- 作成日 : 2025年10月27日
スプレッドシートをダークモードにするには?PC・スマホ別の設定方法
GoogleスプレッドシートのWeb版にはダークモード設定がなく、PCではOS連動・ブラウザ機能・拡張機能で補います。iPhone/Androidのアプリはダークテーマに対応しています。
本記事では、PCとスマホそれぞれでスプレッドシートをダークモードに設定する方法から、設定が反映されない場合のトラブルシューティング、さらにダークモードでの見やすさを最適化するテクニックまで、実務に必要な全ての知識を詳しく解説します。
目次
PCでスプレッドシートをダークモードにする方法は?
PCでスプレッドシートをダークモードにするには、主にChromeブラウザの設定、拡張機能の利用、システムテーマの適用の方法があり、環境に応じた方法を選択します。
現時点でWeb版のGoogleスプレッドシート本体に“ネイティブのダークモード設定”はありません。 そのため、OSのダークテーマ+Chromeのテーマ、あるいはAuto Dark Mode(実験的)や拡張機能(例:Dark Reader)でセル領域まで暗くする方法を採ります。
Chromeでのダーク表示
ブラウザUIは、OSのダークテーマに連動させるのが基本です(Windows:[設定>個人用設定>色>モード=ダーク]/macOS:[システム設定>外観=ダーク])。
Chrome 側では[設定>外観(Appearance)>テーマ]からウェブストアのダーク系テーマを適用できます。
※この方法ではウェブページ本文(シートのセル領域)は白いままの場合があります。セルまで暗くしたい場合は、Auto Dark Mode for Web Contents(実験的フラグ)や拡張機能を利用します。
補足:Google DriveのWeb版は公式にダークモード対応([Drive設定>外観>ダーク])。ただしSheetsの編集画面のセル領域は別扱いのため、Auto Dark Modeや拡張機能(例:Dark Reader, Stylus)で補完します。」
拡張機能を使用した完全なダークモード
Chrome拡張機能を使用することで、スプレッドシートのセル領域を含む全体をダークモードにできます。特に人気のある拡張機能として「Dark Reader」と「Stylus」があります。
Dark Readerの設定方法:
Chrome ウェブストアから「Dark Reader」をインストールし、拡張機能アイコンをクリックして有効化します。スプレッドシートを開いた状態で、明るさ、コントラスト、セピア、グレースケールの各パラメータを調整できます。サイト別の設定も可能で、docs.google.comドメインのみに適用することもできます。
Dark Readerの利点は、動的にページのスタイルを変換するため、更新や編集時も継続してダークモードが維持されることです。ただし、グラフや画像の色が反転される場合があるため、必要に応じて除外設定を行います。
Stylusでのカスタムテーマ適用:
より細かいカスタマイズが必要な場合は、Stylusを使用してカスタムCSSを適用します。ユーザーが作成した様々なダークテーマをUserstylesサイトから選択でき、自分好みの配色にカスタマイズも可能です。
Windows/Macのシステム設定との連携
OSレベルでダークモードを設定することで、対応するアプリケーション全体を統一的にダーク化できます。
Windows 11/10の設定:
「設定」→「個人用設定」→「色」から、「モードを選ぶ」で「ダーク」を選択します。この設定により、Chromeを含む対応アプリケーションが自動的にダークモードになります。ただし、Webページのコンテンツ自体は影響を受けないため、追加の設定が必要です。
macOSの設定:
「システム環境設定」→「一般」で外観モードを「ダーク」に設定します。macOS Mojave以降では、時間帯に応じて自動的にライトモードとダークモードを切り替える「自動」オプションも利用できます。
システム設定と連携させるには、Chromeの設定で「GTKテーマを使用」(Linux)または「システムのテーマを使用」を選択することで、OSのダークモード設定が反映されます。
スマホでスプレッドシートをダークモードにする方法は?
スマホのGoogleスプレッドシートアプリでダークモードを有効にするには、アプリ内設定またはデバイスのシステム設定から変更でき、iOS・Android両方で対応しています。
モバイルアプリでは、PCブラウザ版より簡単にダークモードを設定でき、バッテリー節約効果も期待できます。
iPhoneでのダークモード設定
iPhoneでGoogleスプレッドシートをダークモードにする方法は2つあります。
アプリ内での設定:
Googleスプレッドシートアプリを開き、左上のメニューアイコン(三本線)をタップします。「設定」を選択し、「テーマ」または「外観」の項目を探します。ここで「ダーク」「ライト」「システムのデフォルト」から選択できます。「システムのデフォルト」を選択すると、iOSのダークモード設定に連動します。
iOS設定からの一括変更:
「設定」→「画面表示と明るさ」で「ダーク」を選択すると、対応する全てのアプリがダークモードになります。iOS 13以降では、日の出・日の入り時刻や、カスタムスケジュールでの自動切り替えも設定可能です。コントロールセンターに「ダークモード」トグルを追加すれば、素早く切り替えられます。
Androidでのダークモード設定
Android版Googleスプレッドシートアプリも、複数の方法でダークモードを設定できます。
アプリ内設定の手順:
アプリを開いて左上のメニューボタンをタップし、「設定」→「テーマの選択」に進みます。「ダークテーマ」「ライトテーマ」「システムの設定に従う」の3つのオプションから選択します。Android 10以降では「システムの設定に従う」が推奨され、デバイス全体の設定と同期します。
Android システム設定:
Android 10以降では、「設定」→「ディスプレイ」→「ダークテーマ」でシステム全体のダークモードを有効にできます。また、「開発者向けオプション」で「Force Dark Mode」を有効にすると、非対応アプリも強制的にダーク化できますが、表示が崩れる可能性があるため注意が必要です。
バッテリーセーバーと連動させる設定もあり、バッテリー残量が少なくなると自動的にダークモードに切り替わるよう設定できます。OLED画面のデバイスでは、特に省電力効果が高くなります。
タブレットでの最適化設定
iPadやAndroidタブレットの設定として、Split ViewやSlide Overでの表示も考慮する必要があります。複数のアプリを同時に使用する場合、すべてのアプリでダークモードを統一することで、視覚的な一貫性が保たれます。
また、Apple Pencilやスタイラスペンを使用する場合、ダークモードではペンの軌跡が見やすくなるメリットもあります。ただし、色の識別が重要な作業では、一時的にライトモードに切り替えることも検討すべきです。
ダークモードにできない・反映されない場合の対処法は?
ダークモードが設定できない、または正しく表示されない場合は、アプリのバージョン、キャッシュの問題、権限設定、デバイスの互換性などが原因で、それぞれに応じた解決策があります。
これらの問題を体系的に診断し、適切な対処を行うことで、多くの場合は解決できます。
アプリとシステムの更新を確認する
ダークモードが機能しない最も一般的な原因は、アプリやOSのバージョンが古いことです。
iOS では App Store、Android では Google Play ストアから、Googleスプレッドシートアプリが最新版であることを確認します。「アップデート」セクションに表示される場合は、即座に更新を実行します。自動更新を有効にしておくことで、常に最新版を維持できます。
- iOS 13以降(システムのダークモード対応)
- Android 10以降(ダークテーマ対応。9以前は端末やベンダー依存の“夜間モード”等)
※ブラウザ版のダーク表示は別テーマ(拡張機能等)の話題で、本記事のモバイルアプリの設定とは切り分けて考えます。
古いデバイスでは、ハードウェアの制約によりダークモードがサポートされない場合があります。この場合、サードパーティアプリやアクセシビリティ機能を活用する代替方法を検討します。
キャッシュとデータのクリア
アプリのキャッシュが破損していると、設定が正しく保存されない場合があります。
iOSでの対処:
「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」→「Googleスプレッドシート」で、「Appを取り除く」を選択後、再インストールします。これにより、アプリデータは保持したまま、キャッシュをクリアできます。
Androidでの対処:
「設定」→「アプリ」→「Googleスプレッドシート」→「ストレージ」から「キャッシュを削除」を実行します。それでも解決しない場合は、「データを削除」を選択しますが、この場合はオフラインファイルが削除されるため注意が必要です。
ブラウザでの対処:
Chromeの場合、Ctrl+Shift+Delete(Mac: Cmd+Shift+Delete)でキャッシュクリアのダイアログを開き、「キャッシュされた画像とファイル」を選択して削除します。その後、ページを再読み込みして設定を確認します。
権限と制限の確認
組織管理のデバイスや、ペアレンタルコントロールが設定されている場合、ダークモード機能が制限されることがあります。
企業・教育機関の制限:
組織管理端末の場合、MDMポリシーやOS側の外観設定が上書きされ、アプリのテーマ切替に影響することがあります。疑われる場合は端末管理者(IT)に端末ポリシーやOS設定の適用状況を確認してください。
アクセシビリティ設定の競合:
色反転、カラーフィルター、拡大鏡などのアクセシビリティ機能が有効になっていると、ダークモードと競合する場合があります。これらの設定を一時的に無効にして、ダークモードが正常に動作するか確認します。
ダークモードでの表示最適化テクニックは?
ダークモードでスプレッドシートを使用する際は、セルの配色、条件付き書式、グラフの色設定を調整することで、視認性と作業効率を大幅に向上させることができます。
ダークモード環境に適した配色設計により、目への負担を最小限に抑えながら、データの可読性を確保できます。
セルの背景色と文字色の調整
ダークモードでは、デフォルトの配色が見づらくなる場合があるため、適切な調整が必要です。
- 背景色:濃いグレー(#2b2b2b)~中間グレー(#3c3c3c)
- 文字色:明るいグレー(#e0e0e0)~白(#ffffff)
- 強調色:彩度を抑えた色(パステルカラー)
- 警告色:オレンジ(#ff9800)、赤は彩度を下げる
重要なデータは、背景色ではなく、枠線や文字の太さで強調することで、ダークモードでも識別しやすくなります。セル背景は不透明色のみ指定可能です。ダークモードでは中~濃いグレー背景+明るいテキスト、強調は彩度を抑えたアクセント色でコントラストを確保します(半透明指定は不可)。
条件付き書式のダークモード対応
条件付き書式で使用する色も、ダークモードに合わせて調整が必要です。
カラースケールの最適化:
従来の赤→黄→緑のグラデーションは、ダークモードでは視認性が低下します。代わりに、青→シアン→緑、または紫→ピンク→オレンジなど、暗い背景でも識別しやすい配色を使用します。
データバーはスプレッドシートに未搭載です。ダークモードで数量感を視覚化したい場合は、カラースケール(最小~最大で色を段階表示)を使い、高コントラストの色を選びましょう。※セルの塗りつぶしや条件付き書式で透明度の調整はできません。
グラフとチャートの配色設定
ダークモードでグラフを作成する際は、標準の配色では見づらくなるため、カスタマイズが必要です。
グラフエディタで「カスタマイズ」タブを開き、以下の設定を行います。
- 背景色:透明または濃いグレー
- グリッド線:薄いグレー(#4a4a4a)
- テキスト:白または明るいグレー
- データ系列:高彩度の明るい色
凡例やラベルのフォントサイズを通常より1-2ポイント大きくすることで、ダークモードでの可読性が向上します。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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