- 更新日 : 2024年12月12日
ガントチャート工程表とは?違いや無料テンプレートも
ガントチャート工程表は、各工程における作業の進捗状況を一目で把握するための工程表です。主に建設業界で用いられており、タスクやプロジェクトの進捗管理・顧客に対するスケジュールの説明など幅広いシーンで活躍します。
今回は、ガントチャート工程表の概要から、ガントチャート工程表を作成するメリット・デメリット、さらに作成手順とコツまで詳しく紹介します。プロジェクトの進捗管理をより円滑に行いたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ガントチャート工程表とは?
ガントチャート工程表とは何かを理解するにあたっては、「ガントチャート」と「工程表」の理解が欠かせません。
ガントチャート(Gantt Chart)とは、プロジェクトにおける作業工程や進捗状況を棒グラフで視覚化したチャートです。縦軸(Y軸)にはタスクや担当者、開始日・終了日などを、横軸(X軸)には進捗率を記入するのが一般的となっています。そして工程表とは、工事・プロジェクトなどのスケジュールや工数、進捗状況をまとめた表です。
つまり、ガントチャート工程表は、建設や工事などの現場において各工程の作業進捗を把握するための工程表です。
ガントチャート工程表の特徴
ガントチャート工程表は、縦軸に表示される項目がプロジェクトやケースごとに異なる一方で、横軸には基本的に日・週といった期間のほか、各タスクの進捗率を示す進捗度が%単位で表示されることが特徴です。
また、ガントチャート工程表はプロジェクト全体の可視化や情報共有、さらにタスクの整理といった役割を果たしています。
バーチャート工程表との違い
ガントチャート工程表と混同されがちな工程表の種類として、「バーチャート工程表」が挙げられます。
バーチャート工程表も、ガントチャート工程表と同様にプロジェクトの進行状況を棒グラフで示した図であり、建設業や製造業における進捗管理に用いられます。主に縦軸には作業項目を、横軸には日付を記入し、予定工数を分かりやすく示すものとなっています。
ガントチャート工程表とバーチャート工程表の大きな違いは、その目的にあります。ガントチャート工程表は作業の進捗状況の把握が主な目的となるのに対し、バーチャート工程表は作業にかかる必要な日数や工程を把握するのが目的です。進捗管理に適しているのは、ガントチャート工程表となります。
ガントチャート工程表の無料テンプレート
ガントチャート工程表を用いて正しく進捗管理を行うためには、縦軸と横軸に必要な項目が記載された表をまず作成することが不可欠です。こうした表の作成に慣れていない方は、テンプレートを利用することをおすすめします。
マネーフォワード クラウドでは、ガントチャート工程表のテンプレートも取り扱っています。無料でダウンロードできるため、ぜひお気軽にご利用ください。
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ガントチャート工程表のメリット
建設・製造の現場でガントチャート工程表を作成することには、多くのメリットがあります。下記は、ガントチャート工程表を作成する主な3つのメリットです。
ガントチャート工程表を作成すれば、プロジェクト全体の作業内容や流れ、さらに各工程の進捗状況をメンバー間で共有しやすくなります。業者同士が双方の進捗度合いを具体的に把握することで、さらなる連携の強化にもつながるでしょう。
ガントチャート工程表で進捗状況を可視化することで、進捗を妨げている問題やトラブル・課題を迅速に特定できるようになります。早期の対応・対策を講じやすくなり、工期の遅延を未然に防ぐ効果も期待できます。
ガントチャート工程表は、タスクや日時を記載したシンプルな構造となっており、専門知識がなくても比較的簡単に作成できます。パソコンでの表作成の経験がない方でも、テンプレートを活用すればすぐにガントチャート工程表を用いた進捗管理が行えます。 |
ガントチャート工程表のデメリット
ガントチャート工程表にはメリットだけでなくデメリットもあります。ここでは、ガントチャート工程表の主な3つのデメリットを紹介します。
ガントチャート工程表は進捗管理表として優れていますが、工数の把握にはあまり適していません。あくまでも進捗管理に特化した工程表であるため、作成したガントチャート工程表のみを参考にスケジュールを進めると工期遅れをはじめとしたトラブルが起こりやすくなる点に注意が必要です。
ガントチャート工程表は各々の作業進捗を共有することが主な目的となっており、構造も非常にシンプルです。メンバーごとのスケジュール把握には便利な反面、作業の関係性が見えにくくなっています。プロジェクトの規模が大きくなるほど、相互関係が複雑化することにも注意が必要です。
建築や工事の現場では、天候などの「予期しない要因」によって工期が延びることも多々あります。こうした現場のズレやトラブルに合わせて、ガントチャート工程表も都度組み直さなければなりません。工程表の修正後は再度共有や打ち合わせが必要で、時間と手間を要する点に注意が必要です。 |
ガントチャート工程表を作成できるツール
ガントチャート工程表の作成に適したツールとしては、Excel(エクセル)や工程管理ソフトが挙げられます。
Excelは幅広い業界で利用されている代表的なビジネスツールで、汎用性に優れていることが特徴です。ガントチャート工程表のExcelテンプレートも多く出回っており、初心者の方でも簡単に作成できます。
より扱いやすく見やすいガントチャート工程表を作成したいなら、建築業向けの工程管理ソフトを利用するのが得策です。工程管理ソフトの導入には費用がかかるものの、Excelに比べて機能性・操作性に優れており、進捗管理の手間を大幅に削減できます。
ガントチャート工程表の作成方法
ガントチャート工程表を作成する際は、必要な作業を洗い出した後、作業の期日と作業者を決定し、それらをガントチャート工程表に落とし込む必要があります。この流れは、テンプレートを使用して作成する場合においても同様です。
ここからは、ガントチャート工程表の作成方法を3ステップに分けて分かりやすく解説します。
必要な作業を洗い出す
ガントチャート工程表を作成する前に、まずはプロジェクトの遂行に必要な作業を洗い出します。
このとき、「基礎工事」や「内装工事」など大枠のタスクを列挙する方も少なからずいます。実際に、大枠のタスクはプロジェクト全体を大きく前進させるものではあるものの、それらを達成するためには「掘削作業」や「電気配線」といった細かなタスクの積み重ねが重要です。
したがって、まずは大枠のタスクを挙げてから、そのタスクを達成するために必要となる細かなタスクには何があるのかを考えると良いでしょう。
作業の期日と作業者を決める
必要な作業を洗い出した後は、各作業の期日と作業担当者を順に決定します。
各作業の期日を決める際は、洗い出した作業にかかる時間は余裕をもって見積もり、作業の依存関係を明確にした上で適切な作業計画を検討することがポイントです。
また、プロジェクト進行における重要な節目やプロジェクト全体の進捗に大きな影響を与える作業の流れを見極めるためにも、マイルストーンとクリティカルパスを設定して計画の要点を明確にしておくと良いでしょう。
ガントチャート工程表に内容を落とし込む
作業の期日と作業者が決まったら、ガントチャート工程表の作成を進めていきます。
基本的に縦軸にはプロジェクトの各タスクや担当者を、横軸には時間軸や進捗率といった項目を配置しますが、状況によっては縦軸に時間軸や進捗率を配置するケースもあります。縦軸・横軸にどのような項目を配置しなければならないかの決まりはないため、状況に合わせて見やすさを重視した配置にしましょう。
また、ガントチャート工程表に内容を落とし込む際は、各タスクの関連性を意識して配置することがポイントです。工程表を見た誰もが一目で依存関係を理解できるよう、タスク同士の関連性にもとづいて階層分けを行いましょう。
ガントチャート工程表を作成するコツ
最後に、ガントチャート工程表を作成する際のコツを3つ紹介します。
必要な作業を洗い出す際はタスクを細分化することが大切ですが、工程数を増やしすぎるとその分更新すべき項目が増え、作業者の負担も増加してしまいます。同じ作業者によって短時間で行われるタスクは、できる限り細分化せずにまとめましょう。
建築現場においては、「A作業が終わらない限りB作業に着手できない」「B作業とC・D作業を並行したほうが効率が良い」など複数の作業が依存関係にあるケースもよく見られます。ガントチャートの特性上、複雑に関連し合う作業の把握・管理は難しくなっています。 そのため、あらかじめ作業の依存関係を明確にした後はできる限り階層分けを行うとともに、関連タスクを色で分けて可視化することがポイントです。
ガントチャート工程表は、進捗管理の正確化のほか効率化も主な目的となります。しかし、進捗管理を重視するあまり工程表の作成や運用・管理業務についつい時間をかけすぎてしまい、かえって効率が悪くなるケースも珍しくありません。 ガントチャート工程表の作成・管理の効率化を図るには、専用ツールの導入がおすすめです。 |
ガントチャート工程表で進捗管理の正確化・効率化を図ろう
ガントチャート工程表とは、建設・工事の現場において各工程の作業進捗を把握するための工程表です。タスクごとの進捗度合いを一目で把握できるほか、プロジェクト全体の可視化や情報・進捗のスムーズな共有、さらにタスクの適切な整理にも役立ちます。
ガントチャート工程表は、テンプレートを利用することでExcelでも簡単に作成できます。工程管理に特化した建設業向けの進捗管理ツールを1つ導入すれば、進捗管理のさらなる業務効率化を図れるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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