• 作成日 : 2025年3月3日

エクセルで平均を出す方法の基本と応用

エクセルを使用することで、数値データの平均を簡単に求めることができます。基本的な平均の算出方法から、離れたセルや異なるシートを参照した平均値の計算、更にはゼロを除外して平均を求めるテクニックまで、幅広く解説していきます。それぞれの手法を理解することで、エクセルをより効率的に活用できるようになります。さまざまなシチュエーションに対応できる技術を身に付けましょう。

エクセルで平均値を出す方法

エクセルで平均値を算出する手段は非常にシンプルで、初心者の方でもすぐにマスターできるものです。平均値は、特定のデータセット全体の傾向を理解する手助けとなるため、ビジネス分析や成績管理など多くの場面で利用されます。ここでは、手順を分かりやすく説明いたします。

エクセルで平均値を求めるために最も一般的に用いられる関数は「AVERAGE(アベレージ)関数」です。この関数は、指定したセル範囲の平均を計算します。まずは、この基本的な使い方を見ていきましょう。

AVERAGE関数の基本的な使い方

AVERAGE関数は、次のような形式で使用されます。

=AVERAGE(数値1, 数値2, …)

ここで「数値1, 数値2,…」には、平均を求めたい数値やセル範囲を指定します。例えば、もしA1からA10までのセルに数値が入力されている場合、次のように入力します。

=AVERAGE(A1:A10)

この式をセルに入力すると、A1からA10までの数値の平均が算出されます。具体的な手順を以下に示します。

手順

  1. エクセルを開き、計算結果(平均値)を表示したいセルを選択します。
  2. 選択したセルに「=AVERAGE(」と入力します。
  3. 平均を求めたいセル範囲(データが入っている範囲)をドラッグで選択し、閉じ括弧「)」を追加します。
  4. Enterキーを押して、平均値を表示させます。

この方法を用いれば、非常に簡単にデータの平均を出すことができます。さらに、入力した数値や範囲が変更された場合、平均値も自動的に更新されるので、手間がかかりません。

AVERAGE関数の注意点

AVERAGE関数を使用する際には、いくつかの注意点があります。例えば、空白のセルは自動的に無視されますが、文字列(アルファベットや記号などの文字データ)が含まれると計算に影響を与えることがあります。また、数値として認識されていないデータ(見た目は数字でも、実際は文字列として扱われている場合)が含まれる場合、予期しない結果をもたらすことがあります。そのため、入力データが正確であるかどうかを事前に確認することが大切です。

以上が、エクセルで平均値を計算するための基本的な手法です。この機能を活用することで、データ分析や報告書の作成がスムーズに行えるようになるでしょう。

エクセルで離れたセルや離れたシートを参照して平均値を出す方法

エクセルでは、離れたセルや異なるシートにあるデータをもとに平均値を計算することが可能です。これにより、データが散在している場合でも、スムーズに集計ができるようになります。

まず、離れたセルを参照して平均値を出す基本的な方法から説明します。平均値を求めるには、AVERAGE関数を使用します。この関数は、指定したセルの値の平均を計算する役割を持っています。

離れたセルを参照する方法

複数の離れたセルの値を平均するには、次のステップに従ってください。まず、AVERAGE関数を用いて、対象となるセルを半角カンマ(,)で区切って指定します。

具体的には、次のような式を入力します。

=AVERAGE(A1, C1, E1)

この例では、A1、C1、E1のセルにある数値の平均を計算します。必要なセルを追加する場合は、半角カンマで続けて指定することができます。

離れたシートのセルを参照する方法

次に、異なるシートにあるデータを参照する場合の方法を見ていきましょう。シート名を記載することで、特定のシートからデータを取得できます。

例えば、Sheet2のA1からA10までのデータの平均を算出する場合、次のように入力します。

=AVERAGE(Sheet2!A1:A10)

ここで、Sheet2はシートの名前で、「!」以降に続く部分がセルの範囲になります。このように指定することで、異なるシートの値を用いて平均を求めることができます。

なお、シート名にスペースや記号(例:ハイフン「-」、括弧「()」など)が含まれている場合は、シート名を「’◯◯’」のようにシングルクォーテーションで囲む必要があります。例えば、次のようになります。

=AVERAGE(‘Sheet 2’!A1:A10)

このようにして、エクセルでは離れたセルや異なるシートにあるデータを使って、手軽に平均値を算出することが可能です。これにより、データの集約が効率的に行えるようになります。

エクセルでゼロを除外して平均値を出す方法

エクセルでゼロを除外して平均値を計算する方法は、特定のデータ分析において非常に有用です。なぜなら、ゼロがデータの分布に影響を与え、正確な平均値を求める際に誤解を招くことがあるからです。この章では、ゼロを除外して平均値を求める具体的な手順を説明します。

AVERAGEIF関数を使用する方法

平均値を計算する際、エクセルには便利な関数が用意されています。その中でも、AVERAGEIF関数は特定の条件に応じて平均値を算出できるため、ゼロを除外したい場合に最適な選択肢です。

AVERAGEIF関数の基本的な構文は以下の通りです。

=AVERAGEIF(範囲, 条件, [平均範囲])

ここで、範囲は条件を評価するセル範囲、条件はどの値を除外するかを指定するもの、平均範囲は平均を算出するセル範囲を指します。

具体的な手順は次のようになります。

  1. まず、AVERAGEIF関数を入力するセルを選択します。
  2. 次に、数式を入力します。例えば、A1からA10までの範囲でゼロを除外して平均を求める場合、以下のように入力します。
  3. =AVERAGEIF(A1:A10, “<>0”)
  4. 最後に、Enterキーを押して計算を実行します。すると、ゼロを除外した平均値が表示されます。

配列数式を使用する方法

もう一つの方法として、配列数式を使う方法もあります。これは少し高度な方法ですが、特に複雑な条件(例:負の数も除外するなど)に基づいて平均値を求めたい場合に有効です。

配列数式を用いた場合の構文は次の通りです。

=AVERAGE(IF(A1:A10>0, A1:A10))

この数式では、IF関数(条件に応じて異なる値を返す関数)を使用して、条件を満たす数値の平均を算出します。以前のExcelでは、数式を入力した後に「Ctrl + Shift + Enter」(Macの場合は Command + Shift + Enter )を押して配列数式として認識させる必要がありましたが、現在のExcel(Excel 2019以降やMicrosoft 365)では、動的配列数式(Dynamic Array Formula)という機能が導入されたため、Enterキーを押すだけで自動的に配列数式として認識されるようになりました。なお、Web版やMac版でも、この動的配列数式が利用できますが、一部の機能や操作方法が異なる場合があります。

以上の方法を利用することで、エクセルでゼロを除外した平均値を簡単に算出することができます。データ分析の精度を高めるために、ぜひ活用してみてください。

まとめ

エクセルを用いた平均値の算出は、データ分析において極めて重要なスキルです。この記事で紹介した方法を活用すれば、特定の範囲や条件に基づく平均値を簡単に導き出すことができます。たとえば、離れたセルやシートを参照したり、特定の値を除外したりすることで、より正確なデータ分析が可能になります。これにより、ビジネス上の意思決定を支える堅実なデータを得ることができるでしょう。エクセルを活用して、ぜひ効果的なデータ管理を実践してください。


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