• 作成日 : 2025年3月3日

LEFT関数とRIGHT関数の使い方をわかりやすく解説

ExcelやGoogleスプレッドシートでデータを扱う際、LEFT関数とRIGHT関数は非常に便利なツールです。これらの関数を使用することで、文字列の先頭や末尾から特定の文字数を抽出することができ、データの整理や加工がスムーズに行えます。特に大量のデータを扱うビジネスシーンでは、情報を効率的に管理するために欠かせないスキルとなります。本記事では、LEFT関数とRIGHT関数の基本的な使い方から、実際の業務での活用シーン、さらには他の関数との組み合わせによる応用方法まで、幅広く解説していきます。

LEFT関数とRIGHT関数の使い方

LEFT関数とRIGHT関数は、テキストデータを扱う上で非常に便利な機能です。これらの関数は、文字列の左側または右側から指定した文字数分だけ取り出すことができるため、データの整形や抽出に役立ちます。

LEFT関数は、特にテキストの最初の部分を取得したいときに使用します。例えば、顧客の名前が「田中太郎」である場合、LEFT関数を使って「田中」だけを取り出すことができます。一方、RIGHT関数は、テキストの最後の部分を取り出す機能を提供します。たとえば、製品コードが「ABC123」である場合、RIGHT関数を用いることで「123」を取得できます。

ただし、Web版やMac版では、これから紹介する機能や操作方法、関数の使い方に若干の違いがある場合がありますのでご注意ください。

LEFT関数の基本的な使い方

LEFT関数を使用する際は、以下の基本的な構文に従います。=LEFT( 文字列,  文字数)と表現し、文字列には対象の文字列を、文字数には取り出したい文字数を指定します。

例えば、A1セルに「こんにちは」と書かれているとき、=LEFT(A1, 3)と入力すれば、結果は「こん」となります。このように、LEFT関数は特定の位置から始まる部分文字列を簡単に取得できます。

RIGHT関数の基本的な使い方

RIGHT関数も同様に使用しますが、構文はRIGHT(文字列, 文字数)となります。これにより、文字列の右端から指定した文字数を切り出すことができます。

たとえば、B1セルに「データ分析123」と入力されている場合、=RIGHT(B1, 3)と記入すると、「123」を取り出すことができます。RIGHT関数を活用することで、文字列の後ろから必要な情報を引き出すことができるため、様々なデータ操作の場面で役立ちます。

LEFT関数とRIGHT関数は、シンプルでありながら非常に強力な機能です。これらを使いこなすことで、日々の業務やデータ分析が格段に効率的になりますので、ぜひ実際のデータで試してみてください。

LEFT関数とRIGHT関数の活用シーン

LEFT関数とRIGHT関数は、特にデータの整理や情報の抽出に役立ちます。これらの関数を利用することで、テキストデータから特定の部分を簡単に切り出すことが可能になり、多様なシーンで応用されています。

データのフォーマット整理

ビジネスシーンでは、顧客の名前や住所などのデータが多くを占めます。LEFT関数を使用することで、例えば顧客名から姓だけを取り出すことができます(例えば「田中 太郎」から「田中」)。一方、RIGHT関数は郵便番号の末尾からの数字を抽出する際に非常に便利です(例:「〒123-4567」から「4567」)。これにより、データの整形や分析作業がスムーズに進むことが期待できます。

コードやIDの管理

多くの企業では、製品コードや社員IDのような多数の識別情報が扱われています。ここでLEFT関数を利用すると、特定の桁数分のコードの先頭を取り出して、カテゴリ分けや一時的なフィルタリングを行うことができます(例えば、「A12345」から「A1」)。また、RIGHT関数を用いると、商品番号の末尾を抽出し、グループ化することが簡単になります(例:「B789012」から「012」)。

レポート作成やプレゼン資料

データ分析の結果をレポートにまとめたり、プレゼンテーション資料を作成する際にも、これらの関数は役立ちます。例えば、特定のデータポイントを強調したい場合、LEFT関数でテキストの一部を取り出して、グラフの説明文に利用することができます(例:「売上100万円達成!」を「売上」だけ取り出して説明文に使う)。これによって、視覚的に分かりやすい資料を作成することができます。

業務効率の改善

LEFT関数やRIGHT関数を駆使することで、業務プロセスの効率が向上します。例えば、データ入力時に必要な情報を自動的に抽出することができれば、手作業によるミスも減少し、作業時間を削減することが可能です。このように、関数を利用することは、業務のスピードアップに繋がります。

LEFT関数とRIGHT関数で複数条件を指定する方法

ExcelのLEFT関数やRIGHT関数を「複数の条件に応じて」使い分けたい場合は、通常「IF関数」や「AND関数」「OR関数」と組み合わせて書式を動的に変える手法を用います。
ここでは代表的なパターンをいくつか取り上げ、具体的な数式例とともに解説します。

IF関数と組み合わせて文字数を変える

目的例

  • セルA1の値が「営業」または「販売」のときは、セルB1の左から3文字を取り出す。
  • それ以外の場合は、セルB1の左から5文字を取り出す。

数式例

=IF(OR(A1=”営業”, A1=”販売”), LEFT(B1,3), LEFT(B1,5))

ポイント

  1. OR関数で「A1が営業または販売」の複数条件を判定しています(OR関数:複数の条件のいずれかが満たされる場合に真となる論理関数です)。
  2. IF関数の真の場合と偽の場合で、LEFT関数で取り出す文字数を変えています(IF関数:条件に応じて異なる結果を返す関数です)。

IF関数 + AND関数で条件を厳密に指定

目的例

  • A1が「対象」、かつB1が「100より大きい」場合は、セルC1の右から4文字を取り出す。
  • A1が「対象」でB1が「100以下」の場合は、セルC1の右から2文字を取り出す。
  • それ以外の場合は「該当なし」と表示する。

数式例

=IF(

AND(A1=”対象”, B1>100),

RIGHT(C1,4),

IF(

AND(A1=”対象”, B1<=100),

RIGHT(C1,2),

“該当なし”

)

)

ポイント

    1. AND関数で複数の条件(A1=”対象” かつ B1>100)を組み合わせています(AND関数:すべての条件が満たされる場合に真となる論理関数です)。
    2. さらにIFの「偽」の部分でもIFを入れ子(ネスト)にして、別の条件を判断しています(入れ子:ある関数の中に別の関数を使うこと)。

IF関数を段階的に分岐させる

目的例

  • セルA1が「Apple」の場合:セルB1の左から2文字を取得
  • セルA1が「Banana」の場合:セルB1の右から3文字を取得
  • どちらでもない場合:「不明」と表示

数式例

=IF(

A1=”Apple”,

LEFT(B1,2),

IF(

A1=”Banana”,

RIGHT(B1,3),

“不明”

)

)

ポイント

  • 条件分岐を段階的(多段IF)にして、条件に応じてLEFTまたはRIGHTを切り替える例です(多段IF:IF関数を複数回入れ子にして使うこと)。

LEFT/RIGHTで動的に取り出す「文字数」をIFで制御

目的例

  • セルC1が 1000 より大きい場合は、セルD1から右5文字を取得
  • それ以外の場合は、セルD1から右3文字を取得

数式例

=RIGHT(D1, IF(C1>1000, 5, 3))

ポイント

  1. RIGHT関数の「文字数」部分に IF関数 を直接指定しているため、条件に応じて文字数を変化させることができます(このように、IF関数を使って動的に数値を制御する方法は、非常に効率的です)。
  2. この形式はシンプルで見やすいため、条件が多くない場合に有効です。

LEFT関数やRIGHT関数と組み合わせると便利な関数

LEFT関数やRIGHT関数は、文字列の特定の部分を抽出する非常に便利な機能ですが、他の関数と組み合わせることでその効果をさらに引き出すことができます。特に、これらの関数と相性の良い組み合わせの関数を理解することで、データの処理や分析が格段に効率的になります。

1. LEN関数との組み合わせ

LEN関数は文字列の長さを取得する関数です。これを使うと、LEFTやRIGHTで取得する部分を動的に調整できます。

例:

文字列「ABCDE」の最後から3文字を取得する例:

=RIGHT(A1, LEN(A1) – 2)

解説:

  • LEN(A1)で文字列「ABCDE」の長さ(5)を取得。
  • LEN(A1) – 2で取得したい文字数(3)を計算。
  • RIGHTで右側から3文字を取り出します。

2. MID関数との組み合わせ

MID関数は、文字列の指定した位置から、指定した長さ分の文字列を抽出します。これにより、LEFTやRIGHTでは抽出できない特定の位置の文字列を取得可能です。

例:

文字列「ABCDE」の2文字目から3文字を取得する例:

=MID(A1, 2, 3)

解説:

  • A1の文字列「ABCDE」の2文字目から、3文字分を取得します。
  • LEFTやRIGHTで一部を切り取った後、MIDを組み合わせることでさらに細かい抽出が可能です。

3. FIND関数との組み合わせ

FIND関数は、文字列内で特定の文字や部分文字列の「開始位置」を取得します。位置は1から始まります(0ではなく、1から数えます)。これを使うことで、LEFTやRIGHTで柔軟な文字列抽出が可能になります。

例:

文字列「商品:12345」から商品番号「12345」を抽出する例:

=RIGHT(A1, LEN(A1) – FIND(“:”, A1))

解説:

  1. FIND(“:”, A1)で「:」の位置(6)を取得。
  2. LEN(A1) – FIND(“:”, A1)で「:」以降の文字数を計算。
  3. RIGHTで右側からその文字数分を抽出。

4. TRIM関数との組み合わせ

TRIM関数は、文字列内の余分なスペースを取り除きます。LEFTやRIGHTで抽出した文字列が余計なスペースを含む場合に役立ちます。

例:

文字列「 ABCD 」から先頭の3文字を取得する例:

=LEFT(TRIM(A1), 3)

解説:

  • TRIM(A1)で余分なスペースを取り除いた「ABCD」を取得。
  • LEFT(…, 3)で先頭の3文字「ABC」を抽出。

5. SUBSTITUTE関数との組み合わせ

SUBSTITUTE関数は、文字列内の特定の文字や部分文字列を置き換えます。これにより、LEFTやRIGHTで抽出する前に文字列を整理できます。

例:

文字列「123-456-789」から最初の区切り「-」の前の文字列「123」を抽出する例:

=LEFT(A1, FIND(“-“, A1) – 1)

解説:

  1. FIND(“-“, A1)で最初の「-」の位置(4)を取得。
  2. FIND(“-“, A1) – 1で「-」の前の文字数(3)を計算。
  3. LEFTで先頭からその文字数分を抽出。

6. VALUE関数との組み合わせ

VALUE関数は、文字列として認識されている数字を実際の数値に変換します。これにより、LEFTやRIGHTで抽出した部分を、計算や数値として扱うことができるようになります。

例:

文字列「価格:1000円」から数値「1000」を抽出する例:

=VALUE(MID(A1, FIND(“:”, A1) + 1, LEN(A1) – FIND(“:”, A1) – 1))

解説:

  1. FIND(“:”, A1)で「:」の位置(4)を取得。
  2. MID(A1, FIND(“:”, A1) + 1, …)で「:」以降の数値部分「1000」を抽出。
  3. VALUE(…)で文字列「1000」を数値に変換。

LEFT関数とRIGHT関数はスプレッドシートでも使える?

LEFT関数とRIGHT関数は、スプレッドシートでも利用できます。これにより、データの加工や分析がより効率的になるため、特にデータ管理や集計作業において重要な役割を果たしています。

まず、スプレッドシートにおけるLEFT関数とRIGHT関数の基本的な使い方を解説します。LEFT関数は、指定した文字列の左側から指定された数の文字を抜き出す関数です。一方、RIGHT関数は文字列の右側から文字を抜き出します。これらの関数は、Googleスプレッドシートやその他多くのスプレッドシートアプリケーションで共通して利用可能です。

スプレッドシートでのLEFT関数の使い方

スプレッドシートでLEFT関数を使用するには、次のように入力します。

  1. A1セルに「データ分析」と入力し、B1セルに次の数式を入力します:=LEFT(A1, 4)
  2. この数式は、A1セルの文字列から左側の4文字を取り出し、「データ」という結果が得られます。

スプレッドシートでのRIGHT関数の使い方

RIGHT関数も同様に簡単に使えます。例として、A1セルに「2023年10月」と入力し、B1セルに次の数式を入力します:=RIGHT(A1, 2)とすると、結果は「月」となります。このように、必要な情報をスマートに取り出すことが可能です。

スプレッドシートで両関数を活用するメリット

データの分析や管理において、LEFT関数とRIGHT関数は大変便利です。例えば、商品コードの先頭や末尾の特定の文字を抽出する場合、これらの関数を使うことで、効率的に作業を行うことができます。加えて、数値や文字列の整形が容易になり、見やすいデータ作成が可能となります。

このように、スプレッドシートでもLEFT関数とRIGHT関数を利用することで、データ処理がシンプルかつ効果的に行われます。特にデータベースやリストを扱う場合、これらの関数は不可欠なツールとなるでしょう。

まとめ

LEFT関数は、文字列の先頭から指定した文字数を抽出できる非常に便利な関数です。データの整理や分析において、特に複雑な情報をシンプルに扱うための必須ツールとなります。RIGHT関数との組み合わせや、他の関数との連携によって、さらなる活用の幅が広がります。また、スプレッドシートでも利用可能で、業務の効率化に貢献します。このように、LEFT関数を活用することで、データ処理の精度を向上させ、意思決定のスピードを加速させることができます。


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