- 作成日 : 2023年12月8日
体系化とは?意味や使い方、体系化する方法、メリットについて解説
ビジネスシーンにおいて「体系化」という言葉を見聞きする機会があるでしょう。しかし、体系化が具体的にどのような意味なのかを理解できていない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、体系化の意味やメリット、体系化する方法などについて解説します。仕事の効率化を図りたいと考えているビジネスパーソンはぜひ参考にしてください。
目次
体系化とは?
体系化とは、もともとバラバラだったものをひとつにまとめ、わかりやすくすることです。
「体系」には、個々のものを秩序づけて統一した組織の全体という意味があります。「体系」に”別のものになる・変わる”という意味の「化」を付け加えた「体系化」は、秩序や規則に基づいて矛盾なくまとめる行為をあらわす言葉です。
例えば、ビジネスシーンでよく見聞きする「知識の体系化」は、「個々の知識を関連づけてまとめること」という意味で使われます。
体系化の使い方
「体系化」は、「体系化された」や「体系化する」といった言い回しで使われることが多いです。
「体系化」を使った例文には、以下のようなものがあります。
- 知識を体系化することで理解が深まる
- 体系化するスキルはビジネスシーンにおいて欠かせない
- これまでのノウハウが体系化されておらず、業務内容を引き継げない
- 情報を体系化してマニュアルを作成する
- 体系化された構造に驚いた
構造化との違い
「体系化」と似た言葉に「構造化」があります。
構造化は、物事を要素ごとに分解して再構成することを指します。
体系化も構造化も物事をわかりやすくするという点では近いです。しかし、体系化が「バラバラの物事をひとつにまとめる」という意味に対して、構造化は「物事を細分化して整理する」という明確な違いがあります。
体系化の具体例
体系化されたものの具体例として、わかりやすいものだとマニュアルや参考書が見本となるでしょう。
マニュアルは、ただわかりやすく説明するのみでなく、業務に必要な知識やオペレーションが順序立ててまとめられています。
参考書も同様に、さまざまな知識や情報をわかりやすくまとめており、関連する情報や深く掘り下げた知識など、必要な情報が得られるようになっています。
体系化するメリット
情報やノウハウを体系化すると、以下のようなメリットが得られます。
- 効率アップに役立つ
- 誰でもできるようになる
- 業務品質が保たれる
- 評価しやすい
体系化によるメリットについて見ていきましょう。
効率アップに役立つ
体系化することの最大のメリットは、効率アップに役立つ点です。
必要な情報が体系化されていれば、無駄な時間をかけずとも、求める情報によりスムーズに辿り着けます。
体系化によって、無駄なものが省かれている状態で物事を進めれば、作業効率の向上に期待が持てるようになるでしょう。
誰でもできるようになる
業務マニュアルのように作業手順やノウハウが体系化されていると、誰でも簡単に作業ができるようになります。
業務の詳しい手順やコツなどが体系化されていないと、新しく来た社員がすぐに業務を行えず、業務の引き継ぎに時間がかかってしまいます。
体系化を行うことで業務が標準化され、誰でも同じことができるようになるのは大きなメリットです。
業務品質が保たれる
体系化によって業務に必要なナレッジが共有されれば、誰でも同じフローで業務を遂行できるようになり、業務品質が一定に保たれます。
同じ製品を作る場合でも、担当者によって製品の質やサービスにばらつき生じることを防ぎ、同じ品質を容易に保てるようになります。
評価しやすい
体系化された業務マニュアルと従業員のスキルを照らし合わせることで、従業員それぞれのレベルが一目瞭然となり、人事評価がしやすくなります。
チームでプロジェクトに取り掛かる際も、プロジェクトごとに体系化されたマニュアルがあれば、自分達の現在地が明らかになり、先の見通しや目標もわかりやすくなるでしょう。
体系化する方法
知識や情報を具体的に体系化する手順は、以下のとおりです。
- 目的を明確にする
- 必要な情報を収集する
- 目的に合わせて情報を整理する
- 定期的にアップデートする
ここでは、それぞれの内容を確認しておきましょう。
目的を明確にする
体系化する際に最初にやるべきことは、目的を明確にすることです。目的が曖昧な場合、無駄な時間や労力をかけてしまい、効率的に情報収集を行えません。
「なぜ体系化するのか」「どこで誰に使われるものなのか」などの項目を洗い出し、目的を明確にすることから始めましょう。
必要な情報を収集する
目的を明確にしたあとは、必要な情報の収集を行います。体系化されたものにするためにも、ここで抜け漏れなく情報収集できるかどうかは重要なポイントです。
情報を収集する際は、情報と合わせて情報源もメモしておくと、見直しがしやすくなるでしょう。
目的に合わせて情報を整理する
情報収集が完了したら、情報を整理します。最初に決めた目的に沿って、必要な情報を精査したり順序よく並べ替えましょう。
必要な情報まで削ぎ落としてしまわないよう、実際の作業者に確認してもらうとより安心です。
定期的にアップデートする
必要な情報を体系化して資料に落とし込んだあとも、定期的に見直してアップデートしましょう。
現場の状況は常に動いており、古い情報が残ったままだと想定外のトラブルが発生した際に対処できないリスクが生まれます。
情報を定期的に見直し、常に最新の状態にアップデートするよう心がけることが大切です。
体系化する時の注意点
体系化にはさまざまなメリットがある反面、いくつかの注意点も存在します。体系化する時の注意点やポイントを解説します。
時間や労力が必要になる
体系化を行えば業務効率の向上が期待できます。しかし「体系化する」という行為に慣れていないうちは、多くの時間と労力がかかるでしょう。
必要な情報を収集したり、整理したりするだけでもなかなか骨が折れる作業です。
体系化を行う場合は片手間でやるのでなく、まとまった時間をしっかりと確保して取り組むことをおすすめします。
向上心・探求心をもつ
体系化された情報であっても、人間の手で行ったものであれば、抜け漏れなどの可能性はゼロではありません。もしかすると、他に良い情報や方法があるかもしれません。
一度体系化したからといって満足するのではなく、より良い方法を模索したり情報の質を向上したりするなどの向上心・探求心は忘れないようにしましょう。
体系化を実現してビジネスに役立てよう
この記事では、体系化の意味やメリット、体系化する方法などについて解説しました。
体系化は、バラバラだったものをひとつにまとめ、わかりやすくすることです。体系化が実現すれば、業務効率のアップや業務品質が保たれるなど、多くのメリットを受けられます。
慣れないうちは時間と手間がかかりますが、ビジネスにおいて欠かせない手法といえるため、積極的に体系化に取り組むことをおすすめします。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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