• 作成日 : 2025年8月25日

Elegantt for Trelloがサービス終了!代替案やTrelloの活用法を解説

Trelloの拡張機能として多くのプロジェクト管理者から支持されてきた「Elegantt for Trello」ですが、現在、このサービスは利用できなくなっています。プロジェクトの進捗を視覚的に把握できるガントチャート機能は非常に便利であったため、サービス終了に戸惑い、代替手段を探している方も多いのではないでしょうか。

この記事では、Elegantt for Trelloのサービス終了の背景に触れながら、Trelloを使い続けたい方のために、同様の機能を持つ代替の拡張機能(Power-Up)を紹介します。さらに、Trelloにこだわらない場合の他のツールや、身近なExcelを活用してプロジェクト管理を行う方法についても、その利点と注意点を交えて具体的に解説します。

Elegantt for Trelloとは?

Elegantt for Trelloの概要と、なぜ現在利用できなくなったのかについて説明します。

Trelloを強化するガントチャートツール

Elegantt for Trelloは、タスク管理ツールであるTrelloの機能を拡張するための「Power-Up」と呼ばれる追加プログラムの一つでした。Trelloはカンバン方式でタスクを管理する手軽さが魅力ですが、プロジェクト全体のタイムラインやタスク同士の依存関係を把握しにくいという側面も持ち合わせています。

Eleganttは、この点を補うために開発されました。Trelloのボードに登録されたカード(タスク)情報を自動で読み取り、ガントチャート形式で表示させる機能を提供していました。

これにより、プロジェクトの開始から終了までのスケジュール、各タスクの期間、進捗状況を一目で確認できるようになり、一定のユーザーのプロジェクト管理を効率化してきました。

突然のサービス終了とその経緯

多くのユーザーに活用されていたEleganttですが、残念ながら公式サイト上でサービスの提供を終了したことが発表され、現在は利用することができません。

明確な理由は公表されていませんが、一般的にソフトウェアやサービスが終了する背景には、開発の継続が困難になった、事業戦略の見直しが行われた、といった事情が存在します。

ユーザーにとっては突然の知らせとなり、これまでEleganttに依存してプロジェクト管理を行っていたチームは、代わりの方法を見つける必要に迫られました。

プロジェクト管理の基本ツール「Trello」とは?

Eleganttを理解する上で、その土台となるTrelloについて知らない方もいるかもしれません。ここでは、Trelloがどのようなツールなのかを簡潔に解説します。

Trelloは、「ボード」「リスト」「カード」という3つの要素で構成される、シンプルで直感的なタスク管理ツールです。一つのプロジェクトを一つの「ボード」で管理し、その中に「未着手」「作業中」「完了」といった進捗段階を示す「リスト」を作成します。そして、個々のタスクを「カード」として作成し、進捗に合わせてリスト間をドラッグ&ドロップで移動させて管理します。

このカンバン方式と呼ばれる手法は、タスクの流れが視覚的に分かりやすく、チームメンバーの作業状況を共有しやすいという長所があります。個人利用から小規模なチームまで、幅広い場面で手軽に導入できる点が世界中で支持されています。

Eleganttの代替となるTrello Power-Up

Eleganttは使えなくなりましたが、Trello上でガントチャートを利用する方法がなくなったわけではありません。ここでは、Eleganttの代わりになるTrelloのPower-Upをいくつか紹介します。

Placker

Plackerは、Trelloと連携して高度なプロジェクト管理を実現するツールです。Trelloのボードを複数まとめて表示したり、ガントチャートを作成したりする機能を備えています。

タスク間の依存関係を設定したり、リソース(担当者)ごとの負荷を可視化したりすることも可能です。Eleganttが提供していた基本的なガントチャート機能に加え、より詳細な計画と追跡を求めるチームに適しています。

参考:Projects by Placker Power-Up | Trello

BigPicture

BigPictureは、もともとJiraという開発者向けのツールで人気のあったアプリですが、Trello向けのPower-Upも提供されています。

大規模で複雑なプロジェクト管理を得意としており、ガントチャートはもちろん、ロードマップ作成やリソース管理、リスク管理といった包括的な機能を持っています。複数のプロジェクトを横断して状況を把握したい場合や、エンタープライズレベルでの厳密な管理が求められる場合に力を発揮します。

Trello以外の代替ツール

Trelloの使いやすさは維持しつつも、より強力なガントチャート機能やプロジェクト管理機能を標準で備えたツールへ移行するのも一つの有効な手段です。

Asana

Asanaは、Trelloと同様に人気のあるプロジェクト管理ツールです。リスト形式やカンバンボード形式でのタスク表示に加え、標準機能として「タイムライン」という名称でガントチャートを利用できます。タスクの依存関係の設定が容易で、プロジェクトの計画変更にも柔軟に対応できるのが魅力です。

※タイムラインは無料プランでは利用できません。

参考:Asana

monday.com

monday.comは、カスタマイズ性の高さが特徴の「ワークOS(仕事のOS)」です。ガントチャートを含む多様なビュー(表示形式)を標準で備えており、プロジェクト管理だけでなく、顧客管理やマーケティングキャンペーンの管理など、さまざまな業務に適用できます。カラフルで直感的なインターフェースも、多くのチームに好まれています。

参考:monday.com の業務用プラットフォーム | 業務に特化し、ご愛用いただけるデザイン

Excelによるガントチャート作成とタスク管理

専用ツールを導入するまでもない、あるいは追加のコストをかけたくないという場合には、多くのビジネスパーソンにとって馴染み深いExcelを活用する方法も考えられます。

Excelで管理を行う利点と注意点

Excelでタスク管理やガントチャート作成を行うことには、いくつかの利点があります。まず、多くのPCに標準でインストールされているため、新たな費用が発生しません。また、セルの結合や計算式、グラフ機能を駆使することで、プロジェクトの特性に合わせた自由なフォーマットを作成できる点も大きな長所です。

一方で、注意すべき点も存在します。ダウンロード版は複数人での同時編集には向いておらず、ファイルのバージョン管理が煩雑になりがちです。また、タスクの進捗をリアルタイムで共有することが難しく、手動での更新作業が多くなるため、ヒューマンエラーが発生しやすい環境ともいえます。

Microsoft 365などクラウド版では、同時編集も可能です。

Excelでガントチャートを作成する手順

ここでは、Excelのグラフ機能の一つである「積み上げ横棒グラフ」を利用して、簡易的なガントチャートを作成する手順を説明します。

  1. タスクリストの作成
    まず、シートにプロジェクトに必要な情報を入力する表を作成します。最低限、「タスク名」「担当者」「開始日」「作業日数」の列を用意しましょう。
  2. グラフの作成
    作成した表の「タスク名」「開始日」「作業日数」の範囲を選択します。次に、「挿入」タブから「グラフ」を選択し、「横棒グラフ」の中にある「積み上げ横棒グラフ」を選びます。
  3. グラフの整形
    表示されたグラフを調整していきます。まず、グラフの縦軸(タスク名)が逆順になっているため、縦軸をダブルクリックして「軸の書式設定」を開き、「軸を反転する」にチェックを入れます。
  4. 開始日部分を非表示にする
    次に、グラフの青い部分(開始日)を非表示にして、ガントチャートの見た目に近づけます。青い棒グラフの部分を選択し、「データ系列の書式設定」から「塗りつぶし」を選び、「塗りつぶしなし」に設定します。

これで、タスクの開始時期と期間が視覚的に表現されたガントチャートが完成します。あとは、表の日付や日数を変更すれば、グラフも自動で更新されます。

チームに合ったツールでプロジェクトを成功に導く

この記事では、サービスを終了したElegantt for Trelloの代替となるプロジェクト管理の方法について解説しました。Eleganttが担っていたTrello上でのガントチャート表示は、PlackerやBigPictureといった他のPower-Upを導入することで引き続き実現可能です。

また、その他の多機能なプロジェクト管理ツールへ移行することや、手軽に始められるExcelでの管理も有効な選択肢となります。

プロジェクト管理で最も大切なのは、使用するツールそのものではなく、チームの規模やプロジェクトの特性、メンバーのスキルに合った方法を選択し、円滑な情報共有と進捗管理を実現することです。今回紹介した情報が、あなたのチームに最適な管理方法を見つける一助となれば幸いです。

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