- 作成日 : 2025年9月22日
スプレッドシートで日付を自動入力するには?関連する関数まで解説
バックオフィス業務では、請求書や勤怠表、スケジュール管理など、日付を正確に入力する作業が欠かせません。Googleスプレッドシートでは、日付を自動入力できる関数や機能が用意されており、手入力の手間や入力ミスを減らせます。
この記事では、TODAY関数やNOW関数による自動入力、ショートカットやSEQUENCE関数による連続入力、さらに日付関数を活用した応用方法まで、実務で役立つテクニックをわかりやすく解説します。
スプレッドシートで日付を自動入力する方法
TODAY関数による今日の日付の自動入力
最も基本的な日付の自動入力方法は、TODAY関数を使用することです。セルに=TODAY()と入力するだけで、その日の日付が自動的に表示されます。TODAY関数は、シートを開いたときや再計算が行われたときに更新されます。日報や出勤簿など、常に「今日」の日付が必要な書類で活用できます。
ただし、TODAY関数には注意点があります。過去の記録として日付を残したい場合には適していません。例えば、請求書の発行日として使用すると、後日開いた時に日付が変わってしまいます。このような場合は、TODAY関数で入力した後、値として貼り付け直す必要があります。セルをコピーして「編集」→「特殊貼り付け」→「値のみ貼り付け」を選択することで、日付を固定できます。
NOW関数による日時の自動入力
時刻も含めた現在の日時を入力したい場合は、NOW関数を使用します。=NOW()と入力すると、現在の日付と時刻が表示されます。この関数は、作業記録や更新履歴の管理に便利です。例えば、在庫の入出庫記録や、顧客対応履歴の記録時に活用できます。
NOW関数もTODAY関数と同様に、ファイルを開くたびに更新されます。また、シート内で何か変更があった際にも再計算されるため、頻繁に値が変わります。タイムスタンプとして使用する場合は、入力直後に値として固定することが重要です。Google Apps Scriptを使用すれば、ボタンクリックで現在時刻を固定値として入力する仕組みも作成できます。
キーボードショートカットによる日付入力
素早く今日の日付を入力したい場合は、キーボードショートカットが便利です。WindowsではCtrl + ;(セミコロン)、MacではCmd + ;を押すことで、現在の日付が入力されます。この方法で入力された日付は、関数とは異なり固定値として入力されるため、後から変更されることはありません。
現在時刻を入力するショートカットもあります。WindowsではCtrl + Shift + ;、MacではCmd + Shift + ;を押すと、現在の時刻が入力されます。日付と時刻の両方を入力したい場合は、まず日付のショートカットを使用し、スペースを入力してから時刻のショートカットを使用します。
連続した日付の自動入力
カレンダーや予定表を作成する際は、連続した日付を効率的に入力する方法があります。まず、開始日を入力し、そのセルを選択します。次に、セルの右下にある小さな四角(フィルハンドル)をドラッグすることで、連続した日付が自動的に入力されます。
より高度な方法として、SEQUENCE関数を使用することもできます。例えば、=SEQUENCE(30,1,TODAY(),1)と入力すると、今日から30日分の日付が縦に並んで表示されます。月間スケジュール表や、プロジェクトの日程表を作成する際に便利です。営業日のみを表示したい場合は、WORKDAY関数と組み合わせることで実現できます。
データ入力時の自動タイムスタンプ
特定のセルにデータが入力された際に、自動的に日時を記録する仕組みを作ることも可能です。これにはGoogle Apps Scriptを使用しますが、一度設定すれば非常に便利です。例えば、タスクのステータスを「完了」に変更した際に、完了日時を自動記録することができます。
より簡単な方法として、IF関数とNOW関数を組み合わせる方法があります。=IF(A2<>””,IF(B2=””,NOW(),B2),””) のような数式を使用することで、A列にデータが入力された時にB列に日時を記録できます。ただし、この方法では循環参照のエラーが発生する可能性があるため、設定には注意が必要です。
スプレッドシートの日付表示の変更
基本的な日付表示形式の変更
スプレッドシートでは、同じ日付データでも様々な形式で表示できます。日付が入力されているセルを選択し、「表示形式」→「数値」→「日付」から、好みの形式を選択できます。標準的な形式には「2024/12/25」「2024年12月25日」「12月25日」などがあります。
表示形式を変更しても、セル内のデータ自体は変わりません。これは重要なポイントで、計算や並べ替えには影響しないため、用途に応じて自由に表示形式を選べます。例えば、社内向けの資料では「12/25」のような簡潔な形式、社外向けの正式文書では「2024年12月25日」のような丁寧な形式を使い分けることができます。
カスタム日付形式の作成
既定の形式以外にも、カスタム形式を作成することができます。「表示形式」→「数値」→「カスタム数値形式」を選択し、形式コードを入力します。主な形式コードは以下の通りです。
- yyyy:4桁の年(2024)
- yy:2桁の年(24)
- mm:2桁の月(01-12)
- m:1-2桁の月(1-12)
- dd:2桁の日(01-31)
- d:1-2桁の日(1-31)
- ddd:曜日の略称(月、火、水…)
- dddd:曜日の完全表記(月曜日、火曜日…)
例えば、yyyy”年”m”月”d”日”(ddd)と入力すると、「2024年12月25日(水)」のような形式で表示されます。請求書や見積書など、曜日も含めて表示したい場合に便利です。
時刻を含む日時の表示形式
日付と時刻を同時に表示する場合も、カスタム形式が活用できます。時刻に関する主な形式コードは、
- hh:24時間形式の時(00-23)
- h:24時間形式の時(0-23)
- mm:分(00-59)
- ss:秒(00-59)
- >AM/PM:午前/午後表示
yyyy/mm/dd hh:mm:ssという形式を設定すると、「2024/12/25 14:30:00」のように表示されます。作業ログや更新履歴など、詳細な時刻情報が必要な場合に適しています。m/d h:mmのようにシンプルな形式にすることで、スペースを節約することもできます。
言語と地域による表示の違い
スプレッドシートの言語設定により、日付の既定表示形式が変わることがあります。「ファイル」→「設定」で、ロケール(地域)を変更できます。日本に設定されている場合は「年/月/日」の順序が標準ですが、アメリカでは「月/日/年」、ヨーロッパでは「日/月/年」が一般的です。
国際的な業務を行う場合は、誤解を避けるため、明確な表示形式を使用することが重要です。ISO 8601形式(yyyy-mm-dd)は国際標準として認識されており、2024-12-25のような表記は世界中で理解されます。また、月を英語の略称で表示するdd-MMM-yyyy(25-Dec-2024)も、言語の壁を越えて理解されやすい形式です。
条件付き書式と組み合わせた日付の強調表示
日付の表示形式と条件付き書式を組み合わせることで、重要な日付を視覚的に強調できます。例えば、期限が近づいている日付を赤色で表示したり、過去の日付をグレーアウトしたりできます。
条件付き書式で「カスタム数式」を選択し、=A1<=TODAY()+7のような数式を設定すると、7日以内に迫った日付を強調表示できます。納期管理や支払期限の管理など、期限に関わる業務で特に有効です。週末や祝日を異なる色で表示することも可能で、=WEEKDAY(A1,2)>=6という数式で土日を識別できます。
スプレッドシートの日付に関する代表的な関数
DATE関数:日付の作成
DATE関数は、年、月、日を個別に指定して日付を作成する関数です。構文は=DATE(年,月,日)で、例えば=DATE(2024,12,25)は2024年12月25日を返します。この関数は、別々のセルに入力された年月日を結合して日付を作成する際に便利です。
実務では、従業員情報の管理で活用されます。入社年、入社月、入社日が別々の列に記録されている場合、=DATE(A2,B2,C2)のように使用して、正しい日付形式に変換できます。また、月末日を求める際に=DATE(2024,3,0)とすると2024年2月の月末日が取得できる、というテクニックもあります。
DATEDIF関数:日付間の差を計算
DATEDIF関数は、2つの日付間の差を年、月、日単位で計算する関数です。構文は=DATEDIF(開始日,終了日,単位)で、単位には以下を指定できます。
- “Y”:満年数
- “M”:満月数
- “D”:日数
- “YM”:1年未満の月数
- “MD”:1か月未満の日数
- “YD”:1年未満の日数
勤続年数の計算では=DATEDIF(入社日,TODAY(),”Y”)で満年数を求められます。年齢計算、契約期間の算出、プロジェクト期間の計算など、様々な場面で活用できます。=DATEDIF(開始日,終了日,”Y”)&”年”&DATEDIF(開始日,終了日,”YM”)&”か月”のように組み合わせることで、「5年3か月」のような表示も可能です。
WORKDAY関数・NETWORKDAYS関数:営業日の計算
WORKDAY関数は、指定した営業日数後(または前)の日付を返す関数です。構文は=WORKDAY(開始日,日数,[祝日])で、土日を除いた営業日ベースで計算されます。例えば、=WORKDAY(TODAY(),10)は、今日から10営業日後の日付を返します。
NETWORKDAYS関数は、2つの日付間の営業日数を計算します。構文は=NETWORKDAYS(開始日,終了日,[祝日])です。プロジェクトの実働日数計算や、納期までの営業日数確認に使用されます。両関数とも、第3引数に祝日リストを指定することで、会社独自の休業日も考慮できます。
EOMONTH関数:月末日の取得
EOMONTH関数は、指定した月数後(または前)の月末日を返します。構文は=EOMONTH(開始日,月数)で、月数に0を指定すると当月末、1を指定すると翌月末が取得できます。
請求書の支払期限設定でよく使用されます。例えば、「翌月末払い」の場合は=EOMONTH(請求日,1)で支払期限を自動計算できます。また、月初日を求めたい場合は、=EOMONTH(日付,-1)+1のように、前月末の翌日として計算できます。
WEEKDAY関数・WEEKNUM関数:曜日と週番号
WEEKDAY関数は、日付から曜日を数値で返します。構文は=WEEKDAY(日付,[種類])で、種類により返される数値が変わります。標準では日曜日が1、土曜日が7ですが、種類に2を指定すると月曜日が1、日曜日が7になります。
条件付き書式と組み合わせて、=WEEKDAY(A1,2)>=6で週末を判定したり、=WEEKDAY(A1)=1で日曜日を特定したりできます。WEEKNUM関数は、その日付が年の第何週目かを返します。=WEEKNUM(日付,[週の基準])の形式で、週次レポートの管理や、週単位でのスケジュール管理に活用できます。
TEXT関数による日付の文字列変換
TEXT関数を使用すると、日付を指定した形式の文字列に変換できます。構文は=TEXT(日付,”形式”)で、表示形式の変更とは異なり、実際に文字列として変換されます。
=TEXT(TODAY(),”yyyy年mm月dd日”)のように使用して、他の文字列と結合する際に便利です。例えば、=”本日(”&TEXT(TODAY(),”m月d日”)&”)の売上”のように、動的なタイトルを作成できます。メール本文の自動生成や、レポートのヘッダー作成で活用されています。
日付自動入力を活用してスプレッドシートの業務効率を高めよう
Googleスプレッドシートの日付機能を活用すれば、日々の記録や管理作業を効率化できます。TODAYやNOWで現在の日付・時刻を自動入力したり、ショートカットで固定値として入力したり、SEQUENCEで連続した日付を生成することも可能です。さらにWORKDAYやEOMONTHなどの日付関数を組み合わせれば、請求書の支払期限や勤怠管理なども自動化できます。
まずは基本の関数から使い始め、用途に応じて応用機能を取り入れることで、データ管理の正確性と効率性を高められるでしょう。
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