- 更新日 : 2024年7月3日
GROWI(グローウィ)とは?無料社内Wikiの使い方、活用例、注意点を解説
近年、ナレッジの属人化に課題を感じ、社内Wikiツール「GROWI」を使って効率的に情報を管理する企業が増えています。
しかし、GROWIの使い方や特徴がわからず、導入に踏み込めないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、GROWIの使い方や特徴、注意点を中心に解説します。
目次
GROWI(グローウィ)とは?
まずはGROWIの概要を解説します。
概要を理解したうえで、機能や特徴についてみていきましょう。
オープンソースの社内Wikiツール
GROWIは、株式会社WESEEKが開発を行う、オープンソースの社内Wikiツールです。
Markdown記法での編集やUIカスタマイズに対応しており、豊富な機能を備えながらも無料で利用できる点が特徴です。
社内Wikiとは?
社内Wikiとは、社内の情報やノウハウを蓄積・共有するためのオンライン情報管理システムです。
ウィキペディアのように多くの社員が自ら書き込める業務用百科事典ともいえ、業務に関するノウハウの蓄積やマニュアルの共有を目的としています。
社内Wikiは、別名「ナレッジ共有ツール」や「ドキュメント共有サービス」と呼ばれることもあります。
GROWI(グローウィ)の機能・特徴
GROWIの主な機能や特徴は、以下のとおりです。
- Markdown対応
- 簡単に図形を作成
- タグ検索、全文検索
- 複数人での同時編集
- グループ管理、アクセス権限
- コメント機能
- Passportによる認証
それぞれの機能と特徴をみていきましょう。
Markdown対応
Markdown記法に対応しており、段落や見出し、箇条書きの記入が簡単に行えます。リッチテキストエディタ、TODOリスト、プログラミング言語ごとのコードハイライトにも対応しています。
簡単に図形を作成
draw.ioと連携して、さまざまな図形を簡単に作成可能です。文字だけでは伝えにくい内容も、図形を用いてより詳細に共有できます。
タグ検索・全文検索
タグ検索・全文検索機能により、ファイルタイトルを含めた文字検索が可能です。英数字は全角半角のどちらで入力してもヒットする仕様になっています。
複数人での同時編集
ひとつのファイルを複数のユーザーで同時に編集できる機能を備えています。会議中に議事録のメモを取るときなどに便利です。
グループ管理・アクセス権限
ユーザーごとにアクセス権の付与が行え、グループごとの閲覧権限の管理が可能です。これによって職務権限の範囲に応じた情報管理ができ、セキュリティ強化につながります。
コメント機能
ページごとにコメントをスレッド表示できます。コメントはMarkdown式による記述やプレビューが可能となっており、ファイル添付も行えます。
Passportによる認証
Passportによる強力な認証機構を採用しており、SSOを実現するSAML、LDAP認証、Twitter(現X)やGitHub連携を利用したログインをサポートしています。
GROWI(グローウィ)を利用するメリット
GROWIを利用するメリットは、以下のとおりです。
- 情報やナレッジの共有、管理できる
- コラボレーションの促進
- カスタマイズ性が高い
以下で、それぞれの内容を解説します。
情報やナレッジの共有、管理できる
GROWIを活用することで、社内の議事録、報告書、業務マニュアルなど、多様な情報を1つの場所にまとめて管理できます。簡単に情報を共有し、ナレッジを蓄積できる環境を作れるのがメリットです。検索機能を利用することで、必要な情報を素早く見つけられるため、業務の属人化を抑制します。
コラボレーションの促進
GROWIは多人数で同時にページを編集できるため、会議の議事録を取る際などに便利です。また、編集履歴を自動保存し、過去の履歴を閲覧できる機能もあります。チームメンバーがどのようなドキュメントを作成しているのかを把握できるのもメリットです。
カスタマイズ性が高い
GROWIはテーマやレイアウトを選択できるだけでなく、サイドバーのカスタマイズにも対応しています。チームの使い方に合わせて柔軟な設定が可能です。特定ユーザーに管理者権限を付与したり、ユーザーグループごとのページの閲覧権限を設定したりできます。
GROWI(グローウィ)を利用するデメリット
GROWIを利用する場合には、いくつか注意すべき点があります。以下で、内容を確認しておきましょう。
編集方法の違い
GROWIは編集機能に優れていますが、表記方法が従来のWikiとは異なるため、慣れていない方にとっては、編集作業時にストレスを感じる可能性があります。
閲覧制限の難しさ
GROWIでは、記事の閲覧制限をかけることが可能です。しかし、複数のグループに対して閲覧制限をかける場合、現在のバージョンでは制限をかけるグループを1つしか指定できないため、柔軟性に欠けることがあります。
データの保管先
GROWIはS3を推奨していますが、クラウドにデータを置きたくない場合、mongoDBを使用することもあります。ただし、この選択によって、データ保管先についての検討が必要です。
Markdownの知識が必須
GROWIはMarkdownを使用していますが、Markdownを使ったことがない方にとっては扱いが難しいかもしれません。ただし、Markdownは記述がシンプルで効率的なため、慣れてしまえば便利です。
GROWI(グローウィ)の使い方
GROWIの代表的な使い方について解説します。
以下の使用方法を参考にして、自社での活用に役立ててください。
ページツリーを組み立てる
GROWIでページツリーを組み立てて情報を整理していくには、以下の手順に従います。
- 画面左側に表示されるリストの中から紐づけたいページを選択して「+」アイコンをクリックする
- ページの記入欄にタイトルを入力してページを作成する
- 最初の階層の作成が成功すれば、必要に応じて以降も同じ手順でページを作成する
上記の手順で階層を増やしていくと、「親ページ/子ページ」というふうにページツリーが作成可能です。
ページリストを見ると下層にどのようなページがあるか一目でわかるため、情報を視覚的に見やすく管理できます。
ページを作る
ページ作成の際は「編集ボタン」をクリックし、編集画面のページを開いてから以下の機能を活用します。
・見出しの階層化
GROWIでは、半角シャープ「#」を打ち込んで見出しを付けられます。「#」を一つ増やすごとに見出しの階層化が可能です。
・文章の階層化
半角でマイナス「-」かアスタリスク「*」を使うと箇条書きにできます。箇条書きを階層化するには、二行目以降を開始する際に半角スペースを二つもしくはtabキーを打ち込んでインデントします。
・Webページへのリンク作成
半角で ! [ ] ( ) と打ち込むと、Webページへのリンクが作成可能です。[ ]内にはWebページのタイトルを書き込み、( )にはWebページのリンクを挿入します。
・画像挿入
ページ内に画像をドロップするだけで、簡単に画像挿入が可能です。または半角で ! [ ] ( )
と打ち込み、[ ]の中に画像名を入力し、( )内に画像へのリンクを差し込むといった方法もあります。
共有リンクを発行する
作成したページを他のメンバーへ共有するには、以下の手順で共有リンクを発行します。
- 画面右上にある「・・・」ボタンをクリックし、「共有リンクを管理」を選択する
- 共有リンクを管理する画面が表示されたのを確認したうえで、「NEW」をクリックする
- 「有効期限」「概要」を記入して、「発行」をクリックして完了
以上の手順で、共有用リンクの作成は完了です。
社内でのGROWI(グローウィ)の活用例
GROWIは実際、どのように活用されているのでしょうか。ここでは、社内におけるGROWIの活用事例を3つご紹介します。
プロジェクト管理
GROWIでは、プロジェクトに関連する情報を整理し、プロジェクトメンバーと共有することが可能です。例えば、プロジェクトの進捗やタスク、ドキュメントなどをページとして作成・管理できます。ページ階層を持たせることで、プロジェクトごとにページを整理しやすくなるでしょう。
ドキュメントの共有
GROWIはドキュメントを Markdown で記述でき、左右2画面でリアルタイムにプレビューできる点が特徴です。コードハイライトや絵文字、注釈 (footnotes)、タスクリスト、Bootstrap による HTML コードにも対応しています。また、ページ作成時にページ名が補完され、効率的にページ階層を整理することも可能です。
議事録の作成
ページごとにコメントをスレッド表示でき、コメントも Markdown による記述・プレビュー、ファイル添付ができます。会議の議事録を作成し、参加者と共有もできます。
GROWI(グローウィ)を利用する際の注意点
GROWIを利用する際は「脆弱性に注意する」「多機能すぎて使いこなせない可能性がある」といった点に留意が必要です。
それぞれの注意点についてみていきましょう。
脆弱性に注意する
GROWIは、2023年11月に公式サイトにて「GROWIシステムにおいて脆弱性が判明した」との声明を発表しました。
具体的な内容としては、外部サイトを経由したリクエストを受け入れてしまうことにより、利用者のみが利用可能なサービスの悪用や、情報の改ざん/新規登録をさせられる可能性などが挙げられます。
これらの問題は「v6.1.11」よりも前のバージョンで起こっているため、バージョンのアップデートにより解決できるとされています。
GROWIは過去にもセキュリティに関する脆弱性を発表しているため、導入の際には注意が必要であるといえるでしょう。
多機能すぎて使いこなせない可能性がある
GROWIは業務効率に役立つ豊富な機能を備えている一方で、「多機能すぎて使いこなせない」といった声も見受けられます。
以下にGROWIを利用しているユーザーの口コミを一部紹介します。
多数の機能があるので未だに使いこなせていない、機能が多い分、記事作成ページの読み込みが多少遅いときもあるので、もう少し機能をシンプルにしていただけると嬉しいです。
引用:ITreview
機能が多すぎて使いにくい・難しいと感じられるツールは、社内に浸透しない可能性が高いため、選定の際に注意が必要です。
GROWI(グローウィ)と他の社内Wikiツールとの違い
GROWIのほかにも、Wikiツールはいくつか提供されています。ここでは、おもなWikiツールをご紹介します。
Notion(ノーション)
Notionは「オールインワン ワークスペース」というコンセプトの情報共有ツールです。
ドキュメント共有機能に、メモ(Evernote)、タスク(Trello)、プロジェクト管理(Redmine/Backlog)、スプレッドシートが合体したようなサービスといえるでしょう。
オールインワン機能を提供しており、iOS、Android、Windows、Macに対応しています。
また、MarkdownとWYSIWYGのミックスを採用しているのも特徴です。有料プランと無料プランがあります。
参考:Wiki、ドキュメント、プロジェクトがつながるコネクテッドワークスペース | Notion (ノーション)
Qiita:Team(キータチーム)
Qiita:Teamはエンジニア向けブログ「Qiita」のビジネス版で、簡単に記述や共有が行える社内向け情報共有ツールです。
特にエンジニア向けAPIが豊富で、Markdownにも対応していることや、コメント、「イイね!」機能なども備えています。料金プランは月額制で、無料トライアル期間もあります。
参考:Qiita Team
Dropbox Paper(ドロップボックス ペーパー)
Dropbox Paperは、チームでリアルタイムにドキュメントを作成、共有、編集、管理できるツールです。
Dropbox Paperには、プレゼンテーションモードがあります。プレゼンテーションモードはドキュメント共有に便利で、背景を黒にしたスライド形式で情報を共有できます。
Kibela(キベラ)
Kibelaは個人のノウハウを引き出す社内版Wikiツールです。検索に強く、マニュアル作成やナレッジ共有に便利なツールといえます。
マニュアル作成、バージョン管理、ファイル共有機能を提供しており、強力な検索機能で、PDFやExcelの中身も全文検索が可能です。料金プランは月額制で、無料トライアル期間もあります。
参考:Kibela
GROWIを導入して社内Wikiを作成しよう
本記事では、GROWIの機能や特徴、使い方などを中心に解説しました。GROWIは、無料で使える高性能なオープンソースの社内Wikiツールです。
Markdown記法や検索機能などに対応した利便性の高さが魅力ですが、セキュリティの脆弱性が指摘されたり、多機能すぎて使いこなせないといった声が見受けられたりする点には留意が必要でしょう。
今回紹介した内容を参考にして、GROWIを導入し、社内Wikiの作成に役立ててみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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