• 作成日 : 2025年8月25日

TIME関数 完全ガイド:初心者でも時間計算をマスター!

ExcelのTIME関数は、時間を正確に扱いたいときに非常に役立つ関数です。この関数を使いこなすことで、時間の入力ミスを防ぎ、複雑な時間計算も簡単に行えるようになります。本記事では、TIME関数の基本的な使い方から、具体的な利用シーン、さらには応用例、そしてよくあるエラーとその対策まで、Excel初心者の方にもわかりやすく解説していきます。この記事を読めば、Excelでの時間の管理がよりスムーズになり、データ分析の幅も広がるでしょう。

TIME関数の使い方

TIME関数は、時、分、秒の3つの引数を指定して、Excelが時間として認識できるシリアル値を生成する関数です。これにより、手入力による時間の形式ミスを防ぎ、計算可能な時間データを作成できます。

参考:TIME 関数 – Microsoft サポート

基本構文

=TIME(時, 分, 秒)
  • :0から23までの整数で、時間を指定します。
  • :0から59までの整数で、分を指定します。
  • :0から59までの整数で、秒を指定します。

具体例

例えば、午後3時30分15秒を表す時間を作成したい場合は、次のように入力します。

=TIME(15, 30, 15)

この数式を入力すると、「15:30:15」と表示されます。Excelの内部では、この時間は「0.646006944」のようなシリアル値として認識されています。このシリアル値は1日を「1」とした場合の割合を示しており、日付と時間を組み合わせた計算が可能になるのです。

入力値のルール

TIME関数は、引数に指定する値が範囲を超える場合でも自動的に調整してくれます。

  • 時が23を超える場合:24で割った余りが時間となります。例えば、TIME(25, 0, 0)はTIME(1, 0, 0)と同じ「1:00:00」を返します。
  • 分が59を超える場合:60で割った商が時間に加算され、余りが分となります。例えば、TIME(0, 65, 0)はTIME(1, 5, 0)と同じ「1:05:00」を返します。
  • 秒が59を超える場合:60で割った商が分に加算され、余りが秒となります。例えば、TIME(0, 0, 70)はTIME(0, 1, 10)と同じ「0:01:10」を返します。

これらの自動調整機能は便利ですが、意図しない結果を避けるためにも、できる限り正しい範囲の値を入力することをおすすめします。

TIME関数の利用シーン

TIME関数は、日常の業務からデータ分析まで、さまざまな場面で活躍します。具体的な利用シーンを見ていきましょう。

勤務時間の計算

従業員の出勤時刻と退勤時刻がそれぞれ別のセルに入力されている場合、TIME関数と組み合わせることで、休憩時間を差し引いた実労働時間を計算できます。

例えば、A列に出勤時間、B列に退勤時間、C列に休憩時間(時間形式)が入力されているとして、D列に実労働時間を計算するケースです。

出勤時間退勤時間休憩時間
9:0018:001:00

D2セルに次のような数式を入力します。

=(B2-A2)-C2

この結果が時間のシリアル値で返されるため、セルの書式設定を「時刻」にすることで、「8:00」のように表示されます。休憩時間が時間形式で入力されていない場合は、TIME関数で休憩時間を生成し、計算に含めることができます。

イベントスケジュールの作成

イベントの開始時刻と終了時刻を明確に表示したい場合にも、TIME関数が役立ちます。例えば、午前の部が9時30分に開始し、午後の部が13時00分に開始する場合などです。

=TIME(9, 30, 0)  ‘午前の部開始

=TIME(13, 0, 0) ‘午後の部開始

このように入力することで、正確な時間データを元にスケジュールを作成し、管理できます。

データ分析での時間区切り

特定の時間帯に発生したイベントの数を集計したい場合など、データ分析において時間を区切る際にTIME関数が活用できます。例えば、あるログデータの中から、午前9時から午後5時までの間に発生したアクセス数を数えるといった場合です。

=COUNTIFS(A:A, “>=”&TIME(9,0,0), A:A, “<=”&TIME(17,0,0))

この数式は、A列に入力された時刻データの中から、午前9時以降かつ午後5時以前のデータの数を数えます。

TIME関数の応用

TIME関数は単体で使うだけでなく、他の関数と組み合わせることで、さらに高度な時間操作が可能になります。

DATE関数との組み合わせ

日付と時間を組み合わせた「日時」データを作成したい場合は、DATE関数とTIME関数を組み合わせます。

=DATE(年, 月, 日) + TIME(時, 分, 秒)

例えば、2025年6月24日 午後6時0分0秒のタイムスタンプを作成する場合です。

=DATE(2025, 6, 24) + TIME(18, 0, 0)

これにより、「2025/6/24 18:00」のような日時データが生成され、このデータを元に経過時間の計算や特定の期間内の集計などが行えるようになります。

HOUR関数、MINUTE関数、SECOND関数との連携

既存の時刻データから時、分、秒を個別に抽出したい場合は、HOUR関数、MINUTE関数、SECOND関数を使用します。これらの関数で抽出した数値をTIME関数に渡すことで、特定の基準時間からの経過時間を計算するといった応用も可能です。

  • HOUR(時刻): 時刻から「時」を抽出します。
  • MINUTE(時刻): 時刻から「分」を抽出します。
  • SECOND(時刻): 時刻から「秒」を抽出します。

例えば、A1セルに「10:45:30」という時間が入っているとして、これらを元に別の時間を作成する場合です。

=TIME(HOUR(A1), MINUTE(A1), SECOND(A1)) ‘元の時間を再構築

TIME関数のよくあるエラーと対策

TIME関数を使用する際に遭遇しやすいエラーと、その対策について解説します。

##### エラー

これは、セルに表示しきれないほどの長い数値、または負の時間(マイナスの時間)が入力された場合に表示されるエラーです。TIME関数で直接このエラーが出ることは稀ですが、TIME関数で作成したシリアル値を元に計算を行った結果、負の時間が生じた場合に発生します。

対策
  • 計算結果が負の時間にならないように、数式を見直しましょう。特に、引き算を行う場合は、引かれる値が引く値よりも小さい場合に発生しやすいです。
  • セルの列幅を広げることで解決する場合もありますが、根本的な解決にはなりません。

#VALUE! エラー

このエラーは、TIME関数の引数に数値以外の値(文字列など)が指定された場合に発生します。

対策
  • TIME関数の引数には、必ず数値を指定するようにしてください。
  • セル参照を使っている場合は、参照先のセルに数値が入力されているかを確認しましょう。テキスト形式で入力されている数値を参照している場合は、数値に変換する必要があります。例えば、VALUE()関数を使って文字列の数字を数値に変換するといった方法があります。

正しい時間が表示されない(書式設定の問題)

TIME関数で正しくシリアル値が生成されていても、セルの書式設定が「標準」のままだと、「0.5625」のようなシリアル値が表示されてしまい、時間として認識できないことがあります。

対策
  • TIME関数を入力したセルを選択し、右クリックメニューから「セルの書式設定」を開きます。
  • 「表示形式」タブで「分類」から「時刻」を選択し、適切な表示形式を選びましょう。「h:mm」や「h:mm:ss」などが一般的です。

TIME関数で正確な時間データを作成

TIME関数は、時・分・秒から正確な時間データを作成できるExcelの基本関数です。勤務時間の計算やイベントの時刻入力、時間帯別の集計など、業務やデータ分析で広く利用されています。

引数の自動補正機能により柔軟に扱える点も特徴です。また、DATE関数やHOUR関数などと組み合わせれば、日時データの作成や時間抽出、経過時間の算出なども効率化できます。

正しい書式設定とエラー対策を理解することで、TIME関数は時間処理の基本ツールとして実務に活かせます。


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