握できます。

機能とプラン概要
主な機能親子課題、課題ごとのコメント

ガントチャート、カンバンボード、ファイル共有、Wiki、バーンダウンチャート、Git / Subversionなど

無料トライアルあり

  • いずれのプランも30日間
  • 正式登録時にプランの選び直しも可能
無料プランあり

  • ユーザー数10
  • プロジェクト数1
  • ストレージ100MB
  • ガントチャート利用不可
有料プラン(月額料金、定額課金)
  • スターター 2,970円
  • スタンダー 17,600円
  • プレミアム 29,700円
  • プラチナ  82,500円

出典:Backlog

Brabio!

Brabio!は、工程表やスケジュール表をスピーディに作成できるWBSツールです。ガントチャートから、あるいはタスクリストからタスクを追加する際に、「タスク位置」を指定することでサブフォルダすることが可能です。タスクの担当者には外部ユーザーをアサインすることもできます。

タスクビューでは、進捗状況を示すアイコンがタスクの先頭に表示されるので、進捗管理も容易です。

機能とプラン概要
主な機能コメントメール、ファイル添付を含むタスク機能、ガントチャート作成、プロダクト横断ビューなど
無料トライアルなし
無料プランあり

  • ユーザー数5
  • 無制限のプロジェクト数
  • ストレージ50MB
有料プラン(月額料金、定額課金)
  • エントリー 3,300円(10ユーザーまで、1GB)
  • ミドルレンジ 33,000円(100ユーザーまで、1GB)
  • エンタープライズ 要カスタマイズ・問い合わせ

※ストレージの有料オプションあり

出典:Brabio!

Asana

Asanaは、Fortune100企業の8割から選ばれているWBSツールです。Asanaならタスクとサブタスクを順序立てたツリー構造にすることで、作業間の依存関係を見える化できます。タスクの担当者と責任範囲をリスト化できるので、必要に応じてタイムラインも容易に修正可能です。

機能とプラン概要
主な機能タスク管理、プロジェクト管理、ゴール管理とレポート機能、ワークフローとオートメーション、リソース管理
無料トライアルあり

  • 30日間
無料プランあり(パーソナル)

※タスク管理や個人的なTo-Do管理に最適

  • ユーザー数10
  • 無制限のプロジェクト数
  • 無制限のタスク、担当者と期限
  • 無制限のストレージ(100MB/ファイル)
有料プラン(月額料金、ユーザー単位課金)
  • スターター 1,475円
  • アドバンスト 3,300円
  • エンタープライズとエンタープライズ+は要問い合わせ

出典:Asana

Redmine

Redmineは、チーム全員がどこからでもブラウザを介して更新したり閲覧したりできるウェブアプリケーションです。無料で利用できるほか、プラグインで柔軟にカスタマイズできる点が強みですが、インストール作業やサーバの運用が必要になります。導入の手間をかけたくない方は、クラウドサービスのPlanioの利用を検討するとよいでしょう。

機能とプラン概要
主な機能チケット、ガントチャート、Wiki、バージョン管理システムの連携、フォーラム
無料トライアル無料(ダウンロード・インストールして利用するオープンソース・ソフトウェア)
無料プラン
有料プラン

出典:Redmine

Jira

Jiraは、もともと2004年にバグ追跡ツールとして豪州・アトラシアン社が開発したWBSツールです。リアルタイムに作業状況を把握できるほか、タスクの依存関係を表示したり、内部メモを残したりできます。IT部門のアジャイル開発向けによく利用されていますが、非IT部門でも契約書のステータス管理などに利用されているツールです。

機能とプラン概要
主な機能タスク管理、計画、リストビュー、カレンダー、スプリントとバックログ、タイムライン
無料トライアルあり

  • 7日間(スタンダードあるいはプレミアム)
無料プランあり

  • ユーザー数10
  • 無制限の目標、プロジェクト、タスク、フォーム
  • ストレージ2GB
有料プラン(月額料金、ユーザー単位課金)
  • スタンダード 990円
  • プレミアム 1,770円
  • エンタープライズ 要問い合わせ

出典:Jira

クラウドログ

クラウドログは、半自動で工数管理が行えるほか、プロジェクトごとに損益を見える化できるWBSツールです。赤字プロジェクトをリアルタイムで把握できるので、収支管理を強化したい場合に役立ちます。外部カレンダーや勤怠管理ツールと同期させて、業務効率化を加速させることも可能です。

ナレッジ管理はできないので、数百万〜3千万円未満規模のプロジェクトを管理する際に向いています。

機能とプラン概要
主な機能工数の登録・確認・分析、プロジェクトのタイムライン表示、損益管理など
無料トライアルあり

  • 7日間
無料プランなし
有料プラン
  • ベーシック 要問い合わせ
  • プレミアム 要問い合わせ

出典:クラウドログ

Wrike

Wrikeは、自動ワークフローと独自のリクエストフォームを駆使することで、重要なタスクにチームが集中できるWBSツールです。リソースの稼働状況を見える化できるので、タスク割り当て前に、納期に間に合うかどうかを確認できます。プロジェクトに合わせてタスクのステータスをカスタマイズできるので、共有されたステータスの状況からステージごとの進捗を効率よく管理できるでしょう。

機能とプラン概要
主な機能スペース、フォルダー、プロジェクト、タスク、サブタスク、カスタム項目タイプ、ダイナミックリクエストフォーム、テンプレートなど
無料トライアルあり

  • 14日間
無料プランあり

  • ユーザー数の上限なし
  • タスク管理、サブタスク管理、フォルダー階層
  • ストレージ2GB/アカウント
有料プラン(月額料金、ユーザー単位課金)
  • チーム $10
  • ビジネス $25
  • エンタープライズ 要問い合わせ
  • ピナクル 要問い合わせ

出典:Wrike

Planio

Planioは、個人でもRedmineを使えるように設計されたWBSツールです。タスク管理はPlanioのコア機能であり、ステータス、優先度、担当者、期日を明確に設定できます。さらにプロジェクト専用のメールアドレスにメールを送ったり、iPhoneアプリを使ったりすることで、外出先からでもタスクの作成・編集や管理が可能です。

機能とプラン概要
主な機能タスク管理&ワークフロー、アジャイルおよび伝統的なプロジェクト管理、ナレッジマネジメント、コミュニケーションなど
無料トライアルあり

  • 30日間
無料プランあり(ブロンズ)

  • ユーザー数2
  • プロジェクト数1
  • ストレージ1GB
有料プラン(月額料金、定額課金)
  • スターター 2,900円
  • スタンダー 5,900円
  • プレミアム 10,500円
  • プラチナム  22,500円
  • エンタープライズ 47,000円

出典:Planio

Stock

Stockは、Stock内で情報を書き留める「ノート」に紐づくタスクと紐づかないタスクを使い分けることで、柔軟なタスク管理ができるWBSツールです。ノートに紐づけてあれば、タスクに関連するメモや資料を探す手間を省けるようになります。ノートに紐づかないタスクは、「経費精算をする」など個人的なリマインダーとして使えるでしょう。

通知設定やリスト形式でタスク一覧を表示し検索できる機能も、業務効率化に役立ちます。

機能とプラン概要
主な機能タスク管理、社内の情報ストック、メッセージ
無料トライアルあり

  • 30日間(ビジネスプラン、エンタープライズプラン)
無料プランあり

  • 累計20回のノート作成まで
  • 無制限のメンバー数
  • ストレージ1GB
有料プラン(月額料金、定額課金)※ビジネスプランあるいは管理・セキュリティを強化できるエンタープライズプランから選択

  • ビジネス5 2,500円(5ユーザーまで、50GB)
  • エンタープライズ5 5,000円(5ユーザーまで、100GB)

出典:Stock

Notion

Notionは、規模の大小を問わず、さまざまなプロジェクトに対応できるWBSツールです。チャートで進捗状況を見える化できるほか、チームの特性に合った優先度ラベルやステータスタグを作成したり、全てのタスクをテーブルにまとめたりすることで、抜けモレを防止できます。

情報の絞り込みと並べ替え機能を使えば、複雑なプロジェクトも適切に細分化できるでしょう。

機能とプラン概要
主な機能タスクとサブタスク、依存関係、マイタスク、プログレスバー、データベースビューなど
無料トライアルあり

  • 30日間(プラスプラン)

※ビジネスプランまたはエンタープライズプランは要問い合わせ

無料プランあり

  • ページとブロック 個人は無制限
  • 7日間のページ履歴
  • 10名のゲストを招待可能
有料プラン(月額料金、ユーザー単位課金)
  • プラス 2,000円
  • ビジネス 3,000円
  • エンタープライズ 要問い合わせ

出典:Notion

Microsoft Project

Microsoft Projectは、全体、グループ、タスクで進捗を把握できるWBSツールです。Excelと同じような感覚で作業でき、「概要タスク/コンテナータスク」には予想工数、リソース、計画された開始日・終了日や期間といった詳細を管理できる「リーフノードタスク」を保存できます。インデントを作成すれば、WBSの階層構造も簡単に作成可能です。

機能とプラン概要
主な機能タスク管理、動的スケジューリング、ビジネスインテリジェンス
無料トライアル1か月間(ユーザー数25人まで)
無料プランMicrosoft PlannerはMicrosoft 365に含まれる
有料プラン(月額料金、定額課金)
  • サブスク型 planner1 1,499円〜
  • 買い切り型 Project Standard 2024 120,780円〜

出典:Microsoft Project

WBSツールを導入する際の注意点

WBSツールは、個々の作業工程に必要な期間や工数を把握する際に向いていますが、近い将来に発生する作業は分析しにくい面があります。作業を明確にすることは重要ですが、一方で情報が不足している時点で曖昧な作業を分解しても、実際の作業時にかなりのズレが生じるかもしれません。

そこで現時点で不明確なタスクはあえて確定せず、進捗を見ながら少しずつ細分化するといった配慮が必要です。さらに計画と実際の作業にズレが生じた場合に備えて、柔軟に対応できるようプロジェクト全体にバッファ(予備期間)を設けておきましょう。

またWBSを新規プロジェクトごとに作成するのではなく、類似のプロジェクトごとにテンプレート化しておくのがおすすめです。タスクの抜けモレを防止し、WBS作成の効率化にもつながります。

WBSツールはExcelで代用できる?

ツールの代わりに、ExcelでWBSの作成や管理を行えます。すでに社内で導入されていることが多いために、Excelの利用には新たなコストが発生せず、手軽にWBSを作成・管理できる点がメリットです。

Excelではマクロを用いて複雑な操作を自動化できる点もメリットですが、大規模プロジェクトでは管理が煩雑になるほか、情報共有がしにくく属人化しやすい点を押さえておきましょう。

Excelの場合、さまざまなテンプレートがインターネット上で公開されています。WBSに関連した無償・有償のテンプレートを比較し、必要な機能を知るといった使い方もおすすめです。

自社プロジェクトに合ったWBSツールを選ぼう

WBSツールごとに特徴が異なるために、十分な比較検討を行った上で、自社プロジェクトに合ったWBSツールを選択することが重要です。小規模プロジェクトを多数抱えているなら、無料で使えるWBSツールで十分かもしれません。チーム全員が使いやすいWBSツールを選んで、プロジェクトを成功に導きましょう。


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