- 作成日 : 2025年11月25日
Notionのワークフローとは?構築手順や活用例・注意点を解説!
Notionのワークフローとは、タスクや情報を「誰が・いつまでに・どの順番で進めるか」をNotion上で一元管理できる仕組みのことです。この記事では、Notionのワークフローの基本から構築手順、ビジネスでの活用例、運用時の注意点までを整理して解説します。属人化したタスク管理から脱却し、チームで使える業務フローを作りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
Notionのワークフローとは?
Notionのワークフローとは、業務の流れをデータベースとページで可視化し、ステータスや担当者を管理する仕組みです。タスク管理ツールとナレッジ管理ツールの役割を一つにまとめられる点が特徴です。
Notionは「オールインワンワークスペース」として、ページ・データベース・テンプレートなどを組み合わせて使えます。そのため、単なるToDoリストではなく、案件や顧客情報、マニュアルなども含めて一貫したワークフローを構築できます。
具体的には、次のような要素を組み合わせて「Notion ワークフロー」を作ります。
- データベース:案件・タスク・問い合わせなどの一覧
- プロパティ(項目):ステータス、担当者、期限、優先度など
- ビュー:カンバン表示、カレンダー表示、テーブル表示など
- 関連付け・ロールアップ:案件とタスク、顧客と問い合わせ履歴のリンク
これらをうまく設計することで、「誰が何をどこまで進めているか」が一目で分かる、チーム共通のワークフロー基盤を作ることができます。
Notionのワークフローでできること
Notionのワークフローでできる主なことは次の通りです。
- タスクだけでなく、要件定義書、議事録、マニュアルなど関連資料を同じスペースに紐づけ可能
- 「案件ページの中にタスクDB」「顧客ページの中に問い合わせDB」という構造も作成でき、迷子になりにくい
- 「未着手 / 進行中 / レビュー待ち / 完了」など自社に合ったステータスを自由に設定
- 担当者・期限・優先度で絞り込みができ、チーム全体の負荷状況を把握しやすい
- 営業チームは「案件別カンバン」、バックオフィスは「期限順リスト」など、同じデータを異なる見方で共有可能
- 週次の定例会用ビュー、個人のマイタスクビューなど、目的に応じた画面を簡単に作れる
- 「新規案件登録ページ」「採用フロー」「問い合わせ対応フロー」などをテンプレート化
- メンバー全員が同じフォーマットで作業を進められ、抜け漏れを防ぎやすくなる
Notionでワークフローを構築する手順
Notionでワークフローを構築する手順は以下の通りです。
STEP1:業務フローを整理する
まず、Notionでどの業務をワークフロー化するかを決め、現状の流れを簡単に書き出します。営業なら「リード獲得→初回コンタクト→ヒアリング→見積り→受注/失注」など、紙でも良いのでざっくり可視化しておくと後の設計がスムーズです。
STEP2:必要なデータベースと項目を決める
次に、案件DB・顧客DB・問い合わせDBなど、運用の中心となるデータベースを決定します。プロパティはタイトル、ステータス、担当者、期限、カテゴリ、関連(他DBとの紐づけ)など最小限に留め、運用しながら調整する前提で設計します。
STEP3:カンバンやカレンダーなどのビューを作る
作成したDBを使いやすくするため、カンバン(進捗管理)、テーブル(一覧確認)、カレンダー(期限管理)、ギャラリー(カード表示)など複数のビューを作成します。用途ごとに「自分専用」「遅延タスクのみ」などのフィルタビューを用意すると効率的です。
STEP4:テンプレートを整える
案件登録、オンボーディング、問い合わせ対応など、繰り返す業務にはテンプレートを作成。チェックリストや項目を共通化することで、誰が担当しても同じクオリティで情報を残せるようになります。
STEP5:運用ルールと見直し方法を決める
最後に「誰がいつ更新するか」を明確にします。作業完了時のステータス更新、週1の進捗確認、月1のプロパティ見直しなど、運用と改善サイクルをセットで決めることでワークフローが形骸化しません。
ビジネスで使えるNotionワークフロー活用例
Notionのワークフローは、業務内容に合わせて多様な形に応用できます。ここからは、特にビジネスシーンで活用しやすい代表的なワークフローの例を紹介します。
案件管理・営業進捗
Notionのワークフローは、営業案件の「パイプライン管理」にとても適しています。案件ごとの進捗や見込みを、チーム全体で共有できるようになります。
- 案件データベースを中心に、顧客・活動ログ・見積もりなどを紐づける
- ステータスやフェーズごとにカンバン形式で管理する
- 案件名
- 顧客名(顧客DBと関連付け)
- フェーズ(リード / 商談中 / 見積り提出 / クロージング / 受注 / 失注)
- 担当営業
- 受注見込み度
- 受注予定日 / 売上金額
- 日々の訪問やオンライン商談が終わったら、案件ページ内にメモや議事録を追記
- 週次ミーティングでは、Notion上のカンバンビューを投影しながら案件状況を確認
- 失注した案件には理由を記載しておき、後から分析できるようにする
これにより、「誰がどの案件をどこまで進めているのか」「今月・来月の売上見込みはいくらか」といった情報を、スプレッドシートだけに頼らず、Notionのワークフロー上で一元的に把握できるようになります。
採用・オンボーディング
採用活動や入社後のオンボーディングも、Notionのワークフローで標準化できます。候補者管理から入社後フォローまでを一つのスペースでつなげられるのが強みです。
- 候補者DBに「応募受付 / 書類選考 / 一次面接 / 二次面接 / 内定 / 辞退 / 不合格」などのステータスを設定
- 応募経路、希望職種、面接担当者、選考メモなどもプロパティとして管理
- 各候補者のページに、履歴書・職務経歴書・ポートフォリオなどを添付しておく
- 入社者ごとに「オンボーディング用ページ」を自動生成するテンプレートを用意
- 初日~1か月・3か月までのタスク(口座情報提出、PCセットアップ、業務マニュアル確認、OJT予定など)をチェックリスト化
- メンターや上長のコメント欄を設け、進捗やフィードバックを残せるようにする
こうしたNotionのワークフローを採用・オンボーディングに活用することで、属人的になりがちな「入社初日の説明」「業務の引き継ぎ」を標準化し、誰が担当しても同じレベルのオンボーディング体験を提供しやすくなります。
顧客対応・問い合わせ管理
顧客からの問い合わせやサポート対応も、Notionのワークフローに乗せることで、対応漏れや重複対応を防ぎやすくなります。
- 問い合わせDBに1件ずつ記録(件名・顧客・内容・チャネルなど)
- 「未対応 / 対応中 / 顧客確認待ち / 完了 / クローズ」などのステータスを設定
- 顧客DBと紐づけて、顧客ごとの対応履歴をひと目で確認できるようにする
- 件名
- 顧客名(顧客DBと関連付け)
- 受付日・対応期限
- チャネル(メール / 電話 / チャットツール など)
- 優先度(高 / 中 / 低)
- 担当者
- ステータス
- よくある質問はFAQページやマニュアルページへリンク
- 解決方法をページ化し、同じ問い合わせが来たときに再利用
- 「タグ」プロパティを使い、障害情報・仕様質問・使い方相談などを分類
こうした問い合わせワークフローをNotionに構築することで、「誰かがすでに対応していた」「対応が止まっていた」といったトラブルを減らし、顧客対応の品質を安定させることができます。
Notionでワークフローを構築する際の注意点
Notionのワークフローは柔軟に設計できる一方で、運用方法を誤ると使いづらくなることがあります。ここからは、Notionでワークフローを構築・運用する際に押さえておくべき注意点を紹介します。
タスクや作業手順を明確に記述する
Notionのワークフローでは、「何を・どの順番で・どのレベルまで行うのか」を明確にすることが重要です。タスク名だけでは伝わらない作業は、ページ内で手順を書き残しましょう。
- タスク名はできるだけ具体的に書く(例:「資料準備」ではなく「◯◯社向け提案資料のドラフト作成」)
- ページ内に簡単な手順リストを用意する
- チェックリストを使い、完了条件を明確にする
- 概要:このタスクの目的・ゴール
- 手順:
- 〇〇のデータを抽出
- テンプレートに沿って資料を作成
- 上長にレビュー依頼を送る
- 添付資料・リンク:参考となる過去資料やマニュアル
このように、Notionのワークフロー上で「作業の中身」を共有しておくことで、誰が担当しても同じ品質でタスクを進めやすくなります。
スキルや経験を考慮して担当者を割り当てる
ワークフローを設計する際は、「誰がどのタスクを担当すべきか」をスキルセットや経験に合わせて考えることが大切です。Notionのプロパティで担当者を割り当てるだけでなく、役割分担の方針も決めておきましょう。
- 難易度の高いタスクは、経験豊富なメンバーにアサインする
- ルーティンワークは、マニュアル化した上で他メンバーにも引き継げるようにする
- レビュー担当者を設定し、チェックの視点を分ける
- プロパティ「担当者」と別に「レビュー担当」を用意する
- タスクの「難易度」や「要スキル」をタグで管理する
- テンプレートに「想定工数」「必要スキル」を記載しておく
こうした情報をワークフローに組み込むことで、属人的なアサインから脱却し、メンバーの成長や負荷分散も意識したタスク管理がしやすくなります。
定期的にワークフローを見直し改善する
Notionのワークフローは、一度作って終わりではなく「運用しながら改善する」ことが前提です。実際に使う中で見えてくる課題を、定期的な見直しで解消しましょう。
- 月次・四半期ごとの振り返りミーティング
- 新メンバーの参加や組織変更があったタイミング
- 業務プロセスやサービス内容が変わったとき
- 無駄なステータスやプロパティが増えていないか
- 更新されていないビューやページが放置されていないか
- メンバーから「使いづらい」「ここが分かりにくい」という声が出ていないか
Notionは構造を後から柔軟に変更できるツールです。最初から完璧なワークフローを目指すよりも、「まずはシンプルに作って、定期的にアップデートしていく」というスタンスの方が、結果的に現場にフィットした仕組みになりやすいでしょう。
Notionワークフロー活用のポイントをおさらい
Notionのワークフローは、「業務の流れを可視化し、タスクと情報を一元管理するための仕組み」です。データベースとページ、テンプレート、ビューを組み合わせることで、営業・採用・問い合わせ対応など、さまざまな業務プロセスをNotion上に再現できます。自社やチームの状況に合わせてNotionのワークフローを設計し、タスク管理や情報共有を統一することで、生産性と透明性の高い働き方を実現しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
HubSpotのワークフロー機能とは?作成方法や活用例・注意点を解説
HubSpotのワークフロー機能は、条件にもとづいてメール送信やステータス更新などの業務を自動化できる機能です。メール配信やステータス更新、タスク作成、社内通知などを条件に応じて自動実行できるため、マーケティングや営業、カスタマーサポートの…
詳しくみるペーパーレス化とは?メリットや推進する時のポイント、成功事例を紹介!
ペーパーレス化とは、紙で保管していた文書や資料などを電子化し、データとして保管・活用することです。ペーパーレス化を行うことで、コスト削減やセキュリティの強化が期待できます。本記事では、ペーパーレス化の概要や日本のペーパーレス化の現状を紹介し…
詳しくみる働き方改革が失敗する原因は?制度設計の失敗事例や改善のヒントを解説
働き方改革は、長時間労働の是正や多様な働き方を推進するために日本で導入された一連の施策です。2019年の関連法施行以降、多くの企業で取り組みが進められてきました。しかし一方で「働き方改革は失敗だったのではないか」という声や、改革に取り組んだ…
詳しくみるDXの取り組みとは?目的・進め方・成功事例までわかりやすく解説
近年、ビジネス界で「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を頻繁に耳にします。しかし、その本質を正確に理解しているでしょうか?この記事では、DXの基本から具体的な取り組み方、成功事例までを初心者にもわかりやすく解説します。 そ…
詳しくみるなぜ業務引継ぎがうまくいかない?伝わる引継書の書き方・伝え方・成功のコツ
業務引継ぎとは、仕事の内容やノウハウを後任者に伝え、担当者が変わってもスムーズに業務を遂行できるようにすることです。引継ぎがうまくいくためには、事前の準備が重要です。 本記事では、業務引継ぎの重要性、うまくいかない理由、業務引継ぎの手順、成…
詳しくみるナレッジワーカーとは?すべての職種に必要な7つの能力と働き方の具体例
知識を使って考え、価値を生み出す「ナレッジワーカー」的な働き方が、今あらゆる職場で求められています。これは一部の専門職だけでなく、すべてのビジネスパーソンに関わるテーマです。本記事では、その意味や具体的な働き方、育成のヒントをわかりやすく解…
詳しくみる