• 更新日 : 2024年10月17日

アンケートの4段階評価|5段階評価との違いやメリット・テンプレを紹介

アンケートには「はい」と「いいえ」で答えるものから、文章を入力して答えるものまでさまざまな回答形式があります。その中でも比較的回答しやすく、回答者の意見や行動などを測定する上で信憑性の高い回答が得られる回答形式がリッカート尺度を用いた4段階評価や5段階評価です。

当記事では、4段階評価や5段階評価の意味や違い、また用いるメリットとデメリットなどを解説します。

アンケートの4段階評価(4件法)・5段階評価(5件法)とは?

アンケートの4段階評価(4件法)・5段階評価(5件法)とは、回答者が意見や感情を表すための回答形式のことです。

4段階評価では、回答者は提供された4つの選択肢の中から最も適切だと思うものを選択します。「とても当てはまる」「やや当てはまる」「あまり当てはまらない」「全く当てはまらない」といった選択肢は4段階評価の代表的な例です。4段階評価には中立的な選択肢がなく、回答者は必ずポジティブまたはネガティブな回答をする必要があるのが大きな特徴となっています。

一方、5段階評価は4段階評価に「どちらとも言えない」といった中立的な選択肢を加えたアンケートです。通常は、選択肢の3番目に中立的な選択肢が置かれ、1・2と4・5の選択肢が対称になるように設定されます。

アンケートの設問形式「リッカート尺度」とは

リッカート尺度は、回答者の意見や認識・行動を測定する上で特に信頼性が高いアンケートの設問形式です。質問一つひとつに対して多段階の選択肢を用意したアンケート調査を実施し、回答者がどの程度同意するかを測定します。リッカート尺度には5段階評価や7段階評価が用いられるのが一般的です。回答者に多段階の選択肢を用意することにより、「はい」「いいえ」の2択では測定しにくい細かな意見などを収集しやすくなります。

リッカート尺度では、選択肢が多いほど回答結果を細かく分析できるものの、選択肢が多すぎると回答者の負担になり、真面目な回答を得にくくなるため注意が必要です。反対に、選択肢が少なすぎると回答の正確性は向上しやすいものの、細かな分析が困難になります。そのため、アンケートは5段階もしくは7段階が最もバランスが取りやすいと言えるでしょう。

アンケートの4段階・5段階評価の無料テンプレート

アンケートを初めて実施する場合、独自の様式を1から作成すると時間的なコストや手間がかかります。4段階・5段階評価のあるアンケートを作るときは、既存のテンプレートを利用すればスムーズに手間なく作成することが可能です。以下のリンクからテンプレートをダウンロードできるため、チェックしてみてください。

アンケート 4段階評価 のテンプレートはこちら

アンケート 5段階評価 のテンプレートはこちら

アンケートで4段階評価・5段階評価を用いるメリットとデメリット

4段階評価と5段階評価の大きな違いは、「どちらとも言えない」などの中立的な選択肢を取り入れるかどうかです。中立的な選択肢があるとないとでは、メリットとデメリットが少しずつ違ってきます。

アンケートで4段階評価・5段階評価を用いるメリットとデメリットをそれぞれ解説するので、アンケート実施の際の参考にしてください。

4段階評価を用いるメリットとデメリット

4段階評価を用いる場合のメリットとデメリットは以下の通りです。

  • 4段階評価を用いるメリット
  • 傾向を把握しやすい

4段階評価には中立的な選択肢がなく、回答者に必ずポジティブまたはネガティブな方向で答えてもらえます。回答データの白黒がはっきりするため、傾向を掴みやすい点が大きなメリットです。

  • 「どちらとも言えない」への回答の集中を避けられる

中立的な選択肢は心理的ハードルが低く、回答が集中しやすい傾向があります。中立的な選択肢に回答が偏り、回答結果の分析が難しくなるといった事態を避けられるのが4段階評価のメリットの1つです。

  • 4段階評価を用いるデメリット
  • 中立的な意見を把握できない

4段階評価では回答者にポジティブまたはネガティブな回答を強制するため、中立的な意見がどの程度あるかを確認できない点がデメリットと言えます。

5段階評価を用いるメリットとデメリット

5段階評価を用いる場合のメリットとデメリットは以下の通りです。

  • 5段階評価を用いるメリット
  • 4段階評価よりも回答しやすい

5段階評価では、良い・悪いに分類されない意見や感情もそのまま表現できるため、回答者の心理的負担を軽減しやすい点がメリットとなっています。

  • 分析結果の正確さが増す

5段階評価は、4段階評価と比較して集計や平均値の割り出しを正確に行いやすい点がメリットの1つです。

  • 5段階評価を用いるデメリット
  • 中立的な回答が集中する恐れがある

日本人は極端な回答を避ける傾向があるため、中立的な選択肢を用意すると中立意見に回答が集中し、データの分析・解釈が難しくなる可能性があります。

アンケートで4段階評価・5段階評価を選ぶ基準

アンケートは回答形式によって得られる分析結果も変わるため、回答形式ごとの特徴やメリット・デメリットを理解した上で適切なものを選ぶことが大切です。

4段階評価では、回答者が中立的な意見・感情を表現できないのが大きな特徴となっています。そのため、ポジティブあるいはネガティブに寄った明確な意見を把握したい場合は4段階評価を選ぶとよいでしょう。また、回答者が中立的な意見を持っていないことが想定されるトピックを扱う場合は、初めから中立の選択肢がない4段階評価を選ぶのがおすすめです。

中立的な回答を含む幅広い意見を収集・分析したい場合は、5段階評価が適していると言えます。中間層の意見も把握し、回答結果に生かしたいときにも、5段階評価をはじめとする選択肢が奇数のアンケートを実施するのがおすすめです。

アンケートの4段階評価・5段階評価の効果的な活用法

4段階評価・5段階評価は、さまざまなケースのアンケート調査で幅広く役立ちます。また、単純に「はい」「いいえ」を選択するアンケートよりもニュアンスのある意見や感情を確認できるのが魅力です。

以下では、アンケートの4段階評価・5段階評価の効果的な活用法として、具体的な例を4つ紹介します。

顧客満足度調査

顧客満足度調査では、リッカート尺度を用いたアンケート調査が頻繁に活用されています。自社の製品やサービス、行動、アイデアなどに対して、顧客の満足度、意見、意思を確認するためには4段階評価・5段階評価のアンケートの実施が適切です。

4段階評価・5段階評価で顧客満足度調査を行い、回答結果を収集・分析すれば、製品・サービスなどの改善点を特定できます。アンケートは匿名性が高いほど、顧客の正直な回答を集めやすくなるでしょう。

広告の効果測定調査

広告による消費者への影響を測定する際にも、4段階評価・5段階評価が役立ちます。例えば、「広告を見て商品に興味を持ちましたか?」という質問に対し、「はい」「どちらかと言えばはい」「どちらかと言えばいいえ」「いいえ」という回答を用意します。5段階評価の場合は真ん中に「どちらとも言えない」を追加しましょう。

広告の効果測定調査に4段階評価・5段階評価を活用することで、広告を見た消費者の競売意欲や関心の変化を調査できます。

従業員の意識調査

リッカート尺度は従業員の意識調査に活用することも可能です。例えば、会社が従業員のキャリアアップをサポートしているかという質問に対し、「そう思う」から「そう思わない」までの5段階の選択肢を用意します。社員研修などを実施した後に、研修内容の質や受講者の業務に役立つかどうかといった部分を確認する際にも役立つでしょう。

また、従業員がその会社で働くことをどのように感じているか、その会社をほかの人に薦める可能性はあるかといった調査にもリッカート尺度を活用できます。従業員の会社や労働に対する感情を把握できれば、今後の教育施策やキャリア開発といった課題に落とし込むことも可能です。

ブランドや企業の認知度・イメージ調査

リッカート尺度を用いたアンケートは、ブランドや企業の認知度・イメージ調査にも活用できます。例えば、「A株式会社のイメージについて、当てはまるものを選んでください」という質問を用意します。次に「親しみを感じる」「信頼できる」「一流ブランドである」といった質問項目を列挙し、それぞれに5段階評価の選択肢を用意しましょう。これによって、ブランドや企業が消費者からどれくらい認知され、どのようなイメージを持たれているかを分析できます。

ブランドや企業の認知度・イメージに関するアンケートは、定期的に反復して実施するのがおすすめです。アンケートを定期的に実施すれば、ブランドや企業の認知度・イメージの変化を確認でき、事業の健全性の分析にも役立てられます。

4段階評価と5段階評価を使い分け信頼性の高い回答結果を得ましょう

アンケートにおける4段階評価と5段階評価の違いは、回答に「どちらとも言えない」という中立的な選択肢があるかないかです。「どちらとも言えない」が含まれると、ない場合よりも回答者の心理的負担が軽減され、回答しやすいアンケートになります。

しかし、中立的な回答が集中し、アンケートのデータ分析や解釈が難しくなるという面もあるため、注意が必要です。中立的な回答を取り入れるかは、アンケートの意図や得たい回答に合わせて決めるとよいでしょう。


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